JPH0610074Y2 - 引違い引戸の引寄せ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、引違い引戸の引寄せ構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

引違い引戸の場合、引戸を単に閉めただけでは、引戸と
窓枠とが密着せず、さらに四枚引戸の引違い引戸にあっ
ては、召合わせ框どうしが密着しないめた引戸回りの気
密保持を完全にできない場合が多い。

このため、引違い引戸には、引戸を窓枠の片側に引き寄
せて引戸周縁部を窓枠に密着させ、さらに四枚引戸の引
違い引戸にあっては召合わせ框どうしを引き寄せ密着さ
せるための引き寄せ構造を取付けることが多い。

この種の引戸引寄せ構造として実開昭６０−191661号公
報に開示されているものがある。

当該公報に開示されている引戸引寄せ機構は、引戸竪框
の上下両端部と窓枠の上枠と下枠の底部に引寄せブロッ
クを取付け、この引寄せブロックをハンドル操作するこ
とにより引戸の窓枠側への引寄せと召合わせ框どうしの
引寄せを可能にしたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この引戸引寄せ構造だと、引戸の窓枠側への引
寄せをおこない、続いて、召合わせ框どうしの引寄せを
おこなう構成になっている。

このため、引戸の窓枠への引寄せは、可能でも召合わせ
框どうしの引寄せは引戸を窓枠側に引寄せ、窓枠に密着
させたことにより引戸が動きにくくなっているので、う
まくできないことがある。できても引寄せが不十分で、
召合わせ框間にすき間ができてしまうことがある。さら
に、召合わせ框どうしを引寄せるにはハンドルに相当の
力をこめと引寄せブロックを操作する必要がある。

この考案は、このような前記従来の問題点を解消するた
めに提案されたもので引戸の窓枠側への引寄せと召合わ
せ框どうしの引寄せとを同時におこなえる構成とするこ
とにより、引戸の引寄せをワンタッチでおこなうことが
でき、しかも引戸周辺部および召合わせ部の気密を確実
に保持することができる引戸引寄せ構造を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、引違い引戸の引寄せ構造に関するもので、
窓枠の上枠７中間に上方枠側引寄せブロック９を設け、
窓枠の下枠８の中間に下方枠側引寄せブロック１０を設
け、前記窓枠に建付けられた引戸１には竪框３内に引戸
の中間高さに設けられたハンドル操作により上下移動可
能なロッド４を設け、そのロッド４の上下両端部には、
ロッド４の上下移動により上下移動して前記上下枠側引
寄せブロック９，１０を押圧する上下戸側引寄せブロッ
ク５，６が取付けてあり、上方戸側引寄せブロック５と
上方枠側引寄せブロック９との当接面に引戸１の室内外
方向および幅方向にそれぞれ対向するテーパ部を形成
し、前記下方戸側引寄せブロック６と下方枠側引寄せブ
ロック１０との当接面に引戸の幅方向にそれぞれ対向す
るテーパ部を形成し、かつ下方枠側引寄せブロック１０
と固定ブロック２０に、引戸の室内外方向にそれぞれ対
向するテーパー部を形成して引戸を窓枠の室内側部に押
圧し、かつ召合わせ框を引寄せて密着するようにしてあ
る。

〔実施例〕

以下、この考案を図示する一実施例によって説明する
と、第７図は、四枚引戸を示したもので、中央の２枚の
引戸１，１は両側に開けることができ、左右両端の引戸
２，２は固定戸である。

引戸１，１の召合わせ框３，３および戸尻側の竪框３
ａ，３ａの中に１本のロッド４，４がこれらの竪框３
ａ，３ａの上下方向に沿って設置され、このロッド４，
４の上下両端部に上下それぞれの戸側引寄せブロック
５，６が取付けられている（第１図参照）。

また、これらの竪框３．３ａのほぼ中央部にハンドル
Ａ，Ａがロッド４，４に連結した状態で取付けられ、こ
のハンドルＡ，Ａを回転することによりロッド４，４を
上下移動することができ、したがって上下戸側引寄せブ
ロック５，６を上下移動できる構成になっている。

また、窓枠の上枠７の中間部および下枠８の中間部の枠
底部には上下それぞれの枠側引寄せブロック９，１０が
上下戸側引寄せブロック５，６に上下方向に対向した状
態で取付けられている。

戸側引寄せブロック５の上端部にはテーパ部１１が形成
されている。テーパ部１１は室外方向（矢印Ｘ方向）に
面して形成され、かつ上端方向に移行するにつれて室内
側に徐々に傾斜する斜面状に形成されている。

また、上枠側引寄せブロック５，５にはテーパ部１２が
形成されている。テーパ部１２は引戸の戸尻側方向（矢
印Ｙ方向）に面して形成され、かつ上端方向に移行する
につれ戸先方向に徐々に傾斜する斜面上に形成されてい
る。

また、下方戸側引寄せブロック６の下端部には垂下部６
ａが突設され、この垂下部６ａにテーパ部１３が形成さ
れている。テーパ部１３は、引戸１の戸尻側方向に面し
て形成され、かつ下端方向に移行するにつれて戸先側方
向に徐々に傾斜する斜面状に形成されている。

上方枠側引寄せブロック９は、ベース部１４と立上り部
１５，１５とから一体的に形成され、上枠７の底部に複
数本の取付ねじ１６，１６によってねじ止めすることに
より取付けられている。

立上り部１５には、テーパ部１７，１８が形成されてい
る。

テーパ部１７は、室内側に面して形成され、かつ下端方
向に移行するにつれて室外方向に徐々に傾斜する斜面状
に形成されている。

テーパ部１８は、引戸１の戸先側方向に面して形成さ
れ、かつ下端方向に移行するにつれて戸尻側方向に徐々
に傾斜する斜面状に形成されている。

下方枠側引寄せブロック１０は、下枠８のレール８ａに
複数本の取付ねじ１６，１６でねじ止めすることにより
取付けられている。

下方枠側引寄せブロック１０にはテーパ部１９が形成さ
れている。テーパ部１９は引戸１の戸先側方向に面して
形成され、かつ上端方向に移行するにつれ、徐々に戸尻
側方向に傾斜する斜面状に形成されている。

これらの引寄せブロックのテーパ部がこのように形成さ
れていることにより、上方戸側引寄せブロック５、上方
枠側引寄せブロック９とのテーパ部１１，１７、テーパ
部１２，１８が一定間隔を有して対向し、かつ下方戸側
引寄せブロック６と下方枠側引寄せブロック１０とのテ
ーパ部１３，１９がそれぞれ一定間隔を有して対向して
いる。

また下方枠側引寄せブロック１０と固定ブロック２０
に、引戸の室内外方向にそれぞれ対向するテーパー部２
１，２２を形成してある。

このような構成において、ハンドルＡを回して上方戸側
引寄せブロック５を上に押上げ、下方戸側引寄せブロッ
ク６を下に押しこむと、上方戸側引寄せブロック５は、
テーパ部１１で上方枠側引寄せブロック９のテーパ部１
７を上方戸側引寄せブロック５のテーパ部１２で上方枠
側引寄せブロック９のテーパ部１８を強く押し付けなが
ら上に押し上げられ、かつ下方戸側引寄せブロック６
は、それのテーパ部１３で下方の枠側引寄せブロック１
０のテーパ部１９を強く押し付けながら下方に押し下げ
られる。また下方枠側引寄せブロック１０と固定ブロッ
ク20のテーパー部２１，２２が接する。

その結果、左右引戸１，１は室内側および戸先側に同時
に移動し、引戸１，１の周縁部は、窓枠の室内側部に強
く押し付けられ、窓枠に密着するため引戸１周縁部の気
密が図れる。

また、これと同時に左右の引戸１，１の召合わせ竪框
３，３も互いに強く引寄せられ、互いに密着するため、
召合わせ竪框３，３間の気密も図れる。

〔考案の効果〕 引戸の中間高さに設けた一つのハンドル操作によって
引戸の窓枠側への引寄せと召合わせ竪框どうしの引寄せ
を同時におこなうことができる。

引戸の窓枠側への引寄せと召合わせ竪框どうしの引寄
せを同時に行える構成になっているので、引戸の窓枠側
への引寄せがされたことにより召合わせ竪框どうしの引
寄せができにくくなるようなことはなく、いずれの引寄
せもワンタッチでしかも確実におこなうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の一実施例を示したもので、第１図は
第７図におけるＩ−Ｉ線断面図、第２図は引寄せブロッ
ク構造を示す側面図、第３図は第２図におけるII−II線
断面図、第４図は第３図におけるIII−III線平面図、第
５図および第６図は引寄せブロック構造を示す斜視図、
第７図は四枚の引戸の正面図、第８図は平断面の概要図
である。 Ａ……ハンドル １，２……引戸、３……召合わせ框、４……ロッド、５
……上方戸側引寄せブロック、６……下方戸側引寄せブ
ロック、７……上枠、８……下枠、９……上方枠側引寄
せブロック、１０……下方枠側引寄せブロック、１６…
…取付ねじ、１１，１３，１７，１８，１９，２１，２
２……テーパ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】窓枠の上枠７中間に上方枠側引寄せブロッ
   ク９を設け、窓枠の下枠８の中間に下方枠側引寄せブロ
   ック１０を設け、前記窓枠に建付けられた引戸１には竪
   框３内に、その竪框３の引戸の中間高さに設けられたハ
   ンドル操作により上下移動可能なロッド４を設け、その
   ロッド４の上下両端部には、ロッド４の上下移動により
   上下移動して前記上下枠側引寄せブロック９，１０を押
   圧する上下戸側引寄せブロック５，６が取付けてあり、
   上方戸側引寄せブロック５と上方枠側引寄せブロック９
   との当接面に引戸１の室内外方向および幅方向にそれぞ
   れ対向するテーパ部を形成し、前記下方戸側引寄せブロ
   ック６と下方枠側引寄せブロック１０との当接面に引戸
   の幅方向にそれぞれ対向するテーパ部を形成し、かつ下
   方枠側寄せブロック１０と固定ブロック２０に、引戸の
   室内外方向にそれぞれ対向するテーパ部を形成し、引戸
   を窓枠の室内側部に押圧し、かつ召合わせ框を引寄せて
   密着するようにしてあることを特徴とする引違い引戸の
   引寄せ構造。