JPS621803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は走行装置としてクローラが使用され、
且つ刈取作業時と非作業時の走行方向が反対向き
とされる藺草刈取機のクローラ牽制装置に関す
る。

ところで、この種の藺草刈取機においては、ク
ローラ走行装置における駆動輪、遊動輪等を軸支
するフレームが機体側フレームに固設された駆動
装置における駆動軸に支持される構成が通例であ
るが、このような構成によると走行装置の全体が
機体に対して前後に揺動することになり、そのた
め特に該クローラ走行装置の全長が短い場合にお
いては、湿田等の軟弱な地盤を走行する場合に、
クローラが走行方向に対して前方となる端部から
地盤内に沈下し、走行困難となるのである。

本考案はこのような実情に鑑みてなされたもの
で、クローラ走行装置におけるフレームが機体側
の駆動軸に支持される構成において、該走行装置
の前方又は後方に機体側のフレームに枢着され、
走行方向に応じて接地位置と跳上げ位置の間で揺
動可能とされたソリを装備すると共に、上記走行
装置におけるフレームに揺動規制板を固設し、且
つ該規制板に形成された長穴に上記ソリに連結さ
れた牽制部材を係合させることにより、走行装置
の走行方向に対して前方となる端部が下方に揺動
することを阻止するようになし、これにより該端
部が地盤内に沈下することを防止し、上記ソリの
作用と相俟つて湿田等における走行性能を向上さ
せるようにしたものである。

以下これを図に示す実施例により説明すると、
第１図において１は藺草刈取機の機体、２は該機
体前部の操縦部、３は同じく刈取部で、該部にお
いて刈取られた藺草は搬送装置４により選別部５
に供給され、一定寸法以上の長稈だけが貯留され
るようになされている。６は機体下部に装備され
たクローラ走行装置で、該装置はフレーム７に軸
支された駆動輪８及び二個の遊動輪９，１０並び
に各動輪に巻装されたクローラ１１から構成され
ており、また該走行装置６と上記刈取部３の間に
はソリ１２が装備されている。次に第２図により
走行装置６及びソリ１２の周辺の構成を詳説する
と、１３は機体フレーム、１４，１５は該フレー
ムに保持されたエンジン及び変速機等の駆動装置
で、該駆動装置から左右に突出せしめられた駆動
軸１６に上記走行装置６におけるフレーム７が支
持されており、従つて該フレームないし走行装置
の全体が該駆動軸を中心として前後に揺動し得る
状態となつている。また上記ソリ１２には機体フ
レーム１３の端部に枢着され、実線で示す跳上げ
位置ａから鎖線で示す接地位置ｂの間で揺動可能
とされている。ここで１７は該ソリに連結された
リンク、１８は上記操縦部２におけるハンドル１
９の基部に設けられた案内板で、リンク１７の端
部が該案内板に形成された案内孔１８ａ内を移動
し、所定位置で固定されることにより上記ソリが
位置ａ又はｂにセツトされるようになされてい
る。然して該ソリ１２には走行装置６側に延出せ
しめられた牽制部材２０が一体的に連結されてい
ると共に、走行装置６におけるフレーム７にはそ
の揺動中心となる駆動軸１６の反ソリ側として揺
動規制板２１が固設されており、上記牽制部材の
揺動端２０ａが該規制板に形成されたソリの枢着
点Ｘを中心とする円弧状の長穴２１ａに係合され
ている。

次にその作用を説明すると、機体１は藺草の刈
取作業時には第１図に示すＡ方向、即ち刈取部３
を前方として走行せしめられ、また非作業時には
その反対のＢ方向として走行せしめられ、且つ作
業時にはソリ１２が第２図に示す跳上位置ａに、
非作業時には接地位置ｂに夫々セツトされるよう
になされているのであるが、該ソリ１２を跳上げ
位置ａにセツトした状態においては、これに連結
された牽制部材２０の揺動端２０ａが実線で示す
ように走行装置６のフレーム７に固設された規制
板２１における長穴２１ａの下端部に位置せしめ
られることにより、該規制板を介してフレーム７
ないし走行装置６の全体が駆動輪８が低くなる方
向に揺動することが阻止されることになり、これ
により作業時における走行方向Ａに対して前方と
なる該走行装置の端部が地盤内に沈下することが
防止されるのである。また非作業時においてソリ
１２を接地位置ｂにセツトした状態においては、
鎖線で示すように牽制部材２０の揺動端２０ａが
規制板２１における長穴２１ａの上端部に位置せ
しめられることにより、走行装置６が遊動輪１０
側の端部が低くなる方向に揺動することが阻止さ
れ、従つてこの場合においても走行方向Ｂに対し
て前方となる走行装置の端部が地盤内の沈下する
ことが防止されるのである。

以上のように本考案は、クローラ走行装置が装
備され且つ該装置におけるフレームが機体側に位
置が固定された駆動軸に支持される構成とされた
藺草刈取機において、該走行装置の前方又は後方
に機体側のフレームに枢着され、走行方向に応じ
て接地位置と跳上げ位置の間で揺動可能とされた
ソリを装備すると共に、上記走行装置におけるフ
レームに揺動規制板を固設し、且つソリに連続し
た牽制部材を該規制板に形成した長穴に係合させ
ることにより、走行装置の走行方向に対して前方
となる端部が低くなる方向の揺動を阻止する構成
としたから、湿田等における地盤が軟弱な場合に
おいても走行装置の前端部が地盤内に沈下するこ
とが防止されることになり、これにより上記ソリ
の作用と相俟つてこの種藺草刈取機の湿田等にお
ける走行性能が著しく向上せしめられる効果を奏
するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す藺草刈取機の側面
図、第２図はその要部の拡大側面図である。 １……機体、６……クローラ走行装置、７……
フレーム、１２……ソリ、１３……機体フレー
ム、１６……駆動軸、２０……牽制部材、２０ａ
……端部、２１……揺動規制板、２１ａ……長
穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クローラ走行装置におけるフレームを機体側の
   駆動軸に支持させた構成において、該走行装置の
   前方又は後方に機体フレームに枢着され、走行方
   向に応じて接地位置と跳上げ位置の間で揺動可能
   とされたソリを装備すると共に、上記走行装置に
   おけるフレームに揺動規制板を固設し、且つ該規
   制板に形成した長穴と上記ソリに連結した牽制部
   材の揺動端を、走行装置の走行方向に対して前方
   となる端部が低くなる方向の揺動を規制するよう
   係合させたことを特徴とする藺草刈取機のクロー
   ラ牽制装置。