JPS62171644A - 乳蛋白加水分解物を有効成分とする栄養剤 - Google Patents

乳蛋白加水分解物を有効成分とする栄養剤

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 童呈上q剋里立! 本発明は、易溶性乳蛋白加水分解物を有効成分とする栄
養剤、更に詳しくは、経口投与及び術前、術後における
経口摂取が困難な場合に経腸投与に適した、不快味のな
い粉末状並びに液状で利用し得る栄養剤に関する。
従来の技術 栄養剤、就中経腸栄養剤は主として術前並びに術後の臨
床において、チューブを介して消化管内に注入する栄養
組成物の総称であって、経管栄養剤とも称せられる。ま
た、このような栄養剤組成物は、曝下障害や消化管通過
障害等の疾患があって、経口摂取不可能な患者に対して
は経鼻的に、もしくは胃壁や腸壁に設置した胃屡や腸屡
を介して高カロリーの栄養補給にも用いられる。
更に、上記栄養組成物は経口摂取可能な患者には経口投
与もできるので、長期に亘る栄養管理を行うのにも適し
ている。
上述したような経腸栄養剤は、通常、自然流動食、半消
化態栄養食及び成分栄養食の3種のタイプに分類される
。ここで自然流動食とは自然食品を主体とし、これに必
要に応じて牛乳や果汁等を配合したものであり、半消化
態栄養食とは窒素源として乳蛋白質、大豆蛋白質、卵ア
ルブミン等の蛋白質を用い、これに脂肪、糖質及び微量
栄養成分等を配合したものである。また、成分栄養食と
は窒素源としてアミノ酸混合物を用いることによリ、消
化された形体のみの成分を組合わせて成る合成量である
而して、これらの経腸栄養剤は、いずれも下記のような
欠点を有する。
すなわち、自然流動食は自然食品を主材とするために繊
維分を多く含み、したがって患者に投与した場合、未消
化の残渣分が多く残るので使用上の制約がある。加うる
に、このものはチューブの通過性が悪いため、使用上患
者に苦痛を与えるような径の太いチューブを必要とする
欠点がある。
半消化態栄養食では上述した問題点がないものの、窒素
源に蛋白質を用いているため、それを消化するための胃
液、膵液等の内分泌液の分泌が必要となる。ところが、
このような栄養食を投与する患者の多くは手術侵聾によ
るストレス等により上記内分泌系が正常に機能しない場
合が多(、そのため蛋白質の消化が不十分となって吸収
も不良となる問題がある。
また、成分栄養食は、窒素源としてアミノ酸混合物を用
いるので上述のような消化上の問題はないが、その製造
上脂肪の必要量を添加することが実際上不可能であるた
め、これを患者に長期間投与すると低脂肪による肝脂肪
の沈着が生ずることがあり、また、リノール酸のような
必須脂肪酸の含有量も極めて少ないことから長期間投与
において必須脂肪酸欠乏症を発症する可能性もある。加
うるに、上記成分栄養食は投与後浸透圧が上昇するため
、下痢、腹部膨満感等の副作用も発生し易い欠点がある
日が解“ しようとする5理学 本発明は、上述した栄養剤の状況に鑑みなされたもので
あって、易溶性で且つ不快味のない乳蛋白加水分解物を
有効成分とすることにより、経腸投与に際してのチュー
ブの通過性が良好であり、また窒素源の消化吸収上も良
好な栄養剤、特に経腸栄養剤を提供することを目的とす
る。
以下本発明の詳細な説明する。
又貝亘盈底 本発明の特徴は、乳蛋白質をパンクレアチンとバチルス
属由来の微生物プロテアーゼとを用いて酵素的に加水分
解して得られる易溶性乳蛋白加水分解物を有効成分とし
て含有する栄養剤にある。
問題点を”′するための手段 本発明において有効成分として用いられる易溶性乳蛋白
加水分解物は、カゼイン、ラクトアルブミン(ホエー蛋
白質)等の乳蛋白質にパンクレアチンとバチルス属由来
の微生物プロテアーゼを作用させて酵素的に加水分解し
て得られるものである。上記乳蛋白質を加水分解するに
は、乳蛋白質の濃度が0.5%〜30%、好ましくは5
%〜15%の水溶液を加熱殺菌した後、50℃程度の温
度に維持して、アルカリによりpHを8〜1)、好まし
くは9.0〜10.0に調整したものに、パンクレアチ
ンとバチルス属由来の微生物プロテアーゼを30〜60
℃、好ましくはましくは40〜50℃で作用させるとよ
い。
また、その際の作用時間は、乳蛋白質の種類、濃度、酵
素量及び反応温度により異なるが、通常3〜48時間、
好ましくは6〜24時間である。
また、ここで用いるパンクレアチンは豚の膵臓から得ら
れるものであって、日本薬局方に掲載のものに準じたも
のを用いるのが好ましく、一方バチルス属由来の微生物
プロテアーゼとしては、バチルス・スブチリス(Bac
illus 5ubttlis)由来のプロテアーゼで
ある「ビオプラーゼ」(ナガセ生化学工業社製)、「中
性プロテアーゼ」(同社製)並びに「プロテアーゼNJ
(天野製薬社製)等の中性ならびにアルカリ性領域で作
用するものを使用するとよい。
これらの酵素の使用量は、基質である乳蛋白質の種類、
濃度及び作用時間により異なるも、一般的には基質に対
して0.05〜IO重量%、好ましくは0.1〜5重量
%である。
なお、上記パンクレアチンとバチルス属由来の微生物プ
ロテアーゼの乳蛋白質への作用は、上記乳蛋白質の水溶
液へ同時に添加して作用させてもよく、また、段階的に
添加して作用させてもよい。
段階的に作用させるときの両酵素の添加順序は問わない
次に、上述のようにして乳蛋白質を酵素的に加水分解し
て得られる生成物を加熱して酵素を失活させた後、冷却
下に放置して不溶物を形成させて分離、除去する。
上述のようにして不溶物を除去して得られる乳蛋白加水
分解物は、凍結乾燥や噴霧乾燥等により乾燥して粉末化
し、製品とする。
このようにして得られる乳蛋白加水分解物製品は、水に
対する溶解性が良好であって、従来のペプチドにみられ
る苦味等の不快味も殆んど惑じない。なお、該加水分解
物製品はアミノ酸とジペプチド及びトリペプチドを主要
成分とする低分子ペプチドから成る。
本発明に係る栄養剤は、上記乳蛋白加水分解物製品を1
〜60重量%、好ましくは10〜30重量%含有してい
るものであって、該加水分解物は窒素源として有効に利
用される。また、本発明では、上記乳蛋白加水分解物に
加えて、中鎖脂肪酸トリグリセリド、植物性脂肪、I!
質、アミノ酸、ミネラル類、ビタミン類、更には必要に
応じ乳化剤、安定剤等も添加し得る。
ここで用いる中鎖脂肪酸トリグリセリドは、炭素数8個
を主体として6〜12個を有する中級脂肪酸のグリセリ
ンエステルが好ましく、このものは消化管での吸収に際
してカイロミクロンの形成を必要とせずトリグリセリド
の形体のままで吸収されて門脈より肝臓へ運ばれる。ま
た、上記のグリセリンエステルは、肝臓において速やか
に酸化されてエネルギーとなって蓄積しないので、一般
の脂肪成分である長鎖脂肪酸トリグリセリドとはその吸
収経路及び代謝を全く異にするものであって、術前、術
後の高カロリーを必要とする患者に対して特に有効であ
る。更に、このものは手術侵襲による腸管内リパーゼ活
性の低下及びそれに起因する脂肪吸収不全時に有効であ
り、一方血中コレスチロールを低下させる作用も有する
また、ここで用いるFfとしてはグルコースのような単
Ii類、ショ糖、マルトースのような三糖類、デキスト
リンのような多糖類を例示でき、これらは単独又は混合
して用いてもよく、更には乳糖やガラクトースをグルコ
ース等と混合して用いてもよい。なお、グルコースのよ
うな単I!頚を用いたときにみられるような浸透圧の上
昇を抑制し、高浸透圧に起因する下痢、腹部膨満感等の
副作用を防止するにはデキストリンを用いることが好ま
しい。
また、植物性脂肪を用いる場合は、上記中鎖脂肪酸トリ
グリセリドには必須脂肪酸が全く含まれていないことか
ら、リノール酸を含有するもの、例えばサフラワー油、
コーン油、大豆油、綿実油、サンフラワー油等を用いる
ことが好ましい。
アミノ酸は、本発明に係る栄養剤の主要窒素源である乳
蛋白加水分解物のアミノ酸バランスを調整する目的で用
いられるものであり、したがって、該加水分解物のプロ
ティンスコア、ケミカルスコア及びアミノ酸スコアを算
出し、その結果不足して制限アミノ酸となったアミノ酸
を補足的に配合して可及的に上記スコアを高めるように
するとよい。
上記各成分に加えて添加されるミネラル類としては、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン
、塩素、鉄、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、モリブデ
ン、クロム、セレン等を例示し得、ビタミン類としては
ビタミンA、D、E、K1B1、B2、B6、B12、
C1ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸等を例
示し得る。
本発明に係る栄養剤は、上記乳蛋白加水分解生成物を主
要成分としたものに、上掲の各成分を適宜配合して、水
又は温水に易溶性の粉末形態にしたもの、もしくは上記
配合後、水又は温水に溶解し滅菌処理して液状形態にし
たもので提供される。
上述したとおり、本発明に係る栄養剤は、易溶性の乳蛋
白加水分解物を主要な窒素源とするものであるが、該加
水分解物は前述したように低分子ペプチドから成ってい
て、それを患者に投与した場合そのままで吸収される。
すなわち、従来、消化管内に投与された蛋白質は完全に
アミノ酸まで加水分解された後に吸収されるものと考え
られていたが、近年の研究によると蒼白質はその大部分
が低分子ペプチドの形態で吸収され、且つその吸収部位
がアミノ酸のそれと異なること、及びアミノ酸同志では
吸収速度に差があるが、低分子ペプチドではその差がな
いことが明らかにされている。したがって、このような
知見に鑑み、本発明に係る栄養剤のアミノ酸混合物から
成る従来の栄養剤に対する吸収上の優位性が認められる
と言える。
以下に実施例を示して本発明及びその効果を具体的に説
明する。
実施例 本末墨剋至旦袈 ■有効成分としての乳蛋白加水分解物の調製=2000
7!容の分解槽中に乳カゼイン100kg 、に2CO
13,3kg及び水1000 Ilを収容して攪拌下に
均一に混合し、該混合物を90℃で15分間加熱殺菌し
た後、苛性ソーダによりpH9,3に調整した。次いで
、上記カゼインの水溶液にパンクレアチン70g及びバ
チルス・スブチリス由来のプロテアーゼN(天野製薬社
製)70gを添加して均一に混合し、温度50℃で16
時間反応させて加水分解を行った。
得られた分解液は85℃で10分以上加熱して酵素を失
活させた後、5℃で16時間以上放冷して沈澱物を熟成
させた。
この沈澱物を遠心分離及び濾過により分離、除去して得
られた分解液を濃縮し、乾燥して目的の低分子乳蛋白加
水分解物を得た。
このものの平均ペプチド鎖長は約2.5で、その組成は
ジ及びトリペプチドが60重量%以上、アミノ酸が20
重量%以下であった。
■栄養剤の配合: 上述のようにして得られた乳蛋白加水分解物を用いて下
記(イ)乃至(ハ)の配合による栄養剤をそれぞれ調製
した。
(イ)組成分          含有量/100g該
乳蛋白加水分解物      19.2  g中鎖脂肪
酸トリグリセリド   8.5gサフラワー油    
     4.0g乳化剤            2
.5gデキストリン          62.62 
 gクエン酸ナトリウム       0.349 g
塩化カリウム          0.691 g硫酸
マグネシウム        0.659 gグリセロ
リン酸カルシウム    0.447 g塩化カルシウ
ム        0.350 gグルコン酸鉄   
      23.27 mgビタミンA      
     600 1.1)ビタミンD       
    30 1.LlビタミンE         
   3 1.UビタミンC15mg 葉酸             0.06 mgニコチ
ン酸アミド        5.1  mgビタミンB
、(塩酸チアミン)    0.3a+gビタミンB′
2(リボフラビン)    0.42 mgビタミンB
4(塩酸ピリドキシン)0.54mgビタミンBat(
ジアノコバラミン) 0.9  +wgパントテン酸カ
ルシウム    2.1  +wgビタミンK    
       42  μgビオチン        
   30  μg(ロ)組成分          
含有量/100g該乳蛋白加水分解物      25
.3  g中鎖脂肪酸トリグリセリド   15.0 
 gサフラワー油         4.0g乳化剤 
           3.0gデキストリン    
     47.21  gクエン酸ナトリウム   
    1.082 g塩化カリウム        
  1.013 g硫酸マグネシウム        
0.406 gグリセロリン酸カルシウム    2.
327 g硫酸鉄            10   
mgビタミンA           600 1.1
)ビタミンD           30 1.0ビタ
ミンE            3 1.UビタミンC
C15ff1 ニコチン酸アミド        5.1  mgビタ
ミ:/B、(塩酸チアミン)    0.3  mgビ
タミンBt(リボフラビン)    0.42 mgビ
タミンB、(塩酸ピリドキシン)0.54mgビタミン
B +z(ジアノコバラミン)0.9mgパントテン酸
カルシウム    2.1  mg(ハ)組成分   
       含有量/100g該乳蛋白加水分解物 
     31.63  g中鎖脂肪酸トリグリセリド
   5.0gサフラワー油         3.0
g乳化剤            1.6gデキストリ
ン          53.23  gクエン酸ナト
リウム       1.082 g塩化カリウム  
        1.013 g硫酸マグネシウム  
      0.406 gグリセロリン酸カルシウム
    2.327 gクエン酸鉄アンモニウム   
 50   mgビタミンA           6
00 1.1)ビタミンD           30
 1.0ビタミンE            3 1.
UビタミンC,15mg ニコチン酸アミド        5.1  mgビタ
ミンB I(塩酸チアミン)    0.3  l1g
ビタミンBz(リボフラビン)    0.42 mg
ビタミンB&(塩酸ピリドキシン)  0.54 mg
ビタミンB1z(ジアノコバラミン)0.9ffigパ
ントテン酸カルシウム     2.1B葉酸    
          0 、06mg次に、上述のよう
にして得られた乳カゼインの加水分解物を主要窒素源と
する飼料(脂肪、糖質、アミノ酸及び微量栄養成分を配
合)を術後の試験動物に投与した場合の栄養状態を調べ
た結果を示す、また、比較として、乳カゼイン(加水分
解前の乳蛋白)並びにアミノ酸混合物(上記乳蛋白加水
分解物と同様な組成にしたもの)を主要窒素源とした上
記と同様な配合の飼料を投与した場合について調べた結
果を併わせで示す。
試験方法: SD系雌雄ラット体重平均135g)の各10匹から成
る群を18時時間量させた後に青金摘出術を施し、その
術後に18時時間量させた後に、上記各飼料を1週間自
由に摂取させ、その間の各群における摂取量、体重増加
、尿及び糞中の窒素排出量を測定して飼料効率、窒素バ
ランス及び窒素利用率を求めた。結果は表1に示すとお
りである。
表1にみられるとおり、本発明による乳蛋白加水分解物
を主要窒素源として含有させた飼料を投与したラット群
では、乳蛋白質自体並びに上記加水分解物と同じアミノ
酸組成のアミノ酸混合物を主要窒素源として含有させた
同じ配合の飼料を投与したラット群に比べて飼料効率、
窒素バランス及び窒素利用率のいずれも優れていること
が認められる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)乳蛋白質をパンクレアチンとバチルス属由来の微
    生物プロテアーゼとを用いて酵素的に加水分解して得ら
    れる易溶性乳蛋白加水分解物を有効成分として含有する
    栄養剤。
  2. (2)上記易溶性乳蛋白加水分解物を1乃至60重量%
    含有する特許請求の範囲第(1)項記載の栄養剤。
JP61011625A 1986-01-22 1986-01-22 乳蛋白加水分解物を有効成分とする栄養剤 Expired - Lifetime JPH0732676B2 (ja)

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