JPS6224581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、折たたみ式方向転換シートに関する
ものである。

従来の回転式の方向転換シートにおいては、例
えば、車室内に一対の前部座席と後部座席とを設
置した車輌において、各前部座席の直下におい
て、床板上に基枠を設けこの基枠に立設した支持
筒に前部座席の下面に吊設した支持柱を昇降かつ
回転自在に嵌合し基枠と支持柱間には前部座席を
上昇するよう附勢する圧縮ばねを介在し、かつ支
持筒と支持柱間には前部座席を上昇位置と下降位
置とに選択係止し得る係止機構を設けてなる車輌
用座席の転向装置。（実開昭48−55532号参照） また車室内に一対の前部座席と後部座席とを設
けた車輌において、各前部座席は、これを上昇し
て転向できるようにした支持装置によつて床板上
に支持せしめ、かつ前部座席の前方に配設される
操向ハンドルを軸方向に伸縮できるようにした車
輌用転向座席装置。（実公昭51−31453号参照）な
どがある。しかしながら、これらの従来構造のも
のは、シートの前後左右に回転スペースを必要と
した。

本考案は従来のように車両のシートを回転させ
ることなく、シートバツクを利用して乗員が後向
きに着座できるようにした方向転換シートを提供
することを目的としている。

前記の目的を充足するため本考案は次のように
構成したものである。

すなわち本考案は、シートクツシヨンと、該シ
ートクツシヨンの後部に枢着されたシートバツク
と、シートバツクの後面に形成されたサブシート
凹部と、サブシート凹部の上部に枢着されたサブ
シートバツクと、シートバツクを起立保持可能な
シートバツク保持機構と、シートバツクを前倒し
たとき、シートクツシヨンとシートバツク上部の
側部材とを係止する係止手段と、サブシートバツ
クを起立保持可能なサブシートバツク保持機構に
より構成されたことを特徴とし、シートバツクを
シートクツシヨンの後部に起立したとき、乗員が
前向きに着座可能となり、シートバツクをシート
クツシヨン上に折たたみ、シートクツシヨンの後
面に枢着されたサブシートバツクを起立したとき
乗員が後向きに着座可能となる折たたみ式方向転
換シートを提供するものである。

次に図面について本考案の具体的構成を説明す
る。図中においてシートクツシヨン１の後部には
シートバツク枢着部７が設けられ、シートバツク
枢着部７にはシートバツク２の下部が枢着されて
いる。そしてシートバツク２はシートバツク枢着
部７を中心に前倒したときシートクツシヨン１上
に折たたみ可能になされていると共に、シートバ
ツク２をシートクツシヨン１に対して起立保持可
能なシートバツク保持機構であるストツパー２６
が設けられている。シートバツク２は、サブシー
トバツク２ａとサブシート凹部２ｂと、側部材２
ｃとから構成され、サブシート凹部２ｂに側部材
２ｃが一体に成形されている。又サブシートバツ
ク２ａの基部は側部材２ｃの上方にサブシートバ
ツク枢着部３により枢着されていると共にサブシ
ートバツク２ａをシートバツク２の後面に対して
起立保持可能なサブシートバツク起立保持機構で
あるストツパー４を有する。そしてサブシートバ
ツク２ａの上下面にヘツドレスト５の脚５ａが入
り込むヘツドレスト係止孔６が形成されている。
そして、シートバツク後面には側部材２ｃの間が
前側に凹んだサブシート凹部２ｂが形成され、該
サブシート凹部２ｂは、サブシートバツク２ａの
折畳み時に該サブシートバツク２ａを収納可能に
形成されている。

従つてシートバツク起倒時のシートバツク枢着
部７を支点に第２図に示すようにシートバツク２
を倒し、ヘツドレスト５を一旦取外して反対側の
ヘツドレスト係止孔６に嵌め、第３図のようにサ
ブシートバツク２ａを起立させればシートクツシ
ヨン１を回転させることなくサブシート凹部２ｂ
をシートとして利用し、方向転換される。

尚、第３図の状態でシートとなつたサブシート
凹部２ｂを安定させるためのシートバツク係止手
段８は種々考えられるが、第４図の例ではリトラ
クター９を用いる。リトラクター９より引出した
ベルト１０の先に係止環１１が取付けられこれを
側部材２ｃに設けた係止ピン１２に引かけ安定さ
せる。又、第５図の例ではシートクツシヨンの側
面に鈎部１３を有するフツク１４を枢着ピン１５
により枢支し、鈎部１３が引かかるピン１６がシ
ートバツク側に設けられている。

次にサブシートバツク保持機構であるストツパ
ー４は第６図及び第７図に示すようにサブシート
バツク２ａ側にストライカ１７を固定し、側部材
２ｃにサブシートバツク保持用フツク１８を取付
け起倒用レバー１８′を操作しサブシートバツク
保持用フツク１８の先をストライカ１７の起立保
持用爪１９又は収納保持用爪２０に係止して安定
させる。収納保持用爪２０はサブシートバツク収
納時の固定用のものである。

第８図の例はリンク式ストツパを採用したもの
で、連結ピン２５により接続した２枚の第１リン
ク２１、第２リンク２２の第１リンク２１をサブ
シートバツク２ａ側に、又第２リンク２２をシー
トバツク側部材２ｃにサブシートバツク側ピン２
３、側部材側ピン２４により取付け両リンクを図
のように突張らせてサブシートバツクを安定させ
る。

本考案は以上述べたようにシートを回転させる
ことなく方向転換ができるので回転のためのスペ
ースが不要であり、従つてシート幅を長くするこ
とができる。そしてサブシートバツクを起立さ
せ、シートバツクを座面として使用すれば、該シ
ートバツクの側部材の側壁をアームレストとして
用いることができ有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る折たたみ式方向転換シー
トの一実施例を示す斜視図、第２図はシートバツ
クを折たたんだ斜視図、第３図は方向転換した斜
視図、第４図は方向転換してシートとなつたサブ
シート凹部を固定する機構の正面図、第５図は他
の例を示す側面図、第６図はサブシートバツク保
持機構を示す側面図、第７図は正面図、第８図は
他の例を示す側面図である。 １はシートクツシヨン、２はシートバツク、２
ａはサブシートバツク、２ｂはサブシート凹部、
２ｃは側部材、３はサブシートバツク枢着部、４
はサブシートバツク起立保持機構、８はシートバ
ツク係止手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンの後部にシートバツク枢着部
   が設けられ、該シートバツク枢着部シートバツク
   の下部が、シートバツク枢着部を中心にシートク
   ツシヨン上にシートバツクを折たたみ可能に枢着
   され、さらにシートバツクとシートクツシヨンに
   はシートバツクを起立保持可能なシートバツク保
   持機構が設けられ、又シートバツクの後面には左
   右両側に設けられた側部材の間が前側に凹んだサ
   ブシート凹部が形成されていると共に、前記シー
   トバツクの上部には側部材にサブシートバツク枢
   着部が設けられ、さらに該サブシートバツク枢着
   部にはサブシートバツクの基部が該サブシートバ
   ツク枢着部を中心にサブシート凹部上にサブシー
   トバツクを折たたみ可能に枢着され、サブシート
   バツクは折たたみ時前記サブシート凹部に収納可
   能に形成され、かつ、シートバツクを前倒したと
   き、シートクツシヨンとシートバツク上部の側部
   材とを係止する係止手段が装備され、さらに、サ
   ブシートバツクと側部材にはサブシートバツクを
   起立保持可能なサブシート保持機構が設けられて
   いることを特徴とする折たたみ式方向転換シー
   ト。