JP6178833B2 - 鞍乗り型車両のシート構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型車両のシート構造に関する。
従来技術として、ヘルメットを保持するホルダ部材を、シートの下方の位置で車体フレームに設けた鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−214079号公報
ところで、部品の配置スペースが限られた鞍乗り型車両では、シートの下方にホルダ部材を簡単に設けられるようにすることが望まれる。例えば、上記従来の構成では、盗難防止の観点から、シートとフレームのカバーとの間の隙間を管理する必要があり、構造が複雑化する要因となっている。また、シートの下方では、ヘルメット以外にも、例えば、ツールバンド等の他の部材を保持できることが望まれるが、ツールバンド等を保持する部材を別に設けると、構造が複雑になってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両のシート構造において、簡単な構造でヘルメット及びツールバンド等の他の部材を保持できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、車体フレーム(F)と、当該車体フレーム(F)にヘルメットを取り付け可能に設けられたホルダ部材(62)と、を備え、シート(32)の下方の位置に前記ホルダ部材(62)が配置された鞍乗り型車両のシート構造において、前記車体フレーム(F)は、前記シート(32)を支持する左右一対のシートレール(18)と、当該シートレール(18)の後部の左右を連結するクロスフレーム(28)とを備え、前記クロスフレーム(28)は、一方側にシートキャッチャー(61)が設けられ、他方側に前記ホルダ部材(62)が設けられ、前記ホルダ部材(62)は、後方に凸の第1フック部(101)と、前方に凸の第2フック部(102)とを上下に連続して一体に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ホルダ部材の第1フック部には、例えばヘルメットを保持するヘルメット支持部材等を引っ掛けることができ、第2フック部にはツールバンド等を引っ掛けることができる。これらの第1フック部及び第2フック部は、上下に連続して一体となっているため構造が簡単であるとともに、クロスフレームにおいて一方側のシートキャッチャーが設けられていない他方側のスペースを利用して、簡単な構造で設けられる。このため、簡単な構造でヘルメット及びツールバンド等を保持することができる。
また、本発明は、前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(37)を備え、前記シートキャッチャー(61)は左側に設けられ、前記ホルダ部材(62)は右側に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、シートキャッチャーは左側に設けられ、ホルダ部材は右側に設けられる。これにより、車両が左に傾いて低い位置となるシートキャッチャーは、いたずらされ難くなり、ヘルメットは、高い位置となるホルダ部材に保持させることできる。
また、本発明は、前記第1フック部(101)の上部は前記クロスフレーム(28)に固定され、前記第1フック部(101)の下部は、前記第2フック部(102)の上部と一体に連続して設けられることを特徴とする。
本発明によれば、第1フック部の上部はクロスフレームに固定され、第1フック部の下部は、第2フック部の上部と一体に連続して設けられる。これにより、第1フック部に引っ掛けられたヘルメット支持部材を取り外そうとした場合には、下方の第2フック部が邪魔になる。このため、ヘルメットの盗難を効果的に防止できる。
さらに、本発明は、前記クロスフレーム(28)は、車幅方向の中央部が後方に突出する突出面(70)を備え、平面視において、前記ホルダ部材(62)の後端(62a)が前記突出面(70)の後端(70b)よりも前側に位置することを特徴とする。
本発明によれば、平面視において、ホルダ部材の後端が突出面の後端よりも前側に位置する。これにより、突出面の側方のスペースを有効に利用してホルダ部材をコンパクトに設けることができる。
また、本発明は、前記シートキャッチャー(61)の近傍にキーシリンダー(59)が設けられ、当該キーシリンダー(59)はキーの回動に伴って回動するU字形状のカムプレート(80)を備え、当該カムプレート(80)は、ばね(83)でロック方向に付勢されている前記シートキャッチャー(61)のスライダー(82)の一部を、前記U字形状で挟むように設けられることを特徴とする。
本発明によれば、キーの回動に伴って回動するU字形状のカムプレートが、シートキャッチャーのスライダーの一部をU字形状で挟むため、キーシリンダーによるロックが解除されなければ、シートキャッチャーのスライダーの移動はカムプレートのU字形状によって阻止される。このため、簡単な構造で効果的に盗難防止できる。
また、本発明は、前記シート(32)は同乗者用シート(32)であって、当該同乗者用シート(32)の前方に運転者用シート(13)が設けられ、前記運転者用シート(13)は、前記車体フレーム(F)の下方に位置するフェンダー(57)を下方から上方に通る締結部材(93)によって前記車体フレーム(F)にラバーマウントされていることを特徴とする。
本発明によれば、同乗者用シートの前方に運転者用シートが設けられ、運転者用シートは、車体フレームの下方に位置するフェンダーを下方から上方に通る締結部材によって車体フレームにラバーマウントされている。これにより、シートの締結部材が外側から見え難くなり、外観性を向上できるとともに、シートの着脱時に他の部品を取り外す必要性が低くなり、作業性が向上する。
また、本発明は、前記シート(32)は同乗者用シート(32)であって、当該同乗者用シート(32)の前方に運転者用シート(13)が設けられ、前記キーシリンダー(59)は、前記運転者用シート(13)と前記同乗者用シート(32)との間に設けられ、前記同乗者用シート(32)の前部にはシートベルト(49)が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、同乗者用シートの前方に運転者用シートが設けられ、キーシリンダーは、運転者用シートと同乗者用シートとの間に設けられ、同乗者用シートの前部にはシートベルトが設けられる。これにより、同乗者用シートのシートベルトを掴みながらキーシリンダーを操作して同乗者用シートを着脱でき、作業性が良い。
さらに、本発明は、前記シート(32)は同乗者用シート(32)であり、当該同乗者用シート(32)の前部にはシートベルト(49)が設けられ、当該シートベルト(49)の裏面にはポリエステル製の布(49f)が縫い付けられており、前記シートベルト(49)は、リアグリップ(48)に締結されていることを特徴とする。
本発明によれば、同乗者用シートの前部にはシートベルトが設けられ、シートベルトの裏面にはポリエステル製の布が縫い付けられており、シートベルトは、リアグリップに締結されている。これにより、ポリエステル製の布によってシートベルトの強度を向上でき、シートベルトを荷掛け部として用い易くなる。また、シートベルトが引っ張られた場合にシートベルトと共に同乗者用シートが浮くことを防止できる。また、シートベルトを同乗者用シートの下に収納して外観性を向上させることもできる。
本発明に係る鞍乗り型車両のシート構造では、簡単な構造でヘルメット及びツールバンド等を保持することができる。
また、シートキャッチャーがいたずらされ難くなるとともに、ヘルメットを、高い位置となるホルダ部材に保持させることできる。
また、第2フック部によってヘルメットの盗難を効果的に防止できる。
さらに、突出面の側方のスペースを有効に利用してホルダ部材をコンパクトに設けることができる。
また、シートキャッチャーのスライダーの移動をカムプレートのU字形状によって簡単な構造で阻止できる。
また、シートの締結部材を外側から見え難くして外観性を向上できる。
また、同乗者用シートを容易に着脱できる。
また、シートベルトを荷掛け部として用い易くできる。また、同乗者用シートが浮くことを防止できる。さらに、シートベルトを収納して外観性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 車体フレームの左側面図である。 車体フレームの平面図である。 後シートの周辺部の斜視図である。 後シートの下方の構造を示す斜視図である。 シートフレームの後部を上方から見た平面図である。 図6のVII−VII断面図である。 シートキャッチャーを下方側から見た図である。 前シートの後部の固定構造を示す断面図である。 ホルダ部材にヘルメット支持部材及びツールバンドが保持された状態を示す断面図である。 図4のXI−XI断面図である。 後シート及びリアカウルを取り外した状態で車両後端部を上方から見た平面図である。 図12のXIII−XIII断面を前方側から見た斜視図である。 図12のXIV−XIV断面を後方側から見た斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。また、図中には、車体右方を符号RHで示すことがある。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。なお、図1では、左右一対で設けられるものは、左側のものだけが図示されている。
自動二輪車1は、車体フレームFにパワーユニットとしてのエンジン10が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク11が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム12が車体フレームFの後部側に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座する前シート13(運転者用シート)が車体フレームFの後部の上方に設けられた鞍乗り型の車両である。
図2は、車体フレームFの左側面図である。図3は、車体フレームFの平面図である。なお、図2では、左右一対で設けられるものは、左側のものだけが図示されている。
車体フレームFは、前端に設けられてフロントフォーク11を軸支するヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後方へ斜め下向きに傾斜して延出する左右一対のメインフレーム15,15と、メインフレーム15,15の後端から下方に延出する左右一対のピボットフレーム16,16と、メインフレーム15,15の前端部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム17,17と、ピボットフレーム16,16の上部及びメインフレーム15,15の後部から後上がりに車両後端部まで延びる左右一対のシートフレーム18,18(シートレール)と、を備える。
各メインフレーム15は、ヘッドパイプ14の上部とピボットフレーム16の上部とを繋ぐ上フレーム部15aと、ヘッドパイプ14の下部とピボットフレーム16の上部とを繋ぐ下フレーム部15bとを備える。平面視では、上フレーム部15aは、下フレーム部15bの車幅方向内側を、下フレーム部15bに沿うように延びる。さらに、各メインフレーム15は、上フレーム部15aと下フレーム部15bとをトラス状に三角形を形成するように上下に繋ぐ複数の連結フレーム部15c,15d,15e,15fを備える。すなわち、各メインフレーム15は、上フレーム部15aと下フレーム部15bとがトラス状の連結フレーム部15c,15d,15e,15fで連結されたトラスフレームである。また、平面視では、メインフレーム15,15は、前シート13の下方に位置する後部が、エンジン10を支持する前部よりも車幅方向に幅狭に形成されている。
各シートフレーム18は、上フレーム部15aの後部から後上がりに延びる上側シートフレーム部18aと、ピボットフレーム16の上部から後上がりに延びて上フレーム部15aの後端部に連結されるサブフレーム部18bと、上フレーム部15aとサブフレーム部18bとを上下に繋ぐ補強フレーム部18cとを備える。
また、車体フレームFは、ダウンフレーム17,17の上下の中間部から後上がりに延びて下フレーム部15bに連結される補強フレーム19,19を備える。
ダウンフレーム17,17は、エンジンハンガ20を下端部に備える。上部クロスフレーム26は、前方に突出するエンジンハンガ21を備える。また、下部クロスフレーム25は、前方に突出するエンジンハンガ22を備える。
車体フレームFは、ピボットフレーム16,16の下端部を車幅方向に連結する下部クロスフレーム25と、ピボットフレーム16,16の上端部を車幅方向に連結する上部クロスフレーム26と、上部クロスフレーム26の後方で上側シートフレーム部18a,18aの前部を車幅方向に連結する上面側クロスフレーム27とを備える。
また、車体フレームFは、上側シートフレーム部18a,18aの後部を車幅方向に連結する後部クロスフレーム28(クロスフレーム)と、上側シートフレーム部18a,18aの後端を車幅方向に連結する後端クロスフレーム29とを備える。
図1を参照し、前シート13に着座した運転者は、フロントフォーク11の上端に取り付けられたハンドル30を介して前輪2を操舵する。前輪2は、フロントフォーク11の下端部に設けられた前輪車軸2aに軸支される。
スイングアーム12は、左右のピボットフレーム16,16を車幅方向に連結するピボット軸31に前端部を軸支され、ピボット軸31を中心に上下に揺動する。スイングアーム12と車体フレームFとは、リアサスペンション(不図示)を介して連結される。後輪3は、スイングアーム12の後端部に挿通される後輪車軸3aに軸支される。
運転者用の前シート13は、上側シートフレーム部18a,18aの前部に支持される。前シート13の後方には、同乗者が着座する後シート32(シート、同乗者用シート)が設けられる。
燃料タンク39は、前シート13の前縁に連続してメインフレーム15,15の上方に設けられる。
左右のピボットフレーム16,16の下部の後部には、後方に延びるステップホルダ33,33が左右一対で設けられる。前シート13に着座した運転者が足を乗せる左右一対のメインステップ34,34は、ステップホルダ33,33に取り付けられてピボットフレーム16,16の後方に位置する。
後シート32の同乗者が足を乗せる左右一対のタンデムステップ35,35は、シートフレーム18,18から後下方に延びるタンデムステップホルダ36,36に支持される。
サイドスタンド37は、左側のピボットフレーム16の下部に設けられたスタンド支持部38に支持される。サイドスタンド37は、回動軸37aを中心に回動することで折り畳み自在である。サイドスタンド37を使用して自動二輪車1を駐車すると、自動二輪車1は、車幅方向においてサイドスタンド37が位置する側、すなわち左側に傾斜した状態となる。サイドスタンド37を使用して自動二輪車1を駐車すると、自動二輪車1の左部が低くなり、右部が高くなる。
エンジン10は、車幅方向に延びるクランク軸40を支持するクランクケース41と、クランクケース41の前部上面から上方に延びるシリンダ部42とを備える。クランクケース41の後部には、変速機(不図示)が内蔵される。
エンジン10は、エンジンハンガ20,21,22(図2)に支持される。エンジン10は、車体フレームFに吊り下げられるようにして支持され、ピボットフレーム16,16の前方でメインフレーム15,15の下方に配置される。
エンジン10には、排気管43,43及びマフラー44を備えた排気ユニット45が接続される。排気管43,43は、シリンダ部42の前面に配置される排気ポート(不図示)から引き出され、クランクケース41の下方を通って後方に延びる。マフラー44は、スイングアーム12の右側の外側方に配置され、右側のピボットフレーム16の後方で排気管43,43の後端部に接続される。
エンジン10の出力は、上記変速機の出力軸側と後輪3との間に掛け渡される駆動チェーン46によって後輪3に伝達される。
自動二輪車1は、車体フレームF及びエンジン10等で構成される車体を覆う車体カバー50を備える。車体カバー50は、ヘッドパイプ14の前方に配置されるフロントカウル51と、フロントカウル51に連続して後方へ延びる左右一対のミドルカウル52,52と、ミドルカウル52,52の下部に連続して後方に延びるアンダーカウル53とを備える。
また、車体カバー50は、燃料タンク39を覆うタンクカバー54と、ミドルカウル52,52の上部に連続して後方に延びる左右一対のシート下カウル55と、シートフレーム18,18を覆うリアカウル56とを備える。
後輪3の上方を覆うリアフェンダー57(フェンダー)は、リアカウル56の下方で前後に延びる。前輪2を上方から覆うフロントフェンダー58は、フロントフォーク11に支持される。
図4は、後シート32の周辺部の斜視図である。
自動二輪車1は、乗員用のヘルメット(不図示)を保持可能な保持構造を後シート32の下方に備える。以下、上記保持構造及びこの保持構造の周辺部の構造について説明する。
後シート32は、前部が車幅方向に大きく、後部側ほど車幅方向に小さくなるように形成されるとともに、後部側ほど板厚が小さくなるように形成されている。乗員が把持可能なシートベルト49は、後シート32の前部の上面に沿って後シート32の幅方向に渡されている。
後シート32は、車体フレームFに対して着脱可能に設けられている。自動二輪車1は、後シート32の車体フレームFに対するロックの解除操作がされるキーシリンダー59を備える。キーシリンダー59は、車体カバー50における後シート32の前端と前シート13の後端との間に位置する部分に設けられた開口から前上方に露出している。
ヘルメットを保持する紐状のヘルメット支持部材60は、一端部が後シート32の下方で車体フレームF側に固定され、他端部が後シート32の下面と車体カバー50との隙間から後シート32の前方の外側に延びる。ヘルメットは、ヘルメット支持部材60の他端部に保持される。
図5は、後シート32の下方の構造を示す斜視図である。図5では、後シート32やリアカウル56等が取り外された状態が図示されている。
図5に示すように、シートフレーム18,18の後部は、板状のリアフェンダー57によって下方から覆われており、左右のシートフレーム18,18の間でリアフェンダー57の上方には、部品を配置可能な空間が形成されている。シートフレーム18,18の後部は後方側ほど車幅方向の間隔が狭くなるため、上記空間も後方側ほど小さくなる。
後シート32の下方でリアフェンダー57の上方には、後部クロスフレーム28と、後端クロスフレーム29と、後シート32をロックするシートキャッチャー61と、後部クロスフレーム28から後方に突出するホルダ部材62と、車載工具を収納するツールケース63と、ツールケース63を固定するツールバンド64とが設けられている。
ホルダ部材62には、ヘルメットを保持するヘルメット支持部材60を取り付け可能である。なお、以下の説明では、図中のホルダ部材62には見易いようにドットを付している。
各シートフレーム18の上面部において後部クロスフレーム28と後端クロスフレーム29との間の部分には、上面に平坦部を備えるグリップ固定部65,65が前後に一対立設されている。
また、後部クロスフレーム28の前方でリアフェンダー57の上方には、箱状の電装部品66が配置されている。
図6は、シートフレーム18,18の後部を上方から見た平面図である。図7は、図6のVII−VII断面図である。
図5〜図7を参照し、後部クロスフレーム28は、板材が折り曲げられた板状のフレームである。後部クロスフレーム28は、シートフレーム18,18の上面部から上方に延びる左右一対の脚部67,67と、脚部67,67の上端を車幅方向に繋ぐ略水平の上板部68と、上板部68の車幅方向の中央部から前下がりに延びるシリンダー支持部69とを備える。
後部クロスフレーム28が脚部67,67を備えて上方に膨出することで、上板部68の下方には空間が形成され、この空間にシートキャッチャー61が配置される。
後部クロスフレーム28の上板部68は、車幅方向の中央部が後方に突出する突出面70を後端部に備える。突出面70には、孔部70aが設けられ、この孔部70aには、後シート32を上方側に付勢する付勢部材71が固定される。ここでは、付勢部材71はコイルばねである。
また、上板部68の車幅方向の中央部には、シートキャッチャー61を固定するボルト72が挿通される固定孔73と、位置決め孔74と、後述する後シート32のロック部32b(図8)が挿通される開口部75とが設けられる。
詳細には、固定孔73は、上板部68の車幅方向の中央で付勢部材71の前方に設けられる。位置決め孔74は、中央の固定孔73に対し、車幅方向の一側(左側)の側方に設けられる。開口部75は、中央の固定孔73に対し、車幅方向の他側(右側)の側方に設けられる。開口部75は、前後方向に延びる長孔状に形成されており、その後部は突出面70に形成されている。
また、上板部68の車幅方向の両端部には、車体カバー50を固定するボルト(不図示)が締結される固定孔部77,77が設けられている。
シリンダー支持部69には、キーシリンダー59が挿通されるシリンダー支持孔69aが形成されている。
図8は、シートキャッチャー61を下方側から見た図である。図8では、後シート32がシートキャッチャー61にロックされた状態(以下では「ロック状態」と呼ぶ)が図示されている。
図5及び図8を参照し、後シート32は、シート底板32cの前部から下方に延びるロック部32bを備える。後シート32は、後部クロスフレーム28の開口部75に上方から挿入されたロック部32bが、シートキャッチャー61に係合されることで、車体フレームF側にロックされる。ロック部32bは、車幅方向に開放する枠状に形成されている。
シートキャッチャー61は、キーシリンダー59と、キーシリンダー59の操作に連動して回動するカムプレート80と、後部クロスフレーム28の下面に固定されるベース部材81と、ベース部材81に対して車幅方向にスライド自在なスライダー82と、スライダー82が後シート32のロック部32bに係合する方向(ロック方向)にスライダー82を付勢するばね83とを備える。
シートキャッチャー61は、後部クロスフレーム28の上板部68の下面において、車幅方向の一側(左側)、すなわち、サイドスタンド37による駐車時に低くなる側に寄せて配置されている。これにより、後シート32の左部分と車体カバー50との隙間に外側から棒等を入れ難くなるため、シートキャッチャー61に対するいたずらを抑制できる。
詳細には、ベース部材81は、車幅方向に長い板状部材である。ベース部材81は、上板部68に上方から挿通されるボルト72(図5)によって上板部68の下面に固定される。ベース部材81は、上面の突起81a(図5)が位置決め孔74に下方から嵌合することで、上板部68に対して位置決めされている。
ベース部材81は、ばね83の一端が取り付けられるばね支持部81bを車幅方向の中間部に備える。ベース部材81は、後部クロスフレーム28上において、車幅方向の左側に寄せて配置されている。
スライダー82は、ベース部材81の下面に沿って車幅方向にスライド自在に設けられる。スライダー82は、ばね83の他端が取り付けられるばね支持部82aを左端部に備える。スライダー82の右端部には、後シート32のロック部32bに側方から係合する係合片82bが形成されている。また、スライダー82は、カムプレート80側に突出する板状の被係止部82cを備える。
キーシリンダー59は、キーシリンダー59に差し込まれるキーの回動操作によって軸部59aが回動する。
カムプレート80は、U字形状に形成された板部材であり、キーシリンダー59の軸部59aに固定される。カムプレート80は、軸部59aに固定される固定板部80aと、固定板部80aからスライダー82の被係止部82cの一側方に延びる一側係止片80bと、固定板部80aから被係止部82cの他側方に延びる他側係止片80cとを備える。
すなわち、スライダー82は、被係止部82cがカムプレート80の一側係止片80bと被係止部82cとの間に挟まれることで、車幅方向へのスライドを規制される。
図8に示すように、「ロック状態」では、スライダー82の係合片82bがばね83の付勢力Sによってロック部32bに係合されているとともに、スライダー82がカムプレート80によってスライド移動を規制されている。
「ロック状態」において、キーによってキーシリンダー59がロック解除方向Dに回動されるとカムプレート80の他側係止片80cによって被係止部82cが押され、スライダー82がばね83の付勢力Sに抗して左側にスライドし、係合片82bの係合が解除され、「ロック状態」が解除される。「ロック状態」が解除されると、後シート32は、付勢部材71(図5)に押されて上方に浮き上がる。
「ロック状態」では、キーは抜かれておりキーシリンダー59が回動不能であるため、カムプレート80も回動不能である。このため、例えば、車体の隙間から棒等によってスライダー82が左側に押されたとしても、スライダー82はカムプレート80の一側係止片80bによって移動を規制される。このため、キーを有していない者によって後シート32が取り外されることを防止できる。
これに対し、一側係止片80bを備えない構成とした場合、ばね83によって「ロック状態」を維持するとともに、他側係止片80cの回動によって「ロック状態」の解除をすることも可能であるが、上記のような棒等によって「ロック状態」が解除されてしまうことも考えられる。
また、不図示であるが、後シート32を取り外した状態では、キーシリンダー59の回動位置及びスライダー82のスライド位置は、図8と同様となる(すなわち、図8からロック部32bを除いた状態となる)。この状態において、キーが抜かれている場合、キーシリンダー59は回動不能となるため、一側係止片80bによってスライダー82の左側への移動は規制される。このため、後シート32を取り付けようとしても、係合片82bがロック部32bの開口部75への侵入の邪魔になり、後シート32を取り付けることができない。従って、キーをキーシリンダー59に差し込んだ状態でなければ後シート32を取り付けることができないようにすることができ、後シート32の下方にキーを誤って閉じ込んでしまうことを防止できる。
図6に示すように、上側シートフレーム部18a,18aは、内側面から車幅方向内側に延びるシートステー85,85を左右一対で備える。シートステー85,85は、後部クロスフレーム28の前方に位置する。
図9は、前シート13の後部の固定構造を示す断面図である。図9では、シートステー85の部分の断面が示されている。シートステー85による固定構造は左右で同一であるため、ここでは、図9を参照して片方のシートステー85による固定構造を説明する。
シートステー85は、板状部材である。シートステー85は、前シート13を支持するシート支持部86と、リアフェンダー57が固定されるフェンダー固定部87とを備える。フェンダー固定部87は、シート支持部86の前方でシート支持部86よりも一段下方に設けられる。
シート支持部86は孔部86aを備え、孔部86aには円筒状のラバー88が固定されている。ラバー88は、外周部に形成されて孔部86aの周縁部に固定される溝部88aと、上下に貫通する貫通孔88bとを備える。
前シート13は、シート底板13aと、クッション13bと、クッション13bを覆う表皮13cとを備える。
シート底板13aの後部には、下方に突出する筒状のインサートナット89が左右一対で設けられている。
インサートナット89には、カラー92を介してシート固定ボルト93(締結部材)が締結される。
リアフェンダー57は、上方に出っ張る膨出部90をシートステー85,85の下方に備える。膨出部90が形成されることで、膨出部90の下方には、上方に窪んだ空間部91が形成されている。
膨出部90の上面は、フェンダー固定部87の下面に当接するステー当接部90aと、ラバー88の下面に当接するラバー当接部90bとを備える。
ラバー当接部90bは、カラー92及びシート固定ボルト93が通る孔90cを備える。
リアフェンダー57は、ステー当接部90aに下方から挿通されるフェンダー固定ボルト94によってフェンダー固定部87に固定される。
カラー92は、筒状部92aと、筒状部92aの上端及び下端に形成される鍔状のフランジ部92b,92bとを備える。フランジ部92b,92bは、一方がラバー88の下面に当接し、他方がシート固定ボルト93の頭部を受ける。フランジ部92b,92bは同一形状であるため、組み付け時にカラー92の取付方向を管理する必要はない。
シート固定ボルト93は、先端側ほど小径となる先細り部93aを先端部に備える。
フェンダー固定ボルト94及びシート固定ボルト93は、空間部91内に設けられる。
前シート13を取り付ける際には、まず、前シート13の前部が車体側に引っ掛けられて係止されるとともに、前シート13の後部のインサートナット89がラバー88の貫通孔88bに上方から差し込まれる。
次に、カラー92が嵌合された状態のシート固定ボルト93が、空間部91を介して下方からインサートナット89に締結される。この状態では、カラー92のフランジ部92bは、インサートナット89の下端及びラバー88の下面に当接する。このため、シート固定ボルト93の締結力をインサートナット89で受けることができ、ラバー88にかかる圧縮力を適切にできる。前シート13は、ラバー88を介して車体フレームFにラバーマウントされている。
本実施の形態では、シート固定ボルト93がリアフェンダー57に下方から挿通されるため、シート固定ボルト93が外側から視認され難い。このため、自動二輪車1の外観性が良い。また、シート固定ボルト93が先細り部93aを備えるため、奥まった場所であってもシート固定ボルト93をインサートナット89に差し込み易く、組み付け性が良い。
図5〜図7に示すように、ホルダ部材62は、後部クロスフレーム28に設けられており、車幅方向の中央に位置する突出面70に対して右側に配置されている。ホルダ部材62は、突出面70と右側のシートフレーム18との間に位置する。すなわち、後部クロスフレーム28上には、車幅方向の一方側(左側)にシートキャッチャー61が設けられ、車幅方向の他方側(右側)にホルダ部材62が設けられる。
ホルダ部材62は、側面視において後部クロスフレーム28の上板部68の後縁部から後方に凸となるように延びる第1フック部101と、第1フック部101の下方で前方に凸となるように延びる第2フック部102とを一体に備える。
ホルダ部材62は、断面略円形の1本の線材を複数個所で屈曲させてフック状に形成されている。
詳細には、ホルダ部材62は、上板部68の後縁部に沿って車幅方向に延びる取付部103と、取付部103の車幅方向の内側の端部で屈曲して後方に延びる第1の後方延出部104と、第1の後方延出部104の後端部で屈曲して下方に延びる第1の下方延出部105と、第1の下方延出部105の下端で屈曲して前方へ延びる前方延出部106とを備える。
また、ホルダ部材62は、前方延出部106の前端で屈曲して下方に延びる第2の下方延出部107と、第2の下方延出部107の下端で屈曲して後方に延びる第2の後方延出部108と、第2の後方延出部108の下方で下側且つ前方へ折り返されて前方に延びる折り返し部109とを備える。
第1フック部101は、第1の後方延出部104、第1の下方延出部105、及び、前方延出部106によって後方に凸のフック状に形成されている。
第2フック部102は、前方延出部106、第2の下方延出部107、及び、第2の後方延出部108によって前方に凸のフック状に形成されている。
前方延出部106は、第1フック部101及び第2フック部102に兼用されている。すなわち、前方延出部106は、第1フック部101の下部及び第2フック部102の上部を構成しており、第1フック部101の下部と第2フック部102の上部とは一体に連続して設けられている。
第1フック部101及び第2フック部102は、取付部103に対して略直角に設けられており、車両の前後方向に真っ直ぐに延びる。
詳細には、取付部103は、上板部68の後縁部に溶接によって結合されている。
第1の後方延出部104は、後部クロスフレーム28の上板部68に沿うように後上がりに傾斜して設けられる。第1の下方延出部105は、鉛直よりも前傾して配置される。前方延出部106は、前上がりに傾斜して設けられる。
第2の下方延出部107は、鉛直よりも前傾して配置される。第2の後方延出部108は、前上がりに傾斜して設けられる。折り返し部109を設けることで、ホルダ部材62の下端部の後部を丸くしておくことができ、エッジが後方に露出することを防止できる。
側面視では、第1フック部101及び第2フック部102は、上板部68の後縁部において取付部103が結合される部分よりも後方に位置している。
第1の下方延出部105の後端は、ホルダ部材62の後端62aである。ホルダ部材62の後端62aは、平面視では、突出面70の後端70bを通って車幅方向に延びる仮想線70cよりも前後方向において前側の位置に設けられている。すなわち、ホルダ部材62の後端62aは、突出面70の後端70bよりも前側に位置する。ここで、突出面70は、開口部75及び付勢部材71を設けるために必要な部分である。
このように、ホルダ部材62を突出面70の後端70bから後方に出っ張らないように配置することで、突出面70の側方の空きスペースを有効に利用してホルダ部材62をコンパクトに設けることができる。
また、ホルダ部材62がシートキャッチャー61の右側方に位置するため、後シート32の下方に右側から棒等を差し込んだ場合、ホルダ部材62が邪魔になる。このため、シートキャッチャー61に棒等でいたずらされることを抑制できる。
図10は、ホルダ部材62にヘルメット支持部材60及びツールバンド64が保持された状態を示す断面図である。図10では、後部クロスフレーム28の車幅方向の中央付近で切断した断面図である。
図5及び図10に示すように、紐状のヘルメット支持部材60は、ホルダ部材62の第1フック部101に引っ掛けられる引っ掛け部60aを一端部に備え、ヘルメットが取り付けられるヘルメット取付部60bを他端部に備える。引っ掛け部60a及びヘルメット取付部60bは、ループ状に形成されている。
ヘルメット取付部60bは、例えば、ヘルメットのあご紐に設けられたリングに取り付けられる。
ヘルメット支持部材60は、引っ掛け部60aが第1フック部101に引っ掛けられてホルダ部材62に保持され、後シート32と車体カバー50との隙間から後シート32の前方に延び、外側に露出したヘルメット取付部60bにヘルメットが保持される。
ヘルメットがヘルメット取付部60bに取り付けられた状態では、ヘルメット支持部材60は、通常、ヘルメット側の前方に引っ張られる。このため、ヘルメット支持部材60の引っ掛け部60aは、第1の後方延出部104の基端部に引っ掛け部60aが保持された状態となる。
駐車時等にヘルメットをホルダ部材62に保持させる場合、まず、キーシリンダー59の操作によって後シート32が取り外される。これにより、ホルダ部材62が外側に露出し、第1フック部101にヘルメット支持部材60を取り付けることが可能となる。
次に、ヘルメット支持部材60の引っ掛け部60aがホルダ部材62の下端側からホルダ部材62に通され、第1フック部101に引っ掛け部60aが引っ掛けられる。なお、ヘルメットは、どのタイミングで取り付けても良く、例えば、第1フック部101に引っ掛け部60aを引っ掛ける前に、ヘルメットをヘルメット取付部60bに取り付けておいても良い。
そして、後シート32を車体に取り付けてシートキャッチャー61でロックすることで、後シート32が車体に固定される。この状態では、ホルダ部材62が後シート32によって上方から覆われて隠れ、外側からホルダ部材62にアクセス不能となるため、ヘルメット支持部材60が第1フック部101から取り外されてしまうことを防止できる。このため、ヘルメットの盗難防止を図ることができる。
本実施の形態では、第1フック部101に連続して下方に延びる第2フック部102が設けられており、ホルダ部材62が上下に長くなっている、このため、例えば、ヘルメット支持部材60を後シート32の外側から動かしてヘルメット支持部材60を取り外そうとした場合であっても、第2フック部102が邪魔になり、引っ掛け部60aが第1フック部101から抜け難い。このため、高い盗難防止効果を得られる。
また、ヘルメット支持部材60に保持されたヘルメットは、例えば、後シート32の下方で車体の右側に吊り下げられ、車体の右側面に沿うように設けられる。このように、サイドスタンド37で駐車した際に高くなる側の側面側にヘルメットを吊り下げることで、車体の側面でヘルメットを受けることができ、ヘルメットを適切に保持できる。本実施の形態では、ホルダ部材62が、後部クロスフレーム28の右側部分に寄せて配置されているため、ヘルメットを右側に吊り下げ易い。
なお、ヘルメットは、前シート13上に載置しても良い。
ツールケース63は、リアフェンダー57の上面に載置され、後部クロスフレーム28と後端クロスフレーム29との間に位置する。ツールケース63は、ツールバンド64によってリアフェンダー57の上面に固定される。
ツールバンド64は、伸縮性を備えたループ状のバンドである。ツールバンド64の前端64aは、後部クロスフレーム28の下方且つホルダ部材62の前方で車体側に取り付けられている。
ツールバンド64の後端64bは、ツールケース63の後方に設けられたバンド引っ掛け部57aに引っ掛けられる。ツールケース63は、ツールバンド64によってリアフェンダー57に押さえ付けられるようにして支持される。
ツールケース63は、車体から取り外されることがある。この場合、図10のように、ツールバンド64の後端64bをホルダ部材62の第2フック部102に引っ掛けることで、ツールバンド64にテンションを付与した状態とすることができ、ツールバンド64を適切に固定しておくことができる。
第2フック部102は、前後方向においてバンド引っ掛け部57aと略同一の位置でバンド引っ掛け部57aの上方に位置する。これにより、ツールバンド64の前端64aからバンド引っ掛け部57aまでの距離と、前端64aから第2フック部102までの距離とが同等以上となる、このため、第2フック部102にツールバンド64を引っ掛けた場合に、ツールバンド64に適切なテンションを付しておくことができる。
図11は、図4のXI−XI断面図である。図12は、後シート32及びリアカウル56を取り外した状態で車両後端部を上方から見た平面図である。図13は、図12のXIII−XIII断面を前方側から見た斜視図である。図14は、図12のXIV−XIV断面を後方側から見た斜視図である。なお、図13ではリアカウル56が図示されており、図14では後シート32及びリアカウル56が図示されている。
図11から図14を参照し、自動二輪車1は、後シート32の左右の側方に、リアグリップ48,48を左右一対備える。
各リアグリップ48は、シートフレーム18のグリップ固定部65,65を前後に繋ぐように設けられてグリップ固定部65,65に固定される板状のフレーム固定部48aと、フレーム固定部48aの外側方で前後に延びる板状のグリップ部48bとを一体に備える。
各リアグリップ48は、フレーム固定部48aがグリップ固定部65,65上に配置され、フレーム固定部48aに上方から挿通されるグリップ固定ボルト48c,48cによってグリップ固定部65,65に固定される。
グリップ部48bは、グリップ固定部65,65から車幅方向外側に延びており、車幅方向の外縁部48dは、シートフレーム18,18及び後シート32の外側縁よりも車幅方向の外側に位置する。また、グリップ部48bは、図12に示すように、前後方向では、シートベルト49よりも前方の位置から後端クロスフレーム29よりも後方の位置まで連続して延びる。
リアグリップ48,48の後方には、車体カバー50のテール部163が設けられる。
リアカウル56は、リアグリップ48,48のグリップ部48b,48bを上方から覆うカバー上壁部56aと、カバー上壁部56aの車幅方向の外縁から下方に延びるカバー側壁部56bとを備える。カバー側壁部56bの下縁56cは、リアフェンダー57の車幅方向の側縁部に連続する。
リアカウル56のカバー側壁部56bには、車幅方向の外側に開放する開放部56dが形成されている。開放部56dの車幅方向内側でグリップ部48b,48bの下方には、内側カバー160,160が設けられている。内側カバー160,160は、グリップ部48b,48bとリアフェンダー57の上面との間に配置され、グリップ部48b,48bに沿って前後に延びる。
内側カバー160,160は、グリップ部48b,48bの下面から下方に離間した位置に位置する下壁部160aと、下壁部160aの車幅方向の内縁から上方に立ち上がってグリップ部48b,48bの下面側まで延びる内壁部160b,160bとを備える。
後シート32に着座した同乗者は、例えば、カバー上壁部56aに手Hの指を乗せるとともに、他の指を開放部56dからグリップ部48b,48bの下面に伸ばすことで、カバー上壁部56a及びグリップ部48b,48bを介して車体を把持できる。すなわち、自動二輪車1は、後シート32の側方に、同乗者がグリップ部48b,48bを手Hで掴んで把持する把持部分(空間)48h,48hを備える。把持部分(空間)48h,48hは、図12に仮想線で示される部分である。
本実施の形態では、グリップ部48b,48bがリアカウル56に覆われて外側から視認され難いため、外観性が良い。
シートベルト49は、後シート32の表皮32aに沿って車幅方向に延びる把持部49aと、シート底板32cの下面に沿って内側へ延びる左右一対の下面部49b,49bと、下面部49b,49bの内端で屈曲して下方に延びる左右一対の固定部49c,49cとを備える。固定部49c,49cには、補強部材49d,49dが設けられる。
各リアグリップ48は、シートベルト49の固定部49cが固定されるベルト固定部48eを備える。
グリップ部48b,48bは、前側のグリップ固定ボルト48c,48cよりも前方に延びる延出部48f,48fを備えており、ベルト固定部48e,48eは、延出部48f,48fにおける車幅方向内側の側壁部に形成されている。
シートベルト49の固定部49c,49cは、車幅方向内側から補強部材49d,49dに挿通されるグリップ固定ボルト49e,49eによって、リアグリップ48,48のベルト固定部48e,48eに固定される。すなわち、シートベルト49は、後シート32ではなくリアグリップ48,48の前端部に固定されている。
シートベルト49は、リアグリップ48,48に固定されて後シート32の上面を覆っているだけである。このため、シートベルト49を車体側に残して後シート32だけを取り外すことができる。
また、シートベルト49を使用しないときは、シートベルト49を後シート32の下にして後シート32を車体に取り付けることができる。この場合、シートベルト49が後シート32の下方に隠れ、後シート32がシンプルに見えるため、外観性を向上できる。
図11に示すように、シートベルト49の把持部49aの左右の端部の裏面には、ポリエステル製の補強布49f,49fが縫い付けられている。補強布49f,49fは、表皮32aと把持部49aの裏面との間に位置する。
補強布49f,49fが設けられた部分は、強度が高くなっているため、荷掛け部として使用できる。すなわち、補強布49f,49fには、荷物を保持するネットのフックや荷物を保持するコードのフック等を引っ掛けることができる。
また、本実施の形態では、シートベルト49がリアグリップ48,48を介して車体フレームF側に固定されているため、シートベルト49に引張り荷重が作用したとしても、後シート32は浮き上がらない。このため、荷掛け部としての補強布49f,49fによって荷物等を適切に保持できる。なお、補強布49f,49fは、シートベルト49を補強できるものであれば、他の材質であっても良い。
図12及び図13に示すように、リアグリップ48,48は、リアカウル56を固定する左右一対のカウル固定具162a,162aが挿通されるカウル固定部48g,48gを延出部48f,48fの上面に備える。カウル固定部48g,48gはシートベルト49の下方に隠れる。
また、各グリップ部48bの前部及び後部には、リアカウル56のカウル固定具162b,162bが挿通されるカウル固定部48g,48gが設けられている。
このように、リアグリップ48,48にリアカウル56を固定するため、リアカウル56の内側にリアグリップ48,48を設けた構成であっても、リアカウル56を簡単な構造で固定できる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、自動二輪車1のシート構造は、車体フレームFと、車体フレームFにヘルメットを取り付け可能に設けられたホルダ部材62と、を備え、後シート32の下方の位置にホルダ部材62が配置され、車体フレームFは、後シート32を支持する左右一対のシートフレーム18,18と、シートフレーム18,18の後部の左右を連結する後部クロスフレーム28とを備え、後部クロスフレーム28は、一方側にシートキャッチャー61が設けられ、他方側にホルダ部材62が設けられ、ホルダ部材62は、後方に凸の第1フック部101と、前方に凸の第2フック部102とを上下に連続して一体に備えた。これにより、第1フック部101には、例えばヘルメットを保持するヘルメット支持部材60等を引っ掛けることができ、第2フック部102にはツールバンド64等を引っ掛けることができる。これらの第1フック部101及び第2フック部102は、上下に連続して一体となっているため構造が簡単であるとともに、後部クロスフレーム28において一方側のシートキャッチャー61が設けられていない他方側のスペースを利用して、簡単な構造で設けられる。このため、簡単な構造でヘルメット及びツールバンド64等を保持することができる。
また、自動二輪車1は、自動二輪車1を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド37を備え、シートキャッチャー61は左側に設けられ、ホルダ部材62は右側に設けられる。これにより、車両が左に傾いて低い位置となるシートキャッチャー61は、いたずらされ難くなり、ヘルメットは、高い位置となるホルダ部材62に保持させることできる。
また、第1フック部101の上部は後部クロスフレーム28に固定され、第1フック部101の下部は、第2フック部102の上部と一体に連続して設けられる。これにより、第1フック部101に引っ掛けられたヘルメット支持部材60を取り外そうとした場合には、第2フック部102が邪魔になる。このため、ヘルメットの盗難を効果的に防止できる。
さらに、後部クロスフレーム28は、車幅方向の中央部が後方に突出する突出面70を備え、平面視において、ホルダ部材62の後端62aが突出面70の後端70bよりも前側に位置する。これにより、シートキャッチャー61や開口部75を設けるために必要な突出面70の側方のスペースを有効に利用してホルダ部材62をコンパクトに設けることができる。
また、キーの回動に伴って回動するU字形状のカムプレート80が、シートキャッチャー61のスライダー82の一部である被係止部82cをU字形状で挟むため、キーシリンダー59によるロックが解除されなければ、シートキャッチャー61のスライダー82の移動はカムプレート80のU字形状によって阻止される。このため、簡単な構造で効果的に盗難防止できる。
また、後シート32の前方に前シート13が設けられ、前シート13は、車体フレームFの下方に位置するリアフェンダー57を下方から上方に通るシート固定ボルト93によって車体フレームFにラバーマウントされている。これにより、シート固定ボルト93が外側から見え難くなり、外観性を向上できるとともに、前シート13の着脱時に他の部品を取り外す必要性が低くなり、作業性が向上する。
また、後シート32の前方に前シート13が設けられ、キーシリンダー59は、前シート13と後シート32との間に設けられ、後シート32の前部にはシートベルト49が設けられる。これにより、後シート32のシートベルト49を掴みながらキーシリンダー59を操作して後シート32を着脱でき、作業性が良い。
さらに、後シート32の前部にはシートベルト49が設けられ、シートベルト49の裏面にはポリエステル製の補強布49f,49fが縫い付けられており、シートベルト49は、リアグリップ48,48に締結されている。これにより、補強布49f,49fによってシートベルト49の強度を向上でき、シートベルト49を荷掛け部として用い易くなる。また、シートベルト49が引っ張られた場合にシートベルト49と共に後シート32が浮くことを防止できる。また、シートベルト49を後シート32の下に収納して外観性を向上させることもできる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、3輪以上の車輪を有する鞍乗り型車両に本発明を適用しても良い。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
13 前シート(運転者用シート)
18 シートフレーム(シートレール)
28 後部クロスフレーム(クロスフレーム)
32 後シート(シート、同乗者用シート)
37 サイドスタンド
48,48 リアグリップ
49 シートベルト
49f,49f 補強布(ポリエステル製の布)
57 リアフェンダー(フェンダー)
59 キーシリンダー
61 シートキャッチャー
62 ホルダ部材
62a 後端(ホルダ部材の後端)
70 突出面
70b 後端(突出面の後端)
80 カムプレート
82 スライダー
83 ばね
93 シート固定ボルト(締結部材)
101 第1フック部
102 第2フック部
F 車体フレーム

Claims (8)

  1. 車体フレーム(F)と、当該車体フレーム(F)にヘルメットを取り付け可能に設けられたホルダ部材(62)と、を備え、シート(32)の下方の位置に前記ホルダ部材(62)が配置された鞍乗り型車両のシート構造において、
    前記車体フレーム(F)は、前記シート(32)を支持する左右一対のシートレール(18)と、当該シートレール(18)の後部の左右を連結するクロスフレーム(28)とを備え、
    前記クロスフレーム(28)は、一方側にシートキャッチャー(61)が設けられ、他方側に前記ホルダ部材(62)が設けられ、
    前記ホルダ部材(62)は、後方に凸の第1フック部(101)と、前方に凸の第2フック部(102)とを上下に連続して一体に備えたことを特徴とする鞍乗り型車両のシート構造。
  2. 前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(37)を備え、
    前記シートキャッチャー(61)は左側に設けられ、前記ホルダ部材(62)は右側に設けられることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のシート構造。
  3. 前記第1フック部(101)の上部は前記クロスフレーム(28)に固定され、
    前記第1フック部(101)の下部は、前記第2フック部(102)の上部と一体に連続して設けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のシート構造。
  4. 前記クロスフレーム(28)は、車幅方向の中央部が後方に突出する突出面(70)を備え、
    平面視において、前記ホルダ部材(62)の後端(62a)が前記突出面(70)の後端(70b)よりも前側に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両のシート構造。
  5. 前記シートキャッチャー(61)の近傍にキーシリンダー(59)が設けられ、当該キーシリンダー(59)はキーの回動に伴って回動するU字形状のカムプレート(80)を備え、当該カムプレート(80)は、ばね(83)でロック方向に付勢されている前記シートキャッチャー(61)のスライダー(82)の一部を、前記U字形状で挟むように設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両のシート構造。
  6. 前記シート(32)は同乗者用シート(32)であって、当該同乗者用シート(32)の前方に運転者用シート(13)が設けられ、
    前記運転者用シート(13)は、前記車体フレーム(F)の下方に位置するフェンダー(57)を下方から上方に通る締結部材(93)によって前記車体フレーム(F)にラバーマウントされていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両のシート構造。
  7. 前記シート(32)は同乗者用シート(32)であって、当該同乗者用シート(32)の前方に運転者用シート(13)が設けられ、
    前記キーシリンダー(59)は、前記運転者用シート(13)と前記同乗者用シート(32)との間に設けられ、前記同乗者用シート(32)の前部にはシートベルト(49)が設けられることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両のシート構造。
  8. 前記シート(32)は同乗者用シート(32)であり、当該同乗者用シート(32)の前部にはシートベルト(49)が設けられ、当該シートベルト(49)の裏面にはポリエステル製の布(49f)が縫い付けられており、
    前記シートベルト(49)は、リアグリップ(48)に締結されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両のシート構造。
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