JPS6214962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンパクト容器の側縁部に配設された
押圧片を内方に押し込むことによつて蓋体の容器
本体に対する止錠を解除するサイドプツシユ式コ
ンパクト容器に関するものである。

上記のタイプのコンパクト容器については本願
出願人の先願に係るものがすでに提供されている
が、これらの多くのものは容器本体の側縁部の押
圧片を内方に押し込むことによつて押圧片の直上
に位置する蓋体の側部を押し上げ、これによつて
蓋体と容器本体の前端縁部における係合を強制的
に解除し、蓋体を開放するようにしたものである
ため、係合位置と開放力を加える位置がずれてお
り、押圧片に比較的強い力を加えなければならな
いだけでなく、合成樹脂製の蓋体が上記のような
押し上げ力によつて一部撓んで不快な軋み音を発
生することがあつた。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は容器本体の側縁部に設けた押
圧片を内方に押し込むことによつて蓋体と容器本
体の前端縁における係合が直接的に解除され、押
圧片に加える力を小さいものとすることができる
とともに蓋体の開放時に軋み音等が発生すること
のないサイドプツシユ式コンパクト容器を提供す
るにある。

以下に本考案の好適な実施例を示す添付図面を
参照にして本考案を詳述する。

図には、化粧料等を収納するコンパクト容器を
示し、このコンパクト容器では容器本体１に対し
て蓋体２が枢軸ピン３−３によつて開閉自在に結
合されている。容器本体１には化粧料を入れる皿
枠４が上方から着脱自在に嵌合され、皿枠４の前
方縁部には透孔５が穿設されている。蓋体２の中
央部内面には鏡６が接着されており、また、その
前端部からは第１の外向きのフツク状爪片７が垂
下形成され、この爪片７は皿枠４の前方透孔５を
下方に貫通している。

本願考案では容器本体１の一方の側縁部から前
端中央縁部に至る、第１図の平面図に示すように
折曲した空所８を形成している。この空所８は図
示の例では平面階段状（クランク状）に折曲形成
されており、平面的に皿枠４と重合する部分では
皿枠４の下方部に形成されており、皿枠４の前方
部では容器本体１の上端に開口している。この空
所８内にはこの空所の形状と類似した形状に折曲
形成されかつ空所よりも充分に小さな形状の押圧
片９が挿入され、この押圧片９はその中央角部が
これと一体的に形成された縦突軸１０によつて容
器本体１に枢着され、縦突軸１０を中心として水
平面方向に揺動自在となつている。この押圧片９
の一端１１は容器本体１の側部から露出した操作
部となつており、またその他端１２は皿枠４の前
方部において上方に延長した第２の内向きのフツ
ク状爪片となつている。押圧片９の上記操作部１
１に対向する内側端には弾性部片１３が一体的に
形成され、この弾性部片１３は容器本体１の空所
８を画成する内壁面に圧接し、これによつて操作
部１１を常時外側方向に付勢している。

押圧片９に外力が加えられていない状態におい
て、蓋体２を閉じると蓋体２の前端部から垂下し
た第１のフツク状爪片７が皿枠４の透孔５を貫通
して、その下方に位置する押圧片９の第２のフツ
ク状爪片１２を若干前方に押し除けるようにして
これと係合して、第１図及び第２図に示すように
蓋体２は止錠位置を占める。

このような止錠位置にあるコンパクト容器を例
えば左手の掌に載せて、その親指を押圧片９の操
作部１１に当てがつてこれを内方に押し込むと、
押圧片９は、縦突軸１０を中心とし弾性部片１３
に抗して傾動し、このため押圧片９と一体の第２
のフツク状爪片１２は前方へ回動して、第３図及
び第４図に示すように、蓋体２の第１のフツク状
爪片７と離脱する。従つて、蓋体２の止錠は解除
され、以後は右手の親指を蓋体２の前端縁に当て
がつて蓋体を自由に開放することができるのであ
る。

以上のように本考案のコンパクト容器によれ
ば、容器本体１の側縁部に露出した押圧片９の操
作部１１を内方に押し込むことによつて蓋体と容
器本体の前端縁における係合を直接的に解除する
ことができるので、押圧片に加える力を小さなも
のとすることができるとともに蓋体の開放時に軋
み音を発生することのないコンパクト容器とする
ことができる。

また、本考案のコンパクト容器を通常の使用状
態で掌に載せてた時、その手の親指が押圧片９の
操作部１１に位置するため、この手の親指を内方
に押圧することによつて解錠することができ、使
用上極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案にかかるコンパクト
容器の止錠状態における一部破断平面図と側断面
図であり、第３図及び第４図は上記コンパクト容
器の解錠状態における一部破断平面図と側断面図
である。 １……容器本体、２……蓋体、７，１２……フ
ツク状爪片、８……空所、９……押圧片、１０…
…縦突軸、１１……操作部、１３……弾性部片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料等を収納する容器本体１に一方の側縁部
   から前端中央縁部に至る折曲した空所８を形成
   し、該空所８内にはこれよりも充分に小さな類似
   形として形成された押圧片９を配設し、該押圧片
   ９はその中間部が縦軸によつて枢着されるととも
   にその一端が該容器本体１の該側縁部から外部に
   露出されかつその他端には蓋体の前端部から垂下
   する第１のフツク状爪片７と係合する第２のフツ
   ク状爪片１２が形成されてなり、該第１のフツク
   状爪片７と該第２のフツク状爪片１２とが係合さ
   れた蓋体２の止錠位置において、該押圧片９の該
   一端を内方に押圧することにより該他端が該縦軸
   を中心として一部回動し、該第２のフツク状爪片
   １２が該第１のフツク状爪片７から離脱してなる
   ことを特徴とするサイドプツシユ式コンパクト容
   器。