JPS622177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 各階に設備されたトロリーレールシステムにお
いて、トロリーを各階より搬入、搬出するにはリ
フターによつて行なつている。

従来のリフト機構は、リフト室内に直線のトロ
リーレールを固定すると共にリフト室外には１本
のトロリーレールを設けて搬入、搬出を行う方法
と、各階にリフターに対しトロリーの搬入専用と
搬出専用のトロリーレールを並設し、リフト室内
にはトロリーを室外の搬入、搬出トロリーレール
より受渡しする装置と、リフターに受取られたト
ロリーを昇降途上で搬出専用若しくは搬入専用の
トロリーレールと対応する位置に移動させるため
の左右のシフト移動装置とを設けて行う方法があ
る。

ところが、前者はリフターより所要の階でトロ
リーを搬出しようとするときに、搬入するトロリ
ーが待機しているときには搬出することが出来
ず、専ら搬入と搬出とを区別して昇降作業を行わ
ねばならず非能率的である。後者は搬入、搬出作
業を区別する必要はないが、トロリーを左右にシ
フト移動するためにトロリー１台に対して２台分
のスペースが必要であるから非常にスペース効率
が低い。

本考案はこのような従来の不具合を解消するた
めに提供されたもので、その特徴とするところ
は、各階にリフターに対しトロリーの搬入専用と
搬出専用のトロリーレールを並設し、リフト室内
にはトロリーの進行方向を変えるためのリフト内
部Ｕ字形トロリーレールと、リフト内部Ｕ字形ト
ロリーレールの両端をリフト室外の搬入、搬出ト
ロリーレールの両端に近接させるためと、トロリ
ーに懸吊させた運搬物がリフト室内の内壁に接触
しないでＵターン移動させるための前後移動装置
及びトロリーをリフト室外の搬入用トロリーレー
ルからリフト内部Ｕ字形トロリーレールに、また
リフト内部Ｕ字形トロリーレールからリフト室外
の搬出用トロリーレールへそれぞれ移送するため
の移送装置とを設けたものである。

これにより各階でのトロリーの搬入、搬出が同
時に行なえると共にトロリー２台分の横幅スペー
スにトロリーを平行に収納することを可能にし、
大幅なスペースセービング効果をあげ、極めて合
理的且つ能率的な昇降作業を行うようにしたもの
である。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図に於てＬは各階に停止可能なリフターで
ある。このリフターＬの各階の停止位置に、リフ
ターＬに対しトロリーＴの搬入用トロリーレール
Ｇ１端と搬出用トロリーレールＧ２端とを左右に
並設する。ＡはリフターＬに対するトロリーＴの
搬入位置、Ｂは搬出位置を示している。

一方前記リフターＬには次のような装置が具備
されている。すなわち、第２図及至第４図に示す
通り、リフター本体１の天板と平行で前後方向に
ガイドレール２が並設され、これに前後移動体３
がガイドローラ４によつて前後移動自在に取付け
られており、前後駆動用シリンダー５によつて前
後移動体３の前端を第２図仮想線で示すようにリ
フター本体１より前方に突出駆動するようになつ
ている。この前後移動体３には該前後移動体が前
進した際に両端が前記トロリーレールＧ１，Ｇ２
にそれぞれ接続するリフト内部Ｕ字形トロリーレ
ール６がブラケツト７にＵ字方向の軸線で固着さ
れ、さらにトロリーＴの移送装置が設けられてい
る。

トロリーＴの移送装置の構造は、前後移動体３
の前位置の両側２ケ所にガイドプーリー８と中央
にベルト緊張用プーリー９、そして後位置の両側
２ケ所にガイドプーリー１０が設けられ、これに
エンドレスベルト１１が掛け渡されている。この
エンドレスベルト１１と前記リフト内部Ｕ字形ト
ロリーレール６との取付位置の関係は、第３図に
示すようにトロリーＴが走行してきてそのトロリ
ーヘツドＨがリフト内部Ｕ字形トロリーレール６
に懸架された際に該トロリーヘツドＨの側部がエ
ンドレスベルト１１の表面に十分接触するような
位置関係にある。そしてエンドレスベルト１１
は、前後移動体３に設置されたベルトフイーダ駆
動モータ１２からスプロケツト１３ａ、エンドレ
スチエーン１４とスプロケツト１３ｂを介して搬
入位置よりＵ字方向に向つて回転する。

第５図は前後移動体３の前進端位置において、
リフト内部Ｕ字形トロリーレール６のコーナー先
端とリフト内壁Ｗとの間隔が広くなつてトロリー
Ｔに懸吊している運搬物Ｃがリフト内壁Ｗと接触
しないでＵターン移動が可能であることを示す運
搬物Ｃの軌跡図である。第６図は前後移動体３の
後退端位置においてリフト内にトロリーを平行に
収納した状態を示す。

次に上記構成よりなる本考案の作用について説
明する。

リフター本体１が所要の階で停止したときに前
後駆動用シリンダー５によつて前後移動体３を前
進端まで作動する。これによりリフト内部Ｕ字形
トロリーレール６の両端は搬入用トロリーレール
Ｇ１端と搬出用トロリーレールＧ２端に同一軸線
で近接し、搬入用トロリーレールＧ１に懸架待機
している最前端のトロリーＴのリフト内部Ｕ字形
トロリーレール６側への乗り移し及びリフト内部
Ｕ字形トロリーレール６の搬出側に懸架待機して
いるトロリーＴの搬出用トロリーレールＧ２側へ
の乗り移しがそれぞれ可能となる。前後移動体３
が前進端まで前進したことの確認信号に基づいて
ベルトフイーダ駆動モータ１２が起動してエンド
レスベルト１１が回転するが、このエンドレスベ
ルトは搬入用トロリーレールＧ１上のトロリーＴ
とリフト内部Ｕ字形トロリーレール６上のトロリ
ーＴのトロリーヘツドＨの側部にそれぞれ接触し
ているからこのエンドレスベルトの走行によつて
トロリーＴを移送する。

搬入用トロリーレールＧ１からリフト内部Ｕ字
形トロリーレール６にトロリーＴが移送されたこ
とと、リフト内部Ｕ字形トロリーレール６から搬
出用トロリーレールＧ２に移送されたことを確認
し、ベルトフイーダ駆動モータ１２を停止すると
共に、前後駆動用シリンダー５によつて前後移動
体３を後退させてトロリーＴを完全にリフター本
体１内に引き込むものである。そして昇降動の指
令によつてリフター本体１は所要の階まで上昇又
は下降する。

このように本考案装置によると各階にはリフタ
ー本体に対しトロリーの搬入専用と搬出専用との
それぞれのトロリーレール端を並設し、また、リ
フター本体には前記トロリーレール端と接続でき
るリフト内部Ｕ字形トロリーレールとリフト室外
の搬入及び搬出トロリーレールよりトロリーを受
渡しする装置とを設け、さらに、これらの装置を
前後移動させるための前後移動装置を設けもので
あるから、各階での搬入、搬出が同時に行なうこ
とができ、しかもトロリー２台分の収容幅内にト
ロリーを平行して収納することができて大幅なス
ペースセービング効果をあげることができ、極め
て合理的且能率的な昇降作業をなし得る利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるリフター本体に対するト
ロリーのトロリーレールの配置構成を示す平面
図、第２図はリフター本体の主要構成を示す平面
図、第３は正面図、第４図は側面図、第５図は前
後移動体の前進端位置での運搬物のＵターン移動
の軌跡を示す平面図、第６図は前後移動体の後退
端位置での運搬物収納状態を示す平面図である。 Ｌ；リフター、Ｇ１；搬入用トロリーレール、
Ｇ２；搬出用トロリーレール、Ｔ；トロリー、
Ｈ；トロリーヘツド、Ｃ；運搬物、Ｗ；リフト内
壁、１；リフター本体、２；ガイドレール、３；
前後移動体、４；ガイドローラ、５；前後駆動用
シリンダー、６；リフト内部Ｕ字形トロリーレー
ル、７；ブラケツト、８；ガイドプーリー、９；
ベルト緊張用プーリー、１０；ガイドプーリー、
１１；エンドレスベルト、１２；ベルトフイーダ
駆動モータ、１３ａ，１３ｂ；スプロケツト、１
４；エンドレスチエーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トロリーを各階に昇降するためのリフターの各
   階停止位置に対してトロリーの搬入用トロリーレ
   ール端と搬出用トロリーレール端とを左右位置で
   並設し、前記リフター室内にはガイドレールで案
   内されシリンダーにより前後方向に移動する前後
   移動体が設けられ、該前後移動体には前進端位置
   において両端が前記両トロリーレール端にそれぞ
   れ接続されるリフト内部Ｕ字形トロリーレール
   と、トロリーを搬入用トロリーレールからリフト
   内部Ｕ字形トロリーレールに、また、リフト内部
   Ｕ字形トロリーレールから搬出用トロリーレール
   にそれぞれ移送するための移送装置とを設けたこ
   とを特徴とするトロリーの昇降装置。