JP2022003177A - 染色布帛および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、耐炎性、外観品位に優れ、さらには堅牢性および伸縮性にも優れた布帛および繊維製品を提供する。【解決手段】メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とポリエステル系伸縮性繊維とを用いて布帛を得た後、カチオン染料および分散染料で染色した染色布帛であって、好ましくは、ポリエステル系伸縮性繊維が、2成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合され、かつ少なくとも1成分がポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維である染色布帛。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、耐炎性、外観品位に優れ、さらには堅牢性および伸縮性にも優れた布帛および繊維製品に関するものである。
全芳香族ポリアミド繊維は、高い機械強度、耐熱性、および難燃性を有し、特に、消防士、宇宙飛行士、およびパイロットのための服のデザインにおいて、火災、または高温と接触する事を意図した織物用繊維として広く使用されている。また、近年は服の意匠性のニーズが高まり、染色性の高い布帛が求められている。
一方、メタ型・パラ型全芳香族ポリアミド繊維は、結晶性が高く分子間結合力が強固な分子構造を有しており、そのため難染性を示し、たとえば染色できても洗濯などですぐに染料が脱落してしまうなど、従来の染色技術では着色することが難しいという問題があった。
例えば、特許文献1には、カチオン系染料によってパラ型全芳香族ポリアミド繊維を染色する際に、繊維膨潤剤(キャリア)を用いる方法が開示されている。また、特許文献2には、カチオン系染料で染色した後、スレン系染料によって染色する方法が開示されている。
しかしながら、上記従来の染色布帛では、外観品位、堅牢性、伸縮性などの点でまだ十分とは言えなかった。
米国特許第3674420号公報 特開2013−209776号公報
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、耐熱性、耐炎性、外観品位に優れ、さらには堅牢性および伸縮性にも優れた布帛および繊維製品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、布帛を構成する繊維や染色方法などを巧みに工夫することにより、耐熱性、耐炎性、外観品位に優れ、さらには堅牢性および伸縮性にも優れた布帛および繊維製品が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とポリエステル系伸縮性繊維とを含み、カチオン染料および分散染料で染色されてなることを特徴とする染色布帛。」が提供される。
その際、前記ポリエステル系伸縮性繊維が、2成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合され、かつ少なくとも1成分がポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維であることが好ましい。また、前記ポリエステル系伸縮性繊維が分散染料でリング染色されていることが好ましい。また、前記ポリエステル系伸縮性繊維に残留する分散染料が0.001〜1.0%owfであることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維に残留するカチオン染料が0.01〜16.0%owfであることが好ましい。また、布帛に導電糸が含まれ、メタ型全芳香族ポリアミド繊維:パラ型全芳香族ポリアミド繊維:ポリエステル系伸縮性繊維:導電糸の重量比率が、60〜80:1〜10:5〜30:1〜4であることが好ましい。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル系伸縮性繊維、および導電糸が複合糸として布帛に含まれることが好ましい。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、およびポリエステル系伸縮性繊維が同色に染色されてなることが好ましい。また、JIS L 1091 A−4法(1992)により測定した燃焼性が残炎で1秒以下であることが好ましい。また、JIS L 1096 B法により測定した伸び率が8〜20%であることが好ましい。また、AATCC79に規定される洗濯前の吸水性能が2秒以下、ISO6330:2012(6N−F)で規定される洗濯10回後において、AATCC79で規定される吸水性能が10秒以下であることが好ましい。また、布帛のL値が75以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の染色布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、耐熱性、耐炎性、外観品位に優れ、さらには堅牢性および伸縮性にも優れた布帛および繊維製品が得られる。
本発明の染色布帛は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とポリエステル系伸縮性繊維とを含み、カチオン染料および分散染料で染色されてなる布帛である。
まず、メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、主骨格を構成する芳香環がアミド結合によりメタに結合されてなるものであり、ポリマーの全繰返し単位の85モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位であるものを対象とする。特にポリメタフェニレンイソフタルアミドホモポリマーが好ましい。全繰返し単位の15モル%以下(好ましくは5モル%以下)で共重合し得る第3成分は、ジアミン成分として、例えば、パラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラキシリレンジアミン、ビフェニレンジアミン、3,3’−ジクロルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。また、また酸成分として、例えば、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸があげられる。また、これらの芳香族ジアミンおよび芳香族ジカルボン酸は、その芳香環の水素原子の一部がハロゲン原子やメチル基等のアルキル基によって置換されていてもよい。ポリマーの全末端の20%以上が、アニリン等の一価のジアミンまたは一価のカルボン酸成分で封鎖されている場合には、高温下に長時間保持した際の繊維の強力低下が小さくなるので好ましい。なお、そのようなメタ型全芳香族ポリアミド繊維として、市販品では、コーネックス(商品名)、ノーメックス(商品名)などがあげられ、易染性メタ型全芳香族ポリアミド繊維としてはコーネックスネオ(商品名)があげられる。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度は、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲にあるものが好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩は、例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が挙げられる。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、またはドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法は、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解した後、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩をその溶媒に溶解する方法などが用いられる。このようにして得られたドープは、公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させるなどの目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10モル%となるように共重合させてもよい。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
なお、第3成分として下記の式(2)、(3)、(4)、(5)で示される芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸ジクロライドを共重合させることが可能である。
式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼンなどが挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子または官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、少量の染料や染色条件が弱いなどの条件でも狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点、および、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点から、1.0質量%以下(さらに好ましくは0.3質量%以下)が好ましい。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法は、例えば、特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸液は、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒を用いてもよいし、上記重合溶液から前記ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものなどを用いてもよい。
重合に用いられるアミド系溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができる。その中でも特にN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことで安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩はポリマー溶液の全質量に対して1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
紡糸・凝固工程は、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置は特に限定されるものではなく、公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状などは特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。なお、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を紡糸口金から紡出する際の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴は、実質的に無機塩を含まないアミド系溶媒でおこなう。特に、NMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いることが好ましい。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となり、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となるおそれがある。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固をおこなえないため、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
延伸は、アミド系溶媒でおこなう。特に、NMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率でおこなうことが好ましい。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄をおこなう。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
前述した方法により、結晶化度や残存溶媒量を好ましい範囲とすることができる。
なお、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。他の繊維と混紡する場合、繊維長が25〜200mmの短繊維が好ましく、単繊維繊度が1〜5dtexの範囲であるとより好ましい。
次に、パラ型全芳香族ポリアミド繊維は、パラフェニレンテレフタラミド繊維またはコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維がより好ましい。具体的には、例えば、テクノーラ(商品名)、ケブラー(商品名)、トワロン(商品名)などがあげられる。
また、ポリエステル系伸縮性繊維としては、ポリトリメチレンテレフタレートからなる1成分で構成される繊維、2成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合された複合繊維が好ましい。具体的にかかる2成分としては、ポリトリメチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートなどが例示される。
ここで、ポリトリメチレンテレフタレートとは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位が50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上のものをいう。従って第3成分としての他の酸成分および/またはグリコール成分の合計量が50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを含有する。
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはその機能的誘導体とトリメチレングリコールまたはその機能的誘導体とを、触媒の存在下で適当な反応条件下で縮合させることにより製造される。
また、これらの繊維は、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、酸化チタン、着色剤、不活性微粒子などの添加剤を含有してもよい。
本発明の染色布帛において、メタ型全芳香族ポリアミド繊維:パラ型全芳香族ポリアミド繊維:ポリエステル系伸縮性繊維の重量比率が、60〜90:1〜15:5〜30(より好ましくは60〜80:2〜10:5〜20、さらに好ましくは:70〜80:5〜10:10〜15)であることが好ましい。
また、染色布帛に導電性繊維が含まれていると、静電気を防ぐため好ましい。その際、メタ型全芳香族ポリアミド繊維:パラ型全芳香族ポリアミド繊維:ポリエステル系伸縮性繊維:導電性繊維の重量比率が60〜80:1〜10:5〜20:1〜4(より好ましくは70〜80:2〜10:5〜20:1〜5、さらに好ましくは75〜80:3〜8:10〜20:1〜4)であることが好ましいであることが好ましい。
前記導電性繊維としては、導電部の導電体として、例えば、カーボンブラック、金属粒子(銀粒子、銅粒子、アルミ粒子等)や、金属酸化物(酸化チタン、酸化第2錫、酸化亜鉛、酸化インジウム等を主体とする粒子)や、導電性酸化物をコーティングした粒子等を含有した導電性粒子含有ポリマーなどの少なくとも一つを含むことが好ましい。
導電性繊維の形態は、繊維全体が導電部からなる構造でもよいし、非導電部と導電部が芯鞘、サンドイッチ、偏芯などの断面形状を有していてもよい。導電部、非導電部を形成する樹脂は、繊維形成性を有していれば、特段限定されるものではない。具体的には、ナイロン樹脂では、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロンなどが挙げられる。また、ポリエステル樹脂では、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートおよびこれらの共重合体や酸成分(テレフタル酸)の一部をイソフタル酸で置き換えたものなどがあげられる。アクリル樹脂でもよい。
市販されている導電性繊維としては、帝人社製「メタリアン」(商品名)、ユニチカファイバー製「メガーナ」(商品名)、東レ社製「ルアナ」(商品名)、クラレ社製「クラカーボ」(商品名)などが例示される。特に、導電性成分が鞘部に配された芯鞘型複合繊維が好ましい。かかる芯鞘型複合繊維としては、ソルシア社製「NO SHOCK」(商品名)が好ましい。
ここで、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル系伸縮性繊維、および必要に応じて導電糸が複合糸として布帛に含まれることが好ましい。例えば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維と必要に応じて導電糸とを用いて紡績糸を得た後、該紡績糸とポリエステル系伸縮性繊維とで合撚糸を得るか、ポリエステル系伸縮性繊維に紡績糸をカバリングしてカバリング糸を得ることが好ましい。
本発明の染色布帛は、織物、編物、不織布等いずれの形状であっても良く、前述した繊維を用いて公知の方法によって布帛の形状とされればよい。なお、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル系伸縮性繊維、および導電糸、さらに他の繊維を、混紡、交撚、混繊、交織、交編等で用いてもよい。上記の他の繊維としては、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ポリアクリロニトリル繊維、羊毛、絹等などを挙げることができる。
本発明の染色布帛は、布帛に成形された後に少なくともカチオン染料および分散染料によって染色される。複数の繊維種を用いた場合、必要に応じて繊維種に適した染色方法を用いてよい。染料は、例えば、カチオン染料、分散染料のほかスレン染料等を挙げられる。
カチオン染料は、水に可溶性で、塩基性を示す基を有する水溶性染料をいい、アクリル繊維、天然繊維あるいはカチオン可染型ポリエステル繊維などの染色に多く用いられているものである。カチオン染料としては適宜選択することができるが、例えば、ジアクリルメタン系およびトリアクリルメタン系、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジン)系、キサンテン系、メチン系(ポリメチン、アザメチン)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ)、アントラキノン系が挙げられる。なお、塩基性基を封鎖することにより分散型にしたカチオン染料を用いてもよい。そのような染料として、アゾ系が望ましく、例えば、アゾ系としてC.I.Basic Blue54、C.I.Basic Blue3、C.I.Basic Red29、C.I.Basic Yellow67などがあげられる。
分散染料は、水に難溶性で、水中に分散した系から疎水性繊維の染色に用いられる染料をいい、ポリエステル繊維やアセテート繊維などの染色に多く用いられるものである。分散染料としては適宜選択することができるが、例えば、ベンゼンアゾ系(モノアゾ、ジスアゾなど)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、キノリンアゾ、ピリゾンアゾ、イミダゾールアゾ、チオフェンアゾなど)、アントラキノン系、縮合系(キノフタリン、スチリル、クマリンなど)などがあげられる。
スレン染料は、水不溶性の染料で、還元作用によってアルカリ性溶液に溶解し、空気によって酸化し、もとの不溶性となって染着する染料である。スレン染料としては適宜選択することができるが、例えばインジゴ系とアントラキノン系などがあげられる。
また、キャリア剤を用いてもよく、かかるキャリア剤として、例えば、DL−β−エチルフェネチルアルコール、2−エトキシベンジルアルコール、3−クロロベンジルアルコール、2,5−ジメチルベンジルアルコール、2−ニトロベンジルアルコール、p−イソプロピルベンジルアルコール、2−メチルフェネチルアルコール、3−メチルフェネチルアルコール、4−メチルフェネチルアルコール、2−メトキシベンジルアルコール、3−ヨードベンジルアルコール、ケイ皮アルコール、p−アニシルアルコール、ベンズヒドロール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、およびN−メチルホルムアニリドの群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維と、パラ型全芳香族ポリアミド繊維と、ポリエステル系伸縮性繊維を含む布帛を染色する場合、まず全芳香族ポリアミド繊維用染色液であるカチオン染料によりメタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維を染色する充分な温度に昇温して染色を行い、次いでポリエステル繊維用染色液である分散染料を用いてサーモゾル染色などの連続式染色をおこなうことが好ましい。なお、カチオン染料は115〜125℃で染色することが好ましい。
サーモゾル染色は、特に、パッダー、乾燥機、およびサーモゾル機を有する連続装置のサーモゾル染色機を使用した染色が好ましい。その場合、染色工程は、カチオン染色後の布帛を分散染料液に含浸した後、マングルで50〜70質量%の絞り率で絞り、その後、90〜150℃で50〜70秒間(好ましくは120〜140℃)で乾熱し、160〜240℃、2〜4分間(好ましくは180〜220℃、2.5〜3.5分間)乾燥処理し、オープンソーパーを使用して、還元洗浄、ソーピング、および湯洗を行った後、ファイナルセットすることが好ましい。
上記した範囲で染色することにより、全芳香族ポリアミド繊維の堅牢性を低下させることなく、さらに、ポリエステル系伸縮性繊維がリング染色(リングダイとも称され、単繊維断面において中心部よりも外周部の方が濃色に、芯鞘型に染色される。)されることで、前述した全芳香族ポリアミド繊維との同色性を達成することができる。そのため、全芳香族ポリアミド繊維とポリエステル繊維の異なる繊維を用いた布帛であっても品位のよい染色布帛を得ることができる。なお、繊維の同色性は、得られた布帛を顕微鏡で拡大し、繊維の染色度合いを目視や色見本等を用いて判断してよい。
染色時の分散染料の濃度は、2.0%owf以下(より好ましくは0.01〜1.0%owf、さらに好ましくは0.01〜0.5%owf)であることが好ましい。
染色時のカチオン染料の濃度は、20%owf以下(より好ましくは0.01〜15%owf、さらに好ましくは0.1〜10%owf)であることが好ましい。
布帛は、撥水剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤等の機能を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。例えば、吸汗加工剤は、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートの誘導体、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体、水溶性ポリウレタンなどが用いられることが好ましい。特に、ポリエチレングリコール−アミノシリコーン共重合体は、全芳香族ポリアミド繊維との親和性がよく洗濯耐久性のある吸汗性が得られやすいため好ましい。また、前記吸汗加工剤の粒子径は小さいほど全芳香族ポリアミド繊維に固着しやすいため好ましく、25〜200nmの範囲であることが好ましい。吸汗加工剤の付与方法は、染色時に同浴処理によって付与しても、パディング処理によって付与してもよい。
上記した染色布帛によって、耐熱性、耐炎性に優れ、かつ、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とポリエステル系伸縮性繊維との同色性により外観品位に優れ、さらに、堅牢性および伸縮性にも優れる染色布帛を得ることができる。
かかる染色布帛において、ポリエステル系伸縮性繊維に残留する分散染料が、0.01〜1.0%owfであることが好ましく(より好ましくは0.01〜0.1%owf)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維に残留するカチオン染料が0.01〜16.0%owfであることが好ましい(より好ましくは0.01〜10%owf)。
また、JIS L 1091 A−4法(1992)により測定した燃焼性が残炎で1秒以下であることが好ましい。また、JIS L 1096 B法(2010)により測定した伸び率が8〜20%であることが好ましい。また、AATCC79に規定される洗濯前の吸水性能が2秒以下、ISO6330:2012(6N−F)で規定される洗濯10回後において、AATCC79で規定される吸水性能が10秒以下であることが好ましい。また、布帛のL値が75以下(より好ましくは35以下)であることが好ましい。また、JIS L 0849 II型法による乾・湿摩擦ともに4級以上であることが好ましい。
本発明の繊維製品は、前述した染色布帛を用いてなる防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服である。かかる繊維製品は、前述した染色布帛を用いているため、耐熱性、難燃性、耐炎性、強度に優れ、さらに、同色性に優れ、染色堅牢性よく染色されており伸縮性にも優れているので、全芳香族ポリアミド繊維の特性とポリエステル系伸縮性繊維の特性を兼ね備えた審美性ある布帛として、消防士、飛行士、レースドライバー、電力会社もしくは化学会社の作業者など、火炎などに曝される可能性のある作業に従事する人々が着用するのに適している。
次に本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)難燃性
JIS1091:1999のE−2に規定される限界酸素指数(LOI)を測定した。
(2)堅牢性
JIS L 0849 II形に規定される摩擦堅牢度の乾燥、湿潤時の摩擦を測定した。
(3)燃焼性
JIS L 1091 A−4法(1992)に規定される残炎時間、残じん時間を測定した。
(4)結晶化度
X線回折測定装置(リガク社製 RINT TTRIII)を用い、原繊維を約1mm径の繊維束に引きそろえて繊維試料台に装着して回折プロファイルを測定した。測定条件は、Cu−Kα線源(50kV、300mA)、走査角度範囲10〜35°、連続測定0.1°幅計測、1°/分走査でおこなった。実測した回折プロファイルから空気散乱、非干渉性散乱を直線近似で補正して全散乱プロファイルを得た。次に、全散乱プロファイルから非晶質散乱プロファイルを差し引いて結晶散乱プロファイルを得た。結晶化度は、結晶散乱プロファイルの面積強度(結晶散乱強度)と全散乱プロファイルの面積強度(全散乱強度)から、次式により求めた。
結晶化度(%)=[結晶散乱強度/全散乱強度]×100
(5)吸水性
AATCC79に規定される洗濯前の吸水性能(以下、初期吸水性能と称す)と、ISO6330:2012(6N−F)で規定される洗濯10回後において、AATCC79で規定される吸水性能(以下、10回洗濯後吸水性能と称す)を測定した。なお、10回洗濯後吸水性能は60秒を上限とした。
(6)濃色性(L値)
マクベス分光光度計Color−Eye3100にてL値を測色した。
(7)残留染料
・ポリエステル系伸縮性繊維に残留する分散染料
マクベス分光光度計Color−Eye3100を用いて初期の染色液を測色(L値)し、染色後の染色液(残液)を再測色(L値)し、その差分から残留する染料(%/owf)を測定した。
[実施例1]
紡績糸として、紡績工程において、単繊維繊度1.7dtex、カット長(繊維長)51mm、LOIが26であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックスネオ」(商品名))からなる短繊維と、単繊維繊度1.7dtex、カット長(繊維長)51mm、JIS1091:1999のE−2に規定される限界酸素指数が25であるポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA)繊維(帝人株式会社製「トワロン」(商品名))と、単繊維繊度3.3dtex、カット長(繊維長)38mmである導電性繊維(三菱ケミカル社製「コアブリットET10」(商品名))からなる短繊維をこの順に93:5:2の重量割合で混紡し、撚数24T/2.54cm(撚係数=3.4)、英式綿番手で40番単糸を得た。前記紡績糸2本とポリエステル系伸縮性繊維(帝人(株)製ソロテックス(商品名)、ポリトリメチレンテレフタレート成分とポリエチレンテレフタレート成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維)総繊度84dtex/36本からなる長繊維3本を合糸し、ダブルツイスタ―にて上撚数20.9T/2.54cmにて交撚した後、真空スチームセット機にてセット温度70℃、セット時間20分の条件で撚り止めセットし、難燃合撚糸を得た。
次いで、前記難燃合撚糸を織物密度が経48本/2.54cm、緯50本/2.54cmで織物組織が1/1平織にて織り成した。
織り成した織物を常法の毛焼、精練、セット(温度160℃×時間30秒)を行った後、カチオン染料(BASF製:Basacry Red GL)16%owf、キャリア剤10g/l、酢酸3g/l、硝酸ナトリウム20g/l、分散剤(明成化学性:ディスパーVG)1g/lを含んだ全芳香族ポリアミド繊維染色液(浴比1:20)で常温から昇温して、温度130℃で60分間染色した。
上記の染色後、パッダー、乾燥機、およびサーモゾル機を有する連続装置のサーモゾル染色機を使用し染色を行う。染色は、カチオン染色後の布帛を分散染料(住化ケムテックス製:Sumikaron Red S−3BFL)0.2%owf、アルギン酸ソーダ(マイグレーション防止剤)3g/l、分散剤(明成化学性:ディスパーVG)1g/lを含んだポリエステル系伸縮性繊維用染色液に含浸した後、マングルで60質量%の絞り率で絞り、その後、130℃で60秒間乾燥し、230℃で3分間の乾熱処理をした。続いて、オープンソーパーを使用して、還元洗浄、ソーピング、および湯洗を行った後、ファイナルセット(160℃で30秒間)乾燥し、染色布帛を得た。
得られた布帛にポリエステル用吸汗加工剤と、全芳香族ポリアミド繊維用の吸汗加工剤とを常法の手段を用いて処理をした。
得られた布帛において、織物密度が経63本/2.54cm、緯50本/2.54cm、摩擦堅牢度が乾燥3級、湿潤3級、残炎、残じんが0秒、初期吸水性が1.0秒、10回洗濯後吸水性能が1.0秒、ポリエステル系伸縮性繊維に残留する分散染料が0.1%owf、メタ型全芳香族ポリアミド繊維に残留するカチオン染料が4.5%owfであった。評価結果を表1に示す。
得られた布帛は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維を液流染色し、さらにポリエステル繊維のサーモゾル染色することで、耐熱性、耐炎性に優れ、かつ、繊維の同色性を有し外観品位に優れ、堅牢性、伸縮性にも優れていた。
[実施例2]
紡績糸として、紡績工程において、パラ型芳香族ポリアミド繊維として帝人株式会社製「トワロン」(商品名)から単繊維繊度1.7dtex、カット長(繊維長)51mm、LOIが25であるコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製「テクノーラ」(商品名))に変更した以外は、実施例1と同様にした。
得られた布帛において、織物密度が経63本/2.54cm、緯50本/2.54cm、限界酸素指数が26.0、摩擦堅牢度が乾燥3級、湿潤3級、残炎、残じんが0秒、初期吸水性が1.0秒、10回洗濯後吸水性能が1.0秒、ポリエステル系伸縮性繊維に残留する分散染料が0.1%owf、メタ型全芳香族ポリアミド繊維に残留するカチオン染料が4.5%owfであった。評価結果を表1に示す。
得られた布帛は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維を液流染色し、さらにポリエステル系伸縮性繊維のサーモゾル染色することで、耐熱性、耐炎性に優れ、かつ、繊維の同色性を有し外観品位に優れ、堅牢性、伸縮性にも優れていた。
[実施例3]
分散染色条件でポリエステル用吸汗加工剤を使用しなかった以外、実施例1と同様にした。得られた布帛において、織物密度が経63本/2.54cm、緯50本/2.54cm、限界酸素指数が26.0、摩擦堅牢度が、乾燥3級、湿潤3級、残炎、残じんは0秒、初期吸水性が10.0秒、10回洗濯後吸水性能が15.0秒、ポリエステル系伸縮性繊維に残留する分散染料が2.5%owf、メタ型全芳香族ポリアミド繊維に残留するカチオン染料が4.6%owfであった。評価結果を表1に示す。
得られた布帛は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維を液流染色し、さらにポリエステル系伸縮性繊維のサーモゾル染色することで、耐熱性、耐炎性に優れ、かつ、繊維の同色性を有し外観品位に優れ、堅牢性、伸縮性にも優れていた。
[比較例1]
実施例1において、ポリエステル系伸縮性繊維を用いず、ポリエステル繊維(エコペット<RA02>)単繊維繊度2.2dtex、カット長51mmを混紡し、真空スチームセット機にてセット温度120℃、セット時間20分の条件で撚り止めセットした以外は、実施例1と同様にした。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、紡績糸として、紡績工程において、パラ型芳香族ポリアミドである帝人株式会社製「トワロン」(商品名)から単繊維繊度1.7dtex、カット長(繊維長)51mm、LOIが25であるコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製「テクノーラ」(商品名))に変更した以外は、比較例1と同様にした。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例1において、分散染色条件でポリエステル用吸汗加工剤を使用しなかった以外、比較例1と同様にした。評価結果を表1に示す。
Figure 2022003177
本発明によれば、耐熱性、耐炎性、外観品位に優れ、さらには堅牢性および伸縮性にも優れた布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (13)

  1. メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とポリエステル系伸縮性繊維とを含み、カチオン染料および分散染料で染色されてなることを特徴とする染色布帛。
  2. 前記ポリエステル系伸縮性繊維が、2成分がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合され、かつ少なくとも1成分がポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維である、請求項1に記載の染色布帛。
  3. 前記ポリエステル系伸縮性繊維が分散染料でリング染色されている、請求項1または請求項2に記載の染色布帛。
  4. 前記ポリエステル系伸縮性繊維に残留する分散染料が0.001〜1.0%owfである、請求項1〜3のいずれかに記載の染色布帛。
  5. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維に残留するカチオン染料が0.01〜16.0%owfである、請求項1〜4のいずれかに記載の染色布帛。
  6. 布帛に導電糸が含まれ、メタ型全芳香族ポリアミド繊維:パラ型全芳香族ポリアミド繊維:ポリエステル系伸縮性繊維:導電糸の重量比率が、60〜80:1〜10:5〜30:1〜4である、請求項1〜5のいずれかに記載の染色布帛。
  7. メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル系伸縮性繊維、および導電糸が複合糸として布帛に含まれる、請求項6に記載の染色布帛。
  8. メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、およびポリエステル系伸縮性繊維が同色に染色されてなる、請求項1〜7のいずれかに記載の染色布帛。
  9. JIS L 1091 A−4法(1992)により測定した燃焼性が残炎で1秒以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の染色布帛。
  10. JIS L 1096 B法(2010)により測定した伸び率が8〜20%である、請求項1〜9のいずれかに記載の染色布帛。
  11. AATCC79に規定される洗濯前の吸水性能が2秒以下、ISO6330:2012(6N−F)で規定される洗濯10回後において、AATCC79で規定される吸水性能が10秒以下である、請求項1〜10のいずれかに記載の染色布帛。
  12. 布帛のL値が75以下である、請求項1〜11のいずれかに記載の染色布帛。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載された染色布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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WO2024053510A1 (ja) * 2022-09-05 2024-03-14 帝人株式会社 織物および繊維製品

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