JPS621806Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可動式のキヤリヤを設けた自動二輪車
のリヤバンパに関する。

リヤカウル付きの自動二輪車にキヤリヤを取り
付ける場合、キヤリヤを自動二輪車の後部に突出
させないようにするとキヤリヤがリヤカウルの上
面に来てしまう。このためキヤリヤが妨げになつ
てリヤカウルの内部を小物入れなどに利用するこ
とが不可能になる。またタンデムシートの後部シ
ートにプラスチツク材のカバーを取り付け、好み
によりシングルシートの外見にする場合も、カバ
ーがキヤリヤの下部までくるためキヤリヤに妨げ
られてカバーの着脱ができなくなる。

本考案は上記の問題を解決するためになされ、
車体フレーム上方にタンデムシートと、その後方
にリヤカウルを備え、タンデムシートの後部シー
トに、この外面を覆う着脱自在のカバーを設けた
自動二輪車において、前記リヤカウルの両側部か
ら後部にかけて囲むＵ字形のバンパ部材をブラケ
ツト部材を介して車体フレームに取り付け、該バ
ンパ部材の後部に横軸を設け、該横に枠形に形成
したキヤリヤ部材の後部を枢着しキヤリヤ部材を
上方に跳ね上げ自在とし、かつ上記キヤリヤ部材
の枢着部を長孔とすると共にキヤリヤ部材をスプ
リングにより長孔に沿い常時後方に付勢し、キヤ
リヤ部材に形成したフツクとバンパ部材に設けた
ストツパピンとを係合せしめてキヤリヤ部材を水
平にロツクし、ロツクを解除する時はキヤリヤ部
材を前方に引くことにより上記フツクとストツパ
ピンとの係合が外れてキヤリヤ部材が跳ね上げら
れるようにしたことにより、バンパ部材により後
方シートのカバーおよびリヤカウルを保護し、か
つキヤリヤ部材により荷物の運搬ができ、しかも
リヤカウル内を小物入れなどに利用してキヤリヤ
に妨げられずに物品の出し入れを可能にすると共
に、後部シートの着脱を可能にした自動二輪車の
リヤバンパを提供することを目的とする。

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。第１図は自動二輪車の一例を示し、車体フレ
ーム１の上部後方寄りにタンデムシート２が設け
られ、その後方、リヤフエンダ３の上部にリヤカ
ウル４が取り付けられている。タンデムシート２
は好みによりシングルシートの外見にするため後
部シートのカバー５がねじにより着脱自在に取り
付られる。またリヤカウル４は内部を小物入れと
して利用できるようにしてある。上記リヤカウル
４および後部シートのカバー５は軽量と美観のた
めプラスチツク材を使用している。

本考案によるリヤバンパ６は第２図乃至第４図
に詳細を示すように一面に溝を付したアルミニウ
ム成形材をＵ字形に形成したバンパ部材６ａを、
両側一対のブラケツト部材７を介して車体フレー
ム１の後部にリヤカウル４の両側部から後部にか
けて囲むようにして取り付ける。即ち各ブラケツ
ト部材７はバンパ側の取付板７ａに一対の車体フ
レーム側の取付腕７ｂが溶着されており、車体フ
レーム側の取付腕７ｂを車体フレーム１にボルト
７ｃで螺着し、バンパ側の取付板７ａにバンパ部
材６ａの溝６ｂに穿設した座ぐり付き孔６ｃにボ
ルト７ｄを挿通して螺着する。バンパ部材６ａの
溝６ｂにはラバー６ｄを貼着しボルト７ｄの頭を
かくしている。尚ブラケツト部材７には一対の車
体フレーム側の取付腕７ｂを結び補強を兼ねてサ
イドグリツプ７ｅが設けられ、またバンパ側の取
付板７ａの下部にロープフツク７ｆが取り付けら
れている。バンパ部材６ａの後部湾曲部付近には
枠形のキヤリヤ部材８の後部がバンパ部材６ａの
両側辺に渡された横軸８ａに枢着される。即ちキ
ヤリヤ部材８は、後端部が上記横軸８ａに回動自
在に枢着される両側の縦部材８ｂと、この前端部
を連結する横杆８ｃとで枠形に形成され、上面の
一部にキヤリヤプレート８ｄが貼設されている。
そして縦部材８ｂの後端部の横軸８ａを挿通する
軸孔は長孔８ｅにされ、縦部材８ｂの適当位置に
打ち出された掛止突起８ｆと横軸８ａにスプリン
グ８ｇが張設され、キヤリヤ部材８に常時車体後
方向の張力を与えている。また縦部材８ｂの下部
適当位置にフツク８ｈが形出され、バンパ部材６
ａの対応位置にストツパピン６ｅが植設され、上
記スプリング８ｇによりキヤリヤ部材８が車体後
方向に長孔８ｅの遊隙を移動してフツク８ｈがス
トツパピン６ｅに係合し、キヤリヤ部材８が水平
にロツクされるようになつている。更に前端部の
横杆８ｃは後方シートの搭乗者のグリツプとして
使用するためラバー被覆８ｉが施されている。

本自動二輪車のリヤバンパ６は以上述べたよう
に構成され、キヤリヤ部材８は通常縦部材８ｂの
掛止突起８ｆと横軸８ａとに張設されたスプリン
グ８ｇにより車体後方向に長孔８ｅの遊隙を移動
してフツクとストツパピン６ｅとが係合し水平位
置にロツクされている。このようにスプリング８
ｇの張力でキヤリヤ部材８は確実にロツクされる
ので走行中の振動などでロツクが外れることはな
い。そしてこの状態でキヤリヤ部材８上に荷物を
載置運搬することができる。また運転者１人で乗
る場合はブラケツト部材７に設けたロープフツク
７ｆにロープ掛けし、後部シートからキヤリヤ部
材８にかけて大きな荷台面として荷物を運搬でき
る。またタンデムで乗る場合はキヤリヤ部材８前
部の横杆８ｃは後部搭乗者のグリツプとして使用
でき、これはラバー被覆８ｉが施されているため
確実に把持することができる。

タンデムシート２をシングルシートの外見にす
るため後方シートにカバー５を被覆する場合、あ
るいはタンデムに乗るために上記カバー５を取り
外す場合、またリヤカウル４の内部を小物入れな
どに利用し物品の出し入れを行う場合はキヤリヤ
部材８の前部の横杆８ｃを前方に引くことによ
り、キヤリヤ部材８は長孔８ｅの遊隙を前方に移
動してフツク８ｈとストツパピン６ｅとの係合が
外れ、キヤリヤ部材８を上方に跳ね上げることが
できる。従つて前記カバー５の着脱、あるいはリ
ヤカウル４内部の物品の出し入れを行うことがで
きる。キヤリヤ部材８を再び水平位置に戻す時
は、そのままキヤリヤ部材８を押し倒せばフツク
８ｈの背面がストツパピン６ｅに当ると共にキヤ
リヤ部材８はスプリング８ｇを伸長してフツク８
の先端を乗り越し、再びスプリング８ｇに引戻さ
れてフツク８ｈはストツパピン６ｅに係合され、
水平位置にロツクされる。

以上説明したように本考案では、車体フレーム
上方にタンデムシートと、その後方にリヤカウル
を備え、タンデムシートの後部シートに、この外
面を覆う着脱自在のカバーを設けた自動二輪車に
おいて、前記リヤカウルの両側部から後部にかけ
て囲むＵ字形のバンパ部材を車体フレームに取り
付け、該バンパ部材の後部に横軸を設け、該横に
枠形に形成したキヤリヤ部材の後部を枢着しキヤ
リヤ部材を上方に跳ね上げ自在とし、かつ上記キ
ヤリヤ部材の枢着部を長孔とすると共にキヤリヤ
部材をスプリングにより長孔に沿い常時後方に付
勢し、キヤリヤ部材に形成したフツクとバンパ部
材に設けたストツパピンとを係合せしめてキヤリ
ヤ部材を水平にロツクし、ロツクを解除する時は
キヤリヤ部材を前方に引くことにより上記フツク
とストツパピンとの係合が外れてキヤリヤ部材が
跳ね上げられるようにしたことにより、軽量と美
観のため一般にプラスチツク材を使用するリヤカ
ウルおよび後部シートのカバーをバンパ部材によ
り衝撃から保護し、かつキヤリヤ部材により荷物
の載置運搬ができしかもキヤリヤ部材の下部にく
る後部シートのカバーの着脱やリヤカウル内部の
物品の出し入れを可能とし、かつキヤリヤ部材の
前部の横杆はタンデムで乗る場合、後部搭乗車の
グリツプとして使用できるなど使用者の多様な要
望に応えることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考
案のリヤバンパを設けた自動二輪車の一例を示す
概略側面図、第２図は本リヤバンパの斜視図、第
３図はブラケツト取付け部の詳細図、第４図はキ
ヤリヤ部材取付け部の詳細部である。 １……車体フレーム、２……タンデムシート、
４……リヤカウル、５……カバー、６……リヤバ
ンパ、６ａ……バンパ部材、８……キヤリヤ部
材、８ａ……横軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フレーム上方にタンデムシートと、その後
   方にリヤカウルを備え、タンデムシートの後部シ
   ートに、この外面を覆う着脱自在のカバーを設け
   た自動二輪車において、前記リヤカウルの両側部
   から後部にかけて囲むＵ字形のバンパ部材を車体
   フレームに取り付け、該バンパ部材の後部に横軸
   を設け、該横に枠形に形成したキヤリヤ部材の後
   部を枢着しキヤリヤ部材を上方に跳ね上げ自在と
   し、かつ上記キヤリヤ部材の枢着部を長孔とする
   と共にキヤリヤ部材をスプリングにより長孔に沿
   い常時後方に付勢し、キヤリヤ部材に形成したフ
   ツクとバンパ部材に設けたストツパピンとを係合
   せしめてキヤリヤ部材を水平にロツクし、ロツク
   を解除する時はキヤリヤ部材を前方に引くことに
   より上記フツクとストツパピンとの係合が外れて
   キヤリヤ部材が跳ね上げられるようにしたことを
   特徴とする自動二輪車のリヤバンパ。