JPS628167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車体に取り付けられるウインドガラ
スの周縁モール固定構造に係り、特に周縁モール
の接着固定時におけるモールの浮き上がりを防止
することができるウインドガラスの周縁モール固
定構造に関する。

従来、自動車の車体窓枠１にウインドガラス２
を取り付ける際にはウインドガラス２は第２図に
示すように、車体窓枠１の折り曲げ成形された開
口縁部にシーラント等の接着剤３を充填し、これ
をダム４によつてはみ出しを防止しながらウイン
ドガラス２を接着固定している。そしてこのウイ
ンドガラス２周縁と車体窓枠１との間隙を覆つて
目かくしするために、従来においては上記間隙を
覆う装飾部５と、その裏面より延び先端がウイン
ド固定用の接着剤３内に埋設固定される脚部６と
を有する樹脂モールＭが配設されている。

しかしながら、上記従来の樹脂モールＭの固定
構造にあつては、脚部６の先端部を接着剤３内に
押し込んで埋設することのみにより固定するよう
にしているため、接着剤３の弾力により脚部６の
先端部が押し上げられて装飾部５に所謂波打ち現
象が発生して樹脂モールＭの取付品質の均一化を
図れず、また接着剤３の量が少ない場合には、脚
部６の先端部が十分接着剤３内に埋設保持されな
いので保持力が不足し、樹脂モールＭが脱落し易
い等の不具合を有していた。

また、従来提案されている他のウインドガラス
周縁モール固定構造としては、実公昭52−2967号
がある。これは、車体と窓ガラスとの間隙を覆う
表装部と、該表装部と一体的な１以上の取付脚を
設け、該取付脚には車体に接着した窓ガラスの端
面陵部に掛合する部分と、該窓ガラス端面と相対
向した車体側に設けた係止部に係合する部分を形
成した合成樹脂よりなるモールデイングを用いて
ウインドガラス周縁を固定してなるものである
が、このモールデイングは、ただ単に合成樹脂の
取付脚の弾性力でのみ保持されているため、この
保持力を確保するためには、この弾性力を強くす
る必要がある。そのためこのモールデイングを挿
入するための挿入力も増加し作業性が悪化する
他、当接する車体パネルを傷付ける虞れがある。

この考案はかかる従来の不具合を一掃すべくな
されたものであつて、車体窓枠の周縁壁にウイン
ドウガラスと車体との間隙開口より奥部に向かつ
て拡開するように傾斜面を形成し、上記リツプが
上記傾斜面に当接し係合させることによつて、上
記モールの装着手段性、装着具合及び外観品質を
損なうことなく、周縁モールの固定時における浮
き上り及び抜け出しを防止することができるウイ
ンドガラスの周縁モール固定構造を提供しようと
するものである。

以下、添付図面に示す実施例に基づき、この考
案を詳細に説明する。

第３図はこの考案の実施例を示し、この実施例
においてウインドガラス２は、車体窓枠１の縁部
にダム４等の部材によつてせき止め充填された接
着剤３によつて接着固定されている。そしてこの
接着剤３にはウインドガラス２と車体窓枠１との
間においてモールＭが埋め込み固定されている。

このモールＭは樹脂等の可撓性材料を一体成形
して作られており、ウインドガラス２の上面と車
体窓枠１とにその内外周縁が当接し、これら両部
材１，２の間隙を覆う装飾部１０と、この装飾部
１０の裏面から内方に延びた脚部１１とから構成
されている。そして、この脚部１１にはアンカ部
１２とリツプ１３とが形成されている。アンカ部
１２は上記脚部１１の先端に形成されていて、ウ
インドガラス２を接着した接着剤３がまだ流動性
を有する間に押し込むことにより、このアンカ部
１２は接着剤３内に埋め込むことができ、接着剤
３が硬化した時にアンカ部１２は接着剤３中に埋
設固定される。またリツプ１３は脚部１１の幹部
に、その先端が上記装飾部１０の方向に向くと共
に、それぞれウインドガラス２の周側壁２ａ方向
及び車体窓枠１の周側壁１ａ方向に向けてモール
Ｍの外周縁又は内周縁を形成するよう一体に複数
枚形成されていて、このリツプ１３はモールＭ固
定時には縮小し、モールＭのアンカ部１２を接着
剤３に埋め込んだ後は、その先端がウインドガラ
ス２の周側壁２ａと車体窓枠１の周側壁１ａに弾
接して拡開しモールＭが抜出方向に移動しないよ
うに構成されている。

そして、モールＭの固定時にモールＭが接着剤
３の反力により浮き上がるのを防止するため、係
止手段としてウインドガラス２の周側壁２ａを傾
斜面とし、かつ車体窓枠１の周側壁１ａも周側壁
２ａとは逆向きの傾斜面として、ウインドガラス
２と車体窓枠１との間隔を第３図に示すように断
面ハ字状としてリツプ１３の抜出し防止効果を大
きくしている。

従つて、上記モールＭを組付けようとするとき
には、上記モールＭの脚部１１を上記間隙に押し
込むだけで良く、この場合、脚部１１のリツプ１
３は、ウインドガラス２の周側壁２ａと車体窓枠
１の周側壁１ａに拘束され且つ摺接するので、該
リツプ１３は上記モールＭを導くガイド部材とし
て働くことになり、上記脚部１１は上記間隙の略
中間に位置しながら傾くことなく滑らかに挿入さ
れる。このため、モールＭの装着作業性が損なわ
れないと共に、上記脚部１１が傾かないことから
モールＭの姿勢を一定なものとして保持すること
ができるので、上記モールＭの装着具合も損なわ
れない。

以上説明してきたように、本考案に係るウイン
ドガラスの周縁モール固定構造によれば、先端が
接着剤に埋設される脚部と、該脚部の外周及び内
周に延設される複数のリツプとを備えてなるモー
ルを前提とし、このようなモールの抜出方向への
移動を規制するように、車体窓枠の周側壁に奥部
に向かつて拡大するような傾斜面を形成し、リツ
プを傾斜面に当接、係止させることにより上記リ
ツプが有効に押え込まれ、それ故、固化前の接着
剤の反力によりモールが押し上げられることはな
く、モールの浮き上り、及び抜け出しを防止する
ことができる。また、接着剤固化後は上記脚部の
先端が接着剤に確実に埋設固定されることにな
り、そのため、モールの保持が確実になつて、例
えば、車体振動等によつても上記モールが抜け出
してくるという事態が防止される。更に、車体窓
枠を必要な角度だけ折曲するだけで傾斜面を形成
できるので製造が簡便である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案が適用される自動車の斜視
図、第２図は従来のモール固定構造を示す第１図
Ａ−Ａ線相当断面図、第３図はこの考案の第１実
施例に係るモール固定構造を示す第１図Ａ−Ａ線
断面図である。 ２……ウインドガラス、Ｍ……モール、１０…
…装飾部、１１……脚部、１３……リツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に接着剤で固定されるウインドウガラス２
   周縁と車体との間隙を覆う装飾部１０と、該装飾
   部１０の裏面から内方に延び、先端が上記接着剤
   に埋設される脚部１１と、上記脚部１１の外周及
   び内周に先端を上記装飾部方向に向け延設され、
   上記ウインドウガラス２周縁及び車体に摺接する
   複数のリツプ１３とからなるウインドウガラスの
   周縁モール固定構造において、車体窓枠１の周縁
   壁１ａにウインドウガラス２と車体１との間隙開
   口より奥部に向かつて拡開するように傾斜面を形
   成し、上記リツプ１３が上記傾斜面に当接し、係
   合させることによつて周縁モールＭの抜出方向へ
   の移動を規制したことを特徴とするウインドウガ
   ラスの周縁モール固定構造。