JP2002143084A - 内視鏡装置 - Google Patents

内視鏡装置

Info

Publication number
JP2002143084A
JP2002143084A JP2000337968A JP2000337968A JP2002143084A JP 2002143084 A JP2002143084 A JP 2002143084A JP 2000337968 A JP2000337968 A JP 2000337968A JP 2000337968 A JP2000337968 A JP 2000337968A JP 2002143084 A JP2002143084 A JP 2002143084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bending
curved
bending portion
distal end
bent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000337968A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3772085B2 (ja
Inventor
Yasuta Ishibiki
康太 石引
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2000337968A priority Critical patent/JP3772085B2/ja
Publication of JP2002143084A publication Critical patent/JP2002143084A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3772085B2 publication Critical patent/JP3772085B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、S状結腸等の複雑な屈曲部を通過さ
せる作業を容易に行うことができる内視鏡装置を提供す
ることを最も主要な特徴とする。 【解決手段】湾曲部16に先端側に配置された第1の湾
曲部39と、この第1の湾曲部39の基端側に連接さ
れ、第1の湾曲部39よりも軸方向の曲げに対する硬さ
が硬くなる状態に設定された第2の湾曲部40とを設
け、第2の湾曲部40の後端位置を挿入部7の先端部か
ら略15cm以上の長さに配置したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管腔内に挿入され
る挿入部の先端側に湾曲部が配設された内視鏡装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内視鏡の挿入部の先端側に配設
された湾曲部に2つの湾曲部を直列に接続させた構成の
内視鏡装置が知られている。例えば、実公平1−226
41号公報には図17(A)に示すように内視鏡の挿入
部に配設された細長い可撓管部aの先端側に4方向に湾
曲可能な節輪構造を備えた第1湾曲部bが配設され、こ
の第1湾曲部bの後端部に第1湾曲部bと略同じ節輪構
造を備えた第2湾曲部cを連接させた構成の湾曲管装置
が示されている。
【0003】また、図17(A)に示す2つの湾曲部
b、cを直列に接続させた構成の内視鏡の挿入部を例え
ば大腸dの直腸eとS状結腸fとの間の境界の屈曲部g
などを通過させる場合には第1湾曲部bの湾曲操作によ
ってこの第1湾曲部bの部分を屈曲部gを通過させたの
ち、可撓管部aを押込むことにより、第2湾曲部cおよ
び可撓管部aの部分を続いて通過させる操作が行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成の構成の
湾曲管装置を備えた内視鏡の挿入部を大腸dに挿入する
場合には図17(A)に示す状態から、可撓管部aを押
し込むと、このときの押圧力が可撓管部aと第2湾曲部
cとの中継部に集中して図17(B)に示すように、腸
壁を押し、腸を過伸展させてしまうおそれがある。
【0005】また、図17(B)に示す状態から更に可
撓管部aを押し込むと、図17(C)に示すように可撓
管部aが撓んでしまい、挿入が困難となる。そのため、
この場合には湾曲を戻す協調動作を行わないと、内視鏡
の視野が腸壁の方向を向き、視野が確保できない問題が
ある。
【0006】さらに、実公平1−22641号公報の湾
曲管装置の構成では、大腸dへの挿入の際に、挿入部を
把持する手の押し引きや、ねじり操作と、アングル操作
とを協調させる必要があるので、S状結腸f等の複雑な
屈曲部を通過させる作業は難しく、比較的長い時間がか
かる問題がある。
【0007】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、S状結腸等の複雑な屈曲部を通過させ
る作業を容易に行うことができる内視鏡装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、管腔内に挿入
される挿入部が細長い軟性の可撓管部と、前記挿入部の
先端部に配設された先端構成部と、この先端構成部と前
記可撓管部の先端部との間に介設された湾曲部とから形
成される内視鏡装置において、前記湾曲部に先端側に配
置された第1の湾曲部と、この第1の湾曲部の基端側に
連接され、前記第1の湾曲部よりも軸方向の曲げに対す
る硬さが硬くなる状態に設定された第2の湾曲部とを設
け、前記第2の湾曲部の後端位置を前記挿入部の先端部
から略15cm以上の長さに配置したことを特徴とする
内視鏡装置である。そして、本発明では、湾曲部を湾曲
させた際に第1の湾曲部が第2の湾曲部に比べて湾曲し
易く、第2の湾曲部は湾曲し難い状態で保持される。こ
のとき、湾曲部を湾曲させた状態において、外力による
曲げが第2の湾曲部に加えられると、第2の湾曲部を湾
曲させることができる。これにより、大腸挿入時の屈曲
部の通過の際に、第1の湾曲部を湾曲させた状態で腸壁
に押し当てても第2の湾曲部が湾曲することにより、腸
壁に力がかからないようにしたものである。そして、先
端部が次の屈曲に近接する際に手前の屈曲に近接しない
ようにして先端部が次の屈曲に近接するまで、湾曲不能
な硬質部である湾曲部の後端と可撓管との接続部が上記
の作用を持続するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1乃至図8を参照して説明する。図1は本実施の形
態の内視鏡装置1の全体の概略構成を示すものである。
この内視鏡装置1は撮像手段を備えた内視鏡2と、この
内視鏡2に着脱自在に接続されて内視鏡2内に設けられ
たライトガイドに照明光を供給する光源装置3と、内視
鏡2と信号ケーブル4を介して接続されて内視鏡2の撮
像手段を制御すると共に撮像手段から得られた信号を処
理するビデオプロセッサ5と、このビデオプロセッサ5
から出力される被写体像に対応する映像を表示するモニ
タ6とから主に構成されている。
【0010】また、内視鏡2には可撓性を有する細長の
挿入部7と、この挿入部7の基端側に接続された操作部
8と、この操作部8の側部から延出した可撓性を有する
連結コード9と、この連結コード9の端部に設けられた
コネクタ部10とが設けられている。そして、コネクタ
部10は光源装置3と着脱自在に接続されるようになっ
ている。さらに、コネクタ部10の側部には電気コネク
タ部11が設けられている。この電気コネクタ部11に
はビデオプロセッサ5と接続された信号ケーブル4が着
脱自在に接続可能になっている。なお、電気コネクタ部
11には内視鏡2の内部と外部とを連通する図示しない
通気部が設けられている。
【0011】挿入部7と操作部8との接続部にはこの接
続部の急激な曲がりを防止する弾性部材を有する挿入部
側折れ止め部材12が設けられている。さらに、操作部
8と連結コード9との接続部には同様の操作部側折れ止
め部材13、連結コード9とコネクタ部10との接続部
には同様のコネクタ部側折れ止め部材14がそれぞれ設
けられている。
【0012】また、挿入部7は可撓性を有する柔軟な可
撓管部15と、この可撓管部15の先端側に設けられた
操作部8の操作により湾曲可能な湾曲部16と、先端に
設けられ図示しない観察光学系、照明光学系などが配設
された先端部17とから構成されている。
【0013】先端部17には送気操作、送水操作によっ
て図示しない観察光学系の外表面の光学部材に向けて洗
滌液体や気体を噴出するための送気送水ノズル18と、
挿入部7に配設された処置具を挿通したり体腔内の液体
を吸引するための図示しない処置具チャンネルの先端側
の開口である吸引口19が設けられている。また、観察
対象物に向けて開口した液体を噴出するための送液口2
0とが設けられている。
【0014】コネクタ部10の端面には光源装置3に内
蔵された図示しない気体供給源と着脱自在に接続される
気体供給口金21と、ライトガイド接続部Lとが突設さ
れている。さらに、コネクタ部10の外周面には液体供
給源である送水タンク22と着脱自在に接続される送水
タンク加圧口金23及び液体供給口金24とが設けられ
ているとともに、先端部17の吸引口19より吸引を行
うための図示しない吸引源と接続される吸引口金25
と、送液口20より送水を行うための図示しない送水手
段と接続される注入口金26と、高周波処置等を行った
際に内視鏡2に高周波漏れ電流が発生した場合に漏れ電
流を高周波処置装置に帰還させるためのアース端子口金
27とが設けられている。
【0015】また、操作部8には送気操作、送水操作を
それぞれ操作する送気送水操作ボタン28と、吸引操作
を操作するための吸引操作ボタン29と、湾曲部16の
湾曲操作を行うための湾曲操作ノブ30と、ビデオプロ
セッサ5を遠隔操作する複数のリモートスイッチ31
と、処置具チャンネルに連通した開口である処置具挿入
口32とが設けられている。
【0016】なお、内視鏡2の電気コネクタ部11には
この電気コネクタ部11を液密にシールするための防水
キャップ33が着脱自在に接続可能である。
【0017】また、本発明の要部である、湾曲部16に
ついて説明する。図2に示すように内視鏡2の挿入部7
の先端部17にはステンレス(SUS303)等の金属
材料で形成された先端部本体34が配置されている。こ
の先端部本体34の先端部及び外周部は樹脂等の絶縁材
料からなる絶縁カバー部材35で覆われている。
【0018】さらに、湾曲部16には挿入部7の軸方向
に沿って略リング状の複数の湾曲駒37を並設させた管
状の湾曲管36が配設されている。この湾曲管36を構
成している複数の湾曲駒37はリベット38によって互
いに回動自在に連結されている。
【0019】また、湾曲部16の湾曲管36を構成する
複数の湾曲駒37の最先端に位置する先端側湾曲駒37
aは先端部本体34の基端部に固定ねじ等により連結固
定されている。さらに、湾曲管36の基端部に位置する
基端側湾曲駒37bは可撓管部15の先端部に設けられ
た先端側口金43に固定ねじ等により連結固定されてい
る。
【0020】また、湾曲管36の外周面は細い金属素線
を編んで筒状に形成された管状の網状管41によってこ
の湾曲管36全体が被嵌されている。ここで、網状管4
1の先端と基端は先端側湾曲駒37aと基端側湾曲駒3
7bにそれぞれ、半田、ロー付け、接着等の手段により
固定されている。
【0021】さらに、網状管41の外周には、フッ素ゴ
ム等の弾性部材からなる弾性外皮部材42が被覆されて
いる。この弾性外皮部材42の先端側は先端部本体34
の基端部に被覆され、基端側は先端側口金43に被覆さ
れている。そして、この弾性外皮部材42における先端
側の先端部本体34の被覆部分および基端側の先端側口
金43の被覆部分は外周に巻回した図示しない固定用糸
によって緊縛され、先端部本体34、先端側口金43に
それぞれ固定されている。さらに、固定用糸の外周側を
覆う様に接着剤45が塗布されてこれらが強固に固定さ
れ、これらの境界部分は水蜜的に封止されている。
【0022】また、各湾曲駒37には内方向に半田やロ
ー付けで固定されたワイヤガイド49が設けられてい
る。これらのワイヤガイド49には操作部8から延出さ
れた牽引ワイヤ50が挿通されている。この牽引ワイヤ
50の先端部は先端側湾曲駒37aに半田やロー付け等
により固定されている。
【0023】さらに、可撓管部15には牽引ワイヤ50
が挿通された密巻きコイル等からなる可撓性を有するガ
イドパイプ44がワイヤガイド49に相対して配設され
ている。このガイドパイプ44の先端部は先端側口金4
3に半田やロー付け等により固定されている。
【0024】また、本実施の形態の湾曲管36には先端
側に配設された第1の湾曲部39と、この第1の湾曲部
39の基端側に連接され、第1の湾曲部39よりも軸方
向の曲げに対する硬さが硬くなる状態に設定された第2
の湾曲部40とが設けられている。なお、図2中で、B
1は第1の湾曲部39の範囲、B2は第2の湾曲部40
の範囲である。ここで、挿入部7の先端部17の先端面
と第1の湾曲部39の後端位置との間の長さYは例えば
90〜120mm程度の長さに設定されている。そし
て、第1の湾曲部39の基端側の湾曲駒37と、第2の
湾曲部40の最先端の湾曲駒37との間はリベット38
により回動自在に連結されている。
【0025】また、各湾曲駒37の隣合う湾曲駒37が
回動した際に互いに当接する当接部の間隔tは第1の湾
曲部39を構成する大部分の湾曲駒37間の当接部の間
隔t1と、第2の湾曲部40の湾曲駒37間の当接部の
間隔t2との関係がt1>t2になるように設定されて
いる。
【0026】さらに、図3に示すように第2の湾曲部4
0を構成する部分の網状管41の外周には、シリコン系
接着剤等の弾性接着剤や、充填剤を塗布したり、ポリウ
レタン等の弾性を有する樹脂チューブ等を熱融着するこ
とによって、網状管41を形成する金属素線の網目の中
に、これらの弾性体を浸透させて形成された弾性膜部4
6が形成されている。
【0027】また、弾性外皮部材42には先端側に厚さ
が例えば0.5mmの薄肉部47が形成されている。そ
して、この弾性外皮部材42の薄肉部47の部分が第1
の湾曲部39に配設されている。
【0028】さらに、弾性外皮部材42の基端側には第
2の湾曲部40に配設される厚さが例えば1mmの厚肉
部48が形成されている。なお、薄肉部47の部分と厚
肉部48との境界にはテーパ状に滑らかに肉厚が変化す
る肉厚変化部48aが形成されている。そして、厚肉部
48は網状管41の弾性膜部46が形成された部分と、
弾性膜部46が形成されていない部分との境界から5〜
15mm程度(Z1)、基端側に配置されている。
【0029】また、網状管41の弾性膜部46の外周面
には二硫化モリブデン等の減摩剤が塗布されている。こ
れにより、弾性膜部46の外面と弾性外皮部材42の内
面との間が滑るようになっている。
【0030】また、弾性外皮部材42の長さ(自然長)
は組付け位置に対して例えば5〜15mm程度、長く形
成されており、組付けられた状態では自然長に対して圧
縮されるか、弛んだ状態となっている。この際、厚肉部
48は肉厚が厚いため、ほとんど弛まず、薄肉部47の
部分が弛むこととなる。
【0031】さらに、挿入部7の先端部17の先端面と
第2の湾曲部40の後端位置との間の長さXは略15c
m以上に形成されている。例えば18〜21cm程度に
設定されている。これにより、第2の湾曲部40の後端
位置は挿入部7の先端部から略15cm以上の長さに配
置されている。
【0032】なお、図4は一般的な人体の大腸の構造を
示すものである。ここで、H1は直腸、H2はS状結
腸、H3は下行結腸、H4は横行結腸、H5は上行結腸
である。さらに、H6はRs屈曲部(直腸H1とS状結
腸H2との境界部)、H7はSD屈曲部(S状結腸H2
と下行結腸H3との境界部)、H8は脾湾曲部(下行結
腸H3と横行結腸H4との境界部)、H9は肝湾曲部
(横行結腸H4と上行結腸H5との境界部)、H10は
脾湾曲部H8と肝湾曲部H9との間の横行結腸H4の略
中央に位置する横行結腸中央屈曲部である。
【0033】また、文献「臨床消化器内科1999Vo
l.14No.1」日本メディカルセンター発行の「一
人法の基本的手技」田村智 著の「I.大腸の走行」に
は大腸の最深部である上行結腸H5の長さL1は15c
m〜20cmであることが示されている。
【0034】さらに、文献「大腸内視鏡挿入法 ビギナ
ーからベテランまで」工藤著 医学書院発行には大腸挿
入時に腸を過度に伸展させない場合の内視鏡の挿入長、
すなわち肛門からの長さLとして、以下のデータが示さ
れている。
【0035】Rs屈曲部H6までの長さL2は15c
m、SD屈曲部H7までの長さは30cmである。これ
より、Rs屈曲部H6から次の屈曲部であるSD屈曲部
H7までの長さL3は略15cmである。
【0036】また、脾湾曲部H8までの長さは40c
m、肝湾曲部H9までの長さは60cm。これより、脾
湾曲部H8と肝湾曲部H9との間の横行結腸H4の略中
央に位置する横行結腸中央屈曲部H10は脾湾曲側、肝
湾曲側の何れかに偏っていた場合、中央屈曲部H10と
脾湾曲部H8との間の距離L4及び中央屈曲部H10と
肝湾曲部H9との距離L5は10cm以上となる。
【0037】これらを考慮して、本発明における挿入部
7の先端部17の先端面と第2の湾曲部40の後端位置
との間の長さXは以下の理由により15cm以上に設定
されている。
【0038】1.挿入部7を上行結腸H5へ挿入する作
業中に、挿入部7の先端部17の先端が上行結腸H5の
深部に到達するまで、可撓管部15が肝湾曲部H9に到
達しないようにする。
【0039】2.挿入部7を直腸H1に挿入している作
業中に、可撓管部15が直腸H1に入らないようにす
る。
【0040】3.挿入部7をS状結腸H2に挿入してい
る作業中に、可撓管部15がRs屈曲部H6に到達しな
いようにする。
【0041】4.挿入部7を横行結腸中央屈曲部H10
へ挿入する作業中に可撓管部15が脾湾曲部H8に到達
しないようにする。なお、ここで横行結腸中央屈曲部H
10が肝湾曲部H9側に偏っている場合には、L4が1
0cm以上になる場合もあるため、15cm程度とす
る。
【0042】5.挿入部7を肝湾曲部H9へ挿入する際
に可撓管部15が横行結腸中央湾曲部H10に到達しな
いようにする。
【0043】以上の理由により、挿入部7の先端部17
の先端面と第2の湾曲部40の後端位置との間の長さX
は略15cm以上に設定されている。なお、望ましくは
Xは18cm〜21cm程度に設定する。大腸の形態に
は個人差があるが、この場合には大部分の症例におい
て、上記の関係が成り立つことになる。
【0044】また、湾曲部16は術者が湾曲操作ノブ3
0を操作することで、牽引ワイヤ50が牽引操作され、
湾曲管36に内蔵された図示しない処置具挿通用チャン
ネル、送気送水管路、撮像素子に接続されたケーブル等
の内蔵物の抵抗や、湾曲管36に被嵌している網状管4
1、弾性外皮部材42の抵抗に抗して、複数の湾曲駒3
7が回動して湾曲部16が湾曲する構成となっている。
ここで、湾曲部16の基端側の第2の湾曲部40は、網
状管41の弾性膜部46、弾性外皮部材42の厚肉部4
8の抵抗により、第1の湾曲部39よりも、曲がり難く
なっている。なお、第1の湾曲部39は上記に加えて、
薄肉部47が弛んでいることで、第2の湾曲部40より
も曲がり易い。
【0045】また、湾曲部16の湾曲操作時には湾曲に
より、弛んだ薄肉部47が伸びた後、厚肉部48に張力
がかかり、厚肉部48が伸び始めても、弾性膜部46と
弾性外皮部材42との滑りが良いため、ある範囲までは
弾性膜部46と厚肉部48との間が滑り、弾性膜部46
に力を与えないので、更に第2の湾曲部40は曲がり難
い状態で保持される。以上のようにして、第2の湾曲部
40は曲げに対する硬さが、第1の湾曲部39よりも硬
くなるように形成されている。
【0046】また、図5(A)〜(D)は操作部8の湾
曲操作ノブ30の操作により、湾曲部16を湾曲動作さ
せた際の湾曲部16の湾曲形状の設定状態を示すもので
ある。本実施の形態では湾曲操作の際に図5(A)〜
(D)に示す形状となるように、各湾曲駒37の当接部
の間隔(t1、t2)、網状管41の弾性膜部46の材
質、厚さ、弾性外皮部材42の材質、厚さ、及び牽引ワ
イヤ50の牽引量等の各要素を適宜調整して設定されて
いる。
【0047】まず、湾曲部16の湾曲動作の初期は湾曲
部16の基端側の第2の湾曲部40は、第1の湾曲部3
9よりも曲がり難いため、湾曲動作を行うと先端側の第
1の湾曲部39のみが先に湾曲し、図5(A)に示す状
態となる。
【0048】更に湾曲操作ノブ30を回転操作して湾曲
をかけると、第2の湾曲部40の先端側も曲がり始め、
図5(B)に示す状態となる。このとき、挿入部7の先
端部17の先端面の向きは挿入部7の中心線Oの方向に
対する回転角度θ1が略90°回転させた状態になって
いる。
【0049】また、図5(B)の状態から更に湾曲をか
け、挿入部7の先端部17の先端面の向きが略180゜
の方向を向く状態に湾曲させると図5(C)の状態とな
る。さらに、牽引ワイヤ50を最大に牽引すると図5
(D)の状態となる。
【0050】この図5(D)の状態では第1の湾曲部3
9は、先端側を除くほとんどの隣合う湾曲駒37間が当
接した状態となる。このとき、第2の湾曲部40は隣合
う湾曲駒37間が当接しないように各湾曲駒37の当接
部の間隔t2と曲がり難さが設定されている。
【0051】次に、上記構成の本実施の形態の内視鏡装
置1の作用について説明する。ここでは、図6(A)〜
(F)、図7(A)〜(G)を参照して内視鏡2の挿入
部7を大腸へ挿入する作業について説明する。
【0052】まず、肛門から挿入された挿入部7は、直
腸H1に挿入される。この際、内視鏡2の挿入部7の先
端が直腸H1の深部に到達するまで、可撓管部15は直
腸H1にほとんど挿入されない。そのため、挿入途中
で、湾曲操作ノブ30の湾曲操作により湾曲部16を湾
曲させて直腸H1のほぼ全長の形状をコントロールする
ことができる。そして、図6(A)に示すように、直腸
H1からS状結腸H2への移行部であるRs屈曲部H6
に達する。
【0053】続いて、図6(A)の状態で、湾曲操作ノ
ブ30の湾曲操作により湾曲部16を湾曲させて、図6
(B)に示すように挿入部7の先端部17、第1の湾曲
部39をS状結腸H2に導入する。
【0054】その後、湾曲部16の基端部若しくは可撓
管部15を把持して可撓管部15、湾曲部16を挿入部
7の押込み方向に押圧操作する。このとき、図6(C)
に示すように湾曲部16がRs屈曲部H6の外側の腸壁
に押し当てられることで第1の湾曲部39、第2の湾曲
部40が曲がりながら、先端部17が前進する。この作
業中、第2の湾曲部40は腸壁との接触によって容易に
曲がるため、腸壁に力がかからず、図6(C)中に点線
で示すように腸壁を伸展させることがない。また、可撓
管部15が撓んでしまうこともない。
【0055】図6(C)の状態から、更に湾曲部16を
押し込み方向に押圧操作すると、図6(D)に示すよう
に挿入部7の先端部17がS状結腸H2から下行結腸H
3への移行部であるSD屈曲部H7に到達する。ここ
で、湾曲操作ノブ30の湾曲操作により湾曲部16を湾
曲させて、図6(E)に示すように先端部17および第
1の湾曲部39を下行結腸H3に導入する。この際、湾
曲部16と可撓管部15との接続部は直腸H1からS状
結腸H2への移行部であるRs屈曲部H6に近接してい
ないので、この状態まで、腸壁に力がかかることがな
く、腸壁の伸展や可撓管部15の撓みを防止できる。
【0056】この状態で、湾曲を戻して湾曲部16を略
直線状に戻すか、湾曲操作ノブ30が自由に回動可能な
状態にして、可撓管部15、湾曲部16を引くと、図6
(F)に示すように湾曲部16が直線化される。これに
より、直腸H1からS状結腸H2までの部分は湾曲部1
6に沿ってほぼ、直線化される。
【0057】続いて、この状態で可撓管部15を把持し
て押し進めれば、挿入部7は容易に下行結腸H3を前進
していく。そして、図7(A)に示すように挿入部7の
先端部17が下行結腸H3から横行結腸H4への移行部
である脾湾曲部H8に到達する。
【0058】さらに、図7(A)の状態で、湾曲操作ノ
ブ30の湾曲操作により湾曲部16を湾曲させて、図7
(B)に示すように挿入部7の先端部17、第1の湾曲
部39を横行結腸H4に導入する。続いて、可撓管部1
5を把持して押すと、図7(C)に示すように湾曲部1
6が脾湾曲部H8の外側の腸壁に押し当てられることで
第1の湾曲部39及び第2の湾曲部40が曲がりなが
ら、前進する。この際、第2の湾曲部40が容易に曲が
るので、図7(D)に示すように腸壁に力がかからず、
図7(D)中に点線で示すように腸壁を伸展させること
がない。また、可撓管部15が撓んでしまうこともな
い。
【0059】そして、可撓管部15をさらに押していく
と、図7(E)に示すように横行結腸H4の中央屈曲部
H10に到達する。ここで、湾曲操作ノブ30の湾曲操
作により湾曲部16を湾曲させて、図7(F)に示すよ
うに横行結腸H4の中央屈曲部H10より深部に挿入部
7の先端部17、第1の湾曲部39を導入する。この
際、湾曲部16と可撓管部15との間の接続部は下行結
腸H3から横行結腸H4への移行部である脾湾曲部H8
に近接していないので、この状態まで、腸壁に力がかか
ることがなく、腸壁の伸展や可撓管部15の撓みを防止
できる。
【0060】そして、可撓管部15を押して、更に挿入
部7を押し進める。この際、可撓管部15を押してもよ
いが、湾曲部16の湾曲を戻して直線化するか、湾曲操
作ノブ30が自由に回動可能な状態にして可撓管部15
を引くことにより、図7(G)に示すように湾曲部16
が直線化される。これにより、横行結腸H4は湾曲部1
6に沿ってほぼ、直線化された状態で挿入部7の挿入が
可能となる。
【0061】なお、次の屈曲部である肝湾曲部H9の通
過については図示しないが同様の作用で、内視鏡2の挿
入部7が挿入される。
【0062】そして、大腸の最深部で最もコントロール
し難く、可撓管部15を押した力が最も伝わり難くな
る、上行結腸H5への挿入時には、挿入部7の先端部1
7が上行結腸H5の深部に到達するまで、湾曲部16
と、可撓管部15との接続部が肝湾曲部H9に到達しな
いため、腸に力を与えず、腸の過度な伸展や、可撓管部
15の撓みを防止できる。
【0063】また、図8は湾曲操作ノブ30による湾曲
操作で湾曲部16を単一方向へ湾曲させ、湾曲操作ノブ
30を固定した状態を示すものである。ここで、湾曲操
作ノブ30の操作により、湾曲部16に角度θaの湾曲
をかけると挿入部7の先端部17はaの状態で保持され
る。
【0064】この状態において、第2の湾曲部40の各
湾曲駒37は互いに当接していないため、湾曲部16に
図8中の矢印Fの外力が与えられると、第2の湾曲部4
0の各湾曲駒37が回動して更に湾曲し、挿入部7の先
端部17をb、cの状態に曲げることができる。ここ
で、湾曲操作ノブ30の回動位置を動かさない場合に
は、牽引ワイヤ50の牽引量は変わらないことから、
b、cの状態に曲げた場合の挿入部7の先端部17の向
き(湾曲角度)θbとθcはθaとほぼ変わらず、第2
の湾曲部40が外力により曲がった角度とほぼ同一の量
だけ第1の湾曲部39の湾曲駒37が湾曲が戻る方向に
回動して、第1の湾曲部39の湾曲は解除され、第1の
湾曲部39は軸方向に伸びる。これにより、挿入部7の
先端部17は視野方向、すなわち進行したい方向にほ
ぼ、直線的に移動する。
【0065】これにより、図6(C)および図7(D)
に示す状態の際に腸壁に湾曲部16を押し付けて、湾曲
部16を変形させることにより、特別な湾曲操作をする
ことなく、視野を確保しながら自動的に視野方向に先端
部17を前進させることができる。
【0066】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡装置1で
は内視鏡2の湾曲部16に先端側の第1の湾曲部39
と、この第1の湾曲部39の基端側に連接され、第1の
湾曲部39よりも軸方向の曲げに対する硬さが硬くなる
状態に設定された第2の湾曲部40とを設け、第2の湾
曲部40の後端位置を挿入部7の先端部から略15cm
以上の長さに配置したので、湾曲部16の全長が長いに
も関わらず、湾曲操作ノブ30の操作による湾曲動作時
には、第1の湾曲部39のみを主に湾曲させ、第2の湾
曲部40はほとんど湾曲しない状態で保持させることが
できる。そのため、湾曲部16の通過の際に可撓管部1
5の押し操作をして、湾曲部16を腸壁に押し付けた際
に、容易に第2の湾曲部40が曲がるため、腸壁が過度
に伸展することを防止することができる。このとき、可
撓管部15が撓まないので、先端部17の進行方向に力
が確実に伝わり、屈曲部の通過が容易になる。
【0067】さらに、図5(D)に示すように湾曲操作
ノブ30の操作による湾曲動作で湾曲部16を最大湾曲
状態に湾曲操作した際にも、第2の湾曲部40の各湾曲
駒37は当接していないため、どの様な湾曲動作状態に
おいても、第2の湾曲部40に外力が加わった場合に
は、図5(D)の点線で示すように、更に第2の湾曲部
40を湾曲させることができる。また、湾曲部16が長
いにもかかわらず、湾曲操作ノブ30の操作では湾曲部
40はほとんど湾曲しないので、湾曲形状がコンパクト
で、狭い腸管の中でも操作性が良い。
【0068】また、湾曲部16と可撓管部15との間の
接続部のように曲がらない硬質部分が大腸内のRs屈曲
部H6のような屈曲部に近接する前に先端部17、第1
の湾曲部39を次の屈曲部であるSD屈曲部H7に導入
することができるので、この状態で湾曲部16の形状を
変えることで、腸管を直線化し、挿入部7の挿入を容易
にすることができる。
【0069】さらに、本実施の形態では大腸内の屈曲部
の通過の際に内視鏡2の視野を確保しながら、挿入でき
るため、挿入部7の挿入が容易となる。以上により、本
実施の形態では大腸内の屈曲部の通過時における腸の過
伸展やステッキ現象が防止でき、大腸への挿入部7の挿
入を容易に行うことができる。
【0070】また、本実施の形態では、湾曲部16の網
状管41と弾性外皮部材42と湾曲管36とを組み合わ
せた状態において、湾曲部16の曲げに対する硬さが次
の表1に示す関係となるようにそれぞれ形成されてい
る。
【0071】
【表1】
【0072】そして、図3に示すように網状管41の弾
性膜部46のある部分と無い部分の境界部分よりも基端
側に弾性外皮部材42の厚肉部48を位置させて、弾性
膜部46の部分と薄肉部47とが組み合わされた上記表
1の3の組み合わせ部分のように、曲げに対する硬さが
中間の硬さの部分を設けている。
【0073】この場合には湾曲部16の途中部分に硬さ
が急激に変化する部分がないので、湾曲部16の湾曲操
作時の湾曲形状がスムーズな形状となる。さらに、図6
(C)や、図7(D)に示す状態の際に腸壁に湾曲部1
6を押し付けても、第1の湾曲部39と第2の湾曲部4
0との接続部に、急激に屈曲する部分が生じず、曲げに
対する硬さが急激に変化する部分がないので、可撓管部
15の押し操作をした際に、第1の湾曲部39と第2の
湾曲部40との途中部分に力が集中して、腸壁に力を与
えることがない。このため、腸壁が伸展せず、可撓管部
15が撓まない。さらに、湾曲部16の湾曲時に湾曲部
16の外表面に急激な段差が生じない効果もある。
【0074】また、第1の湾曲部39と第2の湾曲部4
0との間の接続部の部分を、曲げに対する硬さが比較的
軟らかい構成としたので、湾曲操作を行った際に、第1
の湾曲部39の基端部が曲がり易く、コンパクトな形状
となる。
【0075】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、湾曲部16の通過時における腸
の過伸展やステッキ現象が防止でき、大腸への挿入が容
易な内視鏡2を提供できる。第2の湾曲部40を曲がり
難くするための抵抗として、網状管41と弾性外皮部材
42とを用いているので、実公平1−22641号公報
の構成のような不具合がない。
【0076】さらに、本実施の形態の内視鏡装置1では
湾曲部16の第1の湾曲部39の形状がコンパクトで従
来の一般的な内視鏡と同様であり、大腸への挿入におい
て湾曲操作によって先端部17および第1の湾曲部39
を大腸の腸壁にひっかけて、湾曲部16の湾曲動作によ
って腸管をたたみ、短縮させる動作が容易に行える。ま
た、先端部17および第1の湾曲部39を大腸のひだに
かけて、湾曲操作によりひだをかきわける動作がし易く
なり、ひだの裏側の観察性が良い。
【0077】また、大腸への内視鏡2の挿入方法には大
別して2つの方法がある。第1の方法は可撓管部15を
把持し、押し込む動作を主体として、挿入部7の先端を
深部に押し進める挿入方法である。また、第2の方法は
可撓管部15を押し込む動作と共に、湾曲操作によって
先端部17を大腸の腸壁にひっかけて、湾曲部16の湾
曲動作によって腸管をたたみ、短縮させる動作を主体と
して、挿入部7の先端部17を深部へ導く挿入方法であ
る。
【0078】そして、上記の構成の本実施の形態の内視
鏡装置1によれば、第1の方法で発生し易い腸の過伸展
や、ステッキ現象を防止することができると共に、第2
の方法においても操作性を損なうことがない。
【0079】また、本実施の形態では第2の湾曲部40
の曲げに対する硬さは、可撓管部15との接続部近傍の
可撓管部15の曲げに対する硬さよりも小さくなるよう
に、湾曲部16、先端部17内部に配置された内蔵物の
曲げに対する硬さや、内蔵物の湾曲部16、先端部17
に対する充填率、湾曲部16、可撓管部15の各要素を
構成している。
【0080】そして、図5(B)に示すように湾曲操作
ノブ30の操作により湾曲部16を90゜以上湾曲させ
た状態においても、可撓管部15と、湾曲部16の硬さ
の関係が上記と同様に構成されている。
【0081】なお、湾曲部16の湾曲角度が90゜程度
に屈曲された状態は、腸の屈曲部を越える際に、次の管
腔に挿入部7の先端部17を入れるために通常、必要な
最低の角度である。そして、内視鏡2の挿入部7を大腸
内に挿入する作業中、内視鏡2の湾曲部16を腸の屈曲
部を通過させる際に、湾曲部16の湾曲角度が90゜以
上の角度がついた状態で可撓管部15を押す場合には、
内視鏡2に力を加える方向と、挿入部7の先端部17が
向いた方向、すなわち挿入部7の先端部17を進める方
向とが異なることとなる。90°を越えると逆方向にな
る。
【0082】このため、この状態で可撓管部15を押込
み操作した場合には従来構成の内視鏡では図17(B)
に示すように、湾曲部cが腸壁を押す方向にしか力が加
わらないので、押した方向に腸壁が過度に伸展したり、
可撓管部15が撓んでしまい、所謂ステッキ現象が起こ
ってしまう。
【0083】なお、本実施の形態においては図5(D)
における湾曲操作ノブ30の操作による最大湾曲状態に
おいても、可撓管部15と湾曲部16の硬さの関係も上
記と同様に構成されている。そのため、内視鏡2の挿入
部7を大腸内に挿入する作業中に、大腸内の屈曲部にお
いてどの様な大きさの湾曲をかけた状態でも、可撓管部
15に力を加えると、湾曲部16が腸壁と滑らない状態
でも、可撓管部15が撓み始める前に湾曲部16の第2
の湾曲部40が変形し、確実に先端部17を前進させる
ことができる。
【0084】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡2の挿
入部7を大腸内に挿入する作業中に、大腸内の屈曲部に
おいて可撓管部15が撓んで、先端部17に力が伝わら
なくなることがないので、内視鏡2の挿入部7を大腸内
の屈曲部を通過させる際の作業性が良い。
【0085】なお、可撓管部15の湾曲部16との接続
部近傍部分を軟性部51とし、この基端側に軟性部51
よりも長手方向の曲げに対する硬さを硬くした図示しな
い硬性部を設けても良い。
【0086】また、図9(A),(B)および図10
(A)〜(D)は第1の実施の形態(図1乃至図8参
照)の内視鏡装置1の第1の変形例を示すものである。
本変形例は内視鏡2の湾曲部16の構成を次の通り変更
したものである。
【0087】図9(A)は湾曲部16の単一方向への湾
曲操作時に牽引ワイヤ50の動作ストロークにより湾曲
させることが可能な最大湾曲状態を示すものである。そ
して、本変形例ではこの湾曲部16の最大湾曲状態時
に、第2の湾曲部40の先端部の軸線S1と可撓管部1
5の中心線S2との間の角度α1を略45゜以下とし、
第1の湾曲部39の先端部の軸線S3と第2の湾曲部4
0の先端部の軸線S1との間の角度α2を略180゜以
上の角度を有するように、湾曲部16の湾曲駒37、網
状管41、弾性膜部46及び牽引ワイヤ50のストロー
クを設定したものである。ここで、本変形例ではα1を
20゜、α2を180゜にそれぞれ設定し、可撓管部1
5の中心線S2に沿う略直線状の自然状態に対しては合
計200゜の湾曲がかかるように形成されている。
【0088】なお、内視鏡2による大腸検査時には直腸
H1において、直腸内反転視と呼ばれている肛門H11
付近の観察が行われる場合がある。これは、内視鏡2の
挿入部7を肛門H11から直腸H1に挿入した際に、挿
入方向に向いている挿入部7の先端部17を湾曲操作ノ
ブ30の湾曲操作によって湾曲部16を180゜以上湾
曲させることで、図9(A)に示すように内視鏡2の視
野方向を挿入方向に対してほぼ正反対に向けて観察を行
うものである。
【0089】ここで、湾曲部16の最大湾曲状態時に、
第2の湾曲部40の先端部の軸線S1と可撓管部15の
中心線S2との間の角度α1を45゜以上とした場合に
は図9(B)に示すように、観察したい肛門付近を正面
側から観察することができない。そこで、本変形例のよ
うに湾曲部16の最大湾曲状態時に、第2の湾曲部40
の先端部の軸線S1と可撓管部15の中心線S2との間
の角度α1を45゜以下に設定したことにより、図9
(A)に示すように肛門H11付近を正面側から観察す
ることができる。
【0090】次に、図9(A)に示す湾曲部16の最大
湾曲状態から、この湾曲方向と直交する方向へ更に湾曲
をかけた際の湾曲動作について図10(A)〜(D)を
参照して説明する。図10(A),(B)は図9(A)
と同様の湾曲部16の最大湾曲状態を示すものである。
この状態では第1の湾曲部39は、ほとんどの隣り合う
湾曲駒37の当接部間が当接している。このとき、第2
の湾曲部40は、ほとんどの隣り合う湾曲駒37の当接
部間は当接していない。
【0091】この状態から、湾曲部16に図10(B)
に示すように湾曲がかけられている方向と直交する方向
である矢印R、矢印Lの方向に更に湾曲をかけると、第
1の湾曲部39は湾曲駒37が当接して固定状態にある
ため、ほとんど、形状が変化しない。一方、第2の湾曲
部40では各湾曲駒37が当接していないため、新たに
湾曲をかけた方向に湾曲駒37が回動し、図10
(C)、図10(D)に示す湾曲形状にそれぞれ変形さ
れる。
【0092】そこで、本変形例では、肛門H11付近を
観察する際、図10(A),(B)の状態から、図10
(C)、図10(D)の状態に変形させても先端部17
と観察対象物との距離を大きく変化させることがなく、
図10(A),(B)の状態で観察していた対象物の周
辺を観察できる。さらに、本変形例では第1の湾曲部3
9の部分の湾曲角度がほとんど増加しないので、湾曲部
16の内蔵物にダメージを与えない効果もある。
【0093】なお、図9(A)に示す湾曲部16の最大
湾曲状態において、第2の湾曲部40の先端部の軸線S
1と可撓管部15の中心線S2との間の角度α1を45
゜以上とした場合でも90゜以下に設定するのが望まし
い。
【0094】なお、図5(B)に示すように、湾曲操作
ノブ30の湾曲操作により、湾曲部16を自然状態(挿
入部7の中心線Oの方向)に対して略90゜の回転角度
θ1に湾曲させる際の湾曲操作時に、第1の湾曲部39
が90゜まで湾曲する前に、第2の湾曲部40が湾曲し
始める構成にしている。
【0095】ここで、大腸の屈曲部、例えば図11
(A),(B)に示すRs屈曲部H6や、図12
(A),(B)に示す脾湾曲部H8などは通常、90゜
以下の鋭角である。そのため、内視鏡2の挿入部7を大
腸へ挿入する操作時には、Rs屈曲部H6や、脾湾曲部
H8などを通過させる際に、挿入部7の先端部17の視
野を屈曲部の先の管腔方向に向けるため、湾曲部16を
少なくとも、90゜以上の角度に湾曲させる必要があ
る。このとき、湾曲部16は第2の湾曲部40が湾曲す
ることにより、図11(B)、図12(B)に示すよう
に、腸壁を第2の湾曲部40が押すことで屈曲部が鈍角
になり、湾曲部16の通過が容易になる。
【0096】さらに、図6(C)、図7(D)に示す状
態で、腸壁に湾曲部16を押し付ける際に、既に第2の
湾曲部40が第1の湾曲部39と同方向に曲がっている
為、図13に示すように第2の湾曲部40が第1の湾曲
部39の湾曲方向と逆の方向に曲がってしまうことがな
い。
【0097】また、図14は第1の実施の形態(図1乃
至図8参照)の内視鏡装置1の第2の変形例を示すもの
である。本変形例は内視鏡2の湾曲部16の構成を次の
通り変更したものである。
【0098】すなわち、本変形例では図14に示すよう
に、湾曲操作ノブ30の操作による最大湾曲角度(挿入
部7の中心線Oの方向に対する回転角度θ2)を180
゜に設定し、この範囲までは第2の湾曲部40が曲がり
始めないように設定したものである。
【0099】この場合は、従来、広く用いられている一
般的な第2の湾曲部40のない内視鏡と、全く、湾曲形
状が変わらないので、内視鏡の湾曲操作時の操作感覚が
変わらず、従来の操作方法に慣れている術者に対して違
和感がない。
【0100】また、図5(C)に示すように湾曲操作ノ
ブ30の操作により、湾曲部16を自然状態に対して略
180゜湾曲させた状態において、挿入部7の先端部1
7は湾曲部16と可撓管部15との接続部よりも、先端
側に位置する形状に設定してもよい。
【0101】この場合には挿入部7の挿入口である、肛
門H11に近いS状結腸H2の通過及び、S状結腸H2
と下行結腸H3との移行部であるSD屈曲部H7の通過
において各屈曲部を通過させるために、通常、湾曲部1
6は180゜以上は曲げる必要がない。このため、湾曲
部16を曲げた場合でも、湾曲部16の基端部分を把持
することができる。
【0102】そして、これらの部位の挿入において、第
2の湾曲部40を把持し、曲げることにより第2の湾曲
部40及び第1の湾曲部39の湾曲形状を任意に変える
ことができる。例えば、湾曲操作ノブ30にて湾曲をか
け、湾曲操作ノブ30を保持した状態で、把持した手で
第2の湾曲部40を曲げれば、前述した図8に示す作用
により、第1の湾曲部39は角度が鈍角になり、第2の
湾曲部40を鈍角にすれば、第1の湾曲部39は鋭角に
湾曲形状が変化する。特に、肛門H11から直腸H1ま
では上記操作が行えるし、腸壁をたたみ、腸管を短縮化
しながら挿入すれば、S状結腸H2から下行結腸H3へ
の移行部まで、上記操作が行える。
【0103】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、湾曲部16の形状を挿入部7を
把持した手で、挿入部7の押し引き操作と連動して湾曲
形状を調整できるので、操作性が良く、挿入性が良くな
る。また、前述した直腸内反転視の際も観察視野の調整
がし易くなる効果がある。
【0104】また、図15および図16は本発明の第2
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の
実施の形態(図1乃至図8参照)の内視鏡装置1の内視
鏡2における湾曲部16の構成を次の通り変更したもの
である。
【0105】すなわち、本実施の形態の湾曲部16では
図15に示すように、第1の実施の形態とは逆に第1の
湾曲部39の外周面の弾性外皮部材42の薄肉部47の
部分の後端部側に弾性外皮部材42の厚肉部48を延設
させたものである。ここで、弾性外皮部材42の厚肉部
48は網状管41の弾性膜部46のある部分と無い部分
との境界部分よりも適宜の長さ先端側まで延出されてい
る。この弾性外皮部材42の厚肉部48の延出部分の長
さZ2は例えば5mm〜15mm程度に設定されてい
る。そして、この弾性外皮部材42の厚肉部48の延出
部分の長さZ2の部分に弾性膜部46がない部分と厚肉
部48とが組み合わされた、曲げに対する硬さが中間の
硬さの部分(表1の2に相当する)が形成されている。
【0106】そして、本実施の形態では湾曲部16の第
1の湾曲部39と第2の湾曲部40との接続部に曲げに
対する硬さが比較的硬い長さZ2の中間の硬さの部分を
設けたので、湾曲操作を行った際には、第1の湾曲部3
9の基端部が曲がり難くなり、第2の湾曲部40の先端
側が曲がり易く、図16に示す湾曲形状となる。
【0107】そのため、大腸の屈曲部において、湾曲操
作により、湾曲部16に湾曲をかけると腸の屈曲部の形
状が第1の実施形態よりも、更に鈍角な形状となるの
で、可撓管部15を押した際に、加えた力が挿入部7の
先端部17に伝わり易く、挿入部7の先端部17が挿入
方向に推進し易くなる。
【0108】そこで、本実施の形態では大腸の屈曲部に
内視鏡2の挿入部7を挿入する際に大腸の屈曲部に挿入
部7の先端部17を通過させる操作がさらに容易とな
り、挿入性が向上する効果がある。
【0109】さらに、本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他
の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 先端部と先端部の基端に接続された湾曲
部と湾曲部の基端に接続された可撓管とからなる軟性の
挿入部とを有する内視鏡装置において、前記湾曲部の長
さを先端から略15cm以上に形成し、前記湾曲部は先
端側に設けられた第一湾曲部と、第一湾曲部の基端側に
連接した第一湾曲部よりも軸方向の曲げに対する硬さが
硬く形成された第二湾曲部とを具備する内視鏡装置。
【0110】(付記項2) 前記第一湾曲部と第二湾曲
部は複数の節輪部材を回動自在に連結した湾曲管部材を
具備し、湾曲管部材に第一湾曲部と第二湾曲部の軸方向
の曲げに対する硬さを異ならせる抵抗部材を外嵌したこ
とを特徴とする付記項1の内視鏡装置。
【0111】(付記項3) 前記湾曲部は湾曲管部材の
外周を被嵌する被嵌部材と、被嵌部材の外周を被覆する
弾性外皮部材とからなり、前記被嵌部材は湾曲部の軸方
向の曲げに対する硬さの異なる先端側の軟質部と基端側
の硬質部を有し、弾性外皮部材は湾曲部の軸方向の曲げ
に対する硬さの異なる先端側の軟質部と基端側の硬質部
を具備する付記項2の内視鏡装置。
【0112】(付記項4) 前記被嵌部材の硬質部と軟
質部との硬度変化位置と、弾性外皮部材の硬質部と軟質
部との硬度変化位置とを湾曲部の軸方向の異なる位置に
設けたことを特徴とする付記項3の内視鏡装置。
【0113】(付記項5) 弾性外皮部材の硬度変化位
置を被嵌部材の硬度変化位置よりも先端側に設けた付記
項4の内視鏡装置。
【0114】(付記項6) 弾性外皮部材の硬度変化位
置を被嵌部材の硬度変化位置よりも基端側に設けた付記
項4の内視鏡装置。
【0115】(付記項7) 湾曲操作手段による操作ワ
イヤの牽引操作によって、湾曲部を少なくとも略90°
以上湾曲させた状態において、第二湾曲部の軸方向の曲
げに対する硬さを第二湾曲部に接続された可撓管の軸方
向の曲げに対する硬さよりも小さく形成した付記項1の
内視鏡装置。
【0116】(付記項8) 湾曲操作手段による湾曲操
作によって湾曲させることが可能な湾曲部の最大湾曲状
態において、第二湾曲部の軸方向の曲げに対する硬さを
第二湾曲部に接続された可撓管の軸方向の曲げに対する
硬さよりも小さく形成した付記項1の内視鏡装置。
【0117】(付記項9) 前記湾曲部が、略180°
曲げられたときに、先端部の位置が湾曲部と可撓管との
接続部よりも軸方向先端側に位置するよう湾曲部を形成
した付記項1の内視鏡装置。
【0118】(付記項10) 先端部と先端部の基端に
接続された湾曲部と湾曲部の基端に接続された可撓管と
からなる軟性の挿入部を有する内視鏡装置において、前
記湾曲部は先端側に設けられた第一湾曲部と、第一湾曲
部の基端側に連接した第一湾曲部よりも軸方向の曲げに
対する硬さが硬く形成された第二湾曲部とを具備し、第
一湾曲部と第二湾曲部は複数の節輪部材を回動自在に連
結した湾曲管部材にて形成し、第一湾曲部の節輪部材の
少なくとも1つに端部が固定された操作ワイヤを有し、
湾曲操作手段による操作ワイヤの牽引操作によって湾曲
部を略90°以上湾曲させた状態において、第二湾曲部
の軸方向の曲げに対する硬さを第二湾曲部に接続された
可撓管の軸方向の曲げに対する硬さよりも小さく形成し
たことを特徴とする内視鏡装置。
【0119】(付記項11) 湾曲操作手段による操作
ワイヤの牽引操作によって湾曲させることが可能な湾曲
部の最大湾曲状態において第二湾曲部の軸方向の曲げに
対する硬さを第二湾曲部に接続された可撓管の軸方向の
曲げに対する硬さよりも小さく形成したことを特徴とす
る内視鏡装置。
【0120】(付記項1〜11の従来技術) 実公平1
−22641号公報。
【0121】(付記項1が解決しようとする課題) 実
公平1−22641号公報では、第二湾曲部の長さにつ
いては考慮されていないため、第二湾曲部と、可撓管と
の接続部である中継管が体腔内屈曲部に近接すると、図
17(A)に示す状態から、可撓管を押し込むと、力が
中継管に集中して図17(B)に示すように、腸壁を押
し、腸を過伸展させてしまう。更に可撓管を押し込む
と、図17(C)に示すように可撓管がたわんでしま
い、挿入が困難となり、湾曲を戻す協調動作を行わない
と、視野が腸壁の方向を向き、視野が確保できない。
【0122】(付記項8が解決しようとする課題) 実
公平1−22641号公報の構成では、大腸への挿入の
際に、挿入部を把持する手の押し引きやねじり操作と、
アングル操作を協調させる必要があり、S状結腸等の複
雑な屈曲を通過するのは困難であった。
【0123】(付記項9が解決しようとする課題) 実
公平1−22641号公報では、第二湾曲部にそれ自身
の伸縮量が少ないステーコイルが内蔵されているため、
第二湾曲部に外力が与えられた際に第二湾曲部が自由に
曲がることができず、湾曲部を湾曲操作手段により湾曲
をかけた際には、湾曲によりステーコイルが圧縮ないし
伸張させられたことによるステーコイルの復元力が発生
することにより、第二湾曲部は外力によっては更に曲が
り難くなってしまい、曲げに対する硬さの変化が大きい
変化点が第二湾曲部にできたり、第二湾曲部の曲げに対
する硬さが、接続された近傍の可撓管の曲げに対する硬
さよりも硬くなってしまう。このため、挿入において、
湾曲をかけた状態で可撓管を押し込むと、図15(C)
に示すように可撓管が撓んで挿入困難となる。
【0124】(付記項1の作用) 湾曲操作手段の操作
により、湾曲部を湾曲させた際に第一湾曲部が湾曲し易
く、第二湾曲部は湾曲し難いので第二湾曲部はほとんど
湾曲しない。このため、湾曲した状態において、外力に
よる曲げが加えられると、第二湾曲部は湾曲することが
できる。これにより、大腸挿入時の屈曲部の通過の際
に、湾曲部を湾曲した状態で腸壁に押し当てても第二湾
曲部が湾曲することにより、腸壁に力がかからない。更
に硬質部である湾曲部と可撓管との接続部が屈曲部に近
接した際には、先端部は次の屈曲に導入される。
【0125】(付記項8の作用) 肛門から直腸におけ
る、腸の屈曲部の通過の為に湾曲部を湾曲させた状態で
も第二湾曲部の一部が把持出来る。これを把持して、把
持した手で第二湾曲部を曲げれば、第一湾曲部の湾曲形
状がこれに連動して変化するので、湾曲操作手段の操作
をすることなく第一湾曲部の湾曲形状を調整できる。
【0126】(付記項9の作用) 腸の屈曲部の通過の
際に、湾曲部を湾曲させた状態で腸壁に押し当てても、
可撓管が撓み始める前に第二湾曲部が確実に曲がるの
で、腸壁に力がかからない。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、湾曲部に先端側に配置
された第1の湾曲部と、この第1の湾曲部の基端側に連
接され、第1の湾曲部よりも軸方向の曲げに対する硬さ
が硬くなる状態に設定された第2の湾曲部とを設け、第
2の湾曲部の後端位置を挿入部の先端部から略15cm
以上の長さに配置したので、S状結腸等の複雑な屈曲部
を通過させる作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の内視鏡装置の全
体の概略構成図。
【図2】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内視
鏡の湾曲部の内部構成を示す縦断面図。
【図3】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内視
鏡の湾曲部の第1の湾曲部と第2の湾曲部との接続部分
を示す要部の縦断面図。
【図4】 一般的な人体の大腸の構造を示す概略構成
図。
【図5】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内視
鏡の湾曲部の動作を説明するための説明図。
【図6】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内視
鏡の挿入部を大腸の直腸、S状結腸、下行結腸内に挿入
する操作を説明するための説明図。
【図7】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内視
鏡の挿入部を大腸の下行結腸から横行結腸内に挿入する
操作を説明するための説明図。
【図8】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内視
鏡の湾曲部の第1の湾曲部と第2の湾曲部の動作を説明
するための説明図。
【図9】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内視
鏡の湾曲部の第1の変形例の作用を説明するための説明
図。
【図10】 第1の変形例の内視鏡の湾曲部の作用を説
明するための説明図。
【図11】 内視鏡の挿入部を大腸の直腸からS状結腸
へ挿入する作用を説明するための説明図。
【図12】 内視鏡の挿入部を大腸の下行結腸から横行
結腸へ挿入する作用を説明するための説明図。
【図13】 第2の湾曲部が第1の湾曲部の湾曲方向と
逆の方向に曲がった状態を説明するための説明図。
【図14】 第1の実施の形態の内視鏡装置における内
視鏡の湾曲部の第2の変形例を示す正面図。
【図15】 本発明の第2の実施の形態の内視鏡装置に
おける内視鏡の湾曲部を示す要部の縦断面図。
【図16】 第2の実施の形態の内視鏡装置における内
視鏡の湾曲部の作用を説明するための説明図。
【図17】 従来の内視鏡装置における内視鏡の湾曲部
の作用を説明するための説明図。
【符号の説明】
2 内視鏡 7 挿入部 15 可撓管部 16 湾曲部 17 先端部(先端構成部) 39 第1の湾曲部 40 第2の湾曲部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月8日(2000.12.
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、管腔内に挿入
される挿入部が細長い軟性の可撓管部と、前記挿入部の
先端部に配設された先端構成部と、この先端構成部と前
記可撓管部の先端部との間に介設された湾曲部とから形
成される内視鏡装置において、前記湾曲部に先端側に配
置された第1の湾曲部と、この第1の湾曲部の基端側に
連接され、前記第1の湾曲部よりも軸方向の曲げに対す
る硬さが硬くなる状態に設定された第2の湾曲部とを設
け、前記第2の湾曲部の後端位置を前記挿入部の先端部
から略15cm以上の長さに配置したことを特徴とする
内視鏡装置である。そして、本発明では、湾曲部を湾曲
させた際に第1の湾曲部が第2の湾曲部に比べて湾曲し
易く、第2の湾曲部は湾曲し難い状態で保持される。こ
のとき、湾曲部を湾曲させた状態において、外力による
曲げが第2の湾曲部に加えられると、第2の湾曲部を湾
曲させることができる。これにより、大腸挿入時の屈曲
部の通過の際に、第1の湾曲部を湾曲させた状態で腸壁
に押し当てても第2の湾曲部が湾曲することにより、腸
壁に力がかからないようにしたものである。そして、先
端部が次の屈曲に近接する際に湾曲不能な硬質部である
湾曲部の後端と可撓管との接続部が手前の屈曲に近接し
ないようにして、先端部が次の屈曲に近接するまで上記
の作用を持続するようにしたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正内容】
【0119】(付記項11) 湾曲操作手段による操作
ワイヤの牽引操作によって湾曲させることが可能な湾曲
部の最大湾曲状態において第二湾曲部の軸方向の曲げに
対する硬さを第二湾曲部に接続された可撓管の軸方向の
曲げに対する硬さよりも小さく形成したことを特徴とす
付記項10の内視鏡装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正内容】
【0122】(付記項が解決しようとする課題) 実
公平1−22641号公報の構成では、大腸への挿入の
際に、挿入部を把持する手の押し引きやねじり操作と、
アングル操作を協調させる必要があり、S状結腸等の複
雑な屈曲を通過するのは困難であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】(付記項10が解決しようとする課題)
実公平1−22641号公報では、第二湾曲部にそれ自
身の伸縮量が少ないステーコイルが内蔵されているた
め、第二湾曲部に外力が与えられた際に第二湾曲部が自
由に曲がることができず、湾曲部を湾曲操作手段により
湾曲をかけた際には、湾曲によりステーコイルが圧縮な
いし伸張させられたことによるステーコイルの復元力が
発生することにより、第二湾曲部は外力によっては更に
曲がり難くなってしまい、曲げに対する硬さの変化が大
きい変化点が第二湾曲部にできたり、第二湾曲部の曲げ
に対する硬さが、接続された近傍の可撓管の曲げに対す
る硬さよりも硬くなってしまう。このため、挿入におい
て、湾曲をかけた状態で可撓管を押し込むと、図15
(C)に示すように可撓管が撓んで挿入困難となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正内容】
【0125】(付記項の作用) 肛門から直腸におけ
る、腸の屈曲部の通過の為に湾曲部を湾曲させた状態で
も第二湾曲部の一部が把持出来る。これを把持して、把
持した手で第二湾曲部を曲げれば、第一湾曲部の湾曲形
状がこれに連動して変化するので、湾曲操作手段の操作
をすることなく第一湾曲部の湾曲形状を調整できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正内容】
【0126】(付記項10の作用) 腸の屈曲部の通過
の際に、湾曲部を湾曲させた状態で腸壁に押し当てて
も、可撓管が撓み始める前に第二湾曲部が確実に曲がる
ので、腸壁に力がかからない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管腔内に挿入される挿入部が細長い軟性
    の可撓管部と、前記挿入部の先端部に配設された先端構
    成部と、この先端構成部と前記可撓管部の先端部との間
    に介設された湾曲部とから形成される内視鏡装置におい
    て、 前記湾曲部に先端側に配置された第1の湾曲部と、この
    第1の湾曲部の基端側に連接され、前記第1の湾曲部よ
    りも軸方向の曲げに対する硬さが硬くなる状態に設定さ
    れた第2の湾曲部とを設け、 前記第2の湾曲部の後端位置を前記挿入部の先端部から
    略15cm以上の長さに配置したことを特徴とする内視
    鏡装置。
JP2000337968A 2000-11-06 2000-11-06 内視鏡装置 Expired - Fee Related JP3772085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000337968A JP3772085B2 (ja) 2000-11-06 2000-11-06 内視鏡装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000337968A JP3772085B2 (ja) 2000-11-06 2000-11-06 内視鏡装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004135641A Division JP2004230189A (ja) 2004-04-30 2004-04-30 内視鏡装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002143084A true JP2002143084A (ja) 2002-05-21
JP3772085B2 JP3772085B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=18813265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000337968A Expired - Fee Related JP3772085B2 (ja) 2000-11-06 2000-11-06 内視鏡装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3772085B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004298446A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Fuji Photo Optical Co Ltd 内視鏡
CN101653353B (zh) * 2009-08-28 2010-12-01 哈尔滨工业大学 连续体型半自主式内窥镜机器人
WO2011114570A1 (ja) * 2010-03-15 2011-09-22 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡
WO2012161021A1 (ja) * 2011-05-20 2012-11-29 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡
US8366606B2 (en) 2005-08-22 2013-02-05 Olympus Medical Systems Corp. Endoscope and method for inserting endoscope into colon
JP2014014502A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡
WO2018220919A1 (ja) * 2017-05-31 2018-12-06 オリンパス株式会社 挿入機器
JPWO2019239545A1 (ja) * 2018-06-14 2021-04-08 オリンパス株式会社 内視鏡システムおよび挿入部の推進方法
CN114828932A (zh) * 2019-10-23 2022-07-29 佳能美国公司 具有分段可弯曲区段的医学设备

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004298446A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Fuji Photo Optical Co Ltd 内視鏡
US8366606B2 (en) 2005-08-22 2013-02-05 Olympus Medical Systems Corp. Endoscope and method for inserting endoscope into colon
CN101653353B (zh) * 2009-08-28 2010-12-01 哈尔滨工业大学 连续体型半自主式内窥镜机器人
WO2011114570A1 (ja) * 2010-03-15 2011-09-22 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡
JP4914952B2 (ja) * 2010-03-15 2012-04-11 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡
JP5253676B2 (ja) * 2011-05-20 2013-07-31 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡
WO2012161021A1 (ja) * 2011-05-20 2012-11-29 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡
JP2014014502A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡
WO2018220919A1 (ja) * 2017-05-31 2018-12-06 オリンパス株式会社 挿入機器
JPWO2019239545A1 (ja) * 2018-06-14 2021-04-08 オリンパス株式会社 内視鏡システムおよび挿入部の推進方法
JP7007478B2 (ja) 2018-06-14 2022-01-24 オリンパス株式会社 内視鏡システムおよび内視鏡システムの作動方法
CN114828932A (zh) * 2019-10-23 2022-07-29 佳能美国公司 具有分段可弯曲区段的医学设备
JP2022552900A (ja) * 2019-10-23 2022-12-20 キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド セグメント化された湾曲可能セクションを備える医用装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3772085B2 (ja) 2006-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4009519B2 (ja) 内視鏡
AU2006213225B2 (en) Flexible tube for endoscope, and endoscope device
US8702595B2 (en) Insertion instrument endoscope
US8465419B2 (en) Endoscope insertion unit, endoscope and endoscope system
EP2138090B1 (en) Endoscope
JP5173136B2 (ja) 内視鏡装置
WO2006085621A1 (ja) 内視鏡用可撓管、及び内視鏡装置
JP2003339631A (ja) 内視鏡挿入補助具
JP2008253774A (ja) 内視鏡装置
US20190167070A1 (en) Bending operation wire attaching structure and endoscope
JP2002143084A (ja) 内視鏡装置
US20200121167A1 (en) Insertion device
US20100016660A1 (en) Bending neck for transesophageal echocardiography (tee) probe
JP2004230189A (ja) 内視鏡装置
JP4577473B2 (ja) 内視鏡
JP3720530B2 (ja) 内視鏡
JP3756874B2 (ja) 内視鏡
JPH09140660A (ja) 内視鏡
JPH07308283A (ja) カバー方式内視鏡
JPH08280603A (ja) カバー式内視鏡
JP4005080B2 (ja) 内視鏡装置
JP2524905Y2 (ja) 内視鏡用湾曲管
JPH06277174A (ja) 内視鏡装置
JP2001078955A (ja) 内視鏡
JP3597416B2 (ja) 内視鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040430

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100217

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140217

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees