JPS6215455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案はブローバイガスに含まれるオイルを除
去するためのブリーザ装置に関するものである。

ｂ 従来の技術 第１図は従来の自動二輪車用のエアクリーナを
示す。同図において、１は空気取り入れ口、２は
空気送出口、３はクリーナキヤツプ、４はクリー
ナケース、５はダーテイサイド８側のアウターホ
ルダー６とクリーンサイド９側のインナーホルダ
ー７との間に挾持されたフイルターである。

空気は空気取り入れ口１、クリーナキヤツプ３
側のダーテイサイド８、フイルター５、クリーナ
ケース４側のクリーンサイド９を経由して空気送
出口２に送り出される。一方、ブローバイガスは
エンジンのクランク室から前記クリーンサイド９
に供給され、再燃焼のためにエンジンにもどされ
る。

ところで、エンジンのクランク室から供給され
るブローバイガスにはオイルの液体成分が含まれ
ているため、ブローバイガスを還流するに当つて
は、オイルの液体成分を除去するためのブリーザ
装置が必要である。このため従来では、別体のブ
リーザ装置をクランクケースとエアクリーナとの
間に配設するようにしていた。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 しかし、このようにブリーザ装置を別に設ける
ことは、部品点数や工程の増加を招くので好まし
いことではなかつた。

このような事情から、本出願人は、エアクリー
ナ内に空気清浄フイルターとブローバイガス清浄
用フイルターとを同一ケース内に収容して成るエ
アクリーナを実公昭55−22183号として既に提案
した。本考案の目的は、ブリーザ装置とクランク
ケースとエアクリーナとの間に別に配設する必要
をなくし、しかもブローバイ清浄用フイルターの
如き部材を用いる必要がなく極めて簡単な構成に
て、エアクリーナ内にブローバイ分離室を形成す
るようにしたブリーザ装置を提供することにあ
る。

ｄ 問題点を解決するための手段 上述の目的を達成するために、本考案では、ク
リーナケース内に互いに対向して配設されたダー
テイサイド側のアウターホルダーと、クリーンサ
イド側のインナーホルダーとの間にフイルターを
介在させて成るエアクリーナにおいて、前記イン
ナーホルダーとクリーナケースとの間に、実質的
に上下方向に延びるリブと前記リブの上端部に対
応するせき部とを設けることにより、前記クリー
ンサイド側にブローバイ分離室を形成し、前記ブ
ローバイ分離室の下方個所にブローバイガス導入
口及びオイル排出口を設け、前記せき部と前記リ
ブの上端部との間に、前記クリーンサイドに連な
るブローバイガス排出用開口を形成するようにし
ている。

実施例 以下に添付図面に示した実施例を参照して本考
案を説明する。第２図、第３図は本考案のブリー
ザ装置を設けたエアクリーナのクリーナケース４
およびインナーホルダー７を示し、第４図はこれ
らによつて形成されるブリーザ装置を示す。

第２図〜第４図において、１０はブローバイガ
ス導入口、１１はオイル排出口、１２，１４及び
１３，１５はインナーホルダー７及びクリーナケ
ース４にそれぞれ設けられたリブ及びせき部であ
る。これらのリブ１２，１４は上下方向に沿つて
湾曲状に延びており、リブ１２，１４の上端部と
せき部１３，１５とが互いに対応し、これらの間
にブローバイガス排出用開口１７が形成されてい
る。なお、前記リブ１２およびせき部１３はクリ
ナケース４と一体に成形することができ、また、
前記リブ１４およびせき部１５もインナーホルダ
ー７と一体に成形することができる。

エアクリーナの組み上がり時には、インナーホ
ルダー７とクリーナケース４とが互いに接合され
て、前記リブ１２，１４、せき部１３，１５、ク
リーナケース４の側面４′、底４″およびインナー
ホルダー７の側面７′に囲まれたブローバイ分離
室１６が構成される。そして、このブローバイ分
離室１６とクリーンサイド９とは前記開口１７を
介して互いに連通される。

また、前記リブ１２は第４図において僅かに矢
印Ａ側に寄つて成形されているので、矢印Ａ，Ｂ
の方向にリブ１２，１４が圧接される。このよう
に圧接されるのでブローバイガス導入口１０から
のブローバイガスは途中でもれることなく確実に
リブ１２，１４とせき部１３，１５の間からクリ
ーンサイド９側に供給される。なお、リブ１２、
リブ１４の双方にそれぞれ矢印Ａ，Ｂの方向にわ
ずかに寄らせたり、リブ１４のみをＢ方向にわず
かに寄らせても同様にして圧接状態となる。

本実施例ではクリーナケース４とインナーホル
ダー７の両方にリブを設けることとしたが、一方
のリブをリブ受とすることもできる。リブ状の前
記せき部１３，１５についても同様である。

しかして、ブローバイ分離室１６、ブローバイ
ガス導入口１０、オイル排出口１１、及びブロー
バイガス排出用開口１７によつて、本実施例のブ
リーザ装置が構成される。

作 用 次に、本実施例のブリーザ装置の作用に付き説
明する。

まず、オイルを含んだブローバイガスがクラン
ク室からブローバイガス導入口１０を介してブロ
ーバイ分離室１６に供給されると、このブローバ
イガスがブローバイ分離室１６内を下方から上方
に向けて流動する。この際、ブローバイガスがブ
ローバイ分離室１６の内壁面に当るため、ブロー
バイガス中のオイルは分離されてその内壁面に付
着する。そして、付着したオイルはブローバイ分
離室１６の内壁面をつたつて下方に流れ、オイル
排出口１１より排出される。一方、オイルが除去
されたブローバイガスは開口１７を介してエアク
リーナのクリーンサイド９に導かれ、このクリー
ンサイド９において、フイルター５にて清浄され
た清浄空気に混合され、空気送出口２を介してエ
ンジンの気化器に還流される。

ｅ 考案の効果 上述のように本考案に係るブリーザ装置は、ク
リーンサイド側のフイルターのインナーホルダー
とクリーナケースとにリブ及びせき部とを設ける
ことによりブローバイ分離室を形成するようにし
たものであるから、ブローバイ清浄用フイルター
の如き部材を用いることなく極めて簡単な構成に
てブリーザ装置をエアクリーナ内に形成でき、従
つて、クランクケースとエアクリーナとの間にブ
リーザ装置を別に設ける必要がなくなり、部品点
数の削減化を図り得ると共に、ひいては生産コス
ト、計量化、設計スペースの面で有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエアクリーナの断面図、第２
図、第３図は、本考案に係るブリーザ装置を設け
たエアークリーナのクリーナケース、インナーホ
ルダーの正面図、第４図は本考案に係るブリーザ
装置の縦断面図である。 １……空気取り入れ口、２……空気送出口、３
……クリーナキヤツプ、４……クリーナケース、
５……フイルター、６……アウターホルダー、７
……インナーホルダー、８……ダーテイサイド、
９……クリーンサイド、１０……ブローバイガス
導入口、１１……オイル排出口、１２，１４……
リブ、１３，１５……せき部、１６……ブローバ
イ分離室、１７……ブローバイガス排出用開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クリーナケース内に互いに対向して配設された
   ダーテイサイド側のアウターホルダーと、クリー
   ンサイド側のインナーホルダーとの間にフイルタ
   ーを介在させて成るエアクリーナにおいて、前記
   インナーホルダーとクリーナケースとの間に実質
   的に上下方向に延びるリブと前記リブの上端部に
   対応するせき部とを設けることにより、前記クリ
   ーンサイド側にブローバイ分離室を形成し、前記
   ブローバイ分離室の下方個所にブローバイガス導
   入口及びオイル排出口を設け、前記せき部と前記
   リブの上端部との間に、前記クリーンサイドに連
   なるブローバイガス排出用開口を形成したことを
   特徴とする前記ブローバイガスのためのブリーザ
   装置。