JP3607863B2 - ガイド機構及びこれを用いた格納物品載置用のトレー - Google Patents

ガイド機構及びこれを用いた格納物品載置用のトレー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械式駐車設備や自動倉庫設備などに利用するガイド機構及びこれを用いた格納物品載置用のトレーに関し、特に被移動体に具備して、旋回運動する係合手段に作動係合させることにより、被移動体を直線的に移動案内するガイド機構及びこれを用いた格納物品載置用のトレーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械式駐車設備には、自動車をトレーに載せて移送し、格納する方式の駐車装置がある。図17に、第1の例として、この種のトレー方式を用いた平面往復式駐車装置を示している。
【0003】
図17において、101は自動車の格納階層であり、その平面上に自動車搬送用の搬送路102が設定されて、そこに一対の走行レール103が敷設されている。104はモータ駆動による自走式の搬送台車であり、搬送路102の走行レール103上を往復走行される。なお、この搬送台車104上には、その前後両側に幅方向に向けて一対の横行レール105が配設されている。
【0004】
1は搬送台車104に搭載されたトレー横行装置(トレー移載装置)であり、搬送台車104の幅方向の中心位置に旋回中心を設定されて水平方向に旋回可能に配置され、先端が駐車区画106側に所要寸法だけ突出した長さを有する旋回アーム2と、その先端に上方に向けて突設されたローラからなる係合部材3と、旋回アーム2を旋回駆動する旋回駆動装置として減速機付きの駆動モータ4とを備える。
【0005】
106は搬送路102の両側に沿って1列に配列された駐車区画であり、それぞれ一対の横行レール107が設置されている。これらの駐車区画106にはそれぞれ、自動車載置用のトレーTが、その下面に軸支された図示されない車輪を一対の横行レール107上に乗せて配置されている。またこれらのトレーTには、搬送台車104のトレー横行装置1に作動係合させるために、ガイド機構Gが設けられている。ガイド機構Gは、一対のアングル状の部材からなるガイド部材がトレーT下面にその長手方向に沿って平行に取り付けられて、断面略逆U字形に形成されている。また、その両端は、トレー横行装置1の係合部材3に対する係脱端として、ハの字形に拡開されている。
【0006】
この駐車装置の自動車の入庫運転又は出庫運転又はその準備運転において、搬送台車104が指定された駐車区画106の前まで走行され、停止されると、トレー横行装置1が始動され、トレーTが当該駐車区画106から搬送台車104へ、又は搬送台車104から当該駐車区画106へ横行される。
【0007】
トレーTを当該駐車区画106から搬送台車104へ横行する場合、駆動モータ4の作動により、旋回アーム2が搬送台車104の長手方向と平行な待機ポジションから所定方向へ、当該駐車区画106に向けて旋回され、当該駐車区画106の長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、その先端の係合部材3がトレーT下面のガイド機構Gにその一端から挿入される。続く旋回アーム2の旋回動作により、係合部材3がガイド機構G内を摺動しながらトレーTを搬送台車104上に引き出す。トレーTは、その前後両側の車輪が駐車区画106の一対の横行レール107から搬送台車104の一対の横行レール105を移動することにより、横行されていく。旋回アーム2の旋回とともに係合部材3がガイド機構G上を終端近くに達すると、今度はガイド機構G上を戻る方向に移動を始め、旋回アーム2がトレーTを引き続き横行し、所定の角度まで旋回したところで停止され、トレーTが搬送台車104上に完全に載せ替えられる。
【0008】
トレーTを搬送台車104から当該駐車区画106へ横行する場合は、上記と逆の動作となる。
【0009】
このように、この平面往復式駐車装置では、係合部材3を旋回運動するトレー横行装置1を搬送台車104上に搭載するとともに、各トレーTの下面に旋回運動する係合部材3に作動係合し、各トレーTを直線的に移動案内するガイド機構Gを配設して、トレーTを搬送台車104と各駐車区画106との間で移動するようにしている。したがって自動車の格納階層101において、トレーTの出し入れが円滑、かつ迅速に行われ、自動車の入出庫を短時間に実行することができる。
【0010】
図18に、第2の例として、この種のトレー方式を用いたエレベータ式駐車装置を示している。
【0011】
図18において、1はエレベータの昇降台に搭載されたトレー横行装置(トレー移載装置)であり、第1の例と同様に、旋回アーム2、係合部材3、減速機付きの駆動モータ4を備える。なお、エレベータの昇降台にはその前後に対にして図示されないトレー横行用のレールが配設されている。
【0012】
206はエレベータの昇降路の両側に階層的に形成された自動車の駐車区画であり、各駐車区画206に図示されない一対の横行レールが敷設されて、その上に台車構造のトレーTが配置されている。これらのトレーTには、昇降台のトレー横行装置1に作動係合させるために、ガイド機構Gが設けられている。ガイド機構Gは、鋼材などからなるガイド部材がトレーT下面にその長手方向に沿って平行に取り付けられて、断面略逆U字形に形成されている。また、その両端は、トレー横行装置1の係合部材3に対する係脱端として、ハの字形に拡開されている。
【0013】
この駐車装置の自動車の入庫運転又は出庫運転又はその準備運転において、エレベータの昇降台が指定された階層の駐車区画206まで上昇又は下降されると、トレー横行装置1が始動され、上記第1の例で説明したように、トレーTが当該駐車区画206から昇降台へ、又は昇降台から当該駐車区画206へ横行される。
【0014】
このように、このエレベータ式駐車装置では、係合部材3を旋回運動するトレー横行装置1をエレベータの昇降台上に搭載するとともに、各トレーTの下面に旋回運動する係合部材3に作動係合し、各トレーTを直線的に移動案内するガイド機構Gを配設して、トレーTをエレベータの昇降台と各駐車区画206との間で移動するようにしている。したがって自動車の駐車階層において、トレーTの出し入れが円滑、かつ迅速に行われ、自動車の入出庫を短時間に実行することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のトレー方式の駐車装置では、搬送台車や昇降台などのトレー移送手段上に、係合部材を旋回運動するトレー横行装置を備え、トレーの下面に、旋回運動する係合部材に作動係合してトレーを直線的に移動案内するガイド機構を備えることにより、トレー移送手段と各駐車区画との間で、トレーを効率的に横行移動しているものの、トレーのガイド機構がトレーの長手方向に沿って平行な一対のアングル状の部材からなるガイド部材により形成されているため、このガイド機構と旋回運動する係合部材との作動係合により、トレーをトレー横行装置を中心に片側一方のサイド(例えば右側)から取り出した場合に、このトレーを同じサイド(右側)に戻し入れることはできるが、反対の片側他方のサイド(左側)に送り出すことができないという問題がある。このため、駐車装置の運転上、トレーの取り出し、戻し入れなどの手順に制限がある。また、トレーの製作上または管理上、左用トレー、右用トレーに分ける必要がある。
【0016】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種のガイド機構及びこれを用いた格納物品載置用のトレーにおいて、例えば右側のサイドから移動された被移動体又はトレーを同じサイド又は反対の左側のサイドへ選択的に移動案内できるなど、被移動体又はトレーが係合部材の旋回中心を中心にして対称位置にある両サイド間を移動できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のガイド機構は、被移動体に配設され、旋回運動する係合部材に作動係合されて被移動体を直線的に移動案内するガイド機構において、被移動体が係合部材の旋回経路上の対称位置に対応する第1、第2の位置の間を移動可能に、係合部材の変位方向を案内する第1、第2のガイド部を備え、第1、第2のガイド部の一端被移動体の両側間の中央で隣接又は近接され、かつ不連続にして設けられ、第1のガイド部の他端は被移動体の一方の側に、第2のガイド部の他端は被移動体の他方の側にそれぞれ設けられて、係合部材を第1、第2のガイド部に対して抜き差し可能な係合部材の変位機構の併用により、係合部材は第1のガイド部から第2のガイド部へ又は第2のガイド部から第1のガイド部へ切り換えられるものである。また、本発明の請求項2に記載のガイド機構は、請求項1の構成において、係合部材は第1、第2のガイド部間の隣接又は近接する位置で切り換えられるものである。上記構成から、旋回運動する係合部材とガイド機構との作動係合により、係合部材が第1又は第2のガイド部に沿って移動しながら、被移動体を第1又は第2の位置から中間の位置に向けて移動案内し、係合部材が第1又は第2のガイド部の終端に達したところで、被移動体を第1、第2の位置の中間の位置上に移動案内する。ここで係合部材の変位機構により、係合部材は、第1又は第2のガイド部から離脱され、第2又は第1のガイド部へ係合されて、第1又は第2のガイド部から第2又は第1のガイド部へ切り換えられる。続いて係合部材は第2又は第1の位置へ向けて旋回され、第2又は第1のガイド部に沿って移動しながら、被移動体を第2又は第1の位置に向けて移動案内する。このようにして、被移動体を係合部材の旋回中心を中心にして対称位置にある一方のサイドから他方のサイドへ又はその反対へ選択的に、確実に移動することができる。また、係合部材を第1、第2のガイド部間の隣接又は近接する位置で切り換えることにより、この切り換え動作を円滑、かつ迅速に行うことができる。
【0018】
本発明の請求項3に記載のガイド機構は、請求項1又は2の構成において、第1第2のガイド部の一端開放部になっているものである。本発明の請求項4に記載のガイド機構は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、第1のガイド部と第2のガイド部は分離して形成されているものである。本発明の請求項5に記載のガイド機構は、請求項1乃至4のいずれかの構成において、第1、第2のガイド部全体は略Y字形又は略V字形又は略U字形又はこれらを変形した形状に形成され、その片側一方に第1のガイド部、その片側他方に第2のガイド部を備えるものである。上記各構成から、ガイド機構全体の形状の簡素化によりコストダウンを図るとともに、被移動体の移動動作の円滑性を向上させることができる。
【0019】
本発明の請求項6に記載のガイド機構は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、係合部材の変位機構は、係合部材を上下方向に移動する手段を備え、係合部材が第1、第2のガイド部に対して上下方向に抜き差しされるものである。
上記構成から、旋回運動する係合部材とガイド機構との作動係合により、係合部材が第1又は第2のガイド部に沿って移動しながら、被移動体を第1又は第2の位置から中間の位置に向けて移動案内し、係合部材が第1又は第2のガイド部の終端に達したところで、被移動体を第1、第2の位置の中間の位置上に移動案内する。ここで係合部材の変位機構により、係合部材は、その上下方向の移動により第1又は第2のガイド部から抜けて第2又は第1のガイド部へ差し込み、係合されて、第1又は第2のガイド部から第2又は第1のガイド部へ切り換えられる。続いて係合部材は第2又は第1の位置へ向けて旋回され、第2又は第1のガイド部に沿って移動しながら、被移動体を第2又は第1の位置に向けて移動案内する。
このようにして、被移動体を係合部材の旋回中心を中心にして対称位置にある一方のサイドから他方のサイドへ又はその反対へ選択的に、確実かつ円滑に移動することができる。
【0020】
本発明の請求項7に記載のガイド機構は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、係合部材の変位機構は、係合部材の旋回中心を水平面上で被移動体の移動方向に対応するX方向又は被移動体の移動方向と直交するY方向又はこれらを組み合わせた方向に移動する手段を備え、係合部材が第1、第2のガイド部に対して水平方向に抜き差しされるものである。
上記構成から、旋回運動する係合部材とガイド機構との作動係合により、係合部材が第1又は第2のガイド部に沿って移動しながら、被移動体を第1又は第2の位置から中間の位置に向けて移動案内し、係合部材が第1又は第2のガイド部の終端に達したところで、被移動体を第1、第2の位置の中間の位置上に移動案内する。ここで係合部材の変位機構により、係合部材はその水平方向の移動により第1又は第2のガイド部から抜けて第2又は第1のガイド部へ差し込み、係合されて、第1又は第2のガイド部から第2又は第1のガイド部へ切り換えられる。続いて係合部材は第2又は第1の位置へ向けて旋回され、第2又は第1のガイド部に沿って移動しながら、被移動体を第2又は第1の位置に向けて移動案内する。
このようにして、被移動体を係合部材の旋回中心を中心にして対称位置にある一方のサイドから他方のサイドへ又はその反対へ選択的に、確実かつ円滑に移動することができる。
【0021】
本発明の請求項8に記載の格納物品載置用のトレーは、請求項1乃至7のいずれかに記載のガイド機構を用いたものである。
上記構成から、旋回運動する係合部材とトレーのガイド機構との作動係合により、係合部材が第1又は第2のガイド部に沿って移動しながら、トレーを第1又は第2の位置から中間の位置に向けて移動案内し、係合部材が第1又は第2のガイド部上を所定の位置まで移動したところで、トレーを第1、第2の位置の中間の位置上に移動案内する。ここで係合部材の変位機構により、係合部材は、第1又は第2のガイド部から離脱され、第2又は第1のガイド部へ係合されて、第1又は第2のガイド部から第2又は第1のガイド部へ切り換えられる。続いて係合部材は第2又は第1の位置へ向けて旋回され、第2又は第1のガイド部に沿って移動しながら、トレーを第2又は第1の位置に向けて移動案内する。
このようにして、トレーを係合部材の旋回中心を中心にして対称位置にある一方のサイドから他方のサイドへ又はその反対へ選択的に、確実かつ円滑に移動することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1、図2にガイド機構の第1の実施の形態を示し、図3、図4に第2の実施の形態を示している。これら第1、第2の実施の形態に、機械式駐車設備に用いる自動車載置用のトレーTに適用するガイド機構G1、G2を例示している。これらのガイド機構G1、G2にはトレー横行装置1とともに係合部材の変位機構7が使用されている。
【0023】
図5に示すように、トレー横行装置1は、従来のトレー横行装置と同じであり、旋回アーム2、係合部材(ローラ)3、旋回駆動装置(減速機付きの駆動モータ)4を備える。
【0024】
係合部材の変位機構7は、係合部材3を上下方向に変位する昇降駆動装置がトレー横行装置1に併設されたもので、係合部材3がガイド機構G1、G2に抜き差し可能に構成されている。その具体例は次のとおりである。
【0025】
ここで係合部材の変位機構7は、トレー横行装置1の昇降駆動装置71として構成され、搬送台車(又は昇降台)5上に設置されたパンタグラフ711と、パンタグラフ711を伸縮駆動するパワーシリンダなどの駆動装置712と、搬送台車(又は昇降台)5上にガイドシャフト713の案内により昇降可能に配置され、パンタグラフ711により昇降駆動される基台714とを備え、基台714上にトレー横行装置1の旋回駆動装置4が据え付けられて、トレー横行装置1全体が昇降可能に支持されている。この昇降駆動装置71により、トレー横行装置1の係合部材3のレベルが上下に変位可能になっている。
【0026】
また係合部材の変位機構7は、トレー横行装置1の昇降駆動装置71に代えて、係合部材3の昇降駆動装置72として構成される。図11に示すように、この昇降駆動装置72は、リニアヘッドモータなどの駆動モータ721と、この駆動モータ721により上下方向に駆動される駆動軸722とを備え、旋回アーム2の先端で係合部材3の下側に装着され、係合部材3の支軸31と駆動軸722が連結されている。この場合、駆動モータ721に接続する電源用コード723が旋回アーム2を通って旋回アーム2の枢支側裏面に備える集電子724に接続され、この集電子724は旋回駆動装置4に備える給電子725を介して電源に接続される。この昇降駆動装置72により、トレー横行装置1の係合部材3のレベルが上下に変位可能になっている。
【0027】
また係合部材の変位機構7は、係合部材の昇降駆動装置に代えて、旋回アームの昇降駆動装置として構成できる。ここでは図示を省略しているが、この場合、係合部材の支軸が旋回アームに固定されるため、係合部材の昇降駆動装置と異なり、係合部材を昇降駆動する駆動モータや集電子側から電源に繋ぐ電源用コードが不要になる。このような昇降駆動装置を用いても、トレー横行装置1の係合部材3のレベルを上下に変位できる。
【0028】
なお、第1、第2の各実施の形態では、係合部材の変位機構7にトレー横行装置1の昇降駆動装置71が共通に使用される。この昇降駆動装置71により、図5(b)に示すように、通常、トレー横行装置1は上昇変位されていて、係合部材3がガイド機構G1、G2に対する係合レベルに位置決めされ、必要に応じてトレー横行装置1が昇降されて、係合部材3がガイド機構G1、G2に抜き差し(離脱、係合)される。また、これに代えて、通常は、この昇降駆動装置71により、トレー横行装置1が下降変位されていて、必要に応じてトレー横行装置1が昇降され、係合部材3がガイド機構G1、G2に対する係合レベルに位置決めされるようにしてもよい。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態の構成を示している。図1において、このガイド機構G1は、鋼材などからなるガイド部材111、112により全体が略Y字形に形成され、その片側一方の第1のガイド部11と、その片側他方の第2のガイド部12とを備え、第1、第2のガイド部11、12の一部が隣接されている。トレーТ下面において、第1、第2のガイド部11、12は、その一部(一端)がトレーТの幅方向中央で隣接され、その他端がトレーТの幅方向に延ばされて取り付けられている。なお、このガイド機構G1のトレーТ下面の長手方向における取付位置は係合部材3の旋回中心の位置に応じて適宜設定される。図5(a)に示すように、ここでは、係合部材3の旋回中心の定位置(トレー横行装置1の定位置)が搬送台車(又は昇降台)5の中心に対してトレーТの長手方向に対応する方向に偏心された位置に設定されているため、ガイド機構G1全体がトレーТの長手方向の中央よりも片側一方に片寄って取り付けられていて、そのY字形の両端がトレーТの長手方向中央に近接した位置に設けられている。
【0030】
図1において、第1、第2のガイド部11、12はそれぞれ、内側のガイド部材111と、このガイド部材111の外側に係合部材3の外径と略同じか又は少し大きい寸法の間隔を設けて並列配置される外側のガイド部材112とからなり、その一部(一端)が所定の角度に屈曲されていて、これらがトレーTの下面に平面形状が略Y字形に、断面形状が略逆U字形に取り付けられている。この第1のガイド部11により、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する第1の位置(右側又は左側の位置)からこの第1の位置と第2の位置(左側又は右側の位置)との間、つまり中間の位置へ移動可能に、係合部材3の変位方向を案内する。同様に、第2のガイド部12により、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する第2の位置(左側又は右側の位置)からこの第2の位置と第1の位置(右側又は左側の位置)との間、つまり中間の位置へ移動可能に、係合部材3の変位方向を案内する。
【0031】
第1、第2のガイド部11、12の内側位置の端部はそれぞれ、トレーТの長手方向に向けた開放部13になっていて、第1、第2のガイド部11、12の間は不連続に形成されている。したがって、第1、第2のガイド部11、12の中間に係合部材3を切り換えるための特別の切換部は設けられていない。
【0032】
第1、第2のガイド部11、12の外側位置の端部は、外側のガイド部材112が内側のガイド部材111の両端に対して外側まで延出されていて、旋回運動する係合部材3に対する係脱端14になっている。また、各係脱端14には、内側のガイド部材111の両端がトレーTの長手方向と平行に延長され、そこに係合部材3が接触可能な押さえ部15が面状に設けられている。
【0033】
なお、ここでいう第1、第2のガイド部11、12は、第1のガイド部11が係合部材3の旋回中心から見て近い方の一方のガイド部を指し、第2のガイド部12が係合部材3の旋回中心から見て遠い方の他方のガイド部を指している。したがって、トレーTが第1又は第2の位置から第2又は第1の位置へ移動された場合、第1のガイド部11と第2のガイド部12の呼称が反対になる。第2乃至第4の実施の形態においても同様である。
【0034】
次に、上記第1の実施の形態のガイド機構によるトレーの案内動作について図6乃至図10を用いて説明する。ここでは、既に説明してあるトレー横行装置1により、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する右側の第1の位置Rから中間の位置Cを経由して左側の第2の位置Lへ移動を案内する動作を例示する。なお、図6乃至図10中には、第1、第2の位置R、L及び中間の位置Cにトレー横行用のレールの図示を省略し、トレーTの下面に車輪の図示を省略している。
【0035】
図6において、まずトレー横行装置1の駆動モータ4が作動され、旋回アーム2が第1の位置RのトレーTの長手方向と平行な待機ポジションから所定方向へ、当該第1の位置Rに向けて旋回される。なお、このとき係合部材3がトレーТ下面のガイド機構G1に係合可能に、トレー横行装置1がその昇降駆動装置71により上昇変位されていて、係合部材3はガイド機構G1に対する係合レベルに位置決めされている。旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、その先端の係合部材3が第1のガイド部11の係脱端14から挿入される。
【0036】
続く旋回アーム2の旋回動作により、係合部材3が第1のガイド部11の外側のガイド部材112上を摺動しながらこれを押圧し、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち第1の位置Rから中間の位置Cに向けて引き出す。トレーTは、その前後両側の車輪が第1の位置Rのレールから中間の位置Cのレールを移動することにより、横行されていく。旋回アーム2の旋回とともに係合部材3が第1のガイド部11の内側位置の端部に達したときに、トレーTが中間の位置Cの直上に完全に移動される。ここで駆動モータ4の停止により旋回アーム2が旋回動作を停止され、係合部材3は中間の位置Cに移動案内されたトレーTの移動をロックする。
【0037】
続いて、図7、図8に示すように、係合部材の変位機構7、すなわちトレー横行装置1の昇降駆動装置71により、トレー横行装置1が下降変位されて、係合部材3が第1のガイド部11から下方に離脱され、トレー横行装置1の昇降駆動装置71の一時停止により、係合部材3が第1のガイド部11下方の非係合レベルに位置決めされる。続いて、図8、図9に示すように、トレー横行装置1の作動により旋回アーム2が所定角度だけ旋回され、係合部材3を第2のガイド部12の内側位置の端部の直下に移動して、その旋回を停止される。続いて、図10に示すように、トレー横行装置1の昇降駆動装置71により、トレー横行装置1が上昇変位されて、係合部材3が第2のガイド部12に向けて上方に移動される。係合部材3が第2のガイド部12の内側位置の端部に係合されて、トレー横行装置1の昇降駆動装置71が停止される。
【0038】
このようにして係合部材3が第1のガイド部11から第2のガイド部12に切り換え、係合されると、図6に示すように、旋回アーム2が再び旋回される。駆動モータ4の作動が再開され、旋回アーム2が第2の位置Lに向けて旋回されて、係合部材3は第2のガイド部12の内側のガイド部材111上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを第2の位置Lに向けて押し出す。
【0039】
旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第2の位置Lへ移動され、旋回アーム2先端の係合部材3が第2のガイド部12の係脱端14から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端14に設けられた押さえ部15に接触し、これを押さえることにより、第2の位置LのトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第2の位置Lの所定位置に完全に移動される。
【0040】
また、図6において、トレーTを中間の位置Cに移動した後、係合部材3が第1のガイド部11から第2のガイド部12へ切り換えることなく、第1のガイド部11の内側位置の端部に係合された状態から、旋回アーム2が第2の位置Lではなく、第1の位置Rに向けて旋回されると、係合部材3は第1のガイド部11の内側のガイド部材111上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち中間の位置Cから第1の位置Rに向けて送り出していく。旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第1の位置Rへ移動され(戻され)、旋回アーム2先端の係合部材3が第1のガイド部11の係脱端14から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端14の押さえ部15に接触し、これを押さえることにより、第1の位置RのトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第1の位置Rの所定位置に完全に移動される(戻される)。
【0041】
また反対に、トレーTを第2の位置Lから第1の位置Rへ移動案内する場合、あるいは第2の位置Lへ戻す場合も上記と同様である。
【0042】
なお、係合部材の変位機構7に、トレー横行装置1の昇降駆動装置71に代えて、図11に示す係合部材3の昇降駆動装置72を用いても、このガイド機構G1により、同様にして、第1又は第2の位置のトレーТは中間の位置を経て、第2又は第1の位置へ移動される。この場合、第1、第2のガイド部11、12間で係合部材3がその昇降動作により抜き差しされ、第1又は第2のガイド部11、12から第2又は第1のガイド部12、11へ切り換えられる。また、係合部材の変位機構7に、旋回アームの昇降駆動装置を用いても、このガイド機構G1により、同様にして、第1又は第2の位置のトレーТは中間の位置を経て、第2又は第1の位置へ移動される。この場合、第1、第2のガイド部11、12間で係合部材3が旋回アーム2の昇降動作により抜き差しされ、第1又は第2のガイド部11、12から第2又は第1のガイド部12、11へ切り換えられる。
【0043】
このように上記第1の実施の形態によれば、トレーТの下面に、ガイド機構G1を内側、外側の各ガイド部材111、112により全体を略Y字形に形成し、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する第1の位置Rから中間の位置Cへ移動可能に、係合部材3の変位方向を案内する第1のガイド部11と、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する第2の位置Lから中間の位置Cへ移動可能に、係合部材3の変位方向を案内する第2のガイド部12とを備え、第1、第2のガイド部11、12の一部を隣接させて、旋回運動する係合部材3を第1又は第2のガイド部11、12に作動係合させることにより、トレーTを第1又は第2の位置R、Lから中間の位置Cへ移動案内し、トレーТを中間の位置Cに移動したところで、係合部材3をその変位機構7(ここではトレー横行装置1の昇降駆動装置71)により、第1、第2のガイド部11、12に抜き差しすることにより、係合部材3を第1のガイド部11から第2のガイド部12へ又は第2のガイド部12から第1のガイド部11へ切り換え、係合させてから係合部材3を旋回し、中間の位置Cから第2の位置Lへ又は第1の位置Rへ移動案内するようにしているので、機械式駐車設備において、トレー横行装置1を中心に右側又は左側のトレーTを左側又は右側へ選択的に移動することができる。特に、このガイド機構G1の場合、係合部材3を第1、第2のガイド部11、12間の隣接する位置で切り換えているので、この切り換え動作を円滑、かつ迅速に行うことができ、右側又は左側のトレーTを左側又は右側へ円滑、かつ迅速に移動することができる。これにより、駐車装置の運転上、トレーТの取り出しや戻し入れなどの手順において、右側(又は左側)から取り出したトレーТを右側(又は左側)に戻し入れるなどの制限をなくすことができる。また、トレーТの製作上又は管理上、左用トレー、右用トレーに分ける必要をなくすことができる。
【0044】
また、このガイド機構G1では、第1のガイド部11と第2のガイド部12とをそれぞれ内側のガイド部材111と外側のガイド部材112とにより形成するとともに、これらを略Y字形に組んで、第1、第2のガイド部11、12を不連続に形成しているので、ガイド機構G1全体の形状を簡素化してコストダウンを図ることができる。このような簡素な形状でも、係合部材3をその変位機構7により第1、第2のガイド部11、12に対して上下方向に抜き差しすることにより、第1のガイド部11から第2のガイド部12へ又はその反対に切り換えるので、係合部材3と第1、第2のガイド部11、12とを確実に係合させて、トレーТを円滑に移動案内することができる。
【0045】
また、第1、第2のガイド部11、12を不連続に形成したことにより、係合部材3が第1のガイド部11又は第2のガイド部12の内側位置の端部まで移動したときに、係合部材3の旋回を停止することにより、係合部材3が第1のガイド部11又は第2のガイド部12の内側位置の端部に保持されるので、第1、第2の位置R、Lの中間の位置Cに移動案内されたトレーTの移動を確実にロックすることができる。
【0046】
また、第1、第2のガイド部11、12の係合部材3に対する係脱端14に、係合部材3に押さえられる押さえ部15を設け、旋回する係合部材3により押さえ部15を押さえることにより、第1又は第2の位置R、LのトレーTを移動規制し、所定の位置に位置決めするようにしているので、トレーTを正規の位置へ正確に移動することができる。
【0047】
本実施の形態においては、トレーТの下面に第1、第2のガイド部11、12をその一部を隣接して配置しているが、第1、第2のガイド部11、12を分離して、その一部を近接して配置してもよい。その引き離す間隔(寸法)は任意である。この場合、係合部材3を第1のガイド部11から第2のガイド部12へ又はその反対に切り換えるときに、係合部材3の第1、第2のガイド部11、12間の旋回距離が大きくなる分だけ、切り換え動作が大きくなり、切り換え時間が長くなる。また、第1、第2のガイド部11、12の各部をそれぞれ直線的に形成しているが、これらのガイド部11、12の各部を選択的に曲線状に形成してもよい。図2はその一例である。なお、係合部材3を第1、第2のガイド部11、12に対して上下方向に抜き差しするので、第1、第2のガイド部11、12の隣接又は近接する内側位置の端部は開放部13であっても、閉塞部であってもいずれでもよい。このように代えても同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
(実施の形態2)
図3は本発明の第2の実施の形態の構成が示されている。図3において、このガイド機構G2は、鋼材などからなる内側のガイド部材211と外側のガイド部材212とにより、全体が略V字形に形成され、その片側一方の第1のガイド部21と、その片側他方の第2のガイド部22とを備え、第1、第2のガイド部21、22の一部が隣接されている。トレーТ下面において、第1、第2のガイド部21、22は、その一部(一端)がトレーТの幅方向中央で隣接され、その他端がトレーТの幅方向に延ばされて取り付けられている。なお、このガイド機構G2においても、トレーТ下面の長手方向における取付位置は係合部材3の旋回中心の位置に応じて適宜設定され、ここでは、第1の実施の形態と同様に、係合部材3の旋回中心の定位置(トレー横行装置1の定位置)が搬送台車(又は昇降台)5の中心に対してトレーТの長手方向に対応する方向に偏心された位置に設定されているため、ガイド機構G2全体がトレーТの長手方向の中央よりも片側一方に片寄って取り付けられていて、そのV字形の両端がトレーТの長手方向中央に近接した位置に設けられている。
【0049】
第1、第2のガイド部21、22はそれぞれ、内側のガイド部材211と、このガイド部材211の外側に係合部材3の外径と略同じか又は少し大きい寸法の間隔を設けて並列配置される外側のガイド部材212とからなり、その一部(一端)が隣接されて、これらがトレーTの下面に平面形状が略V字形に、断面形状が略逆U字形に取り付けられている。この第1のガイド部21により、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する第1の位置(右側又は左側の位置)からこの第1の位置と第2の位置(左側又は右側の位置)との間、つまり中間の位置へ移動可能に、係合部材3の変位方向を案内する。同様に、第2のガイド部22により、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する第2の位置(左側又は右側の位置)からこの第2の位置と第1の位置(右側又は左側の位置)との間、つまり中間の位置へ移動可能に、係合部材3の変位方向を案内する。
【0050】
第1、第2のガイド部21、22の内側位置の端部はそれぞれ、トレーТの長手方向に対して斜めに又は長手方向に向けた開放部23になっていて、第1、第2のガイド部21、22の間は不連続に形成されている。したがって、第1、第2のガイド部21、22の中間に係合部材を切り換えるための特別の切換部は設けられていない。また、第1、第2のガイド部21、22の外側位置の端部は、第1の実施の形態と同様に、旋回運動する係合部材3に対する係脱端24になっていて、各係脱端24には、係合部材3が接触可能な押さえ部25が面状に設けられている。
【0051】
このようにしてもガイド機構G2により、第1の実施の形態と同様に、トレーТが移動案内される。すなわち、(図6のトレー横行装置1及びその昇降駆動装置71参照)、トレー横行装置1の作動により、旋回アーム2が第1の位置RのトレーТに向けて旋回され、その先端の係合部材3が第1のガイド部21の係脱端24から挿入される。続いて、係合部材3が第1のガイド部21の外側のガイド部材212上を摺動しながらこれを押圧し、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち第1の位置Rから中間の位置Cに向けて引き出す。トレーTは、その前後両側の車輪が第1の位置Rのレールから中間の位置Cのレールを移動することにより、横行されていく。旋回アーム2の旋回とともに係合部材3が第1のガイド部21の内側位置の端部に達したときに、トレーTが中間の位置Cの直上に完全に移動される。ここでトレー横行装置1の停止により旋回アーム2が旋回動作を停止され、係合部材3は中間の位置Cに移動案内されたトレーTの移動をロックする。
【0052】
続いて、図7、図8に示すように、係合部材の変位機構7、すなわちトレー横行装置1の昇降駆動装置71により、トレー横行装置1が下降変位されて、係合部材3が第1のガイド部21から下方に離脱され、トレー横行装置1の昇降駆動装置71の一時停止により、係合部材3が第1のガイド部21下方の非係合レベルに位置決めされる。続いて、図8、図9に示すように、トレー横行装置1の作動により旋回アーム2が所定角度だけ旋回され、係合部材3を第2のガイド部22の内側位置の端部の直下に移動して、その旋回を停止される。続いて、図10に示すように、トレー横行装置1の昇降駆動装置71により、トレー横行装置1が上昇変位されて、係合部材3が第2のガイド部22へ向けて上方に移動される。第2のガイド部22の内側位置の端部に係合されて、トレー横行装置1の昇降駆動装置71が停止される。
【0053】
このようにして係合部材3が第1のガイド部21から第2のガイド部22に切り換え、係合されると、旋回アーム2が再び旋回される。係合部材3は第2のガイド部22の内側のガイド部材211上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを第2の位置Lに向けて押し出す。
【0054】
なお、旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第2の位置Lへ移動され、その先端の係合部材3が第2のガイド部22の係脱端24から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端24に設けられた押さえ部25に接触し、これを押さえることにより、第2の位置のトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第2の位置Lの所定位置に完全に移動される。
【0055】
また、トレーTを中間の位置Cに移動した後、係合部材3が第1のガイド部21から第2のガイド部22へ切り換えることなく、第1のガイド部21の内側位置の端部に係合された状態から、旋回アーム2が第2の位置Lではなく、第1の位置Rに向けて旋回されると、係合部材3は第1のガイド部21の内側のガイド部材211上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち中間の位置Cから第1の位置Rに向けて送り出していく。旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第1の位置Rへ移動され(戻され)、係合部材3が第1のガイド部21の係脱端24から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端24の押さえ部25に接触し、これを押さえることにより、第1の位置RのトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第1の位置Rの所定位置に完全に移動される(戻される)。
【0056】
また反対に、トレーTを第2の位置Lから第1の位置Rへ移動案内する場合、あるいは第2の位置Lへ戻す場合も上記と同様である。
【0057】
このようにしても、機械式駐車設備において、トレー横行装置1を中心に右側又は左側のトレーTを左側又は右側へ選択的に移動することができ、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
本実施の形態においては、トレーТの下面に第1、第2のガイド部21、22をその一部を隣接して配置しているが、第1、第2のガイド部21、22を分離して、その一部を近接して配置してもよい。その引き離す間隔(寸法)は任意である。これにより第1、第2のガイド部21、22は略逆ハの字形に配置される。この場合、係合部材3を第1のガイド部21から第2のガイド部22へ又はその反対に切り換えるときに、係合部材3の第1、第2のガイド部21、22間の旋回距離が大きくなる分だけ、切り換え動作が大きくなり、切り換え時間が長くなる。また、第1、第2のガイド部21、22の各部をそれぞれ直線的に形成しているが、これらのガイド部21、22の各部を選択的に曲線状に形成してもよい。図4はその一例である。なお、係合部材3を第1、第2のガイド部21、22に対して上下方向に抜き差しするので、第1、第2のガイド部21、22の隣接又は近接する内側位置の端部は開放部23であっても、閉塞部であってもいずれでもよい。このように代えても同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
なお、係合部材の変位機構7に、トレー横行装置1の昇降駆動装置71に代えて、係合部材3の昇降駆動装置72又は旋回アームの昇降駆動装置を用いても、このガイド機構G2により、同様にして、第1又は第2の位置のトレーТは中間の位置を経て、第2又は第1の位置へ移動される。この場合、第1、第2のガイド部21、22間で係合部材3がその昇降動作により又は旋回アーム2の昇降動作により抜き差しされ、第1又は第2のガイド部21、22から第2又は第1のガイド部22、21へ切り換えられる。
【0060】
図12及び図13、図14及び図15にガイド機構の第3、第4の実施の形態を示している。これら第3、第4の実施の形態に、第1、第2の実施の形態と同じガイド機構を例示している。これらのガイド機構G3、G4には、図16に示すように、第1、第2の実施の形態と同じトレー横行装置1とともに、第1、第2の実施の形態と異なる係合部材の変位機構8が使用されている。トレー横行装置1は、既に説明しているとおりであり、ここでは同じ符号を付してその重複した説明を省略する。ここで係合部材の変位機構8は、係合部材3をトレーТの移動方向(格納方向)に対応するX方向に移動するX方向駆動装置、又は係合部材3をトレーТの移動方向と直交するY方向に移動するY方向駆動装置、又は係合部材3をX−Y方向に移動するX−Y方向駆動装置として構成され、トレー横行装置1に併設されたもので、係合部材3がガイド機構に抜き差し可能になっている。なお、ここでは図示していないが、X方向駆動装置は、搬送台車(又は昇降台)5上に敷設されるX方向レールと、このX方向レール上をモータ駆動などにより移動可能な基台とを備え、基台上にトレー横行装置1の旋回駆動装置4を据え付けて、トレー横行装置1(係合部材3の旋回中心)を水平面上でX方向に移動して、係合部材3の位置を変位する。Y方向駆動装置は、搬送台車(又は昇降台)5上に敷設されるY方向レールと、このY方向レール上をモータ駆動などにより移動可能な基台とを備え、基台上にトレー横行装置1の旋回駆動装置4を据え付けて、トレー横行装置1(係合部材3の旋回中心)を水平面上でY方向に移動して、係合部材3の位置を変位する。X−Y方向駆動装置は、搬送台車(又は昇降台)5上に敷設されるX方向レール、このX方向レール上をモータ駆動などにより移動可能な第1の基台と、第1の基台上に敷設されたY方向レール、このY方向レール上をモータ駆動などにより移動可能な第2の基台とを備え、第2の基台上にトレー横行装置1の旋回駆動装置4を据え付けて、トレー横行装置1(係合部材3の旋回中心)を水平面上でX−Y方向に移動して、係合部材3の位置を変位する。第3、第4の各実施の形態では、X−Y方向駆動装置81を併設されたトレー横行装置1が共通に使用される。
【0061】
(実施の形態3)
図12は本発明の第3の実施の形態の構成が示されている。図12において、このガイド機構G3は、図1のガイド機構G1と略同じである。ここでは同一の各部に同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。ガイド機構G1と少し異なるのは、第1、第3の実施の形態の係合部材の変位機構7、8の違いから、ガイド機構G1の場合、第1、第2のガイド部11、12の隣接又は近接する端部が開放部13であっても、閉塞部であってもいずれでもよいのに対し、ガイド機構G3の場合には必ず開放部13が設けられている点である。
【0062】
次に、上記第3の実施の形態のガイド機構G3によるトレーТの案内動作について図16を用いて説明する。ここでは、第1の実施の形態と同様に、トレー横行装置1により、トレーTを係合部材3の旋回経路上の対称位置に対応する右側の第1の位置Rから中間の位置Cを経由して左側の第2の位置Lへ移動を案内する動作を例示する。なお、図16中には、第1、第2の位置R、L及び中間の位置Cにトレー横行用のレールの図示を省略し、トレーTの下面に車輪の図示を省略している。
【0063】
図16において、まず定位置のトレー横行装置1の駆動モータ4が作動され、旋回アーム2が第1の位置Rに向けて旋回される。旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、その先端の係合部材3が第1のガイド部11の係脱端14から挿入される。
【0064】
続く旋回アーム2の旋回動作により、係合部材3が第1のガイド部11の外側のガイド部材112上を摺動しながらこれを押圧し、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち第1の位置Rから中間の位置Cに向けて引き出す。トレーTは、その前後両側の車輪が第1の位置Rのレールから中間の位置Cのレールを移動することにより、横行されていく。旋回アーム2の旋回とともに係合部材3が第1のガイド部11の内側の端部に達したときに、トレーTが中間の位置Cの直上に完全に移動される。ここで駆動モータ4の停止により旋回アーム2が旋回動作を停止され、係合部材3は中間の位置Cに移動案内されたトレーTの移動をロックする。
【0065】
続いて、係合部材の変位機構8、すなわちX−Y方向駆動装置81により、トレー横行装置1(係合部材3の旋回中心)がY方向(図16中、下方向)へ移動されて、係合部材3が第1のガイド部11の開放部13から離脱される。続いて、トレー横行装置1(係合部材3の旋回中心)がX方向(図16中、右方向)へ移動されて、係合部材3が第2のガイド部12の延長上(第2のガイド部12の開放部13の延長上)へ移動される。続いて、係合部材3はY方向(図16中、上方向)へ移動され、第2のガイド部12に差し込まれて、これに係合される。
【0066】
このようにして係合部材3が第1のガイド部11から第2のガイド部12に切り換え、係合されると、X−Y方向駆動装置81が一時停止されて、トレー横行装置1のX、Y方向への移動が停止され、旋回アーム2が再び旋回される。駆動モータ4の作動が再開され、旋回アーム2が第2の位置Lに向けて旋回されて、係合部材3は第2のガイド部12の内側のガイド部材111上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを第2の位置Lに向けて押し出す。この係合部材3の旋回中、トレー横行装置1(係合部材3の中心)は、そのX−Y方向駆動装置81により、水平面上をX−Y方向への移動により、元の定位置へ変位されていき、係合部材3によりトレーТを中間の位置Cから第2の位置Lに向けて送り出していく。
【0067】
トレー横行装置1(係合部材3の中心)が定位置に戻されて、旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第2の位置Lへ移動され、旋回アーム2先端の係合部材3が第2のガイド部12の係脱端14から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端14に設けられた押さえ部15に接触し、これを押さえることにより、第2の位置LのトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第2の位置Lの所定位置に完全に移動される。
【0068】
また、図16において、トレーTを中間の位置Cに移動した後、係合部材3が第1のガイド部11から第2のガイド部12へ切り換えることなく、第1のガイド部11の内側位置の端部に係合された状態から、旋回アーム2が第2の位置Lではなく、第1の位置Rに向けて旋回されると、係合部材3は第1のガイド部11の内側のガイド部材111上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち中間の位置Cから第1の位置Rに向けて送り出していく。旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第1の位置Rへ移動され(戻され)、旋回アーム2先端の係合部材3が第1のガイド部11の係脱端14から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端14の押さえ部15に接触し、これを押さえることにより、第1の位置RのトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第1の位置Rの所定位置に完全に移動される(戻される)。
【0069】
また反対に、トレーTを第2の位置Lから第1の位置Rへ移動案内する場合、あるいは第2の位置Lへ戻す場合も上記と同様である。
【0070】
このように上記第3の実施の形態によれば、トレーТの下面に、第1の実施の形態と略同じ構成のガイド機構G3を備え、旋回運動する係合部材3を第1又は第2のガイド部11、12に作動係合させることにより、トレーTを第1又は第2の位置R、Lから中間の位置Cへ移動案内し、トレーTを中間の位置Cに移動したところで、係合部材3をその変位機構8(ここではトレー横行装置1のX−Y方向駆動装置81)により、第1又は第2のガイド部11、12から抜き差しすることにより、係合部材3を第1のガイド部11から第2のガイド部12へ又は第2のガイド部12から第1のガイド部11へ切り換え、係合させてから係合部材3を旋回し、中間の位置Cから第2の位置Lへ又は第1の位置Rへ移動案内するようにしているので、機械式駐車設備において、トレー横行装置1を中心に右側又は左側のトレーTを左側又は右側へ選択的に移動することができ、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0071】
本実施の形態3においても、第1、第2のガイド部11、12を分離して、その一部を近接して配置してもよく、その引き離す間隔(寸法)は任意である。この場合、係合部材3を第1のガイド部11から第2のガイド部12へ又はその反対に切り換えるときに、係合部材3の第1、第2のガイド部11、12間の移動距離が大きくなる分だけ、切り換え動作が大きくなり、切り換え時間が長くなる。また、第1、第2のガイド部11、12の各部を選択的に曲線状に形成してもよい。図13はその一例である。このように代えても同様の作用効果を得ることができる。
【0072】
(実施の形態4)
図14は本発明の第4の実施の形態の構成が示されている。図14において、このガイド機構G4は、第2の実施の形態のガイド機構と略同じである。ここでは同一の各部に同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。ガイド機構G2と少し異なるのは、第2、第4の実施の形態の係合部材の変位機構7、8の違いから、ガイド機構G2の場合、第1、第2のガイド部21、22の隣接又は近接する端部が開放部23であっても、閉塞部であってもいずれでもよいのに対し、ガイド機構G4の場合には必ず開放部23が設けられている点である。
【0073】
このようにしても、第3の実施の形態と同様に、トレーТが移動案内される。すなわち、(図16参照)定位置のトレー横行装置1の作動により、旋回アーム2が第1の位置Rに向けて旋回され、その先端の係合部材3が第1のガイド部21の係脱端24から挿入される。続く旋回アーム2の旋回動作により、係合部材3が第1のガイド部21の外側のガイド部材212上を摺動しながらこれを押圧し、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち第1の位置Rから中間の位置Cに向けて引き出す。旋回アーム2の旋回とともに係合部材3が第1のガイド部21の内側位置の端部に達したときに、トレーTが中間の位置Cの直上に完全に移動される。ここでトレー横行装置1が停止され、係合部材3は中間の位置に移動案内されたトレーTの移動をロックする。
【0074】
続いて、X−Y方向駆動装置81により、トレー横行装置1(係合部材3の旋回中心)がY方向へ移動されて、係合部材3が第1のガイド部21の開放部23から離脱される。さらに、トレー横行装置1(係合部材3の旋回中心)がX方向へ移動されて、係合部材3が第2のガイド部22の延長上(第2のガイド部22の開放部23の延長上)へ移動される。さらにまた、係合部材3はY方向へ移動され、第2のガイド部22に差し込まれて、これに係合される。
【0075】
このようにして係合部材3が第1のガイド部21から第2のガイド部22に切り換え、係合されると、トレー横行装置のX、Y方向への移動が停止され、係合部材3が再び旋回される。係合部材3は第2のガイド部22の内側のガイド部材211上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを第2の位置Lに向けて押し出す。この係合部材3の旋回中、トレー横行装置1(係合部材3の中心)は水平面上をX−Y方向への移動により、元の定位置へ変位されていき、係合部材3によりトレーТを中間の位置Cから第2の位置Lに向けて送り出していく。
【0076】
トレー横行装置1(係合部材3の中心)が定位置に戻されて、旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第2の位置Lへ移動され、旋回アーム2先端の係合部材3が第2のガイド部22の係脱端24から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端24に設けられた押さえ部25に接触し、これを押さえることにより、第2の位置LのトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第2の位置Lの所定位置に完全に移動される。
【0077】
また、トレーTを中間の位置Cに移動した後、係合部材3が第1のガイド部21から第2のガイド部22へ切り換えることなく、第1のガイド部21の内側位置の端部に係合された状態から、旋回アーム2が第2の位置Lではなく、第1の位置Rに向けて旋回されると、係合部材3は第1のガイド部21の内側のガイド部材211上を摺動しながらこれを押圧して、トレーTを係合部材3の旋回方向に向けて、すなわち中間の位置Cから第1の位置Rに向けて送り出していく。旋回アーム2がトレーTの長手方向に対して直角の位置まで旋回したところで、トレーTが第1の位置Rへ移動され(戻され)、旋回アーム2先端の係合部材3が第1のガイド部21の係脱端24から離脱される。同時にこの係合部材3が係脱端24の押さえ部25に接触し、これを押さえることにより、第1の位置RのトレーT全体を押さえ、その移動を規制して位置決めする。このようにして、トレーTが第1の位置Rの所定位置に完全に移動される(戻される)。
【0078】
また反対に、トレーTを第2の位置Lから第1の位置Rへ移動案内する場合、あるいは第2の位置Lへ戻す場合も上記と同様である。
【0079】
このようにしても、機械式駐車設備において、トレー横行装置1を中心に右側又は左側のトレーTを左側又は右側へ選択的に移動することができ、上記第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0080】
本実施の形態においても、第1、第2のガイド部21、22を分離して、その一部を近接して配置してもよく、その引き離す間隔(寸法)は任意である。これにより第1、第2のガイド部21、22は略逆ハの字形に配置される。この場合、係合部材3を第1のガイド部21から第2のガイド部22へ又はその反対に切り換えるときに、係合部材3の第1、第2のガイド部21、22間の移動距離が大きくなる分だけ、切り換え動作が大きくなり、切り換え時間が長くなる。また、第1、第2のガイド部21、22の各部を選択的に曲線状に形成してもよい。図15はその一例である。このように代えても同様の作用効果を得ることができる。
【0081】
なお、第4の実施の形態では、係合部材の変位機構8にX−Y方向駆動装置81を用いているが、このX−Y方向駆動装置81を前述のX方向駆動装置、又はY方向駆動装置に代えることができる。この場合、係合部材3をX方向又はY方向に移動して第1又は第2のガイド部21、22に係合させることになるが、係合部材3の第1又は第2のガイド部21、22への係合を確実にするために、必要に応じて旋回アーム2を少し旋回させるようにしてもよい。
【0082】
以上、第1乃至第4の実施の形態により、種々の態様のガイド機構を説明しているが、本発明のガイド機構は、第1、第2のガイド部を基本構成として備えるものであり、全体の形状は任意であり、トレーへの取付位置は係合部材の旋回中心位置に応じて任意に変更される。
【0083】
また、各実施の形態においては、ガイド機構をトレーの下面に1つだけ配設しているが、このガイド機構をトレーの下面に対称形状により対にして備えておくことにより、トレーが各種設備において移動中に、トレー旋回手段により前後の向きを反転された場合でも、旋回運動する係合部材に対して、一方のガイド機構から他方のガイド機構に切り換え、作動係合させることができる。
【0084】
また、各実施の形態では、機械式駐車設備に用いるトレーに適用したガイド機構を例示しているが、自動倉庫設備などに使用する格納物品載置用のトレーにも同様に適用することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガイド機構及びこれを用いた格納物品載置用のトレーにおいては、被移動体又はトレーが、係合部材の旋回経路上の対称位置に対応する第1、第2の位置の間を移動可能に、係合部材の変位方向を案内する第1、第2のガイド部を備え、
第1、第2のガイド部の一被移動体の両側間の中央で隣接又は近接させて、かつ不連続にして設け、第1のガイド部の他端を被移動体の一方の側に、第2のガイド部の他端を被移動体の他方の側にそれぞれ設け、旋回運動する係合部材を第1又は第2のガイド部に作動係合させることにより、被移動体又はトレーを第1又は第2の位置から中間の位置へ移動案内し、被移動体又はトレーを中間の位置に移動したところで、係合部材を、その変位機構により第1、第2のガイド部に抜き差しすることにより、第1又は第2のガイド部から第2又は第1のガイド部へ切り換え、係合させてから、係合部材を旋回して被移動体又はトレーを中間の位置から第2又は第1の位置へ向けて移動案内するようにしているので、被移動体又はトレーを係合部材の旋回中心を中心にして対称位置にある一方のサイドから他方のサイドへ又はその反対へ選択的に、確実に移動することができる。また、係合部材を第1、第2のガイド部間の近接又は隣接する位置で切り換えることにより、この切り換え動作を円滑、かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの平面図
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの変形例を示す平面図
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの平面図
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの変形例を示す平面図
【図5】(a)本発明の第1、第2の実施の形態において使用されるトレー横行装置及び係合部材の変位機構(トレー横行装置の昇降駆動装置)の平面図
(b)同トレー横行装置及び係合部材の変位機構(トレー横行装置の昇降駆動装置)の正面図
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるトレーの案内動作を示す平面図
【図7】同トレーの案内動作において、旋回運動する係合部材が第1のガイド部の内側位置の端部に達し、トレーが中間の位置に移動された状態を示す正面図
【図8】同トレーの案内動作において、トレーが中間の位置に移動されたところで、係合部材がその変位機構により下降され、第1のガイド部から下方に離脱された状態を示す正面図
【図9】同トレーの案内動作において、係合部材がトレー横行装置の旋回動作により第2のガイド部の下方に移動された状態を示す正面図
【図10】同トレーの案内動作において、係合部材がその変位機構により上昇され、第2のガイド部に係合された状態示す正面図
【図11】本発明の第1、第2の実施の形態において使用される別のトレー横行装置及び係合部材の変位機構(係合部材の昇降駆動装置)の側面図
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの平面図
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの変形例を示す平面図
【図14】本発明の第4の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの平面図
【図15】本発明の第4の実施の形態におけるガイド機構及びこれを用いた自動車載置用のトレーの変形例を示す平面図
【図16】本発明の第3、第4の実施の形態において使用されるトレー横行装置及び係合部材の変位機構(トレー横行装置のX−Y方向駆動装置)の平面図
【図17】従来のガイド機構を備えたトレーを用いる平面往復式駐車装置の部分平面図
【図18】従来のガイド機構を備えたトレーを用いるエレベータ式駐車装置の平面図
【符号の説明】
(実施の形態1)
G1 ガイド機構
11 第1のガイド部
12 第2のガイド部
13 開放部
14 係脱端
15 押さえ部
111 内側のガイド部材
112 外側のガイド部材
1 トレー横行装置
2 旋回アーム
3 係合部材(ローラ)
31 支軸
4 旋回駆動装置(減速機付きの駆動モータ)
5 搬送台車(又は昇降台)
7 係合部材の変位機構
71 トレー横行装置の昇降駆動装置
711 パンタグラフ
712 駆動装置(パワーシリンダ)
713 ガイドシャフト
714 基台
72 係合部材の昇降駆動装置
721 駆動モータ
722 駆動軸
723 電源用コード
724 集電子
725 給電子
T 自動車載置用のトレー
R 第1の位置
C 中間の位置
L 第2の位置
(実施の形態2)
G2 ガイド機構
21 第1のガイド部
22 第2のガイド部
23 開放部
24 係脱端
25 押さえ部
211 内側のガイド部材
212 外側のガイド部材
1 トレー横行装置
2 旋回アーム
3 係合部材(ローラ)
4 旋回駆動装置(減速機付きの駆動モータ)
5 搬送台車(又は昇降台)
7 係合部材の変位機構
71 トレー横行装置の昇降駆動装置
T 自動車載置用のトレー
(実施の形態3)
G3 ガイド機構
11 第1のガイド部
12 第2のガイド部
13 開放部
14 係脱端
15 押さえ部
111 内側のガイド部材
112 外側のガイド部材
1 トレー横行装置
2 旋回アーム
3 係合部材(ローラ)
4 旋回駆動装置(減速機付きの駆動モータ)
5 搬送台車(又は昇降台)
8 係合部材の変位機構
81 トレー横行装置のX−Y方向駆動装置
T 自動車載置用のトレー
R 第1の位置
C 中間の位置
L 第2の位置
(実施の形態4)
G4 ガイド機構
21 第1のガイド部
22 第2のガイド部
23 開放部
24 係脱端
25 押さえ部
211 内側のガイド部材
212 外側のガイド部材
1 トレー横行装置
2 旋回アーム
3 係合部材(ローラ)
4 旋回駆動装置(減速機付きの駆動モータ)
5 搬送台車(又は昇降台)
8 係合部材の変位機構
81 トレー横行装置の昇降駆動装置
T 自動車載置用のトレー
R 第1の位置
C 中間の位置
L 第2の位置

Claims (8)

  1. 被移動体に配設され、旋回運動する係合部材に作動係合されて被移動体を直線的に移動案内するガイド機構において、
    被移動体が係合部材の旋回経路上の対称位置に対応する第1、第2の位置の間を移動可能に、係合部材の変位方向を案内する第1、第2のガイド部を備え、
    第1、第2のガイド部の一端被移動体の両側間の中央で隣接又は近接され、かつ不連続にして設けられ、第1のガイド部の他端は被移動体の一方の側に、第2のガイド部の他端は被移動体の他方の側にそれぞれ設けられて、
    係合部材を第1、第2のガイド部に対して抜き差し可能な係合部材の変位機構の併用により、係合部材は第1のガイド部から第2のガイド部へ又は第2のガイド部から第1のガイド部へ切り換えられることを特徴とするガイド機構。
  2. 係合部材は第1、第2のガイド部間の隣接又は近接する位置で切り換えられる請求項1に記載のガイド機構。
  3. 第1第2のガイド部の一端開放部になっている請求項1又は2に記載のガイド機構。
  4. 第1のガイド部と第2のガイド部は分離して形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のガイド機構。
  5. 第1、第2のガイド部全体は略Y字形又は略V字形又は略U字形又はこれらを変形した形状に形成され、その片側一方に第1のガイド部、その片側他方に第2のガイド部を備える請求項1乃至4のいずれかに記載のガイド機構。
  6. 係合部材の変位機構は、係合部材を上下方向に移動する手段を備え、係合部材が第1、第2のガイド部に対して上下方向に抜き差しされる請求項1乃至5のいずれかに記載のガイド機構。
  7. 係合部材の変位機構は、係合部材の旋回中心を水平面上で被移動体の移動方向に対応するX方向又は被移動体の移動方向と直交するY方向又はこれらを組み合わせた方向に移動する手段を備え、係合部材が第1、第2のガイド部に対して水平方向に抜き差しされる請求項1乃至5のいずれかに記載のガイド機構。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のガイド機構を用いた格納物品載置用のトレー。
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