JPS621702B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、動物、魚介類、家きん類等のレバ
ー、内臓処理方法に関するものである。

従来、動物、魚介類を油温により脱水処理する
ことにより、肥料、飼料に利用する方法はある
が、その処理は残油率、処理後の悪臭残率等の点
で、食用に供することはできなかつた。

この発明では、従来の油温脱水処理を基本にし
ながらも、とくに処理原料をレバー、内臓に限定
し、しかも油温脱水時に、二段階の減圧を行うこ
とによつて、ふりかけ等の食品に供しうるよう
に、完全な脱水、脱臭処理が行える動物、魚介
類、家きん類等のレバー、内臓処理方法を提供せ
んとするものである。

この発明の実施例を詳細に説明すると、原料と
しては、豚、牛、いわし等の動物、魚介類、鶏等
の家きん類のレバー、内臓を原料とするものであ
り、とくにレバー（肝臓）を主体とする。この原
料は、密閉したクツカー中に予め収納された動物
油、植物油例えばラード、脂肪等中に投入される
ものである。

次いで、クツカーのジヤケツト部に蒸気を圧入
して加温をして油温を約120℃以上に保持し、油
中に浸漬状態の原料を油温で加熱していく。

油温による加熱時に、原料中の脂肪は溶出し、
かつ、含有水分は油の温度で蒸散していくが、更
に油と水分の比重の置換を行い、効率的な脱水並
びに脂肪溶出を行うために、油中への原料投入後
約30分間位は750mmＨｇの圧力、すなわち少ない
初期減圧条件下で脱水処理をし、次いで、真空に
近い状態に減圧しながら、大きな後期減圧条件下
で脱水処理を行う。

かかる二段階減圧条件下での油温脱水処理によ
つて、レバー等の原料中のゼラチン質、水溶性蛋
白質等は油中に溶出することなく、かつ、原料表
面にて硬化することもなく、含有脂肪分のみ溶出
し、かつ水分は、油の浸透にともない蒸散してい
き約３時間の脱水処理によつて含有水分約６％前
後とする。

次いで、クツカーから原料を取出して圧搾機に
より油を絞り搾油処理を行う。

かかる搾油処理過程においては、すでに原料中
の水分は６％前後に脱水され、かつ、ゼラチン
質、水溶性蛋白質等の油中溶出が防止されている
ので、圧搾機の圧力は充分に原料にかかり、約
7000ポンドの圧力をかけて、残油分を充分に搾油
するものである。

次いで、機械的に搾油処理した原料は、コンベ
ア上を搬送されつつ、上方からノーマルヘキサン
を噴霧して原料に残つた残油分を溶解脱油してい
き、最終的には、６％〜10％程度の残油率とす
る。

かかる状態では、原料はパウダー状に近い粉抹
製品となつており、この製品は悪臭は完全に除去
され、かつ一たん油温にて加熱処理して含有アミ
ノ酸蛋白質等の凝固処理がなされているものの、
再度、熱湯中に投入すれば、熱湯中に良好に溶解
しやすく、かつ吸湿性は高くないので、保存中に
吸湿して、粉抹状のものが凝固するおそれがな
く、味は、レバー、内臓のアミノ酸、グルタミン
ソーダ等の固有の味覚をそのまま再現し、かつ原
料の含む栄養要素をそのまま保持して栄養豊富で
かつ美味を呈味できて、「ふりかけ」等に利用す
ることができる。

この発明によれば、動物、魚介類、家きん類等
のレバー、内臓を原料として、二段階減圧条件下
で油温による脱水処理を行い、次いで搾油脱油工
程を経るために、最終製品として「ふりかけ」等
に利用できる栄養豊富な無臭、美味の呈味食品を
得ることができる効果がある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 動物、魚介類、家きん類等のレバー、内臓を
   原料として加熱した動物油又は植物油中にて120
   ℃以上の油温による脱水を行い、しかも脱水時に
   は少ない初期減圧、大きい後期減圧の二段階減圧
   を行い油温脱水効率を向上せしめ、脱水した原料
   は、搾油、脱油後に粉砕してふりかけ等の食品に
   利用できる動物、魚介類、家きん類等のレバー、
   内臓処理方法。