JPS62173147A - 温度変化に起因する誤差が低減された精密装置 - Google Patents

温度変化に起因する誤差が低減された精密装置

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JPS62173147A
JPS62173147A JP61011900A JP1190086A JPS62173147A JP S62173147 A JPS62173147 A JP S62173147A JP 61011900 A JP61011900 A JP 61011900A JP 1190086 A JP1190086 A JP 1190086A JP S62173147 A JPS62173147 A JP S62173147A
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JP61011900A
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Shinji Sekiya
臣二 関家
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Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 く技術分野〉 本発明は、対象物と作動要素との相対的位置付けにおけ
る、温度変化に起因する位置付は誤差が低減された精密
装置に関する。
〈背景技術及びその問題点〉 例えば、半導体デバイスの製造においては、当業者には
周知の如く、略円板状の半導体ウェーハの表面が格子状
に配列された切断ライン(かかる切断ラインは一般にス
トリートと称される)によって複数個の矩形領域に区画
され、かかる矩形領域の各々に所要回路パターンが施さ
れる。次いで、上記切断ラインに沿ってウェーハが切断
され、かくして回路パターンが施されている複数個の矩
形領域が個々に分離される(個々に分離された矩形領域
は一般にチップと称されている)。かようなウェーハの
切断は、一般に、ダイサー又はダイシング装置と称され
る精密切断装置によって遂行される。上記切断ラインの
幅は極めて狭く、一般に、数十μl又はそれ以下である
。従って、精密切断装置によるウェーハの切断は極めて
精密に遂行することが必要であり、許容誤差は、一般に
、数μm又はそれ以下である。
而して、従来の精密切断装置においては、例えば、装置
を始動せしめて3乃至4時間径過後は比較的小さい誤差
で比較的安定してウェーへの切断を遂行することができ
るが、それ〜以前においてはウェーハの切断が不安定で
許容誤差を越える比較的大きな切断誤差が発生すること
が少なくなかった。それ故に、多くの場合、実際にウェ
ーハの切断に先立って例えば3乃至4時間装置を所謂ア
イドリング運転し、しかる後にウェーハの切断を遂行す
ることが必要であり、これに起因してウェーハ切断効率
が著しく制限されていた。
〈発明の目的〉 本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、その
主目的は、上記精密切断装置の如き精密装置にして、高
価な恒温室を装備或いは高価な温度制御システムを組込
む必要なくして、始動時から充分に安定して許容誤差範
囲内で所要機能を遂行することができる新規且つ優れた
精密装置を提供することである。
〈発明の要約〉 本発明者は、上記精密切断装置について鋭意検討及び実
験を重ねた結果、次の事実を認識した。
即ち、上記精密切断装置においては、ダイヤモンド砥粒
の如き超砥粒を含有する切断ブレードが回転軸の先端部
に固定されており、回転軸を回転せしめると共に切断ブ
レードと切断すべきウェーハとを回転軸の軸線に対して
垂直な方向(即ち切断方向)に相対的に移動せしめるこ
とによって遂行される。ウェーハの切断ラインに対する
切断ブレードの位置付けは、回転軸及び/又はウェーハ
(更に詳しくはウェーハを保持した保持手段)を、回転
軸の軸線方向に移動せしめることによって遂行される。
而して、装置を始動せしめると、回転軸の回転に起因し
て回転軸及び/又はその関連部材が加熱され、これによ
って回転軸及びその関連部材がその軸線方向に線膨張せ
しめられる。そして、装置の始動時からある程度の時間
を経過する前における許容誤差を越える比較的大きな切
断誤差は、主として回転軸及び/又はその関連部材の上
記線膨張に起因する。
本発明者が認識した上記事実に基き、本発明者は、更に
検討及び実験を重ね、その結果として、線膨張係数の小
さい測長基準部材を利用して回転軸及び/又はその関連
部材の上記線膨張量を検出し、かかる検出に基いてウェ
ーハの切断ラインに対する切断ブレードの位置付けを補
償すれば、始動時から充分に安定して許容誤差範囲内で
切断を遂行することができる精密切断装置を得ることが
できることを見出した。加えて、精密切断装置における
上記の通りの補償原理は、精密切断装置にかぎられるこ
となく種々の精密装置にも適用することができることを
見出した。
かくして、本発明によれば、対象物保持手段と、作動要
素を支持する支持手段と、該作動要素と対象物とを所要
関係に位置付けるために該支持手段と該保持手段との少
なくとも一方を所定方向に移動せしめるための駆動手段
と、該駆動手段の作動を制御するための制御手段とを具
備する精密装置において; 線膨張係数が小さい材料から形成された測長基準部材と
、該支持手段の少なくとも一部の該所定方向における線
膨張量を該測長基準部材に基いて検出する検出手段とを
備え、該制御手段は、該検出手段が検出する該支持手段
の少なくとも一部の該所定方向における線膨張量に基い
て該駆動手段の作動制御を補償し、かくして温度変化に
よる該支持手段の線膨張に起因する位置付は誤差を低減
せしめる、ことを特徴とする精密装置が提供される。
上記精密装置における上記作動要素は、種々の精密加工
装置における種々の加工具或いは種々の精密測定装置に
おける種々の検出ヘッドであり得る。
〈発明の好適具体例〉 以下、本発明に従って構成された精密装置の一興体例、
即ち本発明の原理が適用された精密切断装置の一例につ
いて、添付図面を参照して詳細に説明する。
第1図を参照して説明すると、図示の精密切断装置は静
止主基台2を具備している。この主基台2上には、全体
を番号4で示す支持手段が装着されている。支持手段4
は、可動支持基台6、可動副支持基台8及び支持部材1
0を含んでいる。支持基台6は、水平部12及び鉛直部
14を有し、上記主基台2上に第1図において左右方向
に且つ実質上水平に移動自在に装着されている。更に詳
しくは、上記主基台2の土壁には第1図において左右方
向に実質上水平に延びる1本(又は複数本)の案内レー
ル16が固定されており、支持基台6の水平部12が案
内レール16に沿って滑動自在に装着されている。上記
主基台2の上壁上には、水平方向駆動手段18も装着さ
れている。この駆動手段18は、第1図において左右方
向に且つ実質上水平に延在する雄ねじロッド20と、パ
ルスモータでよい駆動源22とを含んでいる。雄ねじロ
ッド20の左端は上記主基台2の上壁上に固定された軸
受ブロック24に回転自在に軸支されており、右端は上
記主基台2の上壁上に装着された駆動源22の出力軸に
減速機構26を介して接続されている。支持基台6の水
平部12内にはブロック27が固定されており、このブ
ロック27には第1図において左右方向に実質上水平に
延びる貫通雌ねじ穴(図示していない)が形成されてお
り、上記雄ねじロッド20の中間部はかかる雌ねじ穴に
螺合されている。従って、駆動源22が作動せしめられ
て雄ねじロッド20が回転せしめられると、支持基台6
が案内レール16に沿って第1図において左右方向に且
つ実質上水平に移動せしめられる。上記主基台2の底壁
上には、一対の取付ブラケット28によって、第1図に
おいて左右方向に且つ実質上水平に延在するリニアスケ
ール30が配設されている。リニアスケール30の両端
は合成ゴムの如き弾性部材32を介して上記取付ブラケ
ット28に固定されており、主基台2の底壁が温度変化
によって線膨張又は収縮したとしても、かかる線膨張又
は収縮は、弾性部材32の弾性変形によって吸収され、
リニアスケール30に悪影響を及ぼさないようにせしめ
られているのが好ましい。例えば1μmの間隔で配置さ
れ幅が1μmである多数の被検出線が施されている上記
リニアスケール30自体は、線膨張係数が小さい材料か
ら形成されているのが好ましい。リニアスケール30を
形成する好ましい材料としては、例えば、日本電気硝子
株式会社から商品名[ネオセラムGC−7・N−OJと
して販売されている結晶化ガラス(30乃至380℃に
おける線膨張係数約0.6xlQ−’/l) 、同社か
ら商品名「ネオセラムGC−2・N−0」として販売さ
れている結晶化ガラス(30乃至380℃における線膨
張係数−3×1o−V”l乃至−5Xl0−’/’C)
 、同社から商品名「ネオセラムGC−2・N−11J
として販売されている結晶化ガラス(30乃至380℃
における線膨張係数8X10−’乃至10 xlO−’
/”c) 、西独国のJena Glaswerk 5
chott & Gen社から商品名rZERODUR
Jとして販売されている結晶化ガラス(30乃至380
℃における線膨張係数0.5×10−’乃至5×10−
)7℃)、石英ガラス(30乃至380℃における線膨
張係数約5.5X10−’/’C)或いは一般に96%
シリカガラスと称されている重量割合で96%以上が珪
酸である高珪酸ガラス(30乃至380℃における線膨
張係数約8×10−’/’C)等の、30乃至380℃
における線膨張係数の絶対値が10 Xl0−’/’C
以下の特殊ガラスを挙げることができる。一方、上記支
持基台6の水平部12には、上記主基台2の土壁に形成
され第1図において左右方向に延びる細長い開口を通っ
て下方に突出する垂下片34が固定されており、そして
かかる垂下片34には、上記リニアスケール30の被検
出線を検出する光電式検出器36が装着されている。そ
れ自体は周知の形態でよい光電式検出器36は、上記リ
ニアスケール30の被検出線の検出に応じてパルス信号
を生成、従って支持基台6が案内レール16に沿って例
えば1μm移動する毎にパルス信号を生成する。光電式
検出器34が生成するパルス信号は、後述する如く、駆
動源22の作動制御、従って支持基台6の移動制御に使
用される。
略矩形状のブロックでよい副支持基台8は、上記支持基
台6の鉛直部14上に実質上鉛直に昇降動自在に装着さ
れている。更に詳しくは、上記支持基台6の鉛直部14
の左側壁上には実質上鉛直に延びる1本(又は複数本)
の案内レール40が固定されており、かかる案内レール
40に沿って滑動自在に副支持基台8が装着されている
。上記支持基台6の鉛直部14の左側壁上には、鉛直方
向駆動手段42も装着されている。この駆動手段42は
実質上鉛直に延在する雄ねじロッド44とパルスモータ
でよい駆動源46とを含んでいる。
雄ねじロッド44の下端は上記支持基台6の鉛直部14
の左側壁上に固定された軸受ブロック48に回転自在に
軸支されており、上端は上記支持基台6の鉛直部14の
左側壁上に装着された上記駆動源46の出力軸に減速機
構50を介して接続されている。副支持基台8には鉛直
に延びる貫通雌ねじ穴(図示していない)が形成されて
おり、上記雄ねじロッド44の中間部はかかる雌ねじ穴
に螺合されている。従って、駆動源46が作動せしめら
れて雄ねじロッド44が回転せしめられると、副支持基
台8が案内レール40に沿って実質上鉛直に昇降動せし
められる。上記支持基台6の鉛直部14の右側壁内面上
には、一対の取付プラケット52によって、実質上鉛直
に延在するリニアスケール54が配設されている。上述
したリニアスケール30の場合と同様に、リニアスケー
ル54の両端は弾性部材56を介して上記取付ブラケッ
ト52に固定され、そしてまた、例えば1μmの間隔で
配置され幅がlμlである多数の被検出線が施されてい
るリニアスケール54自体は、線膨張係数が小さい材料
から形成されているのが好ましい。一方、上記副支持基
台8には、上記支持基台6の鉛直部14の左側壁に形成
され鉛直に延びる細長い開口を通って右方へ突出する突
出片57が固定されており、かかる突出片57には、上
記リニアスケール54の被検出線を検出する光電式検出
器58が装着されている。上述した光電式検出器36と
同様に、光電式検出器58は、上記リニアスケール54
の被検出線の検出に応じてパルス信号を生成、従って副
支持基台8が案内レール40に沿って例えば1μ…上昇
又は下降する毎にパルス信号を生成する。光電式検出器
58が生成するパルス信号は、後述する如く、駆動#4
6の作動制御、従って副支持基台8の昇降動制御に使用
される。
支持手段4における上記支持部材10は、円筒形状であ
り、上記副支持基台8の左側壁上に溶接又はボルト止め
等によって固着された右端から第1図において左方へ実
質上水平に突出延在している。かかる支持部材10の自
由端即ち左端には、軸受部材60が固定されている。そ
して、この軸受部材60には、回転軸62が回転自在に
且つ軸受部材60に対して相対的に第1図において左右
方向に移動し得ないように装着されている。更に詳しく
は、第1図において左右方向に且つ実質上水平に延在す
る回転軸62には環状フランジ64が形成されており、
一方軸受部材60には上記環状フランジ64に対応した
形状の環状凹部66が形成されており、上記環状フラン
ジ64が上記環状凹部66内に収容されることによって
、軸受部材60に対して回転軸62が第1図において左
右方向に移動することが阻止されている。上記軸受部材
60としては、精密軸受として当業者には周知の空気軸
受が好都合に使用され得る。回転軸62の左端部は軸受
部材60を越えて突出しており、その先端には実質上鉛
直に配置された薄円板形状の切断ブレード68が固定さ
れている。かかる切断ブレード68は、ダイヤモンド砥
粒の如き超砥粒を含有するそれ自体は周知の形態のもの
でよい。
回転軸62の上記環状フランジ64よりも右方の部分は
上記支持部材10内を延在している。上記支持部材10
内には電動モータでよい駆動#70が装着されており、
回転軸62の右端は駆動#70の出力軸に連結されてい
る。後の説明から明らかになる如く、回転軸62の右端
は支持部材10に対して第1図において左右方向に幾分
かの範囲に渡って自由に移動し得ることが望ましい。図
示の装置においては、駆動m7oの出力軸(即ち電動 
・モータのロータ)が駆動tA70の静止要素(即ち電
動モータのステータ)に対して第1図において左右方向
に幾分かの範囲に渡って自由に移動し得るように構成さ
れており、これによって回転軸62の右端の上記移動が
許容されている。
図示の精密切断装置は、更に、全体を番号72で示す保
持手段を具備している。この保持手段72は、滑動台7
4及び吸着チャック76を含んでいる。滑動台74は第
1図において紙面に実質上垂直な方向に移動自在に装着
されている。更に詳しくは、上記主基台2上には第1図
において紙面に実質上垂直な方向に延びる2本の案内レ
ール78が固定されており、滑動台74はかかる案内レ
ール78に沿って滑動自在に装着されている。上記主基
台2上には、滑動台駆動手段80も装着されている。か
かる駆動手段80は、主基台2上に回転自在に装着され
且つ第1図において紙面に実質上垂直な方向に延在する
雄ねじロッド(図示していない)と、パルスモータでよ
い駆動fi82とを含んでいる。滑動台74には第1図
において紙面に実質上垂直な方向に延びる貫通雌ねじ穴
が形成されているブロック(図示していない)が固定さ
れ、上記雄ねじロッドの中間部が上記雄ねじ穴に螺合さ
れている。上記駆動源82の出力軸は減速機構(図示し
ていない)を介して上記雄ねじロッドに接続されている
。かくして、駆動源82が作動せしめられて雄ねじロッ
ドが回転せしめられると、滑動台74が案内レール78
に沿って移動せしめられる。保持手段72における吸着
チャック76は、実質上鉛直に延びる中心軸線を中心と
して回転自在に装着されている。そして、滑動台74に
は、吸着チャック76を回転せしめるための、パルスモ
ータでよい駆動源84も装着されている。
吸着チャツク76自体は、その実質上水平な上面に開口
した複数個の吸引溝を有し或いは上面の少なくとも一部
が多孔質材料から形成され、真空源(図示していない)
に選択的に連通せしめられてその上面に載置された半導
体ウェーハWの如き被加工物を吸着保持することができ
る形態のものであるのが好都合である。
図示の精密切断装置は、更に、上述した種々の駆動源2
2,46,70.82及び84の作動を制御するための
、マイクロプロセッサでよい制御手段86(第2図)を
具備している。
上述した通りの精密切断装置の作動を、半導体ウェーハ
Wの切断を例として説明すると、次の通りである。
第3図に図示する通り、ウェーハWの表面には、格子状
に配列された複数本の切断ライン、即ち所定間隔Pxを
置いて相互に平行に延びる複数本の第1の組の切断ライ
ンCLxと所定間隔pyを置いて相互に平行に延びる複
数本の第2の組の切断ラインCLyとが配設されている
。第1の組の切1断ラインCLxと第2の組の切断ライ
ンCLyとは相互に垂直である。上記切断ラインCLx
及びCLVによって区画された複数個の矩形領域RAの
各々には所要の回路パターンが施されている。
第3図と共に第1図を参照して説明を続けると、上述し
た通りの切断すべきウェーハWは、適宜の装着機構(図
示していない)によって保持手段72の吸着チャック7
6上に載置され、吸着チャック76上に吸着保持される
。次いで、初期位置付けが遂行される。この初期位置付
けにおいては、つ工−ハWの表面に存在する第1の組の
切断ラインCLxと第2の組の切断ラインCLyとのい
ずれか一方、例えば第1の組の切断ラインCLxが第1
図において紙面に垂直な方向に延び、そしてまたかかる
第1の組の切断ラインCLxのうちの1本(例えば最も
外側に位置する切断ライン)の第1図において左右方向
の位置が切断ブレード68の第1図において左右方向の
位置に充分精密に整合せしめる。かような初期位置付け
は、それ自体は公知の光学的検出装置(図示していない
)によって切断ブレード68に関するウェーハWの表面
に存在する切断ラインCLx及びCLyの位置を検出し
、かかる検出に基いて制御手段86によって、駆動源8
4を作動せしめて吸着チャック76を所要角度回転せし
め、そしてまた駆動源22を作動せしめて、支持手段4
の支持基台6、従って切断ブレード68を第1図におい
て左右方向に所定量移動せしめることによって遂行する
ことができる。支持基台6の左右方向の移動量は、リニ
アスケール30の被検出線を検出する検出器36によっ
て検出されて制御手段86に供給され、かくして支持基
台6の移動は充分精密に遂行される。
所望ならば、吸着チャック76の回転を検出するための
検出器も装備することができる。
しかる後に、駆動源46が作動せしめられて支持手段4
の副支持基台8、従って切断ブレード68を所定作用位
置まで下降せしめられる。副支持基台8の昇降動量は、
リニアスケール54の被検出線を検出する検出器58に
よって検出され、かくして副支持基台8の昇降動は充分
精密に遂行される。次いで、駆動源70が作動せしめら
れて回転軸62、従って切断ブレード68が、例えば第
1図において左方から見て反時計方向に回転せしめられ
る。そしてまた、駆動agi82が作動せしめられて保
持手段72の滑動台74、従って吸着チャック76及び
これに吸着保持されたウェーハWが、第1図において紙
面に垂直な方向に後方へ往動される。かくして、回転せ
しめられている切断ブレード68がウェーハWに作用し
て第1の組の切断ラインCLxのうちの1本に沿って切
断する。かかる切断が終了すると、駆動源82が停止せ
しめられて滑動台74の移動が停止せしめられる。次い
で、駆動源46が作動せしめられて支持手段4の副支持
基台8が所定位置まで上昇せしめられ、かくして切断ブ
レード68がウェーハWに干渉しない非作用位置まで上
昇せしめられる。しかる後に、駆動源82が作動されて
滑動台74、従って吸着チャック76及びこれに吸着保
持されたウェーハWが、第1図において紙面に垂直な方
向に前方へ、当初の位置まで復動される。そしてまた、
駆動源22が作動せしめられて支持手段4の支持基台6
、従って切断ブレード68が第1の組の切断ラインCL
xの間隔Px(又はその整数倍)だけ第1図において左
右方向に所謂ピッチ送りされる。上記間隔Px及びpy
の値は、予め制御手段86に供給して、制御手段86に
内蔵されている記憶手段88(第2図)に記憶しておく
ことができる。しかる後に、上述した通りの切断工程を
再び遂行し、第1の組の切断ラインCLxの次の1本に
沿ってウェーハWを切断する。
上述した通りにして第1の組の切断ラインCLxの全て
に沿ってウェーハWを切断し終ると、駆動rA84が作
動せしめられて吸着チャック76及びこれに吸着保持さ
れたウェーハWを90度回転せしめられ、かくしてウェ
ーハWの表面に存在する第2の組の切断ラインCLYが
第1図において紙面に垂直な方向に延びるようにせしめ
られる。また、駆動源22が作動せしめられて支持基台
6、従って切断ブレード68が第1図において左右方向
に所定量移動せしめられ、かくして第2の組の切断ライ
ンCLYのうちの1本の第1図において左右方向の位置
が切断ブレード68の第1図において左右方向の位置に
整合せしめられる。しかる後に、第1の組の切断ライン
CLxの場合と同様にして、第2の組の切断ラインCL
 yに沿ってつ工−ハWが切断される。
而して、上述した通りの構成の精密切断装置においては
、温度変化による支持部材10の第1図において左右方
向の線膨張に起因して、切断ブレード68とウェーハW
の切断ラインCLx及びCLyとの相対的位置付けに数
μm程度の許容誤差を越える誤差が生成される可能性が
ある。この点について詳述すると、切断ブレード68を
比較的高速で回転するために駆動源70を連続的に或い
は間けつ的に繰返し作動せしめると、駆動源70が発熱
し、そしてまた回転軸62も発熱する。従って、回転軸
62が第1図において左右方向に線膨張する。しかしな
がら、上述した如く回転軸62の右端は支持部材10に
対して第1図において左右方向に幾分かの範囲に渡って
移動自在である故に、回転軸62における環状フランジ
64よりも右方の部分における線膨張は、単に回転軸6
2の右端を第1図において右方へ変位せしめるのみであ
り、切断ブレード68の位置に影響を及ぼさない。他方
、回転軸62の環状フランジ64よりも左方の部分にお
ける線膨張は、容易に理解される如く、切断、ブレード
68の位置に影響を及ぼす。
しかしながら、図示の如き形態の精密切断装置において
本発明者が実験的に確認したところによれば、回転軸6
2の環状フランジ64よりも左方の部分は充分に短い故
に、その線膨張量も著しく小さくて数分の1μm程度で
あり、かかる線膨張量による切断ブレード68の位置の
変化は無視することができる(かかる線膨張量による切
断ブレード68の位置の変化も補償することが望まれる
場合には、かかる線膨張量に対しても後述する通りの原
理及び方式によって切断ブレード68の位置付けを補償
することができる)。他方、駆動源70の熱及び回転軸
62の熱は、直線的及び間接的に支持部材lOに伝えら
れ、支持部材10も加熱され、これによって支持部材1
0が線膨張し、かくすると切断ブレード68の位置が変
化せしめられる。そして、図示の如き形態の精密切断装
置において本発明者が実験的に確認したところによれば
、支持部材lOの線膨張量は比較的大きく、これに起因
する切断ブレード68の位置の変化は、比較的大きくて
数μmになる可能性があり、かくしてウェーハWの切断
に許容誤差を越える誤差が発生する恐れがあることが確
認された。勿論、支持部材lOの許容誤差を越える線膨
張は、精密切断装置の周囲温度の変化によっても発生し
得る。一方、回転軸62及び支持部材10以外の他の種
々の構成要素も、精密切断装置の周囲温度の変化等に起
因して線膨張するが、かかる線膨張に起因する切断ブレ
ード68及び/又はウェーハWの位置の変化は著しく小
さく無視することができる(かかる線膨張に起因する切
断ブレード68及び/又はウェーハWの位置の変化も補
償することが望まれる場合には、かかる線膨張量に対し
ても後述する通りの原理及び方゛式によって補償するこ
とができる)。
支持部材IOの線膨張に起因する切断ブレード68の位
置の許□容範囲を越える変化を補償し、つ工−ハWの切
断における許容誤差を越える誤差の発生を確実に回避す
るために、本発明に従って構成された図示の精密切断装
置においては、次の通りの改良が加えられている。
第1図を参照して説明すると、上記支持部材10の自由
端部即ち左端部に固定された軸受部材60上には取付ブ
ラケット90が固定され、かかる取付ブラケット90に
測長基準部材92が片持支持されている。この測長基準
部材92は、取付ブラケ7)90に固定された左端から
上記支持部材10に沿って第1図において右方へ実質上
水平に突出延在している。測長基準部材92自体は、上
述したリニアスケール30と同様に、線膨張係数が小さ
い材料から形成されているのが重要であり、上述した結
晶化ガラス、石英ガラス又は高珪酸ガラス等の、30乃
至380℃における線膨張係数の絶対値が10 Xl0
−’/’C以下の特殊ガラスから形成されているのが好
ましい。測長基準部材92の自由端部即ち右端部には、
例えば1μmの間隔で配置され幅が1μmである多数の
被検出線が施されており、従って図示の具体例における
測長基準部材92は、リニアスケールと考えることがで
きる。一方、上記支持部材10の基端部即ち右端部には
突出片94が固定され、かかる突出片94上には、上記
測長基準部材92の被検出線を検出する光電式検出器9
6が装着されている。それ自体は周知の形態でよい光電
式検出器96は、測長基準部材92の上記被検出線に基
いて測長基準部材92の移動方向(即ち第1図において
左方か右方か)を検出すると共に移動量を検出する検出
手段を構成する。温度変化に起因して支持部材10(及
びその自由端に固定された軸受部材60)が第1図にお
いて左右方向に熱膨張又は熱収縮すると、これによって
測長基準部材92が第1図において左方又は右方に移動
し、従って上記光電式検出器96は、測長基準部材92
に基いて、支持部材10(及びその自由端に固定された
軸受部材60)の第1図において左右方向の線膨張(即
ち熱膨張又は熱収縮)による長さの変化、即ち線膨張量
を検出する。上記光電式検出器96が生成する信号、即
ち支持部材10(及びその自由端に固定された軸受部材
60)の第1図において左右方向の線膨張による長さの
変化を示す信号は、上記制御手段86 (第2図)に供
給される。
制御手段86は、上記光電式検出器96から供給される
信号に応じて、切断ブレード68の位置付は移動を補償
、更に詳しくは支持基台6、従って切断ブレード68を
第1図において左右方向に移動せしめるための駆動手段
18の駆動源22の作動制御を補償する。かかる補償様
式の一例を示すフローチャートである第4図を参照して
説明すると、ステップn−1においては、切断ブレード
68の位置付は移動(例えば、第3図に図示するウェー
ハWの表面に存在する切断ラインCLx又はCLVの間
隔Px又はpyに対応する長さだけの、切断ブレード6
8の第1図において左右方向への移動)が遂行されたか
否かが判断される。そして、切断ブレード68の位置付
は移動が遂行されると、ステップn−2に進行し、その
前の切断ブレード68の位置付は移動が遂行された時点
における支持部材10 (及びその自由端に固定された
軸受部材60)の長さLs(この長さLsは、第2図に
図示する制御手段86に内蔵されている記憶手段98に
記憶されている)と現時点における支持部材10(及び
その自由端に固定された軸受部材60)の長さLnとが
同一であるか否かが比較される。上記長さL−sと長さ
Lnとが同一でない場合には、ステップn−3に進行し
、変化長さLn−Ls=Δlが算出される。次いで、ス
テップn〜4に進行し、制御手段86に内蔵されている
記憶手段98に記憶されている値(L、s)が現時点で
の長さくL n)の値に更新される。しかる後に、ステ
ップn−5に進行し、駆動#I22が作動せしめられて
、支持基台6、従って切断ブレード68が第1図におい
て右方又は左方にc×Δβだけ補償移動せしめられる。
下記Cは補償係数であり、例えば1でよい。
上記の通りであるので、図示の精密切断装置においては
、切断ブレード68の位置付は移動が遂行される毎に、
支持部材10 (及びその自由端に固定された軸受部材
60)の線膨張に起因する切断ブレード68の位置付は
誤差が検出され、かかる検出誤差に応じて切断ブレード
68が補償移動せしめられる。かくして、支持部材10
(及びその自由端部に固定された軸受部材60)の線膨
張に起因するウェーハWの切断誤差が確実に回避され□
る。
図示の精密切断装置においては、支持部材10の自由端
即ち左端に固定した軸受部材60上に測長基準部材92
の一端を固定して測長基準部材92を片持支持し、支持
部材10の基端部即ち右端部に光電式検出器96を装着
しているが、これとは逆に、支持部材10の基端部に測
長基準部材92の一端を固定して測長基準部材92を片
持支持し、支持部材lOの自由端又はそこに固定された
軸受部材60に光電式検出器96を装着することもでき
る。また、支持部材10の自由端又はそこに固定された
軸受部材60に光電式検出器96を装着する場合、測長
基準部材92は、支持部材lOとは別個に適宜の支持枠
体によって、支持部材10に沿って延在するように支持
することもできる。
更に、図示の精密切断装置においては、測長基準部材9
2に施された被検出線を光電式検出器96によって検出
しているが、これに代えて、測長基準部材92の自由端
に対向してそれ自体は周知の非接触変位検出器を配設し
、かかる検出器によって測長基準部材92の自由端の第
1図における左右方向の変位を検出し、かくして支持部
材10(及びその自由端に固定された軸受部材60)の
線膨張量を検出することもできる。
更にまた、図示の精密切断装置においては、切断ブレー
ド68とウェーハWとの第1図において左右方向におけ
る相対的位置付けを、切断ブレード68を移動せしめる
ことによって遂行しているが、これに代えてウェーハW
を吸着保持している吸着チャック76を第1図において
左右方向に移動せしめて切断ブレード68とウェーハW
との相対的位置付けを遂行する場合には、支持部材10
(及びその自由端に固定された軸受部材60)の線膨張
に応じて、吸着チャック76を第1図において左右方向
に移動せしめればよい。
〈発明の効果〉 以上詳述した通りであるので、本発明に従って構成され
た精密装置によれば、所定要素の線膨張に起因する、許
容範囲を越える可能性のある位置付は誤差が適切に補償
され、かくして許容範囲を越える誤差の発生が確実に回
避される。従って、本発明に従って構成された精密装置
においては、所謂アイドリング運転の必要なくして、そ
してまた精密装置を収容するための高価な恒温室を装備
する必要性或いは高価な温度制御システムを精密装置に
組込む必要性を回避して、常に安定して許容誤差範囲内
で所要機能が遂行される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本゛発明に従って構成された精密切断装置の
一例を、一部を断面で示す側面図。 第2図は、第1図の精密切断装置の制御手段を示す簡略
ブロック線図。 第3図は、第1図の精密切断装置によって切断される半
導体ウェーハの表面を示す平面図。 第4図は、第1図の精密切断装置における線膨張に起因
する誤差補償様式の一例を示すフローチャート。 4・・・支持手段 6・・・可動支持基台 8・・・可動副支持基台 10・・・支持部材 18・・・駆動手段 42・・・駆動手段 62・・・回転軸 68・・・切断ブレード 70・・・駆動源 72・・・保持手段 74・・・滑動台 76・・・吸着チャック 80・・・駆動手段 84・・・駆動源 86・・・制御手段 92・・・測長基準部材 96・・・光電式検出器(検出手段) W・・・半導体ウェーハ 特許出願人  株式会社 ディスコ 代理人 弁理士  小  野  尚  純量  弁理士
  岸  本  忠  昭第2図 第3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、対象物保持手段と、作動要素を支持する支持手段と
    、該作動要素と対象物とを所要関係に位置付けるために
    該支持手段と該保持手段との少なくとも一方を所定方向
    に移動せしめるための駆動手段と、該駆動手段の作動を
    制御するための制御手段とを具備する精密装置において
    ;線膨張係数が小さい材料から形成された測長基準部材
    と、該支持手段の少なくとも一部の該所定方向における
    線膨張量を該測長基準部材に基いて検出する検出手段と
    を備え、該制御手段は、該検出手段が検出する該支持手
    段の少なくとも一部の該所定方向における線膨張量に基
    いて該駆動手段の作動制御を補償し、かくして温度変化
    による該支持手段の線膨張に起因する位置付け誤差を低
    減せしめる、ことを特徴とする精密装置。 2、該測長基準部材は特殊ガラスから形成されている、
    特許請求の範囲第1項記載の精密装置。 3、該支持手段は、支持基台と、該支持基台に固定され
    た基端部から該所定方向に突出延在する支持部材とを含
    み、該作動要素は、該支持部材の自由端部に装着されて
    おり、該検出手段は、該支持部材の少なくとも大部分の
    該所定方向における線膨張量を検出する、特許請求の範
    囲第1項又は第2項記載の精密装置。 4、該支持手段は、該支持手段の該自由端部に該所定方
    向には移動不可能に且つ回転自在に装着された回転軸を
    含み、該作動要素は該回転軸に固定されている、特許請
    求の範囲第3項記載の精密装置。 5、該測長基準部材は、該支持部材の自由端部に固定さ
    れた一端部から該支持部材に沿って突出延在している、
    特許請求の範囲第3項又は第4項記載の精密装置。 6、該測長基準部材は、該支持基台又は該支持部材の該
    基端部に固定された一端部から該支持部材に沿って突出
    延在している、特許請求の範囲第3項又は第4項記載の
    精密装置。
JP61011900A 1985-05-17 1986-01-24 温度変化に起因する誤差が低減された精密装置 Pending JPS62173147A (ja)

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