JPS6222104Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は茎稈を刈取脱穀するコンバインにおけ
る操縦装置に関する。

従来、コンバインの操縦部の側部に設けたレバ
ー操作装置は、カバー体の前面を略垂直乃至やゝ
後傾させ、上面を略水平となし、この略水平な上
面に各種の操作レバーを案内するガイド溝を穿設
していた。

しかしながら、前記カバー体の脱穀装置側に穀
稈を挟持搬送しながら傾動する扱深さ調節体を配
設したコンバインにおいては、前記カバー体に扱
深さ調節体により搬送される穀稈から飛散する藁
屑、及びその前方の穀稈引起体から飛散する藁屑
等が多量に堆積し、それが前記カバー体のガイド
溝の側部に設けた表示マークを覆つてそれを視認
しながら行なうレバー操作が困難になると共に前
記カバー体の前部が扱深さ調節体側上方へ突出し
てその側の分草、刈取状態を的確に視認すること
が困難である等の問題点があつた。

本考案は機台の一側に脱穀装置を搭載し、他側
の前部に操作盤と操縦席をその順に設け、脱穀装
置の前部に後方上部を中心として上下傾動すると
共に刈刃及び穀稈引起体等からなる刈取部を設
け、該刈取部と前記脱穀装置との間に扱深さ調節
体を介装したコンバインにおいて、前記操縦席の
脱穀装置側に複数の操作レバーを設け、それらの
操作レバーをガイドするカバー体を、前部は前記
操作盤の側部から立上がらせて前面とし、それに
続くと共に操作盤の高さの中途部から操縦席の側
部に亘る上面を後部より前部が低い傾斜面に構成
し、この傾斜面に前記操作レバーのガイド溝を設
けることにより前記飛散した藁屑がカバー体のレ
バーガイド部と対応する部位から滑落して堆積し
ないようにすると共に前記カバー体側前方を的確
に視認し得るようにして前述の問題点を解決し
た。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３の一側に搭載した
脱穀装置であつて、機台３の他側には操縦席４を
設け、該操縦席４の前部から機台３の前方へ突出
したフロア５の前部にはサイドクラツチレバー等
を有する操作盤６が立設されている。

また、前記脱穀装置１の前部には分草体７，
７、刈刃、掻込輪８，８及び左右一対の後傾した
穀稈引起枠９，９等からなる刈取部１０を、その
後上部を中心として上下傾動するように装着して
あり、穀稈引起枠９，９によつて形成される穀稈
引起経路の背部から脱穀装置の外側（操縦席４の
ない側）に沿うフイードチエンの始端に亘る部位
には、穀稈搬送装置を兼ねた扱深さ調節体を設け
てあり、この扱深さ調節体は後部を前記フイード
チエンの始端近傍に前後方向の軸で上下傾動可能
に軸支してある。

そして、前記操縦席４の脱穀装置１側の前部に
は主変速レバー１２及び多段変速レバー１３を設
けてあり、これらのレバー１２，１３を遊嵌した
ガイド溝１２ａ，１３ａを有するカバー体１４の
前面は前記操作盤６の中間部よりやゝ低い部位ま
で立ち上がり、上面は前記操縦席４の側部から上
記前面の立ち上がり部の上端まで比較的急な下降
傾斜に形成してあり、その前方に位置する穀稈引
起枠９の外側の後面には、前記扱深さ調節体の前
端部を吊り下げて支持する扱深さ調節杆１５を係
止する調節ガイド１６を取付けてある。

前述の装置において、機体を回行させる時、又
は路上走行させる時等に刈取部１０を上昇傾動さ
せると、穀稈引起枠９はカバー体１４の上方に大
きく重なるように後方へ移動しながら傾動する。

また、刈取脱穀作業中、前記カバー体１４の前
方の穀稈引起枠９，９により引起される穀稈、及
びカバー体１４の側部にある扱深さ調節体により
脱穀装置１に向けて搬送される穀稈等から飛散す
る藁屑や塵埃はカバー体１４の上面に降下する
が、該カバー体１４の上面は前述のように前側が
低くなつた傾斜面に形成されているので、この傾
斜と走行中の機体振動とにより滑落して堆積する
ことがなく、ガイド溝の側部に付設した表示目盛
等が藁屑等により埋没することがなく、それを視
認しながらレバー操作を的確に行なうことができ
る。

更に、前記カバー体１４はその上面を前下りの
傾斜面に形成してあるので、その側の前方の視認
障害になることがなく、分草状況及び穀稈引起し
状況並びに穀稈搬送状態等を的確に視認しながら
刈取脱穀作業を行なうことができる。

本考案は前述のように機台の一側に脱穀装置を
搭載し、他側の前部に操作盤と操縦席をその順に
設け、脱穀装置の前部に後方上部を中心として上
下傾動すると共に刈刃及び穀稈引起体等からなる
刈取部を設け、該刈取部と前記脱穀装置との間に
扱深さ調節体を介装したコンバインにおいて、前
記操縦席の脱穀装置側に複数の操作レバーを設
け、それらの操作レバーをガイドするカバー体
を、前部は前記操作盤の側部から立上がらせて前
面とし、それに続くと共に操作盤の高さの中途部
から操縦席の側部に亘る上面を後部より前部が低
い傾斜面に構成し、この傾斜面に前記操作レバー
のガイド溝を設けたので、操縦部の前方の穀稈引
起枠及びカバー体の側部に配設されている扱深さ
調節体から飛散する藁屑や塵埃等はカバー体の上
面に降下して堆積せんとするが、該カバー体の上
面は操縦席の近傍から前方の操作盤の中途部に亘
つて大きく下降傾斜しているため、機体の振動と
相俟つて前方へ滑落することとなり、ガイド溝に
沿つて付設されていてレバーのセツト位置を示す
標識が埋没することがなく、該標識を視認しなが
ら的確なレバー操作を行なうことができる。

また、前記カバー体の上面は前部が低くなるよ
うに大きく下降傾斜しているので、分草状況、穀
稈引起状況、刈取穀稈が扱深さ調節体への受継状
況及び穀稈搬送状態等を操縦席に着席した姿勢で
確実に視認しながら刈取脱穀作業を行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの側面図、第２図及び第３図
は要部の斜視図である。 １……脱穀装置、３……機台、４……操縦席、
９……穀稈引起枠、１０……刈取部、１２……作
業機クラツチレバー、１３……多段変速レバー、
１２ａ，１３ａ……ガイド溝、１４……カバー
体、１６……調節ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台の一側に脱穀装置を搭載し、他側の前部に
   操作盤と操縦席をその順に設け、脱穀装置の前部
   に後方上部を中心として上下傾動すると共に刈刃
   及び穀稈引起体等からなる刈取部を設け、該刈取
   部と前記脱穀装置との間に扱深さ調節体を介装し
   たコンバインにおいて、前記操縦席の脱穀装置側
   に複数の操作レバーを設け、それらの操作レバー
   をガイドするカバー体を、前部は前記操作盤の側
   部から立上がらせて前面とし、それに続くと共に
   操作盤の高さの中途部から操縦席の側部に亘る上
   面を後部より前部が低い傾斜面に構成し、この傾
   斜面に前記操作レバーのガイド溝を設けたことを
   特徴とするコンバインにおける操縦装置。