JP3772112B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は挿入部の硬度を可変調整可能ならしめるようにした内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、大腸に挿入する大腸用内視鏡では屈曲したS状結腸等に挿入部を通すため、その挿入部はかなり軟らかなものである。しかし、挿入部の先端がS状結腸を通過した後、つまり挿入部の先端が脾湾曲に到達したら、S状結腸を直線化し、その直線状態を維持しながら、さらに深部へ挿入するために挿入部の硬度を使用途中で硬くしたい場合がある。これに対処するために、例えば実開平3−43802号公報には手元側操作部でのレバー操作により、挿入部内に配設したコイルパイプに挿通したワイヤを牽引してコイルパイプを圧縮してそのコイルパイプの硬度を高め、挿入部の硬度を硬くするようにしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、可撓性調整部材を内蔵した内視鏡の可撓性調整は挿入部内に設けたコイルパイプを、可撓性調整ワイヤを牽引することで圧縮して硬質化するものである。可撓性調整部材の先端は挿入部の湾曲部と軟性部の接続部にある。
【0004】
しかし、ライトガイド等の内蔵物は、湾曲部においては、通常、小さな曲げ半径でも損傷しないように、湾曲部後端から軟性部先端側にかけて保護チューブが設けてある。この保護チューブと可撓性調整部材が同じ軸に垂直な断面内にあると、内視鏡が太径化する。
そこで、本発明では、可撓性調整部材を内蔵した内視鏡の挿入部の太径化を極力防ぐようにした内視鏡を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、湾曲部と軟性部を有する挿入部と、操作部と、前記湾曲部内に配置され内蔵物を覆う保護筒体と、前記軟性部内に配置されたコイルパイプと、前記コイルパイプ内に挿通され、先端側部分を前記コイルパイプの先端側部分に固定したワイヤと、前記操作部に設けられた操作ノブにより前記コイルパイプと前記ワイヤを相対的に移動し前記コイルパイプの剛性を変更して前記軟性部の可撓性の剛性を調整する可撓性調整手段とを有する内視鏡において、前記保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端とがその軸方向の位置において互いに重ならないように配置したことを特徴とするものである。
【0006】
他の発明は、請求項1において、保護筒体は複数あり、少なくとも一つの保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端が軸方向の位置において重ならないようにし、他の少なくとも一つの保護筒体と前記コイルパイプとが軸方向の位置において重なるようにしたことを特徴とする内視鏡である。
さらに他の発明は、請求項1または請求項2において、保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端とを軸方向に5mm以上離したことを特徴とする内視鏡である。
【0007】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
(構成)
図1は内視鏡システムにおける電子式内視鏡1を示している。電子式内視鏡1は細長い軟性挿入部6と、この挿入部6の後端側に連設された太径の操作部7と、この操作部7の側部から延設されたユニバーサルケーブル8とを備えている。この内視鏡1のユニバーサルケーブル8にはこの内視鏡1に照明光を供給する光源部と内視鏡1から送出される画像信号を信号処理する信号処理部とを有する制御装置(図示しない。)が接続されるようになっている。この内視鏡システムには制御装置から出力される映像信号を画面上に表示するモニタ(図示しない。)が付設されている。
【0008】
前記挿入部6は、その先端側に位置して硬性の先端部10を設け、この先端部10に隣接する後方側には湾曲可能な湾曲部11を設け、さらに湾曲部11の後方には可撓性(軟性)の筒状体を有した軟性部12を連設して構成されている。前記湾曲部11は前記操作部7に設けられた湾曲操作ノブを操作することにより上下/左右の両方向に湾曲できるように構成されている。
前記ユニバーサルケーブル8の延出先端にはこれを前記制御装置に接続するためのコネクタ14が設けられている。
【0009】
図1に示すように、前記挿入部6の先端部10は、硬性の材料で略円筒状に形成された先端部本体17を有しており、先端部本体17には挿入部6の長手方向と平行に鉗子チャンネル用透孔18と観察用透孔19とが設けられている。この鉗子チャンネル用透孔18には接続用管21が内蔵されており、この接続用管21の、先端部本体17の後方に突出する後部には鉗子チャンネル22を形成するための可撓性のチューブ23の先端が接続されている。この鉗子チャンネル用チューブ23は挿入部6の内部に挿通され、そのチューブ23の後端は操作部7内に導かれ、かつ操作部7に設けられた鉗子口24に連通するように接続されている。
【0010】
前記観察用透孔19の前方部位には対物レンズ系26が設けられており、この対物レンズ系26の結像位置には固体撮像素子27が設けられている。この固体撮像素子27には画像信号を送出できる信号線28が接続されている。この信号線28は挿入部6内に挿通されるとともに操作部7とユニバーサルケーブル8内とを経て前記コネクタ14に設けられた接点29に接続されている。
【0011】
なお、コネクタ14には図示しない光源部より出射した照明光をライトガイド31の端部に入射させるようにしたライトガイドコネクタ32が設けられている。このライトガイド31はユニバーサルケーブル8と操作部7と挿入部6との各内部を経て、その先端部分は先端部本体17に設けられたライトガイド用透孔(図示しない。)に挿入されて、術野の観察部位に照明光を照射できるようになっている。
【0012】
前記湾曲部11内には複数の略環状の関節駒33…が互いに回動自在で挿入部6の長手方向に配置されており、この関節駒33…のうち最先端の関節駒33は先端部本体17の後端部に外嵌して固定されている。この複数の関節駒33の最後端のものは軟性部12の先端に設けられた環状の接続管34の先端部に嵌入して固定されている。また接続管34には、先端部本体17の後端に接続され、かつ金属製のコイルパイプによって形成された図示しないアングルワイヤガイドの途中部分が支持されており、そのアングルワイヤガイドの内部には前記操作部7に設けられた湾曲操作ノブを操作することによって牽引弛緩操作される可撓性の撚線等の図示しないアングルワイヤが挿通支持されている。そして、湾曲操作ノブを回動操作により前記湾曲部11を湾曲して、その前方の先端部10を上下/左右の方向に指向できるようになっている。
なお、湾曲部11は軟性の外被56で被覆されている。また、軟性部12の外装は内筒体57と外皮58によって構成されている。
【0013】
ところで、前記挿入部6には、大腸の深部等の屈曲した体腔内にも容易に挿入できるように以下に説明する可撓性調整機構(手段)が設けてある。
すなわち、前記挿入部6の軟性部12内には可撓性調整手段としての可撓性可変部材として、金属製のコイルパイプ39と、これの内腔に挿通した可撓性調整用ワイヤ41とを設けてある。
【0014】
このコイルパイプ39の先端は前記軟性部12内の領域にあってその先端は特に固定されていない。つまりコイルパイプ39の先端側部分は移動可能なフリーな状態にある。コイルパイプ39と、これに挿通した可撓性調整用ワイヤ41の各先端は位置合わせがなされた状態で例えばろう42によって互いに強固に固定されるとともにその先端部分は丸く仕上げてある。
【0015】
このようにコイルパイプ39の先端と可撓性調整用ワイヤ41の先端は連結されているが、この可撓性可変部材は軟性部12内で特に固定はされていない。つまり、コイルパイプ39とワイヤ41は挿入部6の軟性部12内では固定されておらず、フリーな状態で配置されている。
【0016】
なお、前記軟性部12の後端と操作部7の前端とを接続する接続口金43の内周面に対応したコイルパイプ39の後端側途中部分を、その接続口金43に、例えばろう付けによって取着固定してもよいが、ここでは固定せず、後述する如く、コイルパイプ39とワイヤ41の後端を操作部7内で位置決めされることを除き、全長にわたりフリーな状態にある。
【0017】
図1で示すように、コイルパイプ39の後端側は後方へ操作部7の内部側まで延出されていて、操作部7の内部における部材44に突き当たって位置決めされている。コイルパイプ39の後端は部材44に突き当たっているだけでもよいし、例えばろう付け、またはその他の手段で取着固定してもよい。
【0018】
そして、このコイルパイプ39に内装された可撓性調整用ワイヤ41の後端側部分は図2に示すような進退操作機構45に導かれて、これに連結されている。この進退操作機構45は操作部7の後端に露出して設けた操作ノブ46を有し、この操作ノブ46は雄ねじ部47が設けられている。この雄ねじ部47は操作部7の本体部材48に形成した雌ねじ部49に螺合している。そして、この雄ねじ部47は操作ノブ46により動かされて後述するスライド部材を進退させるスライド駆動体を構成している。
【0019】
雌ねじ部49の内方にはその雌ねじ部49の内径よりも大きな内径の空洞部50が同軸的に配設されている。
前記雄ねじ部47の内方前端には複数の腕51が一体的に付設されており、この複数の腕51はいずれも雌ねじ部49の内方側に向かって突き出し、空洞部50内にフリーな状態で配置されている。なお、複数の腕51は前記雄ねじ部47の内方端部に形成した円筒状部分に軸方向に沿って複数のスリット(すり割り)を形成してその円筒状部分を複数に分割することにより弾性的に開く如く形成されている。各腕51の背面は雌ねじ部49と空洞部50との境界段差部からなる接触部55に接触している。そして、図2で示すように操作ノブ46を回転して雄ねじ部47を内方へねじ込んだ操作待機状態においては各腕51は開きぎみにある。各腕51の先端にはそれぞれ爪52が形成されている。
【0020】
一方、この進退操作機構45の部位に導かれてきた可撓性調整用ワイヤ41の手元端には円筒状のラック53が取り付けられている。ラック53はワイヤ41に連結され、そのワイヤ41と共に進退移動するスライド部材を構成している。このスライド部材としてのラック53の周面にはその軸方向へ所定のピッチで凹凸が形成され、それによって複数の周回溝54が設けられている。そして、複数の周回溝54と腕51の爪52によって前記雄ねじ部(スライド駆動体)47とラック(スライド部材)53を連係すると共に、前記操作ノブ46の操作待機時にはその連係を解除する接続手段を構成している。
【0021】
すなわち、各腕51の先端が閉じれば、その先端にある爪52が対向する位置にある周回溝54に嵌り込んで係合し得る構成となっている。このように前記雄ねじ部47とラック53とを連係すると共にその両部材の接続と解除が可能な接続手段を構成しているが、前記雄ねじ部47とラック53の係合は爪52と周回溝54によるため、その腕51やラック53が軸周りに回転しても外れず、その連係が回転しても継続する。
【0022】
次に、図3(a)〜(c)を参照して、軟性部12の先端側近傍の構造を説明する。内蔵物の一例として、図3(a)のように結束チューブ61がある。この結束チューブ61は,柔軟なチューブであって,前述したライトガイド31を束ねるものである。
【0023】
この結束チューブ61は、湾曲部11においての小さな曲げ半径の湾曲時でも、座屈したり、他の内蔵物の圧迫を極力防ぐための筒体62によって覆われている。また、この保護用筒体62は柔軟ではあるが、前記結束チューブ61よりは剛性の高いものである。また樹脂製のものでも、螺旋状や編状にした金属製のものでもよい。また、このような筒体62は信号線28にも被せられている。
【0024】
なお、信号線28の代わりに例えば他の送気用チューブや送水用チューブなどを内蔵物とする筒体62を設けるものであってもよい。いずれにせよ、これら筒体62は湾曲部11の後端から軟性部12の先端部にかけての領域において1つ以上の内蔵物に設けられるが、前述したコイルパイプ39の先端は,それら筒体62の後端と軸方向の位置において重ならないようになっている(図3(a)を参照)。
【0025】
湾曲部11に湾曲がかかっていたり、軟性部12がループ状態だったりすると、筒体62の後端とコイルパイプ39の先端の軸方向の位置関係は変わり得るので、どのような状況でも、筒体62の後端とコイルパイプ39の先端が重ならないように、それらは挿入部6がストレート状態で、例えば5mm以上離して設置するようにするのがよい。
【0026】
図3(b)は別の例であり、鉗子チャンネル用チューブ23との関係で示す。鉗子チャンネル用チューブ23も湾曲時に座屈しないように湾曲部11の外周に螺旋状金属からなる筒体63を設けてある。筒体63はその一部がチューブ23の外表面に埋めこまれている。この場合も、前述した理由から筒体63の後端とコイルパイプ39の先端は5mm以上離して設けている。
【0027】
図3(c)はさらに別の例であり、ライトガイド31との関係を示す。このライトガイド31を束ねる結束チューブを覆う筒体64は軟性部12の手元側まで伸び、このためコイルパイプ39と重なってはいるが、前記同様の理由で、他の内蔵物、例えば送気チューブ65の筒体66とは重ならないようになっている。
【0028】
(作用)
まず、可撓性調整機構の作用について説明する。操作ノブ46を回動させてワイヤ41を牽引する作用について述べる。図2で示すような初期状態において操作ノブ46は通常、前進した位置にあり、腕51は開いて、その爪52はラック53の周面から離れ、周回溝54から解除する状態にある。この開放状態においては前記ワイヤ41の手元端側はフリーな状態にあり、ワイヤ41には張力が加わらないため、コイルパイプ39には圧縮力が加わらない。従って軟性部12の柔軟性は通常の柔らかいものである。
【0029】
そこで、軟性部12の硬度(剛性)を硬く(高め)したい場合には進退操作機構45の操作ノブ46を回転して、雌ねじ部49に螺合している雄ねじ部47をねじ込むと、雄ねじ部47と腕51が並進して図2で右側に移動し、腕51はその背面が接触部55に当たっていることから、2つの腕51及び爪52の間隔が次第に狭くなる。最初、ラック53と離れていた腕51の爪52が、そのラック53の周回溝54にかみ合う。これが牽引動作の初期状態である。この爪52とラック53がかみ合う牽引作動の初期状態から、さらに操作ノブ46を回して腕51を右方向へ移動させると、ラック53が右側へ引かれ、ワイヤ41を牽引することになる。
【0030】
このようにワイヤ41に張力を与え、コイルパイプ39を操作部7側に引き寄せ、そのコイルパイプ39を密着巻きに近い状態にする。その程度はワイヤ41に与える張力の値によって変わる。操作ノブ46をそのままにすれば、可撓性調整用ワイヤ41はその張力を維持して軟性部12を曲げる方向に対して反力(剛性)を与え、軟性部12の剛性を上げることができる。つまり、操作ノブ46の回動操作量によって、軟性部12の剛性を可変できる。
【0031】
ところで、このような可撓性調整を何度も繰り返していると、ワイヤ41にはその都度、膨大な力が加わるため、ある程度の劣化は避けられない。ワイヤ41の自然長は次第に伸び、またはコイルパイプ39の自然長が縮んでくる。
【0032】
操作ノブ46が回転することによりワイヤ41を牽引する初期状態は、図2のようにラック53はワイヤ41の自然長に応じて、その都度、決まる。つまり、図2で、ワイヤ41の自然長が劣化により伸びれば、それに応じてラック53の位置は図2の場合よりもさらに右側に移動した位置となる。ラック53にはあらかじめ複数の周回溝54が設けてあるので、ワイヤ41の自然長の伸びによってラック53は次第に右側に移するだけであり、腕51の爪52に噛み合うラック53の周回溝54は次第に左側のものになるだけである。操作ノブ46を回してその腕51が閉じ、その爪52に対応するあらたな周回溝54がその腕51の爪52とかみ合うことになる。操作ノブ46を同じように回すことで、常に同様な回動位置で、腕51とラック53とがかみ合って、同様な初期動作位置からワイヤ41の牽引が始まる。
【0033】
こうして、ワイヤ41の自然長が伸びても、それに応じて爪52とかみ合う周回溝54が入れ替わり、初期状態における自然長の伸びを吸収し、常に同様な初期の条件で可撓性調整を開始させることができる。
また、コイルパイプ39が縮んだりしてその自然長が短くなっても同様にそれを吸収して初期の条件での可撓性調整を開始させることができる。
従って、ユーザーは、コイルパイプ39やワイヤ41の自然長の伸び縮みなど気にせずに、何度も繰り返して可撓性調整を行うことができ、その機能も常に一定に確保できる。可撓性調整機能を繰り返し使用しても、常に良好な可撓性調整機能を確保できる。
【0034】
次に、この内視鏡1を経肛門的に大腸内に挿入する場合として図4を参照しながら説明する。
まず、湾曲操作ノブを操作して、その内視鏡1の挿入部6を大腸内に挿入してゆき、図4(a)に示すように挿入部6の先端部10が下行結腸93から脾湾曲94に到達させる。ここで、軟性部12の一部はS状結腸92の走行の影響で曲がった状態にある。内視鏡1の先端部10を脾湾曲94に引っ掛けてその軟性部12の手元側を引くと、図4(b)のように、軟性部12はストレートに近い状態となり、S状結腸92は折りたたまれるようにして直線化される。
【0035】
その後、横行結腸95へ挿入しようとすると、S字状結腸92付近が屈曲状態に戻ろうとするが、ここで、前述したように操作ノブ46を回動することにより、可撓性調整手段の可撓性調整用ワイヤ41に張力を与え、コイルパイプ39を硬くする。これにより、前述のように軟性部12の剛性を大きくでき、挿入部6の軟性部12が屈曲状態に戻るのを阻止できる。軟性部12の途中がたわんでしまうと、手元側の力が先端に伝わりずらくなるが、たわまなければ図4(c)のように単純なカーブを描きながら盲腸98まで容易に到達できる。つまり、軟性部12の剛性を大きくしたまま、横行結腸95を通過していくことで、横行結腸95のたわみを図4(c)のように解除して肝湾曲97を越え、上行結腸96、盲腸98に挿入できる。
【0036】
一方、図3(a)〜(c)についての作用は次の通りである。すなわち、筒体62,63,66がコイルパイプ39と軸方向の位置で重ならないので、太径化を極力防いでいる。ただし、例えばライトガイド31のようなファイバー束は硬質の内蔵物の圧迫に対して耐久性が不十分と考える場合には図3(c)のように、ライトガイド31(及び結束チューブ)の上にかぶせた筒体64はコイルパイプ39のあるところにも設け(軟性部12の手元側又は操作部7内にまで設ける)ため、硬質化したコイルパイプ39の圧迫に対しても十分な耐久性をもたせることができる。これはライトガイド31だけでなく、この内視鏡1がファイバースコープであればそのイメージガイドにも筒体64が設けられ、コイルパイプ39からの圧迫に耐えられるようにしてもよい。また、信号線28の筒体も手元側までかぶっていてもよい。光学機能は内視鏡1の最も基本的機能であるため、それにかかわる内蔵物(信号線28又はイメージガイドやライトガイド31)は優先的に十分な耐久性を確保する必要があるためである。
【0037】
本実施形態によれば、可撓性調整部材の先端は湾曲部に入らないようにし、かつ、他の内蔵物の少なくとも一つに湾曲部内で被せた保護チューブが可撓性調整部材と同じ断面(軸に垂直)にならないようにしたことで、挿入部の太径化を防げる。
【0038】
<付記>
(1)湾曲部と軟性部を有する挿入部と、前記湾曲部内に内蔵物を覆う保護筒体と、前記軟性部内にコイルパイプと、前記コイルパイプ内に挿通され先端側部分を前記コイルパイプに固定したワイヤと、前記操作部において操作ノブにより前記コイルパイプと前記ワイヤを相対的に移動し前記コイルパイプの剛性を変更して前記軟性部の可撓性の剛性を調整する可撓性調整手段とを有する内視鏡において、
前記保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端とがその軸方向の位置において互いに重ならないように配置したことを特徴とする内視鏡。
【0039】
(2)付記第1項において、前記保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端とを軸方向に5mm以上離したことを特徴とする内視鏡。
(3)付記第1項において、前記内蔵物及び前記保護筒体は複数あり、それら全ての保護筒体の後端と、コイルパイプの先端とを離したことを特徴とする内視鏡。
(4)付記第1項において、少なくとも一つの保護筒体の後端とコイルパイプの先端は離し、他の少なくとも一つの保護筒体とコイルパイプは重なるようにしたことを特徴とする内視鏡。
(5)付記第4項において、前記コイルパイプと重なる保護筒体はファイバー束を覆うものであることを特徴とする内視鏡。
(6)付記第5項において、前記保護筒体は固体撮像素子につながる信号線を覆うことを特徴とする内視鏡。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、可撓性調整部材を内蔵した内視鏡の挿入部の太径化を極力防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る電子式内視鏡の断面図。
【図2】前記内視鏡の可撓性調整部材の調整機構部分の断面図。
【図3】前記内視鏡の挿入部における軟性部内構造の説明図。
【図4】前記内視鏡の挿入部を大腸内に挿入するときの説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡、6…挿入部、7…操作部、10…先端部、11…湾曲部、12…軟性部、39…コイルパイプ、41…可撓性調整用ワイヤ、45…進退操作機構、46…操作ノブ、47…雄ねじ部(スライド駆動体)、49…雌ねじ部、51…腕、52…爪、53…ラック(スライド体)、54…周回溝。
Claims (3)
- 湾曲部と軟性部を有する挿入部と、操作部と、前記湾曲部内に配置され内蔵物を覆う保護筒体と、前記軟性部内に配置されたコイルパイプと、前記コイルパイプ内に挿通され、先端側部分が前記コイルパイプの先端側部分に固定したワイヤと、前記操作部に設けられた操作ノブにより前記コイルパイプと前記ワイヤを相対的に移動し前記コイルパイプの剛性を変更して前記軟性部の可撓性の剛性を調整する可撓性調整手段とを有する内視鏡において、
前記保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端とがその軸方向の位置において互いに重ならないように配置したことを特徴とする内視鏡。 - 請求項1において、保護筒体は複数あり、少なくとも一つの保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端が軸方向の位置において重ならないようにし、他の少なくとも一つの保護筒体と前記コイルパイプとが軸方向の位置において重なるようにしたことを特徴とする内視鏡。
- 請求項1または請求項2において、保護筒体の後端と前記コイルパイプの先端とを軸方向に5mm以上離したことを特徴とする内視鏡。
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