JPS62177280A - ポリエステル織編物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル織編物の製造方法

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JPS62177280A
JPS62177280A JP61104780A JP10478086A JPS62177280A JP S62177280 A JPS62177280 A JP S62177280A JP 61104780 A JP61104780 A JP 61104780A JP 10478086 A JP10478086 A JP 10478086A JP S62177280 A JPS62177280 A JP S62177280A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリエステル織編物の製造方法に関する。
ざらに詳しくは、構成単繊維中において部分的、間歇的
に存在している太い繊維部分が、マルチフィラメント糸
条の外周部に旋回し存在してなる旋回部を持つポリエス
テル長繊維太細糸条を用い、かかる糸構造に基づき特徴
的な風合や外観効果を呈するポリエステル織編物を製造
する方法に関するものである。本発明において用いられ
る糸条は、上記の通り構成繊維単体で児て太細を有して
いて、かつ、そのような構成繊維よりなっていて糸条仝
体として見ても太細を有している長繊維太細糸条である
本発明により得られる編織物は、「シャリ味」と「嵩高
」に冨んだスパンライクな風合いと、「反目性」、「ド
レープ性」、「ソフト性」、更に独特なマイルドな光沢
を持つ、また、染色加工をすると上述の構成繊維中の太
い繊維部分と細い繊維部分の染着能差により杢調もしく
は霜降り調の色彩効果ももちろん有し得る、従来には見
られない(=J加価値の高い優れたものである。
(従来技術) 従来、繊維軸方向に太細を有している構成繊維からなる
この種の糸条さらに該糸条を用いたfli編物は存在す
るが、構成繊維が部分的、間歇的に旋回した部分を有す
るポリエステル長繊維太細糸条、さらにこのような糸を
用いた織編物は見当らないのが現状である。
この理由は、せっかくの構成lAl1維太細効果やその
太細に対応する霜降り効果ヤ杢調効果が、一般には、旋
回繊維を存在せしめることにより損われると考えられて
いたためと思われる。すなわち、この種の糸条では、該
糸条の直接外観もしくは表面形態に基づいて所期の効果
を1qんとするのが主眼とされてきたものであり、その
糸条の周囲に繊維を旋回させるという考えは通常はなか
ったものである。
したがって、染色加工をすると、太い部分と細い部分の
染着能差により杢調もしくは霜降り調の色彩効果を呈す
るような織編物分野では、特に、旋回繊維を有している
ようなものは使用されなかった。
なおまた、繊維軸方向に太細を有している構成gi紺か
らなるが、特に、該太細位相をランダムにしておき、視
覚上は太さムラのない糸条としておいて太くて弱い部分
をその後切断・毛羽化させてステーブル!!維束(紡績
糸)とほぼ同様な効果をねらおうとするような糸条(例
えば、特開昭52−31144号公報)では、もちろん
、毛羽化を邪魔するような、ざらに毛羽の存在効果を損
わしめるような旋回繊維を糸条周囲にあえて配するよう
な思想はやはりなかった。また一方、繊維軸方向に太細
を有している構成繊維からなるが、特に、該太細の存在
数を多数かつ存在ピッチを細かくランダムにしておき、
視覚上は太さムラのない糸条としておいてスパンタッチ
や色の深みなどをねらうというような糸条でも、やはり
、該糸条の微妙な色深み、外観や表面形態に基づき所期
の効果を得んとするものである以上、その糸条周囲にあ
えて繊維を旋回させるという考えは通常なかったのであ
る。
一方、各種従来技術の糸の範囲内で、繊維軸方向に間歇
的に太さの異なる部分を持つ糸条として、例えば、意匠
撚糸機、合撚機あるいは仮撚機等で2種以上の糸条を供
給し、糸条間にフィード差を設定することにより、部分
的、間歇的に太さの異なる部分を有する糸条は作り得、
また、染色性を異にする糸条や、予め異色に染色した糸
条を2種以上供給し、同様な手段、方法により全糸条も
しくは霜降り糸条を作り得る。しかしながら、これらの
ような方法は、製造コストが高騰となり、製造設描面で
も制約が大きく、また、予め異色に染色した糸条を2種
以上供給する方法は色の組合せの範囲が広く生産面での
煩雑さや多大のロスを伴う。また、染色性を異にする糸
条の組合せとした場合、往々にして、収縮率差や応力緩
和差を生じ、工程通過性の不良や織編物に凹凸状のシボ
が生じるといった生産面や風合、品位面での欠陥を伴う
場合も多い。
一方、合成繊維マルチフィラメント糸条でも部分的、間
歇的に延伸倍率を変更することにより、繊維軸方向に太
さ変化や染着差を得ることは可能である。しかしながら
、この方法によって得られる糸条は、一般に延伸不十分
な太い(濃染)部分は、強度が極めて低く、耐摩耗性も
不良で実用性能を満たし得ないことも多い。
そして、上述のような従来の糸で、さらに、部分的、間
歇的に旋回部を有している糸条は見当らなかったのが現
状である。強いてこれらの糸条を用いて、そのような糸
条を作ろうとするならば、例えば、芯糸にポリウレタン
弾性糸を用い、リーヤ糸に他糸条を巻きつければ該旋回
糸条は作り得るが、またあるいは、収縮率差のある糸条
を用いた合撚糸条により旋回糸条は作り得るが、こうし
て得られる旋回糸条は、該旋回部が糸条仝体に全面的に
存在しているものであり、糸条仝体的に見た場合、該旋
回部が、部分的、間歇的に存在しているというものでは
ない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、上記したような点に鑑み、従来技術で
は見られなかった、部分的、間歇的に旋回部を持つ、高
付加価値のポリエステル長繊維太細糸条を用い、かつ、
この糸条のもつ特徴的構造を織編物中にて有効に生かし
従来には見られないポリエステルフィラメン]・織編物
を製造する方法を提供せんとするものでおる。
(問題点を解決するための手段) かかる目的を達成する本発明は、以下の構成からなる。
すなわち、本発明の方法は、糸条の構成単繊維が繊維軸
方向に太細変化を有していて該太い繊維部分と細い繊維
部分の染着能に差がある長繊維であって、かつ該太い単
繊維部分が該糸条の主として外周部に旋回して存在して
なる、糸条長さ方向に太細変化を有しかつ加熱されてい
るポリエステルマルチフィラメント糸条を少なくとも用
いて製編織し、しかる後、該織編物にアルカリ減量加工
を施すことを特徴とするポリエステル織編物の製造方法
である。
(作用) 以下、本発明の詳細な説明する。
本発明において、ポリエステル長繊維太細糸条を構成す
るポリエステルとは、テレフタル酸、またはその低級ア
ルキル誘導体(炭素数1〜4のアルコールのジエステル
)とエチレングリコールとから、あるいは、テレフタル
酸またはその低級アルキル誘導体とエチレングリコール
および少なくとも一種の他成分とから、またはビス−2
−ヒドロキシエチルテレフタレートまたはその低重合体
からあるいはビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレー
トおよび少なくとも一種の他の成分とから1qられるポ
リエステル構成単位の少なくとも70%がポリエチレン
テレフタレートで構成されるものを言う。
本発明に用いられる上記太細糸条において、旋回部は、
部分的、間歇的に構成単繊維中に存在している太い繊維
部分によるものであるため、糸条仝体的に見ても、該旋
回部は、該糸条中に部分的、間歇的に存在することにな
るものである。このにうな旋回部を有するポリエステル
長繊維太細糸条は、特殊な紡糸および延伸条件として1
qられる太細糸条に、ざらに加熱を施すことによって得
られるものであり、例えば、複屈折率が15〜70X1
0−3である高配向未延伸ポリエステル糸を機械的に延
伸比を変化させて延伸する方法、その他、延伸条件を特
殊なものにして不完全延伸部を部分的に有している特殊
な糸とする方法、ざらにこれらにより1qられた太細糸
条に撚糸を行なう等により製造できる。
上記の方法によって得られる、撚糸前のポリエステル長
繊維太細糸条は、構成繊維が繊維軸方向に直径の変化を
有していて、太い部分と細い部分は染着能に差を有し、
染色した場合該太い部分は染料の吸着が早いため濃染さ
れ、他方、細い部分は染料の吸着が遅いため淡染となり
染着差を生じるものである。そして、ざらに、重要な点
は、このようなポリエステル長繊維太細糸条は、紡糸速
度、油剤およびその付着量、延伸倍率、延伸ピンおにび
その温度および巻きつけ度合等が重要な因子でおるが、
適正条件の組合せによって1qられた該ポリエステル長
繊維太細糸条は、加熱されることにより構成繊維中に存
在する部分的、間歇的に存在する太い繊維部分は、他の
細い繊維部分と異なり、加熱された糸条の外周部に旋回
する特殊な挙動を示し、従来にはなかった変形を示す点
である。かかる変形機構は、太い繊維部分と細い繊維部
分との捩り剛性が異なるためと思われるものであるが、
詳細は後述する。
そして、該加熱数については、特に限定されるものでは
なく、所望のfji編物特性に応じて定めればよく、例
えば、加熱数について大別すると、(1)200〜30
0 T/m (回/米)以下(7)甘蔗、<2>500
〜800T/mの中撚、 (3)1000T/m以上の強撚、 の3グループに分けることができるが、これらのうちの
いずれを採用するかは、織編物最終製品の用途、目標と
する風合い、光沢1.シャリ味等の要求特性により適宜
決定すればよいものである。すなわち、例えば、春夏物
婦人服地(ワンピース、ブラウス、スカーフ、スカート
、ドレス、フォーマルウェア等)用ジョーゼツ1〜クレ
ープや、デシンクレープ(ブラウス、風呂敷、和装裏地
等)等のクレープ織物類では、(3)の強撚を採用すれ
ばよく、更に詳しくは、例えば75デニールでは180
0〜2400T/m、50デニールなら2200〜28
00T/m程度が好ましい。婦人服地を主体としたボイ
ル、シャー等の織物では、800〜1000T/m程度
の(2)の中撚主体のものがよく、裏地、傘地、和装裏
地、防寒衣料等に用いられるタック、羽二重等の織物に
は、(1)の200〜300T/m以下の甘蔗のものと
するのが好ましい。
なあ、前述糸条を織物に使用覆るに際し、経糸緯糸の一
方、あるいは経糸緯糸の双方に使用すること等ができる
。特に、該糸条は、前述の如く、繊維軸方向に直径差と
染着能差を右でるため全効果もしくは霜降り効果を製品
に与えることができる。また、これと同時に、部分的、
間歇的に存在する旋回部により後記する如き空隙効果が
得られものであるが、該糸条の使用にあたっては、その
使用方法に関しては、杢、霜降り効果を中心に考えた方
がよい。すなわち、この杢、霜降り効果を、経糸方向あ
るいは緯糸方向に具現せしめるか、または経糸および緯
糸両方向に具現せしめるかを主体に考えるのがよい。
更に、もう一つの使用方法として、上記のにうなポリエ
ステル長繊維太細糸条と他の糸条との、交互使用、交撚
、合撚、複合(芯鞘複合やサイドバイサイド複合等)使
用などの使用方法がある。
ここで、他の糸条とは、例えば、通常のポリエステル長
繊維糸条、ナイロン長繊維糸条、アクリル長繊維糸条、
または、ポリエステル、アクリル、綿、羊毛等の短繊維
糸条(スパン糸)およびこれらの混紡糸等である。これ
らの糸条と上述太細糸条とを数本ないし数十本の交互使
用、または、交撚、合撚、複合加工系使用などとするこ
とにより、更に、自然感・野趣に富んだマルチカラー効
果、嵩高感と独自の風合、さらに収縮率差の組合せ等に
よるドレープ性、反撥性に優れた織編物を得ることがで
きるものである。
こうして得られた織編物は、ざらにアルカリ減量加工に
供される。このアルカリ減m加工によって、太い繊維部
分は、細いM&維部分に比較して配向が低くより早い減
量加工性を示すものである。
これにより、後述する上述太細糸条の使用に基づいての
織編物中の「空隙」効果がますます発揮されて、ソフト
感、ドレープ性に優れた従来の物には見られない特徴的
なものを得ることができる。
すなわち、本発明によれば、旋回部を持つという糸構造
自体による空隙効果にアルカリ加工による減量効果が相
俟って、一層風合の良好なものが得られる。該減量率は
、数%〜数10%の範囲内程度として適宜所望のイ「帛
特性に応じて選択すればよい。本発明によれば、上述の
理由によって小さな減量率でも慨して比較的高めの風合
改良効果を最終的に1qることかできる。
次に、本発明を図面を用いて具体的に説明する。
第1図は、本発明に用いられる糸条を得るに関して、加
熱前のポリエステルマルチフィラメント太線糸条の1例
側面図をモデル的に示したものである。同図において、
(a)は完全延伸部であり、(b)は不完全延伸部であ
る。この糸条に染色を施すと、(a)部は淡染され、(
b)部は濃染されるために、全体の糸条としては、杢調
もしくは霜降り調の色彩効果が得られる。一方、杢、霜
降り調以外に(a)部と(b)部を異色とせずに、布帛
全体も無地染めとしたい場合は染料の選択と染色条件を
選ぶことにより、(a)部と(b)部は、はとんど染着
差をつけずに糸条仝休をほぼ均一に染色することも可能
である。(a)と(b)はランダムに分散されているが
これらの複屈折率をみると第1表の通りとなる。
太い部分の複屈折率は、25X10’程度ならば良好な
濃淡差効果を持ち、しかも太い部分くb部)のもろさも
なく、染色および11!擦堅牢性も十分であり、実用性
に耐え1qる。しかし、該す部の複屈折率が15X10
’程度以下となると、太細部分の濃淡差効果は良好であ
るが、太い部分の耐摩耗性が不十分でもろく折れてしま
い実用性に耐え得ない。また、染色および摩擦堅牢性も
不良である。
一方、第1図の状態におけるマルチフィラメント糸条全
体の太い部分Bと細い部分Aの直径による太細比B/A
については、1.2〜1.8程度の範囲が良好である。
該太細比B/Aが1.2以下であると織編物にした場合
、太い部分と細い部分の差が明確に具現できず、濃淡差
効果も極めて小さくなる。他方、太細比B/Aが1.8
以上であると糸条がもろくて折れやすく実用性能に乏し
くなり、また、染色および摩擦堅牢性も不良となり好ま
しくない。ざらに詳しくは、本発明において前述の通り
旋回部を生起せしめるため加熱を施すが、加熱すること
により糸条全体は集束性が向上して、やや太細比B/A
が小さくなる傾向を有するため、太細比B/Aはやや大
きい糸条とするのが好ましい。
マルチフィラメント糸条全体の中に含まれるb部の割合
は、濃淡差による杢、霜降り効果、耐摩耗性を中心とし
た実用性能や、旋回部を呈する頻度などを総合すると、
長さ割合で20%〜40%の範囲内が好ましい。
第2図は、第1図に示したポリエステルマルチフィラメ
ント太細糸条の断面を示したものである。
なお、第2〜14図までのA、B、a、bは全て第1図
と同一部分を示す。すなわち、Aはマルチフィラメント
糸条の細い部分を示し、Bはマルチフィラメント糸条の
太い部分を示し、aとbは糸条のうちの個々の繊維部分
を示し、aは完全延伸部で淡染され、bは不完全延伸部
で濃染されるものである。
第3図は、第1図に示されたポリエステルマルチフィラ
メント太細糸条に500T/mの加熱を施した糸条の側
面図であり、第4図はその断面図である。部分的、間歇
的に存在する不完全延伸部すは、完全延伸部aよりも撚
角度が大となっていて、a部にb部が旋回し、同時にや
やa部から分離しているという従来にない新規な糸条が
得られる。
第5図と第6図は、同様に、1000T/mの加熱を施
した糸条の側面図と断面図を示したものでおる。
第7図と第8図は、同様に、1500T/mの加熱を施
した糸条の側面図と断面図を示したものである。
第9図と第10図は、同様に、2000T/mの加熱を
施した糸条の側面図と断面図を示したものである。
なお、第3図から第10図までは、いずれも75デニー
ル、36フイラメントの糸条をモデルとして描いたもの
である。これら各図にモデル的に描いたように、加熱数
が大となるに従って、(1)  糸条全体の集束性は向
上する、(2)b部かa部と分離する傾向は少となる、
(3)a部とb部の撚角度の差は小となる、(/l> 
 B/Aの直径比は小さくなる、ものである。
通常のマルチフィラメント糸条で直径差のある糸条を加
熱した場合、太い部分と細い部分とでは撚数(撚角度)
が異なり、細い部分に撚が集中し、太い部分は撚が少と
なって得られる傾向がある。
しかし、これに対して本発明にかかるポリエステルマル
チフィラメント太細糸条は、a部とb部の複屈折率や捩
り剛性が異なり、a部に比し、b部はこれらの値が小さ
いために、通常のマルチフィラメント太細糸条とは異な
り、直径差がおるにもかかわらず、細い部分に撚が集中
することもなく、糸条仝休がほぼ均一に加熱されてなる
ものである。
また、部分的、間歇的に存在づる不完全延伸部すは捩り
剛性が小さいため、力旧怒すると撚トルクに抵抗するこ
となく、糸条から容易に分離現象を起し、加熱糸条の外
周部に旋回する。
第11図は、本発明方法に用いられるポリエステルマル
チフィラメント太細糸条における加熱数と撚角度との関
係の1例を、完全延伸部aと不完全延伸部すとに分けて
示したものである。なお、ここて言う撚角度とは、「新
編 撚糸法」 (三上竹之助著p3〜p5、産業図書株
式会社版)の定義に従って、tan<aから求めたもの
である。
第11図において加熱数の増大に伴い撚角度も大となる
が、a部とb部の撚角度差は加熱数の増加に伴い小とな
る。
ここで、加熱数の限界値について種々究明した結果、 (1)  本発明の所期の効果を良好に得るためには、
a部とb部の撚角度の差が好ましくは、2゜以上あるこ
とである。
(2)更に詳述するならば、織編物の組織、密度、加熱
数、染色仕上加工条件等によっても異なるが、一般には
、a部とb部の撚角度の差が少なくとも1.5°から3
°程度は必要であることが明らかとなった。
(3〉  以上を加熱数にて表わせば、本発明の所期の
効果が良好に得られる加熱数の限界は、T=に/r匡 で表わされることがわかった。ここで、Tは限界加熱数
、Dはデニール(仝繊度)、Kは定数で21430であ
る。この式より具体的な限界加熱数は第2表の通りとな
り、ががる加熱数よりも小ざい値で加熱すれば、上記好
ましい撚角度の差が得られ望ましいものである。
第2表 (4)  布帛の構成要件(例えば、織物の場合、織組
織、経糸および緯糸密度、繊度、加熱数等)と染色仕上
加工条件によって異なるが、a部とb部の撚角度の差は
少なくとも1.5°ないし2°以上はあることが望まし
いことを前記(1)と(2)で記載したが、更に詳述す
るとa815とb部の撚角度の差が1.5°ないし2°
未満の場合には、加熱された糸条の外周部に存在する旋
回部とそうでない非旋回部の差が極めて小となり、後述
する第14図における空隙部Cの存在がほとんどないか
又は全くなくなり、好ましい効果(例えば、ドレープ性
、反目性、嵩高性、防シワ性等)が得られないためであ
る。
次に、加熱張力の影響についてまとめたのが、第12図
である。加熱中の張力が大となると、aとbの撚角度の
差が小となる。つまり低張力で加熱するほどaとbの撚
角度の差が大となり、本発明の所期の効果が発揮されや
すくなる。このため、加熱張力は小さくするのが好まし
いものである。
なお、本発明において、構成11iIit中には太い繊
維部分、細い繊維部分の他に、これらの中間的な太さを
呈する繊維部分が存在していても差支えないものである
また、本発明に用いられる糸条において、構成繊維中の
太い繊維部分は、モの全てが旋回部を成している必要は
なく、例えば、第1図中の太い糸条部分(B)どうしの
間に存在する細い糸条部分中にわずかにある太い単繊維
部分などは必ずしも旋回してなくとも差支えない。また
、加熱も糸条長さ全体にわたり一方向下である必要はな
く、S、Zの混在であってもよい。また、本発明に用い
られる糸条は、本発明の効果が損われない範囲内で太さ
の均斉な構成繊維を一部○んでいてもむろん差支えない
(発明の効果) 次に、本発明の方法により1qられる織編物が有する効
果について、下記(1〉〜(8)にて述べる。
第13図は、通常のポリエステル糸条から1qられる織
物の断面を示したものであり、第14図は、本発明によ
り得られる織物の断面を示したものである。
(1)  第13図の従来の織物断面と比較して、本発
明にがかる糸条を用いて得られる織物断面は第14図で
示したように、加熱された糸条の外周部に部分的、間歇
的に存在する太い単繊維部分が旋回しているので、加熱
糸条の外周部周辺には間隙が生じやすくなって、経糸と
緯糸の糸条間および経糸、緯糸とも糸条内に空隙部Cを
有する。
すなわち、糸条内おにび糸条間ともに空隙を有するため
織編物の曲げ抵抗が小さくなりドレープ性に富んだ織編
物が“得られるものである。この効果は、絹織物でセリ
シンを除去した効果とほぼ同一であると言える。
そして、本発明によれば、糸構造による上記の空隙効果
に加えて、アルカリ加工による減量効果・空隙形成効果
も更に相俟って、一層ソフト感など風合、ドレープ性等
の良好なものが得られるものである。
本発明によれば、小さな減量率でも慨して比較的高めの
風合改良効果を得ることができる。
(2)  同様の効果により、曲げ変形を受けた場合、
空隙部Cの作用ににり曲げに対する応力回復が容易とな
り、一層反目性に富/νだ織編物が得られる。
通常のポリエステルマルチフィラメント糸条から得られ
る織物では、ドレープ性と反撥性は相反する関係にあり
、一般には、ドレープ性を付与すると反撥性は低下する
ものであるが、本発明にかかるポリエステル長繊維太細
糸条は、上述の如く、これら両特性を同時に満たし得る
ものである。すなわち、ドレープ性があり、しかも反撥
性に優れた織編物が得られる。
(3)  単糸フィラメント内および単糸フィラメント
間とも空隙があるため、外圧に対する回復性がイ1与さ
れ、防シワ性が良好となる。
(4)  加熱効果によりシャリ味(シV/り感)に富
んだ織編物が得られる。また、マイルドな光沢を持つ。
(5)  加熱された糸条の外周部に旋回部を有するた
め、糸使いのわりには嵩高と言える織編物が得られる。
(6)  マルチフィラメント糸条全体は、第1図に示
した如く、太細部を有するため、天然繊維およびスパン
糸の持つ部分的な太さムラによる独特の風合を持った織
編物が1qられる。
(7)染色性を異にする他の糸条と交撚もしくは複合、
交互使用することにより、発色・深色性のよい織編物や
3色以上のマルチカラー効果を持つ織編物等も得ること
ができる。
(8)  更に付記するならば、太細部は染色性を異に
するため、染色すると濃淡差を生じ、杢もしくは霜降り
効果のある織編物が所望に応じ得られるものである。
(実施例) 以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例・比較例 本実施例で用いた本発明にかかるポリエステルマルチフ
ィラメント太細糸条(第3表※印)は、3250m/m
inで紡糸したポリエチレンテレフタレートの生米延伸
糸条を延伸機で熱ピンを用い延伸糸としたものである。
得られた該糸は繊維軸方向に、部分的、間歇的に太さム
ラを持ち、太細軸径の比(B/A>は1.40〜1.6
5であつた。また、太い部分の複屈折率(第1図のb部
)は20〜45X10’で、細い部分の複屈折率(第1
図のa部> G、tl 40〜170x10−3テする
った。かかる糸条を加熱した結果、いずれも例えば、第
3〜10図に示す如き、構成繊維中に部分的、間歇的に
存在する太い繊維部分が、加熱された糸条に旋回してな
るものが得られた。
なお、実施例におけるアルカリ処理による減量率(%)
は、次のようにして求めたものである。
減m率(%)=((未処理試料の重世−処理試料の重め
)/(未処理試料の歪量)) 1qられに織物の特徴は、第3表から明らかな如く多く
の特徴を持ち、かつ従来になかった新規な付加価値に富
んだものであった。
(以下余白)
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いられるポリエステル長繊維太細
糸条に関し、該糸条の原料糸たる加熱前のマルチフィラ
メント糸条をモデル的に示した側面図であり、第2図は
その糸条断面図である。 第3図、第5図、第7図、第9図は、第1図に示した糸
条を、それぞれ、500T/m、1000T/m、15
00T/m、2000T/mで加熱して1qられる糸条
の側面モデル構造を示した側面図でおり、第4図、第6
図、第8図、第10図はそれぞれの糸条の断面図である
。 第11図は撚数と撚角度の関係を例示したグラフであり
、第12図は加熱張力と撚角度との関係を例示したグラ
フである。 第13図、第14図は、織物のモデル構造断面図を示し
たものであり、第13図は通常のポリエステル糸条より
得られる織物の断面図、第14図は、本発明方法により
得られる織物の断面図を示したものである。 A:糸条全体が細い部分 B:糸条全体が太い部分 a:構成繊維中の完全延伸部 b:構成繊維中の不完全延伸部 C:織物で1qられる空隙部 特許出願大東し株式会社 り2国 才4田 第10月 才11国 才12圓 2/3囚 °″″ 才14閾

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)糸条の構成単繊維が繊維軸方向に太細変化を有し
    ていて該太い繊維部分と細い繊維部分の染着能に差があ
    る長繊維であって、かつ該太い単繊維部分が該糸条の主
    として外周部に旋回して存在してなる、糸条長さ方向に
    太細変化を有しかつ加熱されているポリエステルマルチ
    フィラメント糸条を少なくとも用いて製編織し、しかる
    後、該織編物にアルカリ減量加工を施すことを特徴とす
    るポリエステル織編物の製造方法。
  2. (2)製編織される糸条が、太い繊維部分が糸条本体の
    撚角度よりも大きい角度で旋回して糸条の主として外周
    部に存在している糸条であることを特徴とする特許請求
    の範囲第(1)項記載のポリエステル織編物の製造方法
JP61104780A 1986-05-09 1986-05-09 ポリエステル織編物の製造方法 Granted JPS62177280A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01177287U (ja) * 1988-05-30 1989-12-18
JP2009209467A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd 薄地織物

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JPS5858443A (ja) * 1981-09-30 1983-04-07 Shimadzu Corp 天然物中の異物検出分離装置

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