JPH0231321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の技術分野》 この考案は、シートクツシヨンを車室の側方に
向けて斜めに起すことのできる休息兼用座席の改
良に関する。

《従来技術とその問題点》 この種の休息兼用座席として、実開昭57−
204229号公報に示す座席がある。

これは第４図ａ，ｂに示すように、一対のシー
ト１のうちの一方のシートクツシヨン２をヒンジ
３を介して側方に向けて傾倒可能にするととも
に、シートクツシヨン２の裏面に支脚４を回動自
在に軸着する一方、フロアパネル５の面に前記支
脚４の係止用の支持部材６を固着したものであ
る。

そして、シートクツシヨン２を斜めに起こし、
支脚４を回動させて支持部材６に係合することに
より、シートクツシヨン２を側方に向けて所定角
度で起こし、これに乗員の頭部をのせた状態で身
体を車幅方向に横たえるようにしてある。

しかし、この構造ではシートクツシヨン２を起
した状態でシートクツシヨン２の側端と、車体パ
ネル７の側壁間に隙間が生じ、その分身体を横た
えるに足るスペースが狭くなる。したがつて図に
示すように乗員はひざを折つたり、足先を側壁に
つけるなどの工夫を必要としていた。

《考案の目的》 この考案は、以上の如き休息兼用座席におい
て、乗員の身体を横たえるに足る十分なスペース
が確保できることを目的とする。

《考案の構成》 前記目的を達成するため、この考案は、フロア
パネルに横移動可能に設置された一対のシートク
ツシヨンと、この一対のシートクツシヨンの前面
に差し渡され、フロアパネルに固定されたクツシ
ヨン支持用ブラケツトと、各シートクツシヨンよ
り突出し、かつブラケツトに形成されたガイド孔
に挿通される横移動規制用の係止ピンと、前記一
対のシートクツシヨンの少なくとも一方のシート
クツシヨンの裏面に折畳み展開可能に取付けられ
た支脚と、フロアパネル面にあつて、支脚の下端
を固定する支持部材とを備えたことを特徴とす
る。

《実施例の説明》 第１図は休息兼用座席の通常使用状態を示す斜
視図、第２図は休息時における組替え過程を示す
一部断面斜視図、第３図は組替え完了状態を示す
正断面図である。

この実施例は、トラツク用の座席に適用したも
ので、フロアパネル２０の座席２２に対する設置
面を一段高くしてあり、その下部にエンジン（図
略）が内装されている。

座席２２は、フロアパネル２０上に設置された
一対のシートクツシヨン２４，２６と、図示しな
い車室背面部に固定された一対のシートバツク２
８とからなつている。

各シートバツク２８の側面にはピン３０を介し
てフツク３２が回動可能に軸着され、先端をシー
トクツシヨン２４，２６の側面に突設した係止ピ
ン３４に係合している（第１図参照）。

また、各シートクツシヨン２４，２６の前面に
あつて、フロアパネル２０にはブラケツト３６が
固定されている。このブラケツト３６はシートク
ツシヨン２４，２６の前方への飛び出しを規制す
るものである。

したがつて、各シートクツシヨン２４，２６は
通常使用状態で一対のフツク３２とブラケツト３
６の３点支持により正常位置に保持される。

そして、ブラケツト３６には波形の係止部３６
ａを下部に設けたガイド孔３６ｂが形成されてい
る。これに対し、各シートクツシヨン２４，２６
の先端には横移動規制用の係止ピン２６ａ，２４
ａが突設され、ガイド孔３６ｂに挿通されてい
る。

また、シートクツシヨン２４の下面には第２図
に示すように、コ字形の支脚４２が折畳み展開可
能に軸支されている。支脚４２の下部に対向して
フロアパネル２０には支脚４２を固定する一対の
支持部材４４が突設されている。

この支持部材４４の上部には鋸歯状の係止部４
４ａが一列に形成されている。

以上の構成の座席を第１図に示す通常使用状態
から休息用座席に組替えるには、先ずフツク３２
をシートクツシヨン２４，２６から掛け外し、次
いでシートクツシヨン２６をやや持ち上げた状態
で係止ピン２６ａをガイド孔３６ｂに沿つて横に
移動し、端部に位置する係止部３６ａの溝内に入
れる。次いでこの溝を基点にシートクツシヨン２
６を回動し、支脚４２を起こし、支脚４２の下端
を支持部材４４の係止部４４ａ内に嵌合すること
で、第２図に示すようにシートクツシヨン２６は
車室内側面に向けて所定角度傾斜して起き上が
る。

次いでシートクツシヨン２４をやや持ち上げた
状態で同方向に移動させ、シートクツシヨン２６
の中央よりの側縁に当接させた状態でフロアパネ
ル２０上に置けば、シートクツシヨン２４の係止
ピン２４ａは相当する係止部３６ａ内に嵌合し、
第３図に示す組立完成状態を得る。

組立完成状態で車体パネル４６の側部とシート
クツシヨン２４の側部間に所定の間隙l′が形成さ
れる。

したがつて、乗員の頭部をシートクツシヨン２
６側に載せ身体をシートクツシヨン２４，２６上
に横たえれば乗員の足先を車体パネル２０に降ろ
すことができ、安楽な姿勢で休息できることにな
る。

《考案の効果》 以上説明したように、この考案によれば、フロ
アパネルに横移動可能に設置された一対のシート
クツシヨンと、この一対のシートクツシヨンの前
面に差し渡され、フロアパネルに固定されたクツ
シヨン支持用ブラケツトと、各シートクツシヨン
より突出し、かつ前記ブラケツトに形成されたガ
イド孔に挿通される横移動規制用の係止ピンと、
前記一対のシートクツシヨンのうち少なくとも一
方のシートクツシヨンの裏面に折り畳み展開可能
に取り付けられた支脚と、フロアパネル面にあつ
て、支脚の下端を固定する支持部材とを備えたた
め、車体パネルの側部とシートクツシヨンの側部
間に所定の間隙が形成されるか、一対のシートク
ツシヨン間に間隙が形成されることとなり、乗員
の身体を横たえるに足る十分なスペースが確保で
き、しかも足先をフロアパネル上に降ろした状態
で休息できるので、より快適な休息状態を得る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案に係る休息兼用
座席を示し、第１図は通常使用状態を示す斜視
図、第２図は組替え過程を示す一部断面斜視図、
第３図は組替え完了状態を示す正断面図、第４図
は従来の休息兼用座席を示し、第４図ａは通常使
用状態を示す正断面図、第４図ｂは組替え完了状
態を示す正断面図である。 ２０……フロアパネル、２２……座席、２４，
２６……シートクツシヨン、２４ａ，２６ａ……
係止ピン、３６……クツシヨン支持用ブラケツ
ト、３６ａ……係止部、３６ｂ……ガイド孔、４
２……支脚、４４……支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロアパネルに横移動可能に設置された一対の
   シートクツシヨンと、この一対のシートクツシヨ
   ンの前面に差し渡され、フロアパネルに固定され
   たクツシヨン支持用ブラケツトと、各シートクツ
   シヨンより突出し、かつ前記ブラケツトに形成さ
   れたガイド孔に挿通される横移動規制用の係止ピ
   ンと、前記一対のシートクツシヨンのうち少なく
   とも一方のシートクツシヨンの裏面に折り畳み展
   開可能に取り付けられた支脚と、フロアパネル面
   にあつて、支脚の下端を固定する支持部材とを備
   えた休息兼用座席。