JP6595224B2 - 布帛および繊維製品 - Google Patents
布帛および繊維製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6595224B2 JP6595224B2 JP2015126492A JP2015126492A JP6595224B2 JP 6595224 B2 JP6595224 B2 JP 6595224B2 JP 2015126492 A JP2015126492 A JP 2015126492A JP 2015126492 A JP2015126492 A JP 2015126492A JP 6595224 B2 JP6595224 B2 JP 6595224B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fabric
- spun yarn
- weight
- meta
- aramid fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
しかしながら、カーボンブラックは赤外線の吸収効率が高いため、火炎を受けたり、熱源の近くにいるときに布帛の温度が高くなり火傷になりやすいという問題があった。
その際、前記紡績糸aにおいて、メタ系アラミド繊維Aが紡績糸重量対比50〜99重量%含まれることが好ましい。また、紡績糸bにおいて、メタ系アラミド繊維Bが紡績糸重量対比50〜99重量%含まれることが好ましい。また、布帛が織物組織を有し、経糸および緯糸のうちいずれか一方に前記紡績糸aが配され、他方に前記紡績糸bが配されてなることが好ましい。また、前記メタ系アラミド繊維Aと前記メタ系アラミド繊維Bとの合計重量が布帛重量対比50〜99重量%の範囲内であることが好ましい。また、布帛がパラ系アラミド繊維を布帛重量対比3〜25重量%含むことが好ましい。また、布帛が導電性繊維を布帛重量対比1〜5重量%含むことが好ましい。また、前記メタ系アラミド繊維Bが染色されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明において、メタ系アラミド繊維Aは1000〜1500μmの光の吸収率が70%以上である無機微粒子を含有する。かかる無機微粒子としては、カーボンブラックが好ましいが濃色の顔料でもよい。
かかる無機微粒子は耐久性の点でメタ系アラミド繊維Aを形成するポリマー中に含まれていることが好ましいが、繊維表面に付着していてもよい。
その際、無機微粒子の含有量は繊維重量対比1重量%以上(より好ましくは2〜9重量%)であることが好ましい。該含有量が1重量%未満では、十分な濃色性が得られないおそれがある。
紡績糸aは前記メタ系アラミド繊維Aを含む。かかる紡績糸aにおいて、メタ系アラミド繊維Aが紡績糸重量対比50〜99重量%含まれることが好ましい。その際、紡績糸aにパラ型アラミド繊維、導電性繊維、ポリエステル繊維などを含ませてもよい。
かかる導電性繊維としては、導電性繊維の導電部の導電体として、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性ウィスカー、およびカーボンナノチューブの少なくとも一つを含む繊維が好ましい。
市販されている導電性繊維としては、帝人社製「メタリアン」(商品名)、ユニチカファイバー製「メガーナ」(商品名)、東レ社製「ルアナ」(商品名)、クラレ社製「クラカーボ」(商品名)などが例示される。
前記ポリエステル繊維において、繊維の表面積を大きくして優れた吸汗性などを得る上で、単繊維繊度5.0dtex以下(より好ましくは0.0001〜1.5dtex)であることが好ましい。
紡績糸bは前記メタ系アラミド繊維Bを含む。かかる紡績糸bにおいて、メタ系アラミド繊維Bが紡績糸重量対比50〜99重量%含まれることが好ましい。その際、紡績糸abには、前記のような、パラ型アラミド繊維、導電性繊維、ポリエステル繊維などを含ませてもよい。
すなわち、まず紡績糸を用意する。その際、紡績糸繊度(番手)は、耐糸切れ性や強度などの点で綿番手(Ecc)20〜60番手が好ましい。単糸数としては60本以上が好ましく、原綿単糸繊度としては3.0dtex以下(より好ましくは0.001〜3.0dtex)が好ましい。紡績糸の撚係数(下撚係数)としては3.6〜4.2(より好ましくは3.8〜4.0)の範囲が好ましい。該撚係数が大きい程、毛羽が収束し布帛の耐ピリング性が良くなる反面、紡績糸が剛直になり、伸度が低下して布帛の引裂き強力が低減したり、布帛が硬化するおそれがある。なお、撚係数は下記式により表される。
撚係数=撚数(回/吋)/紡績糸の綿番手(Ecc)1/2
紡績糸の紡績方法はリング紡績、MTS、MJS、MVSなどの革新紡績やリング紡績など通常の紡績方法でよい。撚り方向はZ方向またはS方向のいずれでもよい。
その際、合撚(上撚)の撚り方向は追撚方向である。例えば、紡績糸の撚り方向がZ撚りの場合、同じ方向のZ方向に撚りを行う。また、撚数は、好ましくは2000回/m以上、より好ましくは2100〜3000回/m、特に好ましくは2300〜2800回/mである。該撚数が2000回/m未満の場合、撚り止めセット、解撚した後、紡績糸の形態がコイル状にならないおそれがある。
布帛の構造としては、特に限定されるものではなく織物、編物、不織布いずれでもよい。なかでも、平織、綾織、2層の構造を有する2重織物などの織物が好適に例示される。なお、かかる布帛は常法により製編織することができる。
また、布帛が織物組織を有し、経糸および緯糸のうちいずれか一方に前記紡績糸aが配され、他方に前記紡績糸bが配されていることが好ましい。
また、前記布帛が導電性繊維を1〜5重量%含むことが好ましい。1重量%未満では十分な制電性が得られず、5重量%より大きいと価格が高くなるという問題がある。導電性繊維の導電部の導電体として、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性ウィスカー、およびカーボンナノチューブの少なくとも一つを含む繊維が好ましい。
市販されている導電性繊維としては、帝人製「メタリアン」(商品名)、ユニチカファイバー製「メガーナ」(商品名)、東レ製「ルアナ」(商品名)、クラレ製「クラカーボ」(商品名)などが例示される。
また、布帛にさらに、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、アクリレート系繊維、難燃レーヨン繊維、難燃ビニロン繊維などの繊維が含まれていてもよい。
本発明の布帛において、染色加工が施されていることが好ましい。特に、1000〜1500μmの光の吸収率が70%以上である無機微粒子を含有しないメタ系アラミド繊維Bは通常、白色を呈するので染色加工が施されていることが好ましい。
ここで、前記吸汗剤としては、ポリエチレングリコールジアクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートの誘導体またはポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体または水溶性ポリウレタンが好ましい。
布帛に吸汗剤を付与する方法としては、パディング処理する方法、染色加工時に染色液と同浴で処理する方法などが例示される。
その際、前記布帛が、JIS L1091 A−4法に規定する残炎時間が2秒以下であることが好ましい。残炎時間が2秒より大きいと火傷が酷くなったり、次々と衣服に燃えうつるおそれがある。
また、前記布帛が、ISO6942に規定する耐輻射熱試験において、センサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が10秒以上(より好ましくは12秒以上)であることが好ましい。10秒未満であると遮熱性が十分ではなく火傷がひどくなるおそれがある。
その際、布帛の一方表面に前記紡績糸aを露出させ、布帛の他方表面に前記紡績糸bを露出させ、紡績糸aが露出した表面を外気側に、紡績糸bが露出した表面を肌側に用いることが好ましい。
かかる繊維製品は、前記の布帛を用いているので、濃色性に優れかつ火傷しにくいという優れた特徴を有する。
(1)1000〜1500μmの光の吸収率
島津製作所製分光光度計MPC−3100で透過率、反射率を測定し、1000〜1500nmの範囲の近赤外線吸収率を算出した。
カーボンブラック(1000〜1500μmの光の吸収率が90%以上)を6重量%含有する黒色の原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MAB)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、導電性ナイロン繊維(NY)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMAB/PA/NY=93/5/2の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を経糸とし、カーボンブラックを含まない白色の原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MAW)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、導電性ナイロン繊維(NY)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMAW/PA/NY=93/5/2の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を緯糸とし、織密度 経104本/25.4mm、緯52本/25.4mmで綾織物(2/1右綾;露出率が66.6%)を製織し、常法の加工条件で毛焼、精錬を実施した後、180℃で熱セットを実施し、目付け200g/m2(密度 経107本/25.4mm、緯54本/25.4mm)の綾織物を得た。
得られた織物は、JIS L1091 A−4法に規定する残炎が0.7秒、ISO6942に規定する耐輻射熱試験において、センサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が15秒であり、熱防護性に大変優れるものであった。また、外観は濃色であり汚れ等が目立たず良好であった。
カーボンブラック(実施例1と同じもの)を6重量%含有する黒色の原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MAB)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、導電性ナイロン繊維(NY)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMAB/PA/NY=93/5/2の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を経糸および緯糸に使用した以外は実施例1と同様に行った。
得られた織物は、JIS L1091 A−4法に規定する残炎が0.7秒と良好であるものの、ISO6942に規定する耐輻射熱試験において、センサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が8.3秒であり、熱防護性に劣るものであった。外観は濃色であり汚れ等が目立たず良好であった。
カーボンブラックを含まない白色の原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MAW)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、導電性ナイロン繊維(NY)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMAW/PA/NY=93/5/2の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を経糸および緯糸に使用した以外は実施例1と同様に行った。
得られた織物は、JIS L1091 A−4法に規定する残炎が0.8秒と良好であるものの、ISO6942に規定する耐輻射熱試験において、センサー温度が24℃
上昇するまでの時間RHTI24が16.1秒であり、熱防護性に大変優れるものであったが、外観は淡色であり汚れ等が目立ち品位に劣るものであった。
Claims (12)
- 1000〜1500μmの光の吸収率が70%以上であるカーボンブラックからなる無機微粒子を含有するメタ系アラミド繊維Aを含む紡績糸aと、前記無機微粒子を含有しないメタ系アラミド繊維Bを含む紡績糸bとを含み、布帛の一方表面に前記紡績糸aが露出し、布帛の他方表面に前記紡績糸bが露出することを特徴とする布帛。
- 前記紡績糸aにおいて、メタ系アラミド繊維Aが紡績糸重量対比50〜99重量%含まれる、請求項1に記載の布帛。
- 前記紡績糸bにおいて、メタ系アラミド繊維Bが紡績糸重量対比50〜99重量%含まれる、請求項1または請求項2に記載の布帛。
- 布帛が織物組織を有し、経糸および緯糸のうちいずれか一方に前記紡績糸aが配され、他方に前記紡績糸bが配されてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の布帛。
- 前記メタ系アラミド繊維Aと前記メタ系アラミド繊維Bとの合計重量が布帛重量対比50〜99重量%の範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の布帛。
- 布帛がパラ系アラミド繊維を布帛重量対比3〜25重量%含む、請求項1〜5のいずれかに記載の布帛。
- 布帛が導電性繊維を布帛重量対比1〜5重量%含む、請求項1〜6のいずれかに記載の布帛。
- 前記メタ系アラミド繊維Bが染色されている、請求項1〜7のいずれかに記載の布帛。
- JIS L1091 A−4法に規定する残炎時間が2秒以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の布帛。
- ISO6942に規定する耐輻射熱試験において、センサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が10秒以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の布帛。
- 布帛の目付けが130〜300g/m2の範囲内である、請求項1〜10のいずれかに記載の布帛。
- 請求項1〜11のいずれかに記載された布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015126492A JP6595224B2 (ja) | 2015-06-24 | 2015-06-24 | 布帛および繊維製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015126492A JP6595224B2 (ja) | 2015-06-24 | 2015-06-24 | 布帛および繊維製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017008454A JP2017008454A (ja) | 2017-01-12 |
JP6595224B2 true JP6595224B2 (ja) | 2019-10-23 |
Family
ID=57760963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015126492A Active JP6595224B2 (ja) | 2015-06-24 | 2015-06-24 | 布帛および繊維製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6595224B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3779004B1 (en) * | 2018-04-03 | 2022-02-16 | Teijin Limited | Fabric and textile product |
JP2020026595A (ja) * | 2018-08-16 | 2020-02-20 | 帝人株式会社 | 布帛および防護製品 |
JP7268056B2 (ja) * | 2018-12-17 | 2023-05-02 | 帝人株式会社 | 布帛および防護製品 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4759334B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2011-08-31 | 帝人テクノプロダクツ株式会社 | 全芳香族ポリアミド繊維構造物 |
ES2565302T3 (es) * | 2011-09-29 | 2016-04-01 | Dow Global Technologies Llc | Formulaciones con portadores de tinte basados en benzoato para artículos de meta-aramida |
JP2013133569A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Teijin Ltd | 原着メタ型全芳香族ポリアミド紡績糸 |
JP6162463B2 (ja) * | 2013-04-17 | 2017-07-12 | 帝人株式会社 | 紡績糸および布帛および衣料 |
-
2015
- 2015-06-24 JP JP2015126492A patent/JP6595224B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017008454A (ja) | 2017-01-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6388659B2 (ja) | 布帛および繊維製品 | |
US11118287B2 (en) | Fabric and protective product | |
CN102124152B (zh) | 用于改善的防暴燃和电弧的晶形间位芳族聚酰胺共混物 | |
JP5523556B2 (ja) | フラッシュ火災およびアーク防護を改善するためのアンチモン含有量を限定したモダクリル/アラミド混紡品およびアンチモン無含有のモダクリル/アラミド混紡品 | |
CN103857837B (zh) | 具有优异的防电弧性的高回潮率纱线、织物、和服装 | |
JP5744178B2 (ja) | 快適性が改善されたフラッシュ火災およびアーク防護のための結晶化メタ−アラミド混紡品 | |
JP5797269B2 (ja) | 耐火織物および衣類 | |
JP6374222B2 (ja) | 布帛および繊維製品 | |
JP6464044B2 (ja) | 積層布帛および繊維製品 | |
JP6595224B2 (ja) | 布帛および繊維製品 | |
WO2021100387A1 (ja) | 布帛および防護製品 | |
EP3245320B1 (en) | Flame resistant fabric | |
JP2020026595A (ja) | 布帛および防護製品 | |
JP2020026596A (ja) | 布帛および防護製品 | |
JP6629950B2 (ja) | 積層布帛および繊維製品 | |
JP2022003177A (ja) | 染色布帛および繊維製品 | |
JP7465694B2 (ja) | 防護用生地およびフード | |
JP7409853B2 (ja) | 布帛および防護製品 | |
JP2015229805A (ja) | 布帛および繊維製品 | |
WO2020129746A1 (ja) | 布帛および防護製品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180315 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190408 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190416 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190522 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190903 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190926 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6595224 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |