JPS6223444Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内視鏡、詳しくは、内視鏡の体腔内
挿入部の主管と彎曲管との連結部における外套皮
の接続構造の改良に関する。

周知のように、体腔内挿入部が可撓性の管体で
形成された内視鏡は、第１図に示されるように構
成されている。即ち、内視鏡１は、接眼部６，送
気・送水ボタン，吸引ボタン７，彎曲操作用部材
８が配設された操作部本体２と、この操作部本体
２に基端部が接続された可撓性の管体からなる体
腔内挿入部３と、上記操作部本体２に照明用光源
（図示されず）を接続するための導光体５とで、
その主要部が構成されている。

上記体腔内挿入部３は、基端部を上記操作部本
体２に接続された、可撓性の長い主管３ａと、そ
の先端に連なり、帽状先端部４を所望の方向に彎
曲させるための彎曲管３ｂと、この彎曲管３ｂの
先端に固着された、帽状頭部を有する短筒状の先
端部４とで構成されている。そして、上記帽状先
端部４には、周知のように観察用対物窓，照明用
窓等が配設されており、帽状先端部４内に配設さ
れた対物レンズ（図示されず）および上記彎曲管
３ｂ，主管３ａ内に挿通されたイメージガイド用
光学繊維束（図示されず）を介して体腔内を上記
接眼部６で観察するようになつている。又、体腔
内は、上記導光体５および上記体腔内挿入部３内
に挿通されたライトガイド用光学繊維束（図示さ
れず）を介して送り込まれた、光源部からの光が
上記帽状先端部４の照明用窓から照射されること
によつて照明されるようになつている。

ところで、上記可撓性の主管３ａと彎曲管３ｂ
とは、その構造が異なるので夫々別体で作成した
後、これらを結合して一体となるようにしてい
る。

次に、この主管３ａと彎曲管３ｂの従来の結合
手段の一例を第２図によつて説明する。

第２図は、主管３ａと彎曲管３ｂとの結合部分
の上半部を示した拡大要部断面図である。図にお
いて、彎曲管３ｂは、周知のリング状の関節金具
１３を屈曲可能に多数連結してなる管状体の外周
部にブレード（金網）１２ｂを嵌装し、その外周
面に合成樹脂あるいは合成ゴムのチユーブを被着
して形成した外套皮１１ｂからなるものであつ
て、彎曲管３ｂは、関節金具１３，ブレード１２
ｂ，外套皮１１ｂの三層で構成されている。ま
た、彎曲管３ｂの主管３ａの先端に結合される関
節金具の後端金具１３ａには、その後端縁に連続
して後方に延び出した僅かに太径の短筒状の結合
管１５が一体に取り付けられており、この結合管
１５が主管３ａの先端に被嵌されるようになつて
いる。

一方主管３ａは、周知の帯状の弾性板を螺旋状
に巻いて形成した管状のフレツクス（可撓体）１
４の外周部に上記彎曲管３ｂのブレード１２ｂと
同様なブレード１２ａを嵌装し、その外周面にデ
イツピング法によつて合成樹脂を被着して形成、
あるいは合成樹脂又は合成ゴムのチユーブを被着
して形成した外套皮１１ａからなるもので、フレ
ツクス１４，ブレード１２ａ，外套皮１１ａの三
層で構成されている。また、上記両管の外套皮１
１ａ，１１ｂの厚味及び内外径はほゞ等しいよう
になつている。

そして、以上のように構成された主管３ａと彎
曲管３ｂとが次のようにして結合されていた。即
ち、先ず主管３ａの先端の、上記彎曲管３ｂの結
合管１５に嵌入する部分の外套皮１１ａが剥ぎと
られる。そして、この外套皮１１ａの剥ぎとられ
たブレード１２ａの先端部１２ｃが上記彎曲管３
ｂの結合管１５に嵌入される。

次いで、彎曲管３ｂの上記結合管１５を覆う部
分の外套皮１１ｂが上方にめくり上げられて、露
出した上記互に嵌合している結合管１５とブレー
ド１２ａとがハンダ付けされ、これによつて両管
３ａ，３ｂは一体に結合される。然る後、上記め
くり上げられた接続部分の外套皮１１ｂが元に戻
され、これが主管３ａの外套皮１１ａの先端縁と
突き合わされ、この両突合部分の上に、図に示さ
れるように糸１６を巻き付け、その上を接着剤１
７等で補強していた。

しかし、このような従来の結合手段において
は、外套皮１１ａ，１１ｂの突合部分の糸の巻き
つけを余程慎重にやらなければ、糸が重なつて重
ね巻きの状態となつて径が太くなつたり、また、
糸がほぐれて液体が侵入する原因になつたり、外
套皮が剥がれてしまう等多くの支障を生ずる恐れ
があり、上記糸による支障を避けるために接着剤
１７を大量に使用すれば今度は、その厚味によつ
て外套皮の外径が太くなつて、体腔内への挿入が
不円滑となる等の欠点が生じていた。

そのため、本出願人は先に上記糸締めによる結
合手段に代えて、主管と彎曲管の外套皮の突き合
せ部分の外周面をリング状バンドで締着して上記
欠点を解消した結合手段を提供した（実願昭54−
10316号）。

次に、本出願人が先に提案した上記結合手段に
ついて説明する。

第３図は、上記結合手段の一例を示す内視鏡の
主管と彎曲管との結合部分の上半部の要部拡大断
面図である。本例における内視鏡の主管と彎曲管
の構成部材は、外套皮の締着関連部材を除いて、
上記第２図に示した従来のものと全く同様に構成
されているので、同一部材については、同一符号
を付すに止め、その説明を省略する。

又、主管３ａと彎曲管３ｂとを結合し、その各
外套皮１１ａ，１１ｂを突き合わせるまでの連結
工程も、上記従来のものと全く同様であり、その
説明も省略する。

本例においては、両管３ａ，３ｂの各外套皮１
１ａ，１１ｂの突き合せ部分の外周面には、両外
套皮１１ａ，１１ｂの突き合せ部に跨つて、巾広
の帯状の薄いリング状のバンド１９を嵌め込み、
これによつて両外套皮１１ａ，１１ｂを締め付け
て両外套皮１１ａ，１１ｂを連結している。上記
リング状バンド１９は弾性の大きな帯状の薄いリ
ング状のゴムバンドで形成されており、同ゴムバ
ンド１９の両端部１９ａ，１９ｂには接着剤を塗
布して同バンド１９の動きを抑えるようになつて
いる。

このようにして、ゴムバンド１９で外套皮１１
ａ，１１ｂを締着すれば、同バンドは自己の収縮
弾力によつて外套皮１１ａ，１１ｂに喰い込ん
で、上記ゴムバンド１９の外周面が外套皮１１
ａ，１１ｂの外周面と同一面か僅かに低くなる。
従つて両外套皮１１ａ，１１ｂを良好に連結する
許りでなく、同バンド１９の厚味による両管３
ａ，３ｂの外径の増加も生じないものとすること
が出来る。

このように、リング状バンドによる結合手段に
よれば、作業が極めて簡易化される上に、外径が
太くなるようなこともなく、接着剤も僅かで、従
来の欠点を解消することが出来る。

また、上記リング状のゴムバンド１９は、これ
に代え周知の形状記憶効果を有する金属、例え
ば、金・カドミウム合金，チタン・ニツケル合
金，銅・アルミニウム・ニツケル合金等の金属で
形成したバンドを用いても同様な効果が得られ
る。

また、上記リング状のゴムバンド１９は、これ
に代え周知の熱収縮性チユーブ等のプラスチツク
で形成したバンド等を用いてもよい。

ところが、このようなリング状バンドによる結
合手段においては、バンドによる外套皮の締付力
が充分でないため、彎曲管３ｂが大きく彎曲した
ような場合、彎曲内面に比べ、反対がわの彎曲外
面側の外套皮が強く引き伸ばされて外套皮とバン
ドの接着力のみでは両者の接着を維持することが
出来ず、引き剥がされて、両外套皮の突き合せ部
が引き離されてしまうという欠点を生ずる。この
欠点は、特に彎曲角度が大きい場合に顕著に現わ
れる。

本考案の目的は、上記の点に鑑み、従来の糸締
めによる結合手段と上記リング状バンドによる結
合手段とを巧みに用いて上述したような欠点を総
て解消した内視鏡における体腔内挿入部の主管と
彎曲管との連結部における外套皮の接続構造を提
供するにある。

以下本考案を図示の実施例に基いて説明する。

なお、以下第４〜第７図に示す体腔内挿入部の
主管と彎曲管との連結部の外套皮の接続構造の各
実施例における各構成部材は、本考案に係る部分
を除いて上記第３図におけるものと全く同様に構
成されているので、同一部材については同一符号
を付すに止め、その説明を省略する。

第４図は、本考案の一実施例を示す内視鏡の主
管と彎曲管との連結部の要部拡大断面図である。
図において、主管３ａ及び彎曲管３ｂの夫々の外
套皮１１ａ，１１ｂの突き合せ部分の外周面は、
糸２０で巻き締められる。上記両外套皮１１ａ，
１１ｂは共に弾力性を有している合成樹脂材等で
形成されているので、引張力の強い糸２０等で強
く巻締めることによつて、その外径が細められ
る。

このように、両外套皮１１ａ，１１ｂの突き合
せ部を強く巻き締めた糸２０は、その端部を結ぶ
か、または糸２０の両端部を瞬間接着剤等で固着
する。この場合、先に糸２０の巻代を多めにして
一度巻き締めた後、これを取り外し、次にこれよ
りも短い糸２０で巻き締める。すると、糸２０の
巻代は少なくなるが、最初の糸巻きによつて径の
細くなつた部分が糸巻部の両端に存在する。そし
て、この巻き締められた糸２０の外周面に薄く塗
料あるいは接着剤を塗布し、糸２０内にしみ込ま
せ、この糸の上に上述したリング状バンド１９を
被嵌して締着する。この場合、バンド１９の両端
部は、先に糸２０の巻代を多くした分だけ外套皮
１１ａ，１１ｂが細くなつている上記部分１９
ａ，１９ｂに落ち込むので、バンド１９の両端部
が外套皮１１ａ，１１ｂの外周面上に突出するこ
となく、突き合せ部分における外周面を平滑にす
ると共に、巻き締められた糸２０の両端部を覆い
込んで締着するので、この部分に対する固着力が
特に強化されて、糸２０の糸締めを揺ぎないもの
にする。

このように、両外套皮１１ａ，１１ｂの突き合
せ部分に被嵌したバンド１９の外面には、塗料あ
るいは接着剤が塗布されて滑かにされ、体腔内挿
入部３（第１図参照）が体腔内に円滑に挿入され
るようにする。

上記塗料あるいは接着剤としては、天然ゴム
系、合成ゴム系、プラスチツク樹脂系等がある
が、その中でもウレタン系の材質のものが特に優
れており、表面を滑かにして体腔内でのすべりを
良くする。

上記外套皮１１ａ，１１ｂに弾力性が乏しく、
糸締めによつては外径が細くならないものが使用
されている場合は、上記バンド１９の長さに相当
する両外套皮１１ａ，１１ｂの外周面を削り取つ
て糸巻きをすれば同様な作用効果が得られる。な
お、上記リング状バンド１９は上述したゴムバン
ド，記憶効果を有する金属で形成したバンド，熱
収縮性チユーブ等を用いても同様な作用効果が得
られることは勿論である。

以上説明したように、本考案によれば、彎曲管
３ｂが大きく彎曲した場合でも、主管３ａと彎曲
管３ｂの夫々の外套皮１１ａ，１１ｂの突き合せ
部分は糸２０とバンド１９で強固に締着されてい
るので、これが引き離される恐れは全くない許り
か、同突き合せ部分の外周面は平滑で体腔内挿入
が円滑となり、バンド１９を使用することによつ
て、上記外套皮１１ａ，１１ｂの突き合せ部分か
らの液体等の侵入も完全に防止され、上記結合管
１５（第３図参照）からの漏電に対する恐れも無
くなり、更に、接着剤の老化による皹割れや剥れ
等の恐れも無くなる。

第５図は、肺診断用内視鏡等の極細径の体腔内
挿入部を有する主管と彎曲管との連結部に適用さ
れる本考案の他の実施例を示す拡大要部断面図で
ある。一般の内視鏡における上記外套皮の厚さは
0.6mm程度であるが、上記極細径の体腔内挿入部
を有する肺診断用内視鏡等の場合は、周知のイメ
ージガイド，ライトガイド等の性能を維持するた
めに、主管と彎曲管に被嵌される外套皮の厚さが
0.2mm程度のものが要求され、全体の外径を極力
細くすることが必要となつている。そのために、
本実施例においては結合管１５を間に挾んで結合
管１５を介して外套皮１１ａ，１１ｂを突き合わ
した後、これらの部分の外周を糸２０で糸締めし
て締着するようにしたものである。かくすること
によつて、結合管１５の外周面とバンド１９間に
は、外套皮が除かれていることによつて、それだ
け全体の外径を細くすることが出来、作用効果も
変らないものとすることが出来る。

第６図は、上記第５図における結合管１５の外
周面を糸締めすることなく、結合管１５を挾ん
で、これを介して突き合わされた外套皮１１ａ，
１１ｂの部分のみが糸２０で糸締めされた更に他
の実施例を示すもので、このようにすれば、上記
第５図のものに比し、結合管１５の外周面に介在
する糸２０が除かれることによつて突き合せ部分
の外径を更に細くすることが出来、その作用効果
も変る所がない。

第７図は、主管と彎曲管との連結にかしめ管を
用いた本考案の別の実施例を示す内視鏡の要部拡
大断面図である。

本実施例においては、主管３ａの彎曲管３ｂと
の突き合せ部分の外套皮１１ａの外周面を結合管
１５の外径とほゞ等しい外径に削り落し、この削
り落とされた部分と結合管１５に、これらの外径
より僅かに大きい内径を有するかしめ管２１を内
周面に接着剤を塗布して被嵌した後、同かしめ管
２１を絞り加工することによつて同かしめ管２１
によつて、外套皮１１ａと結合管１５が締着され
る。一方、彎曲管３ｂの外套皮１１ｂが結合管１
５に突き合わされた部分を糸２０によつて糸締め
する。そして、糸２０及びかしめ管２１の外周面
に塗料あるいは接着剤を塗布した後、上述したリ
ング状バンド１９を被嵌して、これを締着し、同
バンド１９の外周面に、同面を円滑にするための
塗料等を塗布する。このようにしても第４図に示
した実施例の場合と全く同様な作用効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案の適用される一般的な内視鏡を
示す斜視図、第２，３図は、内視鏡の体腔内挿入
部の主管と彎曲管との従来の接続部の各例を夫々
示す要部拡大断面図、第４図は、本考案の一実施
例を示す内視鏡の主管と彎曲管との接続部の要部
拡大断面図、第５〜７図は、本考案の他の実施例
を夫々示す内視鏡の主管と彎曲管との接続部の要
部拡大断面図である。 １……内視鏡、３……体腔内挿入部、３ａ……
主管、３ｂ……彎曲管、１１ａ……主管の外套
皮、１１ｂ……彎曲管の外套皮、１９……リング
状バンド、２０……糸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 体腔内挿入部の主管と彎曲管との連結部におい
   て、 主管の外套皮と彎曲管の外套皮との突き合せ部
   分における少くとも彎曲管の外套皮の外周面を糸
   締めし、両外套皮の突き合せ部分の外周面に塗料
   あるいは接着剤を塗布した後、同外周面をリング
   状バンドで締着し、同バンドの外周面の少くとも
   両端部に塗料あるいは接着剤を塗布してなること
   を特徴とする内視鏡。