JPS6213852Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ウインドガラスの周縁モールに係
り、特に、接着式ウインドガラスの周縁に装着さ
れるモールの改良に関する。

一般に、ウインドガラスの取付構造としては、
第１図及び第２図に示すように、車体側にウイン
ドガラス１を支持する窓枠フランジ２を形成し、
この窓枠フランジ２に接着剤３を充填させる一
方、ウインドガラス１の周縁裏面には予めダムラ
バー４を固着し、このダムラバー４によつて接着
剤３のはみ出しを防止しながらウインドガラス１
を窓枠フランジ２に固着するようにしたものがあ
る。

このタイプにおいて、上記ウインドガラス１の
周縁と窓枠フランジ２との間には間隙５が形成さ
れてしまう関係上、従来にあつては、ウインドガ
ラス１の周縁にモールＭを装着し、このモールＭ
によつて上記間隙５を隠蔽するようにしていた。

従来におけるこの種のモールＭは、第２図に示
すように、合成樹脂等で一体成形されており、ウ
インドガラス１の周縁と窓枠フランジ２との間隙
５を覆う装飾部６と、この装飾部６の裏面中央か
ら内方に向かつて延び且つ先端にやじり状のアン
カ部８を備えてなる脚部７とで構成され、このモ
ールＭは、上記脚部７のアンカ部８を接着剤３に
埋設させることにより、ウインドガラス１の周縁
に固定される。尚、第２図中、９は、脚部７の両
側から外方に向かつて突出するリツプであり、こ
のリツプ９は、モールＭ装着時において、ウイン
ドガラス１の端縁及び窓枠フランジ２の立上り部
分に弾接し、モールＭの浮上りを防止すると共
に、モールの位置決めを行うものである（米国特
許明細書第4165119号参照）。

然しながら、このような従来のウインドガラス
の周縁モールにあつては、モールＭは、脚部７の
アンカ部８を接着剤３内に埋設させてウインドガ
ラス１の周縁に固定されていたので、例えば、モ
ールＭが損傷してモールＭを交換する必要が生じ
た場合には、装着されているモールＭを取外す
他、新たなモールＭの脚部７を埋設するのに必要
な深さまで接着剤３を刃物等で削り取らなければ
ならず、この接着剤３の取除き作業が極めて面倒
なものであるばかりか、接着剤３の取除き作業が
ウインドガラス１と窓枠フランジ２との間に溝を
堀るような作業となるため、時として刃物等が車
体パネルに当たり塗装面を傷付け、そこから発錆
するという虞れがあつた。また、モールＭの装着
時にモールＭが接着材の圧力で外方に向けて押し
出されて浮き上がり、波打つことがあるため、こ
の予防の為に何等かの措置を取る必要がある、と
いう問題がある。

本考案は以上の観点に立つて為されたものであ
つて、その目的とするところは、モール交換時に
おいて、接着剤の取除き作業を不要とし、もつ
て、新たなモールの接着作業性を簡略化できるよ
うにしたウインドガラス周縁モールを提供するこ
とである。そしてその目的を達成するための手段
は、車体に接着固定されるウインドガラスの周縁
と車体との間隙を覆う装飾部と、この装飾部の裏
面から内方に向かつて延び且つその先端アンカ部
が接着剤内に埋設固定される脚部とを備えてなる
ウインドガラスの周縁モールにおいて、上記脚部
にはその先端から基部にかけて任意段のアンカ部
より下方部分を切削して短寸の脚部を形成し得る
ように複数段のアンカ部を形成する一方、上記装
飾部の裏面車体側には内側に向けて延び、車体に
取り付けた固定手段と係合する係止片を形成した
ことである。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて本考案
を詳細に説明する。

第３図乃至第６図に示す実施例において、モー
ルＭは、合成樹脂等により長尺に一体成形されて
おり、ウインドガラス１の周縁と窓枠フランジ２
との間隙５を覆う装飾部６と、この装飾部６の裏
面中央より内方に向かつて延びる脚部７と、上記
装飾部６の裏面車体側より内方に向かつて延びる
係止片１０とで構成されている。

この実施例において、上記脚部７にはその先端
から基部にかけて複数段、例えば、二段のアンカ
部８ａ，８ｂが形成されている。即ち、アンカ部
８ａは脚部７の先端においてやじり状に形成され
ると共に、アンカ部８ａは脚部７の中間部位にお
いてやじり状に形成されている。又、上記係止片
１０には複数の係止段部１１が形成されている。

又、上記モールＭが装着される窓枠フランジ２
の立上り部分には、上記モールＭの係止片１０が
嵌挿係止される凹部１２を備えてなる固定手段と
してのフアスナ１３が接着テープ等により予め固
定されている。尚、上記凹部１２内には係止片１
０の係止段部１１が係合する係止部１４が形成さ
れている。

従つて、この実施例に係るウインドガラスの周
縁モールにおいて、このモールＭをウインドガラ
ス１の周縁に装着する場合には、第３図及び第４
図に示すように、窓枠フランジ２に予めフアスナ
１３を固着すると共に、ウインドガラス１を接着
剤３を介して窓枠フランジ２に固着した後、接着
剤３が硬化する前においてモールＭの脚部７を接
着剤３内に挿入すると共に、上記係止片１０をフ
アスナ１３に係合させればよい。この状態におい
て、上記脚部７の先端アンカ部８ａは接着剤３内
に埋設されているため、接着剤３が硬化した時点
で、モールＭは固定される。又、上記係止片１０
がフアスナ１３に係合している関係から、モール
Ｍの浮き上りは有効に規制され、モールＭ装着時
におけるモールＭの波打ち現象等は確実に防止さ
れる。尚アンカ部８ｂは接着剤３内に埋設されな
いようになつている。

又、上記モールＭを交換する場合において、装
着されたモールＭを取外すには、モールＭの脚部
７を接着剤３から引き抜くと共に、工具等を用い
て係止片１０とフアスナ１３との係合を解除した
後、モールＭを外方に引き上げればよい。このと
き、モールＭの取付部では、硬化した接着剤３が
そのまま残存すると共に、フアスナ１３もそのま
まの状態を保つている。この状態において、同様
な構造を有する新たなモールＭを装着する場合に
は、第５図に示すように、モールＭの脚部７のア
ンカ部８ｂから先端にかけての部分（第５図中二
点鎖線で示す）を刃物等で切削して脚部７を短寸
にする一方、上記硬化した接着剤３の上面には新
たな接着剤３ａを盛付け、この状態において、第
６図に示すように、接着剤３ａが硬化する前に脚
部７のアンカ部８ｂを接着剤３ａ内に挿入すると
共に、上記係止片１０をフアスナ１３に係合させ
る。この後接着剤３ａが硬化すれば、上記モール
Ｍが固定されることになる。

尚、上記実施例では、脚部７に設けられるアン
カ部８ａ，８ｂは二段のものが示されているが、
アンカ部８ａ，８ｂの数はこれに限定されるもの
ではなく、複数段設けて差支えない。更に、モー
ルＭの固定手段についても上記実施例で示すフア
スナに代えてクリツプ等を用いてもよい。

以上説明したように、本考案に係るウインドウ
ガラスの周縁モールによれば、モールの脚部に
は、その先端から基部にかけて任意段のアンカ部
より下方部分を切削して短寸の脚部を形成し得る
ように複数段のアンカ部を形成する一方、上記装
飾部の裏面車体側には内側に向けて延び、車体に
取り付けた固定手段と係合する係止片を形成する
ようにしたから、モールの交換時には新たなモー
ルの脚部を短寸とし、この脚部をモール取付部に
新たに盛りつけた接着剤内に埋設すればよく、従
来のように接着剤の取りのぞき作業が不要となり
モル交換時におけるモールの装着作業性が大幅に
向上するほか、モールの装着時にモールが接着材
の圧力で外方に向けて押圧されても浮き上がるこ
とがなく、モールの波打ち現象を有効に防止する
ことができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はウインドガラスの周縁モールの取付位
置を示す自動車の斜視図、第２図は従来における
ウインドガラスの周縁モールの一例を示す第１図
中−線断面図、第３図乃至第６図は本考案に
係るウインドガラスの周縁モールの一実施例を示
し、第３図はモールとモール取付部との構造を示
す断面図、第４図はモールの取付状態を示す断面
図、第５図はモール交換時におけるモールとモー
ル取付部との構造を示す断面図、第６図はモール
交換時におけるモールの取付状態を示す断面図で
ある。 Ｍ……モール、１……ウインドガラス、２……
窓枠フランジ、３，３ａ……接着剤、６……装飾
部、７……脚部、８，８ａ，８ｂ……アンカ部、
１０……係止片、１３……フアスナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に接着固定されるウインドガラスの周縁と
   車体との間隙を覆う装飾部と、この装飾部の裏面
   から内方に向かつて延び且つその先端アンカ部が
   接着剤内に埋設固定される脚部とを備えてなるウ
   インドガラスの周縁モールにおいて、上記脚部に
   はその先端から基部にかけて任意段のアンカ部よ
   り下方部分を切削して短寸の脚部を形成し得るよ
   うに複数段のアンカ部を形成する一方、上記装飾
   部の裏面車体側には内側に向けて延び、車体に取
   り付けた固定手段と係合する係止片を形成したこ
   とを特徴とするウインドガラスの周縁モール。