JPS6223318Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のステアリングコラム部に取
り付けたスイツチと車体側に取り付けた機器とを
接続するハーネスの保護装置に関するものであ
る。

自動車の操向操作性を向上させるためには、座
席はもとより、ステアリングホイールの位置をも
調整できるようにすることが有効であるとされて
いる。ところが、例えばステアリングホイールを
上下又は前後に調整すると、このステアリングホ
イールを支持するステアリングコラム部も移動す
る。従つて、前記コラム部に取り付けたスイツチ
と車体側に取り付けた機器とを接続するハーネス
を固定できない。

このために従来では、スイツチの近傍のハーネ
スをコラムカバーで覆つてその保護とコラム部の
外観性とを確保しながらも、コラムカバーと車体
との間はハーネスをむき出しのままでたるませて
吊り下げていたのみであつたために、ハーネスが
他の部品と干渉して傷損されるおそれがあつた。

本考案は上記に鑑みてなされたものであつて、
ステアリングホイールの位置の調整に伴なうハー
ネスの移動性を損なうことなくハーネスと他部品
との干渉を確実に予防できるようにしたハーネス
の保護装置を提供するものである。

以下に本考案を図示された一実施例について説
明する。

図において、１はステアリングホイール２を前
後方向及び上下方向に移動可能に支持するステア
リングコラムであつて、図示しないペダルブラケ
ツトを介して車体に結合されている。３はステア
リングコラム２の上端に固定したスイツチボツク
スであつて、コンビネーシヨンレバー４で切換操
作されるターンシグナルスイツチ、ライテイング
スイツチ等と、排気ブレーキスイツチレバー５で
切換操作される排気ブレーキスイツチが組み込ま
れている。６は前記スイツチボツクス３及び、ペ
ダルブラケツトとステアリングコラムとの結合部
等を覆うコラムカバーであつて、このカバー６で
覆われたコラムにはワイパスイツチ７及び図示し
ないキースイツチ、ハザードスイツチ等が取り付
けられているが、これらの各スイツチの本体部は
コラムカバー６で覆われ、その操作部のみがコラ
ムカバー６の表面に露出されている。尚、このコ
ラムカバー６は、従来同様にステアリングコラム
１に固定されている。

８はインストルメントパネル９の後端部を支持
するクロスメンバであつて、このクロスメンバ８
にはハーネスカバー１０を取り付けている。

ここに、前記ハーネスカバー１０は、前記クロ
スメンバ８にボルト１１で締付固定された取付部
１２と、この取付部１２の下端にヒンジ１３を介
して上下揺動自在に装着された前部カバー１４
と、この前部カバー１４の一端からコラムカバー
６に向つて延びる後部カバー１５とで構成されて
おり、後部カバー１５の前端を前記前部カバー１
４の一端に左右揺動自在に結合すると共に、後部
カバー１５の後端部をコラムカバー６内に出没並
びに昇降可能に突入させている。そして、前記コ
ラムカバー６内に取り付けた上下方向に沿う補助
カバー１６と前記ハーネスカバー１０とに挿通保
持させたハーネス１７を介して前記各スイツチの
本体部と車体側に取り付けた機器（図示省略）と
を接続している。

従つて、コラムカバー６内では捕助カバー１６
がハーネス１７を他の部品から隔離すると共に、
コラムカバー６と車体側との間ではハーネスカバ
ー１０でハーネス１７が包持されているので、従
来のようにハーネス１７が露出していない。この
ために、ハーネス１７と他部品との干渉が予防さ
れ、かつ、ハーネス取付部の外観性が向上する。

ステアリングホイール２を例えば上下方向に移
動調整すると、これにともなつてコラムカバー６
も移動する。又、先端部（後端部）をコラムカバ
ー６内に突入させたハーネスカバー１０は車体側
のクロスメンバ９に上下回動自在に取り付けられ
ているので、前記コラムカバー６の移動（昇降）
にともなつてハーネスカバー１０の前部カバー１
４及び後部カバー１５がそのヒンジ１３を中心と
して上下に揺動する。従つて、ステアリングホイ
ール２を昇降調整することによつてハーネス１７
が引き上げられ、あるいは押し下げられようとす
ると、これにともなつてハーネスカバー１０がハ
ーネス１７と共に上下方向に揺動するので、ハー
ネス１７に無理な力が生じるおそれはなく、か
つ、この揺動時にもハーネス１７が常にハーネス
カバー１０で保護される。

即ち、ステアリングホイール２の移動によつて
生じるハーネス１７の移動量と同じ量だけハーネ
スカバー１０も移動するので、従来のようにハー
ネスに大きなたるみを与えておく必要がなく、前
後方向への移動に対してはコラムカバー６内への
ハーネスカバー１０の突入深さが増減してハーネ
ス１７の露出を防止するために、いずれの方向へ
の位置調整に際してもハーネス１７が保護され
る。

実施例では、ハーネスカバー１０の前部カバー
１４と後部カバー１５とを平面略Ｌ字状に屈折さ
せることにより、ハーネスカバー１０とハーネス
１７との相対移動を阻止するようにしたものであ
るが、ハーネスカバー１０の断面形状を充分に小
さく形成してハーネス１７との間に充分な摺動抵
抗（係止力）が得られるようにした場合は、全体
をストレートに形成しても良い。

又、実施例では、第５図及び第６図に示すよう
に、取付部１２、ヒンジ１３、前部カバー１４及
び後部カバー１５をポリプロピレン樹脂等で一体
に成型すると共に、前後のカバー１４，１５をそ
れぞれ開閉可能としてハーネス１７との組付性を
向上させたものであるが、必ずしも実施例には限
定されない。

以上説明したように本考案によれば、車体側に
上下揺動自在に取り付けたハーネスカバーの先端
部をコラムカバー内に相対移動可能に突入させた
うえで、ステアリングコラム部に取り付けたスイ
ツチの本体部と車体側に取り付けた機器とを接続
すべくコラムカバーの内部から車体側に向うハー
ネスを前記ハーネスカバーに包持させた構成とし
ているために、ステアリングホイールの位置の調
整にともなつてコラムカバーの位置が変化すれ
ば、ハーネスを包持しているハーネスカバーがコ
ラムカバーに追従して上下に揺動し、又はコラム
カバー内への突入深さが変化して車体側とコラム
カバーとの間の相対運動を吸収するのでハーネス
に無理な力が加わるようなことがなく、しかも、
ハーネスが常にハーネスカバーで包持されている
ので万一にもハーネスが露出することがない。従
つて、ハーネスと他の部品との干渉を予防できる
と共に、その取付部の外観性をも向上でき、更に
は、ハーネスカバー内にハーネスの移動空間を確
保する必要がないので該カバーを充分に小型化す
ることもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るハーネスの保護装置の一実
施例を示すものであつて、第１図はステアリング
ホイール部の斜視図、第２図は要部の斜視図、第
３図はハーネスカバーの取付状態を示す断面図、
第４図はハーネスカバーの斜視図、第５図は同上
展開図、第６図Ａは第５図のＡ−Ａ断面図、同図
Ｂは同上Ｂ−Ｂ断面図、同図Ｃは同上Ｃ−Ｃ断面
図、同図Ｄは同上Ｄ−Ｄ断面図である。 １……ステアリングコラム、２……ステアリン
グホイール、３……スイツチボツクス、６……コ
ラムカバー、８……クロスメンバ、１０……ハー
ネスカバー、１２……取付部、１３……ヒンジ、
１４……前部カバー、１５……後部カバー、１７
……ハーネス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングホイールの位置を調整できるよう
   にした自動車のハーネス保護装置であつて、前記
   ステアリングホイールを支持するステアリングコ
   ラム部に取り付けたスイツチの本体部をコラムカ
   バーで被覆し、車体側に上下揺動自在に装着した
   ハーネスカバーの先端部を前記コラムカバー内に
   相対移動可能に突入させると共に、車体側に取り
   付けた機器と前記スイツチの本体部とを接続すべ
   く前記コラムカバー内から車体側に向うハーネス
   を前記ハーネスカバーの内部に挿通して該カバー
   で包持したことを特徴とする自動車のハーネス保
   護装置。