JPS6217504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、手編機の編目移転装置を使つてレー
ス編みを行う際の編地の支え装置に関するもので
ある。

針床上に列設した編針中のある編針（外し針）
に懸吊された編目を隣接する他の編針（かかり
針）に移転する編目移転装置では、キヤリジ台板
上に次のものを備える。即ち(1)〓外し針の編目を
かかり針の先端と係合し得る位置に配置すべく外
し針をかかり針に向つて寄せる針寄せ機構。〓(2)
〓前記編目がかかり針の先端と係合し得る位置に
配置された後に、かかり針を前進し、該編目に係
合させる編目係合部材と該編目から外し針を抜き
去る編針抜去部材〓である。

上記編目移転装置を使いレース編を行なう場
合、編地は外し針及びかかり針の前進と共に前進
し、かかり針の編目はベラ抜けし易い状態にな
る。特に、作品を作る際、主針床に副針床をとり
つけゴム編を行い、その後副針床の針の編目を主
針床の針に移し、副針床を不使用状態として主針
床でレース編を行う場合、副針床の位置が邪魔し
て編地の前進が阻止される。これによりかかり針
の編目がベラ抜けし目落ちが発生した。また、か
かり針のみを前進するいわゆる空摺動を行つた場
合、すべてのかかり針の編目がベラ抜けして編地
が落下するという不具合を生じた。従つて、当該
編成作業に際し従来では副針床をその都度取外し
ていたので随分余分な手間を費していた。

本考案では、上記不具合発生を防止するため、
不使用状態とした副針床の上方で、かかり針が前
進しても編目がかかり針のベラより抜けないよう
に、予め編地を前進させて支持する編地支え装置
を設けたものである。従つて、この本考案装置の
採用により、副針床はそのままで取外すことな
く、上記目的が達し得られ、作業能率の向上を確
保し得る。

以下、その実施例を添付図を参照し説明する。

１は主針床で該主針床１の左右両端部にネジ２
により支持板３が夫々固定される。（いずれも一
方側は図示省略） ４は副針床で、該副針床４に設けた図示せぬピ
ンが前記支持板３の長孔３ａに係合し、適宜手段
で上方のゴム編編成位置、或いは下方の不使用位
置に固定される。また、５は副針床４をゴム編編
成位置へ押し上げたときの制止ストツパで前記支
持板３に固定されている。

６は丸棒又はパイプ材の編地支え部材で、第３
図をみて分るように、中間の編地支え部６ａと両
端部分がほぼへの字状に折曲げられた取付部６ｂ
に形成される。而して、この編地支え部材６は第
１〜２図でみられるように、副針床４を下方の不
作用状態に位置させ、編地７の後方（第１図で左
方）からその両端を主針床下部に挿入する。取付
部６ｂの折曲部を支持板３に設けたストツパ５上
に載置したとき、取付部６ｂの端部は主針床１の
裏面に当接する。そして、編地支え部６ａは主及
び副針床１及び４の長手方向と平行し、両針床
１：４の夫々のクシ歯のほぼ中間で、且つ、主針
床のクシ歯と副針床ケース端を結ぶ線（第１図２
点鎖線示）より前方（右方）へ編地７を押進せし
めるように構成されている。このため、かかり針
８が実線示から仮線示へ前進すると、編地７は編
地支え部材の支え部６ａ点附近より上方部分が符
号Ｏで示すように前進し、副針床を取外すことな
く装着のままの操作で編目はかかり孔のベラより
抜け出すことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は副針床が装備された主針床に本案編地
支え装置を取付けた中央横断面図、第２図は第１
図のＡ矢方向視図、第３図は本案編地支え部材の
外観図である。 １……主針床、３……支持板、４……副針床、
５……ストツパ、６……編地支え部材、７……編
地、８……かかり針。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数編針を配設した主針床と副針床を対向配置
   し、副針床を上方のゴム編位置と下方の不使用位
   置に変位可能とした両板型編機において、前記
   主、副針床によるゴム編編成後、副針床の編目を
   主針床へ移転し、副針床を不使用の状態として、
   編目移転装置を用い主針床上の編針に懸吊された
   編目を隣接する他の針（かかり針）に移転する
   際、前記主、副両針床のクシ歯間で且つ前記主針
   床のクシ歯と副針床ケース端を結ぶ線より前方へ
   突出位置する編地押え部材を備えてなる編機の編
   地押え装置。