JP3938624B2 - 内視鏡及び内視鏡用硬度調整装置 - Google Patents

内視鏡及び内視鏡用硬度調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓管部を構成する軟性管の硬度を調整する硬度調整手段を備えた内視鏡及び内視鏡用硬度調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、切開を必要とすることなく、体腔内の検査対象部位を観察したり、必要に応じて、内視鏡の有する処置具チャンネル内に処置具を挿通して各種治療・処置の行える内視鏡が広く用いられている。
【0003】
前記内視鏡の挿入部は、屈曲した体腔内などに挿通させることが可能なように可撓性を有する。しかし、挿入部に可撓性を持たせたことによって、挿入部手元側の操作が挿入部先端側まで伝達されず、挿入部先端側の方向性が定まらず、目的部位までスムーズに挿通させることが難しくなるという問題があった。
【0004】
この問題に対処するため、例えば実開平3−43802号公報には、内視鏡の内部にコイルとワイヤとからなる硬度可変手段(或いは硬度調整手段、可撓性可変手段ともいう)を設け、内視鏡検査を行う術者が簡単な操作を行うことで挿入部の可撓性を調整することにより、屈曲した経路内への挿入を行い易くした内視鏡が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、硬度可変手段を操作して挿入部を構成する可撓管部の硬度を硬めに設定した場合、生体内における挿入部は、生体側から受ける抵抗によって、極端に小さな曲げ半径で曲がることはないと考えられるが、生体外においては、硬度可変手段を操作して硬状態にした状態であっても、術者などが人為的に挿入部を小さな曲げ半径で曲げる可能性がある。そして、前記挿入部が小さな曲げ半径で曲げられることによって、硬度可変手段が内蔵物を強く圧迫し、場合によっては内蔵物を破損するおそれがある。
【0006】
また、硬度可変手段を構成するワイヤによってコイルを圧縮して硬化させる際、万一前記コイルが弾性変形で大きく縮んだ場合には、このコイルの変形によって軟性管自体が引っ張られて、蛇行したり、軟性管に余計な負荷がかかって、耐久性や挿入性に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、硬度可変手段を硬状態にして、挿入部の可撓管部を所定の曲げ形状に湾曲させたとき、前記硬度可変手段によって、挿入部内に配置されている内蔵物が破損することや軟性管自体に余計な負荷がかかることを防止した内視鏡を提供することを目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡は、可撓管部を構成する軟性管内に、この軟性管の硬度を調整する細長でその中途部が軟性管内で移動可能に硬度調整手段及び他の内蔵物を配設した内視鏡において、前記硬度調整手段を最大硬度に調整した状態において当該可撓管部を所定量曲げた際、前記硬度調整手段の移動により前記他の内蔵物が押圧された場合であっても、当該内蔵物の変形量が当該内蔵物固有の弾性変形可能範囲内となるように前記硬度調整手段および当該内蔵物の材質または構造の少なくとも一方を設定することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、前記軟性管を所定の曲げ形状に湾曲させたとき、たとえ硬度調整手段が最大硬状態になっていた場合でも、硬度調整手段によって内蔵物が破損しない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図17は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡システムの概略構成を示す説明図、図2は湾曲部と可撓管部との接続構造を示す横断面図、図3は湾曲部と可撓管部との接続構造を示す縦断面図、図4は操作部の前端側の構造を説明する断面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図5のB−B断面図、図7は図6をC方向から見た図、図8は図4のD部を説明する図、図9はスペーサを示す説明図、図10は図4のD−D断面図、図11は図4のE−E断面図、図12はカム溝の構成及び作用を説明する図、図13は可撓管部内の硬度調整手段及び内蔵物の位置関係を示す図、図14は曲がった状態の可撓管部内の硬度調整用コイルと処置具挿通用チャンネルとの関係を示す説明図、図15は内視鏡の挿入部を体腔内に挿入している状態を説明する図、図16は内視鏡の挿入部を体腔内に挿入している状態を上方から見たときの可撓管部の形状を示す説明図、図17は可撓管部の先端からの距離と硬さの状態とを示す図である。
【0011】
図1に示すように本実施形態の電子内視鏡システム1は、CCD11などの固体撮像素子を細長な挿入部20の先端部21に内蔵した電子内視鏡2と、この電子内視鏡2に挿通されているライトガイドケーブル10に照明光を供給するための照明ランプ3a及び集光レンズ3bを内蔵した光源装置3と、前記CCD11を駆動するドライブ4a及び前記CCD11から伝送される電気信号を画像信号に変換する信号処理部4bを備えた信号処理装置4と、前記信号処理部4bで生成された画像信号を表示する表示部5aを備えたモニタ5とで主に構成されている。
【0012】
前記電子内視鏡2の挿入部20は、前記CCD11を内蔵した先端部21と、この先端部21に連接する複数の関節駒12を連接して形成された湾曲部22と、この湾曲部22に接続管13を介して連接される柔軟な軟性管14を備えた可撓管部23とで構成されている。
【0013】
前記挿入部20の基端部には前記湾曲部22を湾曲操作するための湾曲操作ノブ6a等を備えた操作部6が設けられており、湾曲操作ノブ6aを術者が操作することによって操作部6内に設けられているドラム6bが回動してこのドラム6bに巻回されている湾曲用ワイヤ15が牽引操作されて湾曲部22を所望の方向に湾曲させられるようになっている。
【0014】
前記操作部6の側部からは前記光源装置3に着脱自在に接続される光源コネクタ7aを基端部に備えたユニバーサルコード7が延出している。前記光源コネクタ7aの側部には電気コネクタ7bが設けられており、この電気コネクタ7bと前記信号処理装置4とに着脱自在な外部ケーブル8を接続することによって信号処理装置4と前記CCD11とが信号線19を介して接続される。
【0015】
前記電子内視鏡2の挿入部20の基端部と操作部6の前端部とは折れ止め部材24を介して連結されており、この折れ止め部材24に隣接する操作部6前端側に後述する硬度調整手段の硬度調整操作(可撓性調整操作ともいう)を行う略円筒形状の硬度調整ノブ(可撓性調整ノブとも記載する)25が設けられている。この硬度調整ノブ25を回動操作することによって、前記可撓管部23内に配置されている硬度調整手段(硬度可変手段、可撓性可変手段ともいう)を構成する硬度調整用ワイヤ26及び硬度調整用コイル27を調整して可撓管部23の硬度(可撓性ともいう)を調節することができるようになっている。なお、符号6cは体腔内に処置具等を案内する処置具挿通用チャンネルに連通する処置具挿入口である。
【0016】
図2及び図3に示すように前記湾曲部22と可撓管部23とを接続する接続管13は、湾曲部22を構成する複数の関節駒12,…,12の最後端に位置する後端関節駒16に嵌合した状態でビス17によって一体的に固定されている。また、この接続管13の一部には接続部材31を配置する切欠部13aが形成されており、この切欠部13aに接続部材31が嵌め込まれるようになっている。したがって、前記接続部材31は、前記接続管13と前記後端関節駒16とを一体的に固定することによって、接続管13に配置される。一方、前記ビス17を外して前記後端関節駒16と前記接続管13とを分離することによって、接続部材31を接続管13からスライドさせて外せるようになっている。なお、符号18は湾曲部22の外層を構成する外皮チューブである。また、前記ビス17は1箇所に設けるようにしても複数箇所に設けるようにしてもよい。
【0017】
図3に示すように前記接続部材31の一部には接続用パイプ32の一端部が嵌入されており、ロー付け部33によって接続部材31と接続用パイプ32とが一体的に固定されている。また、この接続用パイプ32の他端部には硬度調整用ワイヤ26の先端部分が挿通されて半田34によって一体的に固定されている。そして、前記接続用パイプ32から延出している硬度調整用ワイヤ26の先端側部には硬度調整用コイル27の先端部がロー付け部33によって強固に固定されている。なお、この硬度調整用ワイヤ26と接続用パイプ32との固定は半田34に限定されるものではなく、かしめを加えてもよい。
【0018】
図4を参照して操作部6前端側の構造を説明する。
図に示すように折れ止め部材24の基端部には支持部材35が圧着されている。この支持部材35は、後端口金36にビス37によって一体的に固定されている。このビス37の頭部が配設される支持部材35に形成されている穴部には、充填剤38が埋められている。
【0019】
前記後端口金36は、ネジリング39によって操作部6を構成する操作部本体61に固定されている円筒管40の前端部に一体的に取り付けられている。また、後端口金36の内周面部にはコイルストッパ41が取り付けられており、このコイルストッパ41に前記硬度調整用コイル27の後端部が一体的に固定されている。さらに、前記円筒管40内の後端口金36に隣接する部分には移動リング42が配置されており、この移動リング42に牽引部材43が取り付けられている。
【0020】
前記硬度調整用ワイヤ26の後端は、前記硬度調整用コイル27内、コイルストッパ41に形成されている透孔及び牽引部材43に形成されている溝を通って操作部6内に突出している。そして、この突出した硬度調整用ワイヤ26の後端部に抜け止めとなるワイヤストッパ44がロー付け部33によって強固に固定されている。また、硬度調整用コイル27の後端は、コイルストッパ41にロー付け部33によって強固に固定されている。
【0021】
前記移動リング42の対称な位置にはそれぞれ移動ピン45が取り付けられるようになっており、この移動ピン45は、前記円筒管40に設けられている長手方向に細長な長穴を介して、この円筒管40の外周面に被せられて設けられているカムリング46に設けられているカム溝47に嵌まっている。そして、前記カムリング46の上には硬度調整ノブ25が被せられており、後述する図11に示すように互いの凹凸部がはまり合うことにより、回転方向への固定がなされている。
【0022】
なお、前記カムリング46の前端と前記支持部材35の後端との間には摺動リング48が狭持されている。また、前記後端口金36とカムリング46とは同部材で形成されているが、前記摺動リング48は前記後端口金36及びカムリング46と硬度の異なる材質であり、後端口金36とカムリング46とが摺動したとき発生する食い付きを防止するためのものである。さらに、前記硬度調整ノブ25の前端側の内周面に前記支持部材35に設けた第1シールリング49が密着して水密が保たれるようになっている。又、前記後端口金36と前記支持部材35とは第2シールリング50によって水密が保たれるようになっている。また、前記硬度調整ノブ25の後方部はシール受け部材51に重ねられて配設されており、このシール受け部材51に設けた第3シールリング52によって硬度調整ノブ25とシール受け部材51との水密が保たれるようになっている。また、この受け部材51の後端側には筒体62の前端部が重なって配設されており、この筒体62に設けた第4シールリング53によって受け部材51と筒体62との水密が保たれるようになっている。
【0023】
図5に示すようにコイルストッパ41は、後述するコイル後端位置調整手段となる2つのビス54によって後端口金36に一体的に固定されている。このビス54の頭部の上方には、前記後端口金36に形成されている溝部36a及び円筒管40に形成した長手方向に細長な長穴40aが配置されおり、このことによって円筒管40の外側から前記ビス54の締め付け又は緩め作業を行えるようになっている。
【0024】
また、前記後端口金36の外周面には摩擦抵抗を得るための複数の切り欠き部36bが設けられており、この切り欠き部36bを設けることによって前記図4に示したように理想的な位置に合わせた後端口金36と円筒管40とをネジリング39によって締め付けていく作業中に、前記後端口金36と前記円筒管40との回転方向の位置がずれることが防止される。
【0025】
図6に示すように後端口金36には長手方向に細長な長穴45aが形成されている。このため、前記ビス54は、実線に示す位置から二点鎖線に示す位置まで距離aだけスライド移動可能になっている。ただし、前記後端口金36の溝部36aには段部36bが設けられているため、図7に示すようにビス54の頭部54aが溝部36aの底面36cに載置された状態であるときにはビス54は二点鎖線で示した方向にスライド移動することはできないが、前記ビス54を緩めた状態にして頭部70が段部36bを越えれば、ビス54が長穴45aをスライドして二点鎖線の位置に移動可能である。
【0026】
なお、前記段部36bの高さ寸法は、ビス54のコイルストッパ41への接合長より低く設定されているので、コイルストッパ41にビス54が若干接続された状態にして、頭部70を浮かせることによってスライド移動可能になっている。よって、図7に示す前端の底面36cにおいて頭部54aを嵌めることが可能であり、完全にビス54を締め付けることによって、ビス54は段部36bによってスライド移動できない状態になる。そして、前記長穴40aを円筒管40に設けたことで、前記コイルストッパ41、ビス54の位置変更作業を円筒管40の外周面側から行える。
【0027】
前記支持部材35に対して折れ止め部材24をめくり上げ、この状態で充填剤38を取り除いてビス37を抜くことによって、支持部材35は前端側にスライド移動する。そして、前記支持部材35を前端にスライド移動させた後は、硬度調整ノブ25が前端にスライド移動する。このことによって、図8に示すように前記折れ止め部材24、支持部材35、硬度調整ノブ25を前端から取り外した状態になる。
【0028】
前記折れ止め部材24、支持部材35、硬度調整ノブ25を前端から取り外した状態で前記摺動リング48の前端側には円筒管40に外嵌する図9に示す略C字形状で厚み寸法がdのスペーサ55が配置されるようになっている。つまり、このスペーサ55を配置した状態にして取り外した支持部材35を元の通りに後端口金36の所定位置に固定することにより、カムリング46、移動ピン45、移動リング42、牽引部材43の位置が初期位置からスペーサ55の厚みdだけ後端側に移動する。
【0029】
この状態で、硬度調整ノブ25及びカムリング46を回転操作することによって、前記移動ピン45、移動リング42、牽引部材43も後端側に移動するが、このときワイヤストッパ44の最後方の位置も2点鎖線に示す初期位置から前記スペーサ55の厚みdだけ後端側にずれる。そして、厚み寸法dを任意に設定したスペーサ55を複数種類用意することにより、移動量を適宜調整することが可能になる。
【0030】
なお、前記スペーサ55は、円筒管40に外嵌する内径寸法で形成されている。そして、切欠部55aの幅寸法は、円筒管40の外径寸法より小さいく、可撓管部23の外径寸法より大きく形成されている。このため、スペーサ55を可撓管部23に横方向から嵌め込んだ後、摺動リング48の前部に配置することが可能である。このことにより、スペーサ55を取り付ける作業を行うために前記折れ止め部材24、支持部材35や硬度調整ノブ25を挿入部20から完全に抜き取ることなく、操作部6の前端部から可撓管部23の中途位置までずらしておけばよい。また、摺動リング48がスペーサ55を兼ねるようにしてもよい。つまり、摺動リング48の幅寸法の異なるものを複数種類形成してこの摺動リング48を適宜取り替えることによってスペーサ55と同様の作用を得られる。
【0031】
図10に示すように牽引部材43は、2つのビス56によって移動リング42に一体的に固定されている。この牽引部材43には溝43aが設けられているので、硬度調整用ワイヤ26を外周方向から嵌めて移動リング42に固定することができるようになっている。なお、移動リング42は、C型形状であるので他の内蔵物が挿通するスペースが確保されている。また、移動ピン45を対称の位置に配置していることでバランスが保たれている。さらに、硬度調整ノブ25の外周面には把持する手が滑ることを防止する複数の凹部25aが設けられている。
【0032】
図11に示すように硬度調整ノブ25とカムリング46とは調整ノブ25の内周面に形成した複数の凹凸部とカムリング46の外周面に設けた複数の凹凸部とが噛み合って、回転方向に対して固定され、挿入部長手軸方向に対してスライド自在な構成になっている。なお、カムリング46は円筒管40に対して回転可能である。
【0033】
図12に示すようにカム溝47a、47bの第1走行部57と、後方側の第2走行部58とでは走行角度が変化している。これは、カムリング46を回転させて移動ピン45がカム溝47a、47b内をスライドするとき、硬度調整用コイル27に対して硬度調整用ワイヤ26の後端を牽引すると、最初余り大きな力量を必要としていないので、この第1走行部57に沿って移動するカムリング46のわずかな回転量で移動ピン45を大きく牽引でき、ある程度牽引した後に牽引力量が次第に大きくなったとき、第2走行部58に移行することによって大きな回転操作量に対して少ない牽引量にしてカムリング46の回転操作力量が大きくなりすぎないようにするためである。
【0034】
なお、前記カム溝47a,47bを最初から最後までを第1走行部57として形成した場合には、カムリング46の回転操作量が非常に長くなってしまう。本発明ではカムリング46の最大回転量(ストローク)を術者が1回の操作で動作させることが可能な180°に設定し、かつ操作力量もそれほど重くならないようにしている。なお、最大回転量を180°以外の回転角度に設定するようにしてもよい。また、牽引部材43とワイヤストッパ44との間には遊び部分となる隙間が設けられているので、図4に示す可撓管部23を軟状態にしているときに可撓管部23が曲がって硬度調整用ワイヤ26後端部が硬度調整用コイル27内の前端に引き込まれた際、硬度調整用コイル27が硬くならないようにしている。つまり、硬度調整ノブ25を操作していない状態で、可撓管部23が自然に硬くなることを防止している。
【0035】
ここで、可撓管23の硬度を軟状態から硬状態にする操作を説明する。
まず、可撓管23の硬度を硬くするために硬度調整ノブ25を回転操作する。すると、カムリング46が硬度調整ノブ25と共に回転することによって、移動ピン45がカム溝47a、47b内を移動して牽引部材43を後端側に移動させていく。そして、牽引部材43が後端側に移動していくことによってワイヤストッパ44に当接する。
【0036】
次に、この状態でさらに牽引部材43は後端側に移動していく。このことにより、硬度調整用ワイヤ26が後方側に牽引されて硬度調整用コイル27に圧縮力が加わって硬度調整用コイル27が硬化されることによって、可撓管部23の硬度が硬状態になる。
【0037】
図13を参照して図1のF−F断面を説明する。
図に示すように硬度調整手段を構成する硬度調整用コイル27及び硬度調整用ワイヤ26は、軟性管14内で周方向に対して移動可能に配置されている。そして、この硬度調整用コイル27の移動可能範囲は、軟性管14内に配置される種々の内蔵物の充填度によって決まる。本実施形態においては、硬度調整用コイル27が最硬状態に圧縮された状態で、図14に示すように可撓管部23が曲げられた状態になると、前記硬度調整用コイル27が可撓管部23の湾曲中心側に対して外周側方向に移動する。このとき、硬度調整用コイル27が可撓管部23内を挿通する内蔵物である、例えば処置具挿通用チャンネル72に当接して圧迫することが考えられる。このため、本実施形態においては、最硬状態になっている前記硬度調整用コイル27が前記処置具挿通用チャンネル72に当接して圧迫した場合でも前記処置具挿通用チャンネル72を破損することがないように、内蔵物破損防止手段として前記硬度調整用コイル27の最大硬度を所定の値に設定すると共に、この処置具挿通用チャンネル72の材質及びサイズを破損が防止されるように選定している。
【0038】
また、前記硬度調整用コイル27によって可撓管部23内の内蔵物の破損を極力防止するため、内蔵物破損防止手段として軟性管14内に配置されている各内蔵物が、硬度調整用コイル27とこのコイル27に最も近い軟性管14内壁との間(図13に矢印で示すG部)に挟まることをなくすため、可撓管部23の先端側から手元側にかけての間で、各内蔵物が硬度調整用コイル27にからまらないように配置している。なお、前記図中G部は硬度調整用コイル27によって最も強い押圧力を受ける部位である。
【0039】
さらに、本実施形態においては内蔵物として処置具挿通用チャンネル72を1例にして説明したが、内蔵物は処置具挿通用チャンネル72に限定されるものではなく 、他の内蔵物としてはライトガイドケーブル10,信号線19,送気チューブ74,送水チューブ75などがあり、これら内蔵物10,19,74,75も前記処置具挿通用チャンネル72と同様に、硬度調整用コイル27が最硬状態になっている状態で軟性管14が所定の曲げ形状になった場合でも破損しないように材質及びサイズを設定している。
【0040】
又、上述でいう破損とは、処置具挿通用チャンネル72や送気チューブ74,送水チューブ75などの管路においては、局所的に筋状の傷がついたり塑性変形する折れ癖がつくこと等であり、信号線19においては断線することであり、ライトガイドケーブル10においてはケーブル内を挿通している繊維束が複数折れて光量が低下すること等である。
【0041】
ここで、硬度調整用コイル27、硬度調整用ワイヤ26の具体的な構成を更に詳しく説明する。
本実施形態において硬度調整用コイル27の素線径は、0.5mm〜0.8mmの範囲であり、硬度調整用ワイヤ26の外径寸法は0.9mm〜1.3mmの範囲である。そして、前記硬度調整用コイル27の内径寸法と硬度調整用ワイヤ26の外径寸法との間のクリアランス(径の差)を0.01mmから0.4mmの範囲に設定している。クリアランスが0であったり、硬度調整用コイル27の内径寸法より硬度調整用ワイヤ26の外径寸法が大きくなると、硬度調整用コイル27内へ硬度調整用ワイヤ26を挿通する際の組立て性が悪くなったり、硬度調整用コイル27内を硬度調整用ワイヤ26がスムーズに移動できなくなる。一方、クリアランスが大きすぎると、硬くしたときに、特に硬くした状態で曲げると、隣り合うコイル素線が径方向にずれやすくなり、座屈しやすくなる。そこで、クリアランスは、コイル素線径の半分(つまり素線の半径寸法)以下が望ましい。それは、硬くしたときにコイル素線がコイル外径と内径との中間部で互いに接しているためである。前記硬度調整用コイル27の材質は、SUS302,304あるいはSUS631などのステンレス鋼やピアノ線などの金属材料である。
【0042】
本実施形態においては硬度調整用コイル27に対して硬度調整用ワイヤ26を牽引した際、硬度調整用コイル27の弾性変形量より、硬度調整用ワイヤ26の弾性変形量の方が大きい。このため、前記硬度調整用コイル27に圧縮力を加える硬度調整用ワイヤ26の移動距離を6mmとしたとき、硬度調整用コイル27の弾性変形による縮み量は2mmであり、硬度調整用ワイヤ26の弾性変形による伸び量は4mmである。このことにより、縮み量に対して伸び量が大きい硬度調整用ワイヤ26の後端部を操作部6内で牽引部材43により移動させるようにしている。したがって、前記操作部6内で硬度調整用ワイヤ26の移動距離を6mmにした場合、硬度調整用コイル27の縮み量が2mmであるので、軟性管14の長さ方向に及ぼす影響はこの2mmになる。
【0043】
しかし、仮に、硬度調整用ワイヤ26の後端部を操作部6内に固定する一方、硬度調整用コイル27の後端部を前方に6mm移動させる方式にした場合には、硬度調整用ワイヤ26の伸び量が4mmであるため、軟性管14の長さ方向に及ぼす影響がこの4mmとなるので、前述の場合に比べて変化量が大きくなってしまう。逆に、硬度調整用コイル27の弾性変形による縮み量が硬度調整用ワイヤ26の弾性変形による伸び量より大きいときには、硬度調整用ワイヤ26の後端部を操作部6内に固定して、硬度調整用コイル27の後端部を前方に移動させる方式が、軟性管14の長さ方向に及ぼす影響が小さくなる。
【0044】
以上説明したように、シースである硬度調整用コイル27と芯材である硬度調整用ワイヤ26とを組み合わせる際、弾性変形による変化量の小さな部材の後端部を固定する一方で、弾性変形による変化量の大きな部材の後端部を移動させるように構成することが軟性管14にとって望ましい。そして、弾性変形による変化量の再現性を良好にするためにはシースと芯材とを上述した金属材料で構成することが最良である。
【0045】
また、硬度調整用コイル27を内視鏡2に組み付ける際、軟性管14内でコイル27が蛇行するように押し込まれた状態で組み付けられたり、これとは逆にコイル27が軟性管14を引っ張るような状態で組み付けられることが考えられる。そして、前記コイル27の押し込み量や引張量が大きくなると、硬度調整用コイル27を硬化させた状態で軟性管14を曲げる際、曲げる方向によっては前記硬度調整用コイル27が他の内蔵物を更に強く圧迫して、破損の原因になる可能性がある。このため、挿入部をストレート状態にした内視鏡に前記硬度調整用コイル27を組み込む際、前記硬度調整用コイル27を硬状態にしたとき前記軟性管14に対して押し込み過ぎた状態や引っ張り過ぎた状態にならないように設定している。つまり、軟性管14の所定の曲げに対して、他の内蔵物が破損することを防止する内蔵物破損防止手段として、軟性管14の長さと、軟性管14内における硬状態での硬度調整用コイル27の長さとを略同寸法に設定している。 内視鏡2の具体的な操作例を図15を参照して説明する。
本図は内視鏡2の挿入部20を大腸へ挿入する状態を説明するものである。
【0046】
同図(a)に示すように可撓管部23を軟状態にして挿入部20を肛門91から直腸を通過させて曲がりくねったS状結腸92に挿入していく。可撓管部23は軟状態になっているので、この可撓管部23の途中にループができた場合でも患者の苦痛を少なく抑えられる。やがて、挿入部20の先端部21が下行結腸93を通過して脾湾曲94付近に達する。
【0047】
脾湾曲94付近に先端部21が到達すると、同図(b)に示すように可撓管部23を引くように操作してS状結腸92を折り畳むようにして、可撓管部23及びS状結腸92を略直線状態にする。そして、ここで上述したように硬度調整ノブ25を回転操作して可撓管部23を硬状態にする。このことによって、先端部21を横行結腸95方向へ押し進めていくとき、折り畳んだ状態にしたS状結腸92が再び撓んで再ループすることが防止される。
【0048】
同図(c)に示すように可撓管部23を硬状態にして先端部21を押し進めていくことにより、この先端部21は横行結腸95を通過し、肝湾曲97を越え、盲腸98に到達する。前記可撓管部23は、硬状態のときコシが強いので、S状結腸92の再ループを防ぐだけでなく、横行結腸95を極力撓まないようにして挿入し易くすると共に、手元の操作が先端に伝わり易い状態で挿入操作できるので、良好な挿入が可能になる。
【0049】
術者が上述したように内視鏡検査をしている様子を頭上側から見ると図16に示すようになる。
このとき、図に示すように内視鏡2を術者100が1人で操作する場合、左手で操作部6を把持して、右手で可撓管部23を把持した患者90の体腔内に挿入するので、前記可撓管部23はある程度曲がった形状になる。このとき、前記可撓管部23の曲がる角度は図中hで示す角度であり、この角度hが使用状態で通常90゜ないし180゜になる。
【0050】
つまり、前記可撓管部23が生体内においてたとえ略直線状態になっている場合でも、生体外においては、上述したように必ずある程度曲がった形状になっている。このことは前記軟性管14を硬化させる硬度調整手段が硬状態に操作されているときも同様であり、可撓管部23は硬度調整手段が軟状態のときに比べて曲げ難くはなっているが、術者100によって把持されている可撓管部23の手元側は人為的に曲げられて可撓管部23が180゜まで曲がることがある。このとき軟性管14内での硬度調整用コイル27と処置具挿通用チャンネル72との位置関係は図14に示したようになる。
【0051】
図14で示す硬度調整用コイル27が硬状態であった場合、この硬度調整用コイル27は、軟性管14が所定量曲がった状態で、軟性管14内を移動してこの硬質化された前記硬度調整用コイル27の一部が図の矢印Jで示すように処置具挿通用チャンネル72の一部を押圧することがある。しかしこのとき、本発明においては、前記硬度調整用コイル27の硬さあるいは処置具挿通用チャンネル72の強度を所定の値に設定しているので、硬質化状態の硬度調整用コイル27が処置具挿通用チャンネル72を押圧した場合でも、処置具挿通用チャンネル72が折れたりつぶれたりする等の破損が発生しない。
【0052】
なお、上述の所定量の曲げとは、可撓管部23が最大180゜に曲がるときの曲げ量である。
また、本実施形態の可撓管部23の先端からの距離と硬さとの関係は図17に示す通りであり、図に示す実線は硬度調整手段が軟状態における可撓管部23の硬度変化であり、破線は硬度調整手段が最硬状態の可撓管部23の硬度変化である。前記可撓管部23の硬度がこれ以上硬くなると、上述した所定の曲げ状態のとき、前記硬度調整用コイル27が処置具挿通用チャンネル72を押圧したときこの処置具挿通用チャンネル72を破損するおそれがある。このため、本発明では、可撓管部23の最硬状態を処置具挿通用チャンネル72を破損させない値に硬度可変幅を設定している。なお、前記可撓管部23の中途部には右上がりの斜線に示すような硬度変化域が設けられている。
【0053】
このように、可撓管部を構成する軟性管の硬度を調整する硬度調整手段の硬度調整用コイルの最大硬度を、硬状態で内蔵物を押圧した場合でも、折ったりつぶしたりする等の破損を発生させないように設定すると共に、可撓管内部を挿通する各内蔵物のサイズや材質を破損し難いように適宜設定することにより、硬度調整用コイルを最硬状態にした状態で、可撓管部を所定の曲げ状態にしたとき、硬度調整用コイルによる内蔵物の破損を防止することができる。
【0054】
図18及び図19は本発明の第2実施形態に係り、図18は内視鏡を患者に挿入している使用状態の1例を示す説明図、図19は可撓管部の構造を示す説明図である。
【0055】
生体外における内視鏡2の挿入部20と操作部6との位置関係は術者の患者に対する位置関係によって決まる。また、術者は、可撓管部23に対して、操作部6を通常、可撓管部23の手元側部に小さな曲がり部分が生じることがないような位置を把持している。しかし、図18に示すようにベッド101上に横たわっている患者90に内視鏡2の挿入部20を挿入していく際、希に起こる例であるが可撓管部23の一部がベッド101に接触すると共に、操作部6を無意識的に可撓管部23の上方まで移動させてしまうことがある。このような場合には操作部6とベッド101とで可撓管部23を挟み込むような状態になり、生体外で人為的に可撓管部23に小さな曲げ部が形成されてしまう。このとき、図19(b)に示すように軟性管14を構成する帯状の螺旋管111の素線の端部同士が接触した状態で可撓管部23が最小曲げ形状になる。
【0056】
しかし、本実施形態においては図19(a)に示すように可撓管部23の軟性管14を、最も内側から順に直線状態での素線間が間隙kである螺旋管111と、この螺旋管111の外側に被せられる網状管112と、この網状管112の外側に被せらされる、最外周を構成する外皮樹脂113とで構成されている。このため、前述したように可撓管部23が最小曲げ形状のとき、螺旋管111の帯状の素線の端部同士が接触した状態になる。前記螺旋管111が曲がるとき、この曲がる部分の中心側では素線間の間隙kが狭くなり、中心に対して外側では素線間の間隙kが広がっていく。
【0057】
本実施形態においては、硬度調整用コイル27が最大硬度であったとき、可撓管部23を最小曲げ状態にしても、この硬度調整用コイル27によって他の内蔵物を破損することを防止するため、硬度調整用コイル27の最大硬度及び内蔵物のサイズや材質の選定に加えて、さらに前記螺旋管111の素線間間隙値を含めた軟性管14のサイズを選定している。
なお、前記可撓管部23を形成する際、螺旋管111を2重、3重に巻回した構造であってもよい。
【0058】
このように、硬度調整用コイルの最大硬度及び内蔵物のサイズや材質の選定に加えて、螺旋管の素線間間隙値を含む軟性管のサイズを設定することによって、検査中に可撓管部が最小半径で曲げられた場合でも、硬度調整用コイルによって内蔵物を破損することを防止することができる。
【0059】
図20は本発明の第3実施形態にかかる内視鏡を内視鏡収納部材に収めた状態を示す説明図である。
内視鏡収納部材としては例えば、内視鏡2の運搬・保管用のケースや、内視鏡2を洗滌・消毒する機器と組み合わせて使用される容器等があり、本実施形態における内視鏡収納部材は内視鏡2の可撓管部23を所定の曲げ形状で収納するように形成した内視鏡収納器材(以下収納器材とも記載する)120である。
【0060】
図に示すように収納器材120は、内視鏡2の可撓管部23をこの収納器材120に形成されている溝部121の形状に強制的に曲げて収納するものであり、可撓管部23内に配設されている硬度調整用コイル27が曲げられる角度は、前記硬度調整用コイル27が可撓管部23のどの位置に配置されているかによって異なる。
【0061】
つまり、図に示す可撓管部23の先端位置122から操作部6にかけて硬度調整用コイル27が設けられている場合には、この硬度調整用コイルが強制的に曲げられる角度の総和は約300゜になる。一方、前記硬度調整用コイル27が可撓管部23の中途部123から操作部6にかけて設けられている場合には、曲げられる角度の総和は210゜になる。また、最小曲げ半径は内視鏡収納器材120に個々設けられ溝部121の形状によって異なる。
【0062】
このため、本実施形態においては、内視鏡2を収容可能ないずれの内視鏡収納部材においても、硬度調整用コイル27が最大硬状態に保持された内視鏡2が内視鏡収納器材120に収納された場合でも、挿入部内を挿通している内蔵物を硬状態の硬度調整用コイル27で破損することがないように、硬度調整用コイル27の最大硬度及び内蔵物のサイズ及び材質、に加えて内視鏡収納器材120に形成する溝部121の曲げ形状を設定している。
【0063】
このため、検査中で、硬度調整ノブ25を操作して可撓管部23が硬状態にも関わらず検査を終了して、可撓管部23を硬状態から軟状態に戻す作業をたとえ術者等が忘れて、ケースに収納して洗滌・消毒した場合で内蔵物が破損しないようになっている。
【0064】
このように、硬度調整手段を硬状態にした状態で内視鏡収納部材に保管されることを考慮して、硬度調整用コイルの最大硬度、内蔵物のサイズ及び材質及び内視鏡収納器材の収納溝の形状を設定することにより、硬度調整用コイルが最硬状態になっている可撓管部をたとえ内視鏡収納部材に収納した場合でも硬度調整用コイルによって内蔵物を破損することを防止することができる。
【0065】
なお、本実施形態においてこれまで述べてきた硬度調整手段は、コイルとワイヤとを組み合わせたものであったが、硬度調整手段はコイル及びワイヤの構成に限定されるものではなく、可撓管部の曲げによって他の内蔵物に押圧力を加えるものであれば、例えば、加熱すると直線状になる細長の形状記憶合金であったり、細長のバルーンに流体を注入しこの流体圧を調整して行うものなど、細長の内蔵物で可変可能であればよい。
【0066】
本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0067】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0068】
(1)可撓管部を構成する軟性管内に、この軟性管の硬度を調整する硬度調整手段及び内蔵物を配設した内視鏡において、
前記硬度調整手段を最大硬状態に調整した状態で、前記軟性管を曲げたとき、前記硬度調整手段によって前記軟性管内の内蔵物の破損を防止する内蔵物破損防止手段を設けた内視鏡。
【0069】
(2)前記内蔵物破損防止手段は、少なくとも前記硬度調整手段の最大硬度、又は内蔵物の強度を破損を防止するように設定した付記1記載の内視鏡。
【0070】
(3)前記硬度調整手段は、中途部分が前記軟性管の内部で移動可能である付記1記載の内視鏡。
【0071】
(4)前記硬度調整手段は、細長のシースとこのシースの内孔を挿通するワイヤとで構成され、前記シースと前記ワイヤとを相対的に圧縮させることで、前記軟性管の硬度を調整する付記1記載の内視鏡。
【0072】
(5)前記軟性管を最小曲げ半径で曲げたとき、曲げ角度が180゜である付記1記載の内視鏡。
【0073】
(6)前記硬度調整手段の移動可能な部分と、この移動可能な部分に最も近い軟性管内周面との間に、前記内蔵物を挟まないように、硬度調整手段及び内蔵物を軟性管内に配置した付記3記載の内視鏡。
【0074】
(7)前記内視鏡収納部材に形成する溝部の曲げ形状を、軟性管の最大硬状態を考慮して設定した付記1記載の内視鏡。
【0075】
(8)前記軟性管の長さと、前記軟性管内の硬状態における硬度調整手段の長さとを同寸法に設定した付記1記載の内視鏡。
【0076】
(9)軟性部にシースと芯材とからなる硬度調整手段を設け、この芯材を引っ張ることで、前記シースに圧縮力を加えてシースの硬度調整を行うことにより、軟性部の可撓性を可変させる内視鏡において、
前記硬度調整手段の先端部を軟性部の先端側に固定する一方、この硬度調整手段の手元側においては、シース又は芯材のうち、硬質化したときの弾性変形量の小さい部材の端部を内視鏡操作部の一部に固定し、他方の部材の端部を移動させることによって、シースに圧縮力を加える内視鏡。
【0077】
(10)前記シース及び芯材は金属部材である付記9記載の内視鏡。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、硬度可変手段を硬状態にして、挿入部の可撓管部を所定の曲げ形状に湾曲させたとき、硬度可変手段によって、挿入部内に配置されている内蔵物が破損することや軟性管自体に余計な負荷がかかることを防止した内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図17は本発明の一実施形態に係り、図1は
内視鏡システムの概略構成を示す説明図
【図2】湾曲部と可撓管部との接続構造を示す横断面図
【図3】湾曲部と可撓管部との接続構造を示す縦断面図
【図4】操作部の前端側の構造を説明する断面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】図5のB−B断面図
【図7】図6をC方向から見た図
【図8】図4のD部を説明する図
【図9】スペーサを示す説明図
【図10】図4のD−D断面図
【図11】図4のE−E断面図
【図12】カム溝の構成及び作用を説明する図
【図13】可撓管部内の硬度調整手段及び内蔵物の位置関係を示す図
【図14】曲がった状態の可撓管部内の硬度調整用コイルと処置具挿通用チャンネルとの関係を示す説明図
【図15】内視鏡の挿入部を体腔内に挿入している状態を説明する図
【図16】内視鏡の挿入部を体腔内に挿入している状態を上方から見たときの可撓管部の形状を示す説明図
【図17】可撓管部の先端からの距離と硬さの状態とを示す図
【図18】図18及び図19は本発明の第2実施形態に係り、図18は
内視鏡を患者に挿入している使用状態の1例を示す説明図
【図19】可撓管部の構造を示す説明図
【図20】本発明の第3実施形態にかかる内視鏡を内視鏡収納部材に収めた状態を示す説明図
【符号の説明】
2…内視鏡
14…軟性管
26…硬度調整用ワイヤ(硬度調整手段)
27…硬度調整用コイル(硬度調整手段)

Claims (1)

  1. 可撓管部を構成する軟性管内に、この軟性管の硬度を調整する細長でその中途部が軟性管内で移動可能に硬度調整手段及び他の内蔵物を配設した内視鏡において、
    前記硬度調整手段を最大硬度に調整した状態において当該可撓管部を所定量曲げた際、前記硬度調整手段の移動により前記他の内蔵物が押圧された場合であっても、当該内蔵物の変形量が当該内蔵物固有の弾性変形可能範囲内となるように前記硬度調整手段および当該内蔵物の材質または構造の少なくとも一方を設定することを特徴とする内視鏡。
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