JP2019127657A - 衣料用編物および衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性だけでなく、吸水性、通気性にも優れ、さらにはべとつき感の少ない衣料用編物および衣料を提供する。【解決手段】衣料用編物であって、肌面側に凹凸を有し、平衡水分率1〜6%、単繊維繊度2.5dtex以下、融点400℃以上の難燃繊維を含み、総繊度が140dtex未満の紡績糸Aが肌面側に配されている。【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性だけでなく、吸水性、通気性にも優れ、さらにはべとつき感の少ない衣料用編物および衣料に関する。
従来、防火服や高暑熱作業用ワークウエアーなどに用いられる布帛として、種々の難燃性布帛が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
しかしながら、難燃性だけでなく、暑熱に対応できる吸汗性(吸水性)や低べとつき性などの快適性をも有する布帛はこれまであまり提案されていない。
特開2002−339122号公報 特開2005−213709号公報 特開2009−280942号公報 特開2011−106070号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、難燃性だけでなく、吸水性、通気性にも優れ、さらにはべとつき感の少ない衣料用編物および衣料を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、布帛を構成する繊維と布帛構造を巧みに工夫することにより難燃性だけでなく吸水性や通気性にも優れ、さらにはべとつき感の少ない衣料用編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「衣料用編物であって、肌面側に凹凸を有し、平衡水分率1〜6%、単繊維繊度2.5dtex以下、融点400℃以上の難燃繊維を含み、総繊度が140dtex未満の紡績糸Aが肌面側に配されてなることを特徴とする衣料用編物。」が提供される。
その際、セルロース系難燃繊維を含む紡績糸Bが編物の外面側に配されていることが好ましい。また、紡績糸Aにより、肌面と外面とが接続されていることが好ましい。また、編物組織が以下の(1)、(2)のうちいずれかであることが好ましい。
(1)緯編の両面編組織。
(2)経編の2bar以上のシングルトリコットまたはシングルラッシェルで、一方の面が凹凸構造を有し、他方の面が平坦である組織。
本発明の衣料用編物において、JIS L1091 E−2法によるLOIが26以上であることが好ましい。また、JIS L1096による目付けが180g/m以下であることが好ましい。また、JIS L1096のフラジール法による通気度が200cm/cm・sec以上であることが好ましい。また、肌面において、JIS L1907滴下法で吸水速度が3秒以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の衣料用編物を用いてなる衣料が提供される。かかる衣料としては肌着が好ましい。
本発明によれば、難燃性だけでなく、吸水性、通気性にも優れ、さらにはべとつき感の少ない衣料用編物および衣料が得られる。
本発明において、厚さT、凹凸の高さHを説明する図である。 実施例1で用いた編組織図である。 実施例2で用いた編組織図である。 比較例2で用いた編組織図である。 実施例3で用いた編組織図である。 比較例4で用いた編組織図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の衣料用編物は、肌面側に凹凸を有する。かかる凹凸としては、面積0.4mm以上かつ深さ0.2mm以上の凹部を有することが好ましい。肌面側に凹凸を有することにより、肌との接触面積を小さくし、べとつき感を低減することが可能となる。
本発明の衣料用編物において、平衡水分率1〜6%(好ましくは(3〜5%)、単繊維繊度2.5dtex以下(好ましくは0.1〜1.9dtex)、融点400℃以上の難燃繊維を含む紡績糸Aが肌面側に配されている。
ここで、前記平衡水分率が1%より小さいと、編物の吸水性が低下するおそれがある。逆に、前記平衡水分率が6%より大きいと、編物自体が吸水し、べとつくおそれがある。また、前記単繊維繊度が2.5dtexより大きいと編物の吸水性が低下するおそれがある。
かかる条件を満足する繊維としてはメタ型全芳香族ポリアミド繊維が例示される。メタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であってもよい。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001〜0.1重量%)であることが好ましい。
かかるメタ型全芳香族ポリアミド繊維として、優れた耐光堅牢度を得る上で国際公開公報第2013/061901号パンフレットに記載されているような原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。
すなわち、本発明に用いられる顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、アンスラキノン系等の有機顔料、あるいは、カーボンブラック、群青、ベンガラ、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、メタ型全芳香族ポリアミドと顔料との混合方法は、アミド系溶媒中に顔料を均一分散したアミド系溶媒スラリーを作成し、当該アミド系溶媒スラリーをメタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法、あるいは顔料粉末を直接、メタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
顔料配合量としては、メタ型全芳香族ポリアミドに対して10.0質量%以下、好ましくは5.0質量%以下である。10.0質量%より多く添加した場合には、得られる繊維の物性が低下し好ましくない。
前記のようなメタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いても良い。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。その際、前記のような難燃剤を含ませることが好ましい。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液または原着メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。
前記紡績糸Aには、さらにパラ型全芳香族ポリアミド繊維が含まれていると、強度などが向上し好ましい。
その際、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、パラフェニレンテレフタラミド繊維またはコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維がより好ましい。
前記紡績糸Aには、さらに導電性繊維など他の合成繊維が含まれていてもよい。その際、導電性繊維としては、導電性繊維の導電部の導電体として、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性ウィスカー、およびカーボンナノチューブの少なくとも一つを含む繊維が好ましい。
導電性繊維の形態は、繊維全体が導電部からなる構造でもよいし、非導電部と導電部が芯鞘、サンドイッチ、偏芯などの断面形状を有していてもよい。導電部、非導電部を形成する樹脂は、繊維形成性を有していれば、特段限定されるものではない。具体的には、ナイロン樹脂では、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロンなどが挙げられる。また、ポリエステル樹脂では、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートおよびこれらの共重合体や酸成分(テレフタル酸)の一部をイソフタル酸で置き換えたものなどが挙げられる。
市販されている導電性繊維としては、帝人社製「メタリアン」(商品名)、ユニチカファイバー製「メガーナ」(商品名)、東レ社製「ルアナ」(商品名)、クラレ社製「クラカーボ」(商品名)などが例示される。特に、導電性成分が鞘部に配された芯鞘型複合繊維が好ましい。かかる芯鞘型複合繊維としては、ソルシア社製「NO SHOCK(登録商標)」が好ましい。
前記紡績糸Aにおいて、総繊度としては140dtex未満(より好ましくは60〜100dtex)であることが肝要である。前記紡績糸Aの総繊度が140dtex以上の場合、ソフトな触感が得られないおそれがある。
本発明の衣料用編物において、セルロース系難燃繊維を含む紡績糸Bが編物の外面側に配されていることが好ましい。
セルロース系難燃繊維は難燃レーヨンに代表され、難燃性だけでなく吸水性にも優れるため、セルロース系難燃繊維を含む紡績糸Bが編物の外面側に配されていると編物の吸水性が向上する。
前記紡績糸Bにおいて、セルロース系難燃繊維が紡績糸重量に対して20重量%以上(より好ましくは20〜50重量%)含まれることが好ましい。
また、前記紡績糸Bにおいて、前記のメタ型全芳香族アラミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、さらには導電性繊維など他の合成繊維が含まれていてもよい。
前記紡績糸Bにおいて、総繊度としては140dtex以上(より好ましくは60〜100dtex)であることが好ましい。前記紡績糸Aの総繊度が140dtex未満の場合、吸水量が確保できないおそれがある。
本発明の衣料用編物の製造方法としては、前記紡績糸Aと必要に応じて紡績糸Bとを用いて、緯編の両面編組織や経編の2bar以上のシングルトリコットまたはシングルラッシェル組織で一般的に適したゲージで編成する方法が好ましい。
その際、肌面の凹凸は網目状、ワッフル状(角目状)、畔状などを選ぶことができる。外面は丸編みであれば平編、ゴム編、パール編、タック編、たて編組織としては、デンビー編、サテン編、アトラス編、等などが例示される。
次いで、編物に染色加工を施すことが好ましい。その際、着色手段としては公知の手段が可能である。すなわち全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)は原着であってもよいし、キャリア剤を用いて染色してもよい。
かくして得られた衣料用編物において、難燃性の点で、JIS L1091 E−2法によるLOIが26以上(より好ましくは26〜35)であることが好ましい。
また、軽量性の点で、JIS L1096による目付けが180g/m以下(より好ましくは100〜180g/m)であることが好ましい。
また、通気性の点で、JIS L1096のフラジール法による通気度が200cm/cm・sec以上(より好ましくは200〜400cm/cm・sec)であることが好ましい。
また、吸水性の点で、肌面において、JIS L1907滴下法で吸水速度が3秒以下(より好ましくは1秒以下)であることが好ましい。
本発明の衣料用編物は、前記の構成を有するので、難燃性だけでなく、吸水性、通気性にも優れ、さらにはべとつき感も少なく、快適性に優れる。
次に、本発明の衣料は前記の編物を用いてなる衣料である。具体的には、肌着、消防服、防火服、執務服、モータースポーツ用レーシングスーツ、作業服、手袋、帽子、ベストなどが例示される。特に肌着が好ましい。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)LOI
JIS L1091 E−2法により測定した。
(2)目付け
JIS L 1096 A法により測定した。
(3)通気度
JIS L1096−1990通気性A法(フラジール法)で測定した。
(4)吸水速度
JIS L1907滴下法で測定した。
(5)平衡水分率
繊維を温度:110℃の雰囲気中で絶乾した後、温度:20℃、かつ、相対湿度:65RH%の雰囲気中において72時間調整し、該繊維中に含まれる水分率を求めて絶乾状態の該繊維重量に対する割合を算出し、これを百分率(%)で表わした。
(6)べとつき性
特開平9−195172号の図1に示すように、表面を研磨した直経8cmの金属ローラ1に、長さ15cm、幅6cmの測定しようとする布帛(試料)2を載せ、一端をストレス・ストレイン・ゲージ(Uゲージ)3に取り付け、下端には、布帛2を緊張させるために10gのクリップ4を取り付けた。次に、金属ローラ1をUゲージ3と反対の方向に7cm/secの表面速度で回転させながら、注射器で金属ローラ1と布帛2の間に正確に1ccの水を静かに注入した。この際、布帛2にかかる張力をUゲージ3を介して測定し、記録計5で記録して、その最大値をもってべとつき性と定義した。
[用いた繊維原綿]
「メタ型全芳香族ポリアミド繊維原着単繊維」(メタアラミド)帝人株式会社社製、「コーネックス」(登録商標)、平均単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mm、平衡水分率4%
「パラ型全芳香族ポリアミド短繊維」(パラアラミド)帝人株式会社製、「テクノーラ」(登録商標)、平均単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mm
「難燃レーヨン」レンチング社製、「LenzingFR」(登録商標)、平均単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm
「ポリプロピレン長繊維」 総繊度112dtex/60fil
[実施例1]
表1に示す通り、釜径33インチ、28Gダブル丸編機を使用して、ダイアル側にコーネックス(登録商標)英式綿番手60番単糸、シリンダー側にコーネックス(登録商標)65%、テクノーラ(登録商標)5%、難燃レーヨン35%を混紡した英式綿番手40番単糸を用い、図2に示す網状1組織(肌面側に凹凸を有する。)で製編ののち、常法により、毛焼、精練、セットを行い、表1に示すコース、ウエル密度のニットを得た。得られたニットのLOI、目付け、通気度、吸水速度は表1に示す通り、ダイアル側を肌面としてべとつき性を評価したところ布帛にかかる張力は低くべとつきにくい布帛であった。
[実施例2]
表1に示す通り、釜径33インチ、28Gダブル丸編機を使用して、ダイアル側にコーネックス(登録商標)英式綿番手60番単糸、シリンダー側にコーネックス(登録商標)65%、テクノーラ(登録商標)5%、難燃レーヨン35%を混紡した英式綿番手40番単糸を用い、図3に示すワッフル組織(肌面側に凹凸を有する。)で製編したのち、常法により、毛焼、精練、セットを行い、表1に示すコース、ウエル密度のニットを得た。得られたニットのLOI、目付け、通気度、吸水速度は表1に示す通り、ダイアル側を肌面としてべとつき性を評価したところ布帛にかかる張力は低くべとつきにくい布帛であった。
[比較例1]
表1に示す通り、釜径33インチ、22Gダブル丸編機を使用して、ダイアル側にコーネックス(登録商標)英式綿番手40番単糸、シリンダー側にコーネックス(登録商標)65%、テクノーラ(登録商標)5%、難燃レーヨン35%を混紡した英式綿番手40番単糸を用い、実施例1と同じ網状1組織で製編したのち、常法により、毛焼、精練、セットを行い、表1に示すコース、ウエル密度のニットを得た。表1に示す通り、ダイアル側を肌面としてべとつき性を評価したところ布帛にかかる張力が高く、べとつきやすい布帛であった。
[比較例2]
表1に示す通り、釜径33インチ、28Gダブル丸編機を使用して、ダイアル側にコーネックス(登録商標)英式綿番手60番単糸、シリンダー側にコーネックス(登録商標)65%、テクノーラ(登録商標)5%、難燃レーヨン35%を混紡した英式綿番手40番単糸を用い、図4に示すスムース組織(両面とも凹凸なし。)で製編したのち、常法により、毛焼、精練、セットを行い、表1に示すコース、ウエル密度のニットを得た。表1に示す通り、ダイアル側を肌面としてべとつき性を評価したところ布帛にかかる張力が高く、べとつきやすい布帛であった。
[比較例3]
表1に示す通り、釜径33インチ、28Gダブル丸編機を使用して、ダイアル側にポリプロピレン長繊維100%、シリンダー側にコーネックス(登録商標)65%、テクノーラ(登録商標)5%、難燃レーヨン35%を混紡した英式綿番手40番単糸を用い、実施例1と同じ網状1組織で製編ののち、常法により、毛焼、精練、セットを行い、表1に示すコース、ウエル密度のニットを得た。得られたニットのLOIは不十分であり、吸水速度も劣るものであった。
[実施例3]
表1に示す通り、22G2barの経編機を使用してL1にコーネックス(登録商標)英式綿番手60番単糸、L2にコーネックス(登録商標)65%、テクノーラ(登録商標)5%、難燃レーヨン35%を混紡した英式綿番手40番単糸を用い、図5に示す網状2組織(肌面側に凹凸を有する。)で製編したのち、常法により、毛焼、精練、セットを行い、表1に示すコース、ウエル密度のニットを得た。得られたニットのLOI、目付け、通気度、吸水速度は表1に示す通り、L1側すなわちニードル面を肌面としてべとつき性を評価したところ布帛にかかる張力は低くべとつきにくい布帛であった。
[比較例4]
表1に示す通り、22G2barの経編機を使用してL1にコーネックス(登録商標)英式綿番手60番単糸、L2にコーネックス(登録商標)65%、テクノーラ(登録商標)5%、難燃レーヨン35%を混紡した英式綿番手40番単糸を用い、図6に示すサテン組織(両面とも凹凸なし。)で製編したのち、常法により、毛焼、精練、セットを行い、表1に示すコース、ウエル密度のニットを得た。得られたニットの通気度は表1に示す通り、L2側すなわちシンカー面を肌面としてべとつき性を評価したところ布帛にかかる張力が高く、べとつきやすい布帛であった。
Figure 2019127657
本発明によれば、難燃性だけでなく、吸水性、通気性にも優れ、さらにはべとつき感の少ない衣料用編物および衣料が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (10)

  1. 衣料用編物であって、肌面側に凹凸を有し、平衡水分率1〜6%、単繊維繊度2.5dtex以下、融点400℃以上の難燃繊維を含み、総繊度が140dtex未満の紡績糸Aが肌面側に配されてなることを特徴とする衣料用編物。
  2. セルロース系難燃繊維を含む紡績糸Bが編物の外面側に配されてなる、請求項1に記載の衣料用編物。
  3. 紡績糸Aにより、肌面と外面とが接続されている、請求項1または請求項2に記載の衣料用編物。
  4. 編物組織が以下の(1)、(2)のうちいずれかである、請求項1〜3のいずれかに記載の衣料用編物。
    (1)緯編の両面編組織。
    (2)経編の2bar以上のシングルトリコットまたはシングルラッシェルで、一方の面が凹凸構造を有し、他方の面が平坦である組織。
  5. JIS L1091 E−2法によるLOIが26以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用編物。
  6. JIS L1096による目付けが180g/m以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の衣料用編物。
  7. JIS L1096のフラジール法による通気度が200cm/cm・sec以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の衣料用編物。
  8. 肌面において、JIS L1907滴下法で吸水速度が3秒以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の衣料用編物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の衣料用編物を用いてなる衣料。
  10. 衣料が肌着である、請求項9に記載の衣料。
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