JPS6218132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、自動車のフードバンパーラバーに
関する。

従来の技術 自動車にあつては、通常第１図に例示するよう
に、エンジンルーム（Ｅ・Ｒ）上側の車体開口縁
１に複数個のフードバンパーラバー２を装置して
フード３の閉時にフードバンパーラバー２がフー
ド３と弾接することにより、フード３と車体開口
縁１との衝接を阻止するようにしている。

このフードバンパーラバー２はその硬度が高す
ぎるとフード３の閉反力が大となつてフードロツ
クが不完全となつたり、フード３の浮上りが生じ
てしまい、逆に柔かすぎると適切なバンパー機能
が得られなくなつてしまう。そこで、フードバン
パーラバーは硬度の高いゴム体と軟質のゴム体、
例えばソリツドゴムとスポンジゴム又は軟質のソ
リツドゴムとを併用するようにしている。

第２図はこのようなソリツドゴムとスポンジゴ
ム又は軟質のソリツドゴムとを併用したフードバ
ンパーラバー２の一例を示すものである。

このフードバンパーラバー２は、スナツプ部４
を一体に形成し、該スナツプ部４を車体開口縁１
の立上り壁１ａの取付孔５に嵌着して、該立上り
壁１ａと水平縁１ｂとの間の隅角部に配置された
ソリツドゴム６と、このソリツドゴム６の上部お
よびフード３の当接部８側に対応する側面に一体
成形したスポンジゴム７とで構成してあり、この
スポンジゴム７によつてフード３閉時にその反力
が過大となるのを防止するようにしている。

考案が解決しようとする問題点 ところが、このような従来の構成ではスポンジ
ゴム７によるフード閉反力の調整が難かしい。例
えば第２図に示すようにフード３の横方向の振動
を阻止する上から、ソリツドゴム６の高さを当接
部８が十分に弾接し得るように高く成形した場
合、ソリツドゴム６上のスポンジゴム７層の厚み
が小となり、従つて第４図ａ線で示すように横方
向の反力が大となつて、フード３の横振れを阻止
する上では良好であるが、反面、同図ｂ線で示す
ように上下方向のフード閉反力も大きくなつてし
まう。また、これとは逆に第３図に示すようにソ
リツドゴム６の高さを低めて、スポンジゴム７層
の厚みを大とした場合には、第４図b₁線で示すよ
うにフード閉反力は低まるが、同図a₁線で示すよ
うに横方向反力も低まつてしまい、フード３の横
振れ防止を満足に行えなくなつてしまう結果とな
る。

そこでこの考案は、フードにより作用する上下
方向の荷重と横方向に荷重に対して適切なフード
閉反力と横方向反力とが得られて、バンパー機能
を十分に発揮し得ると共にフードの横振れを確実
に防止し得ることができるフードバンパーラバー
を提供するものである。

問題点を解決するための手段 フードバンパーラバーを、車体開口縁の立上り
壁に装着される取付部を有し、フード閉時のフー
ドの当接部側縁に向かつて延出して先細り形状に
形成され、上記当接部側縁により作用する横方向
荷重に対して反力を高めるゴム体と、その下側と
上側とに一体形成されて車体開口縁の水平縁およ
びフード閉時にフードの下側縁にそれぞれ弾接
し、上下方向荷重に対して反力を低める軟質のゴ
ム体とで上下方向に三層構造に形成してある。

作 用 横方向荷重に対して硬度の高いゴム体で反力を
高めると共に上下方向荷重に対しては軟質のゴム
体で反力を低めると共に硬度の高いゴム体の屈曲
により反力を低める。

実施例 以下、この考案の実施例について説明する。

第５図に示すように、フードバンパーラバー２
は硬度の高いゴム体としてのソリツドゴム６Ａと
軟質のゴム体としてのスポンジゴム７Ａとで構成
してある。

上記ソリツドゴム６Ａは車体開口縁１の立上り
壁１ａの取付孔５に嵌着する取付部としてのスナ
ツプ部４Ａを一体に有し、フード３の閉時にはソ
リツドゴム６Ａの先端がフードの当接部８側縁と
突当るように該当接部８に向かつて延出してあ
り、かつ、先細り形状としての先端が細い舌状に
形成してある。

そして、上記ソリツドゴム６Ａの下側と上側と
に、車体開口縁１の水平縁１ｂ、およびフード閉
時にフード３の下側縁にそれぞれ弾接する軟質の
ゴム体、例えばスポンジゴム７Ａを所定厚みに一
体成形して、これらソリツドゴム６Ａとスポンジ
ゴム７Ａとで上下方向に三層構造に形成してあ
る。

尚、上記ソリツドゴム６Ａは上記当接部８側縁
と立上り壁１ａ間の寸法に応じて第６図に示すよ
うに舌形状部分を短くし、またその前端部も薄く
スポンジゴム７Ａで被覆して当接部８側縁との当
りを柔らげるようにしてもよい。また、軟質のゴ
ム体としては前述のスポンジゴムの他に、軟質の
ソリツドゴムを用いてもよい。

以上の実施例構造によりなるフードバンパーラ
バー２によれば、フード３を閉めた時この上下方
向の荷重に対してソリツドゴム６Ａ上下のスポン
ジゴム７Ａが柔軟に圧縮変形すると共に屈曲方向
に力を受けるソリツドゴム６Ａが柔軟に変形して
撓み代が大きく、しかも撓み代はある程度屈曲し
た状態の中央のソリツドゴム６Ａで規制するため
第７図b₂線で示すように反力特性がフード閉初期
段階で低く、フード閉終期で立上る理想的なバン
パー機能を発揮する。

一方、フード３を閉めた状態では、走行時振動
によつてフード３より横方向の荷重が作用した場
合、前述のようにソリツドゴム６Ａがフードの当
接部８に突当つているため反力特性は第７図a₂線
で示すように大きく立上つて、制振効果が十分に
得られ、フード３の横振れを確実に防止すること
ができる。

この場合、上記ソリツドゴム６Ａの先端が先細
り形状に形成されているため、先端部をスナツプ
部４Ａが形成された基端部と同様の厚さに形成し
た場合に比較してほど良く高い反力特性が得られ
る。

また上記ソリツドゴム６Ａのスナツプ部４Ａ
側、即ち基端部が相対的に厚さを大きく形成して
あるため、ソリツドゴム６Ａの取付安定性が高ま
る。

考案の効果 以上説明してきたようにこの考案によれば、フ
ードの閉蓋方向、つまり上下方向の荷重に対して
はフード閉初期段階で低く、フード閉終期段階で
立上る理想的なバンパー機能を発揮することがで
きると共にフードのガタツキ方向、つまり横方向
の荷重に対してはほど良く高い反力特性が得られ
るため、バンパー機能と横振れ防止機能の両立を
図ることができるという実用上多大な効果を有す
る。

また硬度の高いゴム体は車体開口縁の立上り壁
に装着される取付部側を先端側に比較して厚く形
成してあるため取付安定性が高いという効果もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はフードを閉蓋した状態を示す自動車の
前部斜視図、第２，３図は従来のフードバンパー
ラバーの各異なる例を示す断面図、第４図は同バ
ンパーラバーの反力特性図、第５，６図は本考案
フードバンパーラバーの各異なる例を示す断面
図、第７図は同バンパーラバーの反力特性図であ
る。 １……車体開口縁、１ａ……立上り壁、３……
フード、４Ａ……スナツプ部（取付部）、６Ａ…
…ソリツドゴム（硬度の高いゴム体）、７Ａ……
スポンジゴム（軟質のゴム体）、８……当接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体開口縁に装着され、フード閉時に該フード
   の下側縁と弾接してフードと車体開口縁との衝接
   を阻止するフードバンパーラバーにおいて、車体
   開口縁の立上り壁に装着される取付部を有しフー
   ド閉時のフードの当接部側縁に向かつて延出して
   先細り形状に形成され、上記当接部側縁により作
   用する横方向荷重に対して反力を高める硬度の高
   いゴム体と、その下側と上側とに一体形成されて
   車体開口縁の水平縁、およびフード閉時にフード
   の下側縁にそれぞれ弾接し、上下方向荷重に対し
   て反力を低める軟質のゴム体とで上下方向に三層
   構造に形成したことを特徴とするフードバンパー
   ラバー。