JPS6214303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は引違いサツシの召合せ部における引寄
せ装置に関するものである。

従来、引違いサツシの召合せ部における引寄せ
装置としては、引違いサツシにおける召合せ框の
長手方向略中間にグレモン錠を取付け、該グレモ
ン錠を施錠することにより、召合せ框の略中間を
引寄せると共に、前記グレモン錠に連結され、か
つ召合せ框内に配された上下突出杆と、該上下突
出杆にさらに連結された引寄せ片を召合せ框の上
下より突設させ、前記グレモン錠を施錠すること
により、リンク機構等を介して上下杆を召合せ框
内において上下に摺動させ、かつ上下杆に連結し
てある引寄せ片を突出させて各々レールに係止さ
せ、もつて室外側障子と室内側障子とを引寄せて
なる装置が一般に知られている。

しかし、この様な従来の引寄せ装置は、グレモ
ン錠と連結させ、召合せ框の内部に配するリンク
機構、上下杆および引寄せ片の配設が複雑であ
り、その取付作業はきわめて面倒であつた。

また、一度故障するとそのメンテナンスにかな
りの時間を要さなければならなかつた。

さらに従来の装置は前述の様に部品点数が多
く、製品として高価格にならざるを得ないという
様々な欠点を有していた。

本考案はこの様な従来の欠点を解消すべく案出
されたものであつて、部品点数も少なく、かつそ
の取付作業も簡単であり、さらに引寄せ効果に優
れ、コストの安価な引寄せ装置を提供することを
目的とするものである。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。

第１図は本考案による引寄せ装置を使用した引
違いサツシＡを示す正面図であり、第２図は第１
図の−線断面図である。

この引違いサツシＡにおける召合せ框１，２に
はその上下方向略中間にクレセント錠Ｂが取付ら
れている。すなわち第２図に示すように室外側障
子３の召合せ框１の室内側にクレセント受け４が
取付けられ、かつ室内側障子５の召合せ框２には
前記クレセント受け４に掛合しうるクレセント６
が回転可能に取付けられている。

ところで室内側障子５の召合せ框２に形成され
た引寄せ係止片７の先端にはリツプ８，８付きの
凹溝条９が室外側障子３の召合せ框１側に開口を
向けて形成されている。そしてこの凹溝条９内に
は合成樹脂等で形成された気密材Ｃが召合せ部の
間隙を塞ぐ様に配設されている。なお符号７′は
室外側障子３の召合せ框１に形成された引寄せ係
止片である。

よつて前述のクレセント錠Ｂを施錠すると、召
合せ部において室外側障子３と室内側障子５とは
引寄せられ、室内側障子５の上下方向に連続して
嵌着され框２表面から突出した気密材Ｃは室外側
障子３における召合せ框１の相接面に圧着される
ことになる。

しかし、クレセント錠Ｂによる施錠によつて
は、召合せ框１，２の長手方向略中間部分しか互
いに引寄せられることがなく、特に召合せ框１，
２の長手方向上下端部位置では、室内側障子５の
召合せ框２に取付けた気密材Ｃが室外側障子３の
召合せ框１の相接面に圧着することなく隙間が生
じてしまうことがある。

そこで本考案ではさらに召合せ框１，２の長手
方向上下端部近くに吸着部材Ｄを装着した。

以下その詳細につき説明する。

第２図は第１図の−線断面図であり、図示
する様に室内側障子５の召合せ框２においては気
密材Ｃ取付位置に隣接して取付凹条１０が形成さ
れている。そしてこの取付凹条１０内には吸着部
材Ｄであるマグネツトが嵌着されている。該吸着
部材Ｄは前記凹条１０内に嵌合している基部１１
と、該基部１１より突設された吸着部１２とから
なり、少なくとも吸着部１２は磁力を有している
ものである。吸着部材Ｄは框２表面より突出して
いる。

このマグネツトに対向する室外側障子３の召合
せ框１には、該召合せ框１の中空部Ｅ内に吸着部
材Ｄが装着されている。この吸着部材Ｄであるマ
グネツトは中空部Ｅ内から突出する係止片１３，
１３により固定されている。

また前記室内側障子５の召合せ框２に装着され
た吸着部材Ｄに対向する室外側障子３の召合せ框
１の側壁１４は肉薄に形成されており、吸着部材
Ｄ，Ｄ同士の引き合いを強力にする様考慮されて
いる。

吸着部材Ｄと気密材Ｃはその配列が框２の障子
５の内周側となる側端から外周側となる側端に向
つて気密材Ｃ、吸着部材Ｄとなつている。従つて
障子５の閉め作動時にまず気密材Ｃが他方の框１
と接して両框１，２間にクリアランスが生じた
後、吸着部材Ｄが他方の框１と対応する位置にス
ムーズに位置するため、吸着部材Ｄと框１が衝突
せず損傷しない。

よつてこの引違い障子Ａを閉めクレセント錠Ｂ
を施錠すると、召合せ框１，２の長手方向略中間
部分が引寄せられると共に、召合せ框１，２のの
長手方向上下端部に装着された吸着部材Ｄ，Ｄ同
士が引き合い、この部分においても充分な引寄せ
が得られることとなる。

以上の実施例では吸着部材Ｄとしてマグネツト
を使用したが、一方の吸着部材Ｄをマグネツト、
他方の吸着部材Ｄを鉄板としてもよい。

この考案は以上のような構成を有し以下のよう
な効果を得ることができる。

○イ 従来の引寄せ装置（グレモン錠）と比較し
て、通常のクレセントを含み、これに上下のマ
グネツト引寄せを含む全く新しい三点引寄せ装
置であり、その構造及び取付けが簡単で、かつ
部品点数も少なくコストを大幅に安くすること
ができる。

○ロ 一方の框に取付けた吸着部材は框表面から突
出しており、他方の吸着部材との吸着は良好で
あつて、簡易三点引寄せとしてその引寄せ効果
が充分に得られる。

ハ○ 気密材と吸着部材が框の障子の内周側となる
側端から外周側となる先端に向つて気密材、吸
着部材の順に配列されているため、障子の閉め
作動時にまず気密材が他方の框に接して框間に
若干のクリアランスが生じた後、吸着部材が他
方の框とすれ違うため、吸着部材は框に衝突せ
ず双方とも損傷することがない。従つて長期に
わたつてその機能を発揮することができる。

○ニ クレセント錠の引寄せに先立つて、その錠の
上下に各々吸着部材による引寄せが行われるの
で、クレセント錠の操作が引掛りなく容易に行
える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案により引違いサツシを示す正面
図、第２図は第１図の−線断面図である。 Ａ……引違いサツシ、Ｂ……クレセント錠、Ｃ
……気密材、Ｄ……吸着部材、Ｅ……中空部、１
……室外側戸の召合せ框、２……室内側戸の召合
せ框、３……室外側障子、４……クレセント受
け、５……室内側障子、６……クレセント、７，
７′……引寄せ係止片、８……リツプ、９……凹
溝条、１０……取付凹条、１１……基部、１２…
…吸着部、１３……係止片、１４……側壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室内側障子と室外側障子の召し合せ框１，２に
   はその上下方向の中間部に両召し合せ框１，２を
   互いの方向へ引寄せるクレセント錠Ｂを配設して
   いる引違いサツシにおいて、引寄せ係止片７，
   ７′を有する召し合せ框１，２の上下端近くに少
   なくとも一方がマグネツトで他方がマグネツト若
   しくは鉄板である吸着部材Ｄを各々取付け、一方
   の召し合せ框２には該吸着部材Ｄと気密材Ｃを該
   框２の表面から突出して設け、その配列を框２の
   障子の内周側となる側端から外周側となる側端に
   向つて気密材Ｃ、吸着部材Ｄの順にしたことを特
   徴とする引違いサツシにおける召合せ部の引寄せ
   装置。