JPS6214312Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はかぶせ式折戸用スライドローラー装置
に関する。

従来、折戸ａは第１図に示す如く、その上端に
ローラー部材ｂを取着し、これを折戸取付用枠体
の上壁ｃに敷設された折戸吊持用レールｄに、同
折戸ａが開閉自在なるよう係合案内してなるもの
が用いられている。

上記ローラー部材ｂは、折戸ａの上端に固着し
た基体b′に調整螺子b″を介して取着され、当該調
整螺子b″にて折戸ａの取付高さを調整可能とし
ている。

ところが上記の如き折戸ａではなく、同図に一
点鎖線で示した如く上壁ｃと下壁c′の開口端に、
かぶさるようになる所謂かぶせ式折戸a′の場合に
は、ローラー部材には、どうしてもヒンジ機構が
必要となり、このため同折戸a′には蝶番の一部材
が取り付けられるので、当該折戸a′の取付高さを
調整するには、同折戸a′に取付けられるヒンジの
取付位置を変えねばならず、従つて取付高さの調
整に長時間手間をかけねばならない難点があつ
た。

そこで本考案は上記従来の難点に鑑み、かぶせ
式折戸の取付高さを容易に調整可能としたかぶせ
式折戸用のローラー装置がを提供するのが、その
目的である。

以下本考案の一実施例を示した図面について詳
述すれば、縦断側面を示した第２図のようにかぶ
せ式折戸１の上端部と下端部に夫々ヒンジ２，２
を介して取着される上ローラー部材３と下ローラ
ー部材４とで構成されている。

上記上ローラー部材３は、第３図に示す如く走
行部５とヒンジ取着部６とから形成され、走行部
５にはヒンジ取着部６の連結片６′が上下動自在
に嵌合されると共に、これら走行部５とヒンジ取
着部６とが互いに螺杆や図示しないカム機構等に
よる調高部材７により連結されている。

さらに詳しく説示すれば、上記走行部５は第４
図及び第５図に明示するように、合成樹脂等から
なる基体８に、側面コ字形の座金９を被嵌すると
共に、同座金９の一側に２個、他側に１個夫々ロ
ーラー１０が軸装されており、上記基体８の両端
側には前記ヒンジ取着部６の連結片６′を嵌合す
る嵌合穴１１，１１が穿設され、同基体８、座金
９には調高部材７を螺合する雌ねじ１２，１３が
同軸に螺刻されている。

また上記ヒンジ取着部６は第６図に示す如く、
金属板を折曲して一側が開口した枠体１４を形成
すると共に、その上端両側から前記連結片６′を
突出すべくＬ字形の突片１５，１５が延設され、
さらに上記枠体１４には、その両側板に前記ヒン
ジ２を締着固定するため係合される凹溝１６，１
６と、その底板調高部材７を挿通するための挿通
孔１７とが夫々穿設された構成となつている。

一方下ローラー部材４は第７図に示す如く、上
ローラー部材３のヒンジ取着部６と同じく、金属
板を折曲して一側が開口した枠体１８を形成する
と共に、その上端両側からローラー１９，１９を
軸装した水平板２０，２０が延設され、さらに上
記枠体１８の両側板には、前記ヒンジ２を締着固
定するため係合される凹溝２１が穿設された構成
となつている。

また上記両ローラー部材３，４に連結されかぶ
せ式折戸１に取り付けられるヒンジ２は、上記ロ
ーラー部材３，４の枠体１４，１８に固定する連
結部２２と、第１０図の如く当該折戸１の凹所１
ａに嵌着した後、ビス止め等にて折戸１に固定さ
れるカツプ形状のソケツト２３をリンク２４，２
５にて連結してなり、上記連結部２２の先端部２
２′は枠体１４，１８に嵌合自在な寸法に形成さ
れていると共に、同先端部２２′には、上記枠体
１４，１８の凹溝１６，２１に挿通される螺杆２
６を締着するための雌ねじ２７が螺刻され、当該
ヒンジ２は第９図に示す如く連結部２２の先端部
２２′を上ローラー部材３の枠体１４に嵌合し、
同枠体１４の凹溝１６に上記螺杆２６を挿通締着
して取り付けられる。

そこで上記構成の装置を用いるには、第２図の
ａ〜ｄ及び第１０図に示す如くかぶせ式折戸１の
上端部と下端部とに、夫々ヒンジ２を介して上ロ
ーラー部材３と下ローラー部材４とを取着し、当
該両ローラー部材３，４をかぶせ式折戸取付用枠
体２８の上壁２９及び下壁３０の夫々上面または
下面に夫々敷設された折戸吊持用レール３１と折
戸案内用レール３２とに、かぶせ式折戸１が開閉
自在なるよう係合案内すればよく、その際、既知
の如く当該折戸１，１′……相互は図示しない蝶
番にて連結されると共に、基端側の折戸１′はヒ
ンジ３４等にて折戸取付用枠体２８に取り付けら
れる。

しかして上記折戸１の取付高さを調整するに
は、上ローラー部材３の調高部材７にて走行部５
とヒンジ取付部６との間隔を調整することによつ
て行なわれる。

また上下両ローラー部材３，４の枠体１４，１
８とヒンジ２の連結部２２との取付位置を螺杆２
６にて調整することにより、かぶせ式折戸１の前
後の取付位置を調整することもできる。

以上説明した通り、本考案よるときは、かぶせ
式折戸１の上端部、下端部には、夫々ヒンジ２，
２を介して上ローラー部材３と下ローラー部材４
とを取着し、前記かぶせ折戸式１が開閉自在なる
よう、当該両ローラー部材３，４をかぶせ式折戸
取付用枠体２８の上壁２９及び下壁３０に夫々敷
設された折戸吊持用レール３１、折戸案内用レー
ル３２に係合してなるかぶせ式折戸用スライドロ
ーラー装置において、前記上ローラー部材３を、
複数の吊車型ローラー１０，１０…が装備された
走行部５と、ヒンジ取着部６とで構成し、前記走
行部５とヒンジ取着部６の連結片６′とを、上下
方向にのみ相対移動自在なるよう、相互に嵌合す
ると共に、そのヒンジ取着部６に対して走行部５
が高さ方向に調整自在なるよう、調高部材７を介
してこれら走行部５、ヒンジ取着部６を相互に連
結し、前記吊車型の各ローラー１０，１０…を前
記折戸吊持用レール３１に係合してなることを特
徴としている。

したがつて本考案装置の場合、かぶせ式折戸１
の取付高さを調整するのに、ヒンジ２の取付位置
を変更する手数を煩わさなくとも、調高部材７を
介して走行部５を調整するだけで、複数の吊車型
ローラー１０，１０…をもつ当該走行部５の高さ
方向の調整が簡易かつ一挙に行なえ、しかも、走
行部５とヒンジ取着部６の連結片６′とが上下方
向にのみ移動自在なるよう、相互に嵌合されてい
るので、その調整に際して、吊車型ローラー１
０，１０…の向きが変化するような不具合が生ぜ
ず、これらローラー１０，１０…が常に折戸吊持
用レール３１と対応する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の折戸の取付状態を示す縦断側面
図、第２図のａ，ｂ，ｃ，ｄは本考案に係るかぶ
せ式折戸用スライドローラー装置の異種実施例の
取付状態を示す各縦断側面図、第３図ａ，ｂは同
例の一部材である上ローラー部材を示す夫々正面
図及び側面図、第４図乃至第６図ａ，ｂは同上ロ
ーラー部材の構成部品を示す夫々正面図及び側面
図、第７図ａ，ｂは同実施例の一部材である下ロ
ーラー部材を示す夫々正面図及び側面図、第８図
ａ，ｂは同例の一部材であるヒンジを示す正面図
及び一部切欠の側面図、第９図は上ローラー部材
とヒンジとの連結状態を示す斜視図、第１０図は
同例の使用状態を示す横断平面図である。 １………かぶせ式折戸、２……ヒンジ、３……
上ローラー部材、４……下ローラー部材、５……
走行部、６……ヒンジ取着部、６′……ヒンジ取
着部の連結片、７……調高部材、１０……ローラ
ー、２８……かぶせ式折戸取付用枠体、２９……
かぶせ式折戸取付用枠体の上壁、３０……かぶせ
式折戸取付用枠体の下壁、３１……折戸吊持用レ
ール、３２……折戸案内用レール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. かぶせ式折戸の上端部、下端部には、夫々ヒン
   ジを介して上ローラー部材と下ローラー部材とを
   取着し、前記かぶせ折戸式が開閉自在なるよう、
   当該両ローラー部材を、かぶせ式折戸取付用枠体
   の上壁及び下壁に夫々敷設された折戸吊持用レー
   ル、折戸案内用レールに係合してなるかぶせ式折
   戸用スライドローラー装置において、上ローラー
   部材を、複数の吊車型ローラーが装備された走行
   部と、ヒンジ取着部とで構成し、前記走行部とヒ
   ンジ取着部の連結片とを、上下方向にのみ相対移
   動自在なるよう、相互に嵌合すると共に、そのヒ
   ンジ取着部に対して走行部が高さ方向に調整自在
   なるよう、調高部材を介してこれら走行部、ヒン
   ジ取着部を相互に連結し、前記吊車型の各ローラ
   ーを前記折戸吊持用レールに係合してなるかぶせ
   式折戸用スライドローラー装置。