JPS6215801Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動調光ストロボを内蔵したカメラに
関する。

ストロボを内蔵したカメラはすでに種々提供さ
れているが、この種のカメラは距離リングを操作
し、被写体に対して撮影距離を合わせることによ
つて自動的に絞りがセツトされるようになつてい
るため、いわゆるガイドナンバー計算などという
わずらわしい操作をする必要がないとは云いなが
ら、未だストロボの発光光量が変化した場合には
露出制御の精度が落ちるとか、また撮影条件など
を無視してしまう欠点を有している。

これに対して自動調光ストロボを使用する場合
には周知のように発光した光に基づく被写体から
の反射光量が一定値に達した時に自動的に発光を
停止させるので、常に発光量が適切であり、しか
も撮影者は露出制御系にまつたくわずらわされな
いですむという大きな利点をもつている。この様
な利点を有する自動調光ストロボをカメラに内蔵
する場合、通常ストロボの場合と異なり、その性
能上の違いからカメラ内の他の機構も自ずと変更
されねばならないことは云うまでもない。

ところで、通常撮影時には自動露出装置（以下
EE装置と云う）により定まる絞り口径で撮影
し、閃光撮影時には特定絞り口径で撮影するカメ
ラの場合、通常撮影時にはEE装置の受光部への
入射光量によつて絞り口径を制御するようになつ
ているから、フイルム感度の情報も同様の方法、
つまり特定のフイルムに対して適正な絞り口径が
得られるようにEE装置の出力を補正するような
方法をもつてEE装置に導入される必要がある
し、又閃光撮影時、EE装置が不作動の状態とな
つている場合には、機械的な撮影距離−絞り連動
機構によつて絞り口径を形成しなければならなく
なる。

ところが、自動調光ストロボを内蔵させたEE
装置付カメラの場合は、撮影距離に関係なく特定
の絞り口径で撮影する関係で常に特定の絞り口径
を形成するだけで事足りるが、それでもフイルム
感度の情報またはガイドナンバーの情報等は他の
機構を利用して絞り装置に伝達する必要が生じ
る。

本考案は通常撮影時にはEE装置の受光部材で
ある光電変換素子を通じて電気的にフイルム感度
情報を導入して絞り口径を形成するが、自動調光
ストロボによる閃光撮影時にはEE装置を使用せ
ずにフイルム感度情報を直接機械的に絞り装置に
伝達することを可能にする機構を提供するもので
あり、その新規特徴とするところは、カメラ本体
に内蔵された自動調光ストロボの変位動作とEE
装置により絞り口径を形成する状態からフイルム
感度切換えリングの設定回転角の対応位置まで絞
りリングを変位させて絞り口径を形成する状態に
切換えるための操作とを連動せしめるように構成
した点にある。

以下一実施例に基いて本考案を説明する。１は
自動調光ストロボ本体で発光部１ａを有し、カメ
ラ本体（図示せず）に内蔵されている。１ｂはス
トロボ本体１に植設されたピンで一端がカメラ本
体部に固設されたバネ２の他端を担持している。

１ｃはストロボ本体に設けられた切欠き部で、
通常撮影時には、カメラ本体外に露出したレバー
操作部３ａを有し且つ軸３ｂのまわりに回動可能
なストロボ保持レバー３と係合し得る様に構成さ
れている。１ｄはストロボ本体に植設されたピン
でストロボスイツチ用腕部５ｂ及び絞りリング用
腕部５ｃを有した切換え部材５のもう一つの操作
腕部５ｄに設けられた案内溝５ｅに挿入してあ
り、ストロボの変位に従つて変位し得る如く構成
してある。尚、切換え部材５は軸５ａの回りを回
動し得るように設けられている。６はストロボ電
源スイツチでストロボスイツチ用腕部５ｂの回動
によりON，OFFされる様に配置されている。７
は絞りリングでバネ７ｅにより常時右回転方向に
付勢されており、前記絞りリング用腕部５ｃと係
合し得るピン７ａ及びフイルム感度切換えリング
９上の切換え用突起部９ａと係合し得るピン７ｂ
を有している。しかも絞りリング７上には、絞り
口径を決定するカム面７ｄを有し、更にそのカム
面７ｄに常時接触し得るようバネ８ａをもつて弾
持された絞り口径情報を絞り装置（図示せず）に
伝達するための絞りピン８が挿入可能な絞りピン
用穴部７ｃを有している。又前記フイルム感度切
換えリング９上には前記切換え突起部９ａの外、
さらにEE装置にフイルム感度情報を電気的に導
入するために必要なフイルム感度切換え用窓９ｂ
を設けてある。１０は集光窓、１１はEE装置に
フイルム感度情報を電気的に導入するためのCds
等の光電変換素子からなる受光部材である。

次にその作動を説明する。

通常撮影時においては、第１図の如くストロボ
本体１はカメラ本体に収納された状態にあつて、
切換え部材５をストロボ本体１上のピン１ｄによ
つて押し下げているから、そのストロボスイツチ
用腕部５ｂはストロボ電源スイツチ６をOFFに
保ち、又、絞りリング切換え腕部５ｃは絞りリン
グ７をそのピン７ｂとフイルム感度切換え用突起
部９ａとの係合が解除された状態に保つている。
そのためフイルム感度情報はフイルム感度切換え
リング９上に設けた切換え用窓９ｂの光量調節に
よつて受光部材１１を介してEE装置に導入され
るようになる。

而して閃光撮影時においては、ストロボ保持レ
バー３とストロボ本体１の切欠き部１ｃとの係合
をはずすと、バネ２の収縮力によりストロボ本体
１がカメラ本体に対して「赤目現象」を防止し得
る位置まで変位する。この時、ストロボ本体上の
ピン１ｄにより操作腕部５ｄが押し上げられて切
換え部材５を左回転させる。従つてストロボスイ
ツチ腕部５ｂはストロボ電源スイツチ６から離さ
れてストロボ電源をOFFからONの状態にする。
また絞りリング用腕部５ｃもピン７ａを押圧して
いた状態から退避する結果、絞りリング７はバネ
７ｅの収縮力により絞りリング上のピン７ｂがフ
イルム感度切換えリング９上の切換え用突起部９
ａにその右回転を阻止されるまで回転させられ
る。そして絞りリング７の回転によつて、絞りピ
ン８はカム面７ｄを登り、そのカム面上の位置に
おける絞りピン８を絞り装置が検出する事によつ
て閃光撮影のための特定絞り口径を機械的に形成
する。

以上述べた如く本考案は自動調光ストロボの変
位動作と、通常撮影時のEE装置を利用してフイ
ルム感度情報を導入する状態からフイルム感度情
報を機械的に絞り装置に伝達する状態に切換える
操作とを連動せしめたので、通常撮影並びに閃光
撮影の双方にわたつて操作忘れを防止出来、又操
作が極めて単純になる効果も生じる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は通常撮影時の内部機構図、第２図は閃光撮影時
の内部機構図をそれぞれ示す。 １……ストロボ本体、１ａ……発光部、１ｂ…
…ピン、１ｃ……切欠き部、１ｄ……ピン、２…
…バネ、３……ストロボ保持レバー、３ａ……レ
バー操作部、３ｂ……軸、４……ストロボ用受光
部、５……切換え部材、５ａ……軸、５ｂ……ス
トロボスイツチ用腕部、５ｃ……絞りリング用腕
部、５ｄ……操作腕部、５ｅ……案内溝、６……
ストロボ電源スイツチ、７……絞りリング、７
ａ，７ｂ……ピン、７ｃ……絞りピン用穴部、７
ｄ……カム面、７ｅ……バネ、８……絞りピン、
８ａ……バネ、９……フイルム感度切換えリン
グ、９ａ……絞りリング切換え用突起部、９ｂ…
…絞り口径切換え用窓、１０……集光窓、１１…
…EE装置用受光部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カメラ本体に対して収納されている第１の位置
   と、閃光撮影のための第２の位置との間で変位で
   きる自動調光ストロボと、 前記自動調光ストロボの変位に伴つて往復回動
   する切換部材５と、 自動露出制御装置用のフイルム感度切換え部材
   ９と、 前記自動調光ストロボが第１の位置から第２の
   位置に変位するのに連動して回転され、前記フイ
   ルム感度切換え部材に設けた係止部９ａと機械的
   に係合する部材７ｂと絞りピン８を介してフイル
   ム感度に応じた特定の絞り口径を決定するための
   カム面７ｄとを一体的に有する絞りリング７と、 前記自動調光ストロボの変位に伴い、前記切換
   部材５を介してON−OFF制御されるストロボ電
   源スイツチ６とを有することを特徴とする可動式
   自動調光ストロボ内蔵カメラ。