JPH027695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車体と、該車体のウインド開口部に
固定されるウインドガラスの間に介装されるモー
ルデイングを取付けるモールデイング取付フアス
ナーの改良に関するものである。

従来車体の窓開口部、例えば第１図に示す自動
車の車体Ａのフロントウインド開口部に接着固定
されるフロントウインドガラス１は、第２図に示
すように、フロントウインド開口部２の周囲に形
成された断面略Ｌ状をなす段差部３の当接面３ａ
にダムラバー４を介して当接され、接着材５によ
り当接面３ａに固定されている。そして、該フロ
ントウインドガラス１の周縁と前記段差部３の壁
面３ｂとの間に形成された隙６を覆うため、該フ
ロントウインドガラス１と車体Ａの間にモールデ
イング７が介装されている。

前記モールデイング７は、車体Ａ側に両面テー
プ８により接着されるフアスナー９と、前記モー
ルデイング７に摺動可能に嵌挿される嵌挿部１０
ａを上方に存し、前記フアスナー９の掛止突起９
ａに掛止される掛止部１０ａを下端に有するクリ
ツプ１０により取付けられるようになされてい
る。前記フアスナー９は弾性を有する比較的硬質
の樹脂材により縦断面において略Ｕ状に形成され
ており、その一方の垂直部９ｂの上端には、前記
クリツプ１０の掛止部１０ｂを掛止する掛止突起
９ａが内側下方に向けて形成されている。又、該
フアスナー９の他方の垂直部９ｃは前記一方の垂
直部９ｂよりも高く形成され、その外側面には、
前記段差部３の壁面３ｂに固着する両面テープ８
が貼着されている。さらに、該フアスナー９の他
方の垂直部９ｃの上端には車体Ａに当接するよう
に外側に折曲されたリツプ部９ｄが形成されてい
る。

前記フアスナー９はフロントウインドガラス１
を固定する前に車体Ａに取付ける。又、前記モー
ルデイング７はフロントウインドガラス１を固定
した後、取付ける。その取付方法は、該モールデ
イングの長手方向の両側に、内側に折曲げて形成
したフランジ７ａ，７ｂにクリツプ１０の嵌挿部
１０ａを嵌挿し、摺動させて適宜間隔を存して配
置し、該クリツプ１０の掛止部１０ｂを前記フア
スナー９の掛止突起９ａに掛止させて行なう。

しかしながら、前述のようなフアスナー９のよ
うな構造では、モールデイング７の壁面側縁部７
ｃと、フアスナー９の折曲部９ｅとの間に隙Ｐ、
あるいは該折曲部９ｅに波打ち現象が生じる。し
たがつて、車両の走行により風切音が発生した
り、あるいは該隙Ｐにチリやほこり等が溜りやす
いという問題があつた。

そこで本考案は、前記従来の問題点に鑑みてな
されたものであつて、モールデイングの外側コー
ナー部とフアスナーの折曲部との間に隙等が生じ
ることのないモールデイング取付フアスナーを有
する接着式ウインドを提供することを目的とする
ものである。

そのため本考案では、窓開口部側縁の段差部の
壁面に接着されたフアスナーを硬質弾性材から成
る主体部と軟質弾性材から成る隙閉塞部とで形成
し、前記主体部の壁面垂直部から前記隙閉塞部を
一体に延設し、隙閉塞部には頂部に車体外側面に
接面するリツプ部とモールデイングの壁面側縁部
に当接して車内側に折曲げられるリツプ部とを形
成することにより所期の目的を達成するようにし
たものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

ａはモールデイング取付フアスナー（以下単に
フアスナーと称する）であつて、その主体部１１
は弾性を有する比較的硬質の樹脂材からなり、縦
断面において、当接面側に形成された底部１９
と、前記壁面３ｂに接着される背面を有する壁面
側垂直部１５と、該壁面側垂直部１５との間に掛
止間隙１８を形成する掛止用垂直部１２とで略Ｕ
字状に形成され、該掛止間隙１８は車外方向が開
口するように形成されている。該主体部１１の一
方の掛止用垂直部１２の上端には、窓ガラスであ
るフロントウインドガラス１と車体Ａとの隙６を
覆うモールデイング７を支持するクリツプ１０の
下端に形成された掛止部１０ｂを掛止する鈎状の
掛止突起１３が内側下方に向けて一体に形成され
ている。又、該掛止用垂直部１２の外側面下方に
は浮上り防止用突起１４が一体に形成されてい
る。

前記浮上り防止用突起１４はフロントウインド
ガラス１をフロントウインド開口部２の周囲に形
成された段差部３の当接面３ａに固定する接着材
５に埋込まれ、該接着材５が硬化することによつ
てフアスナーａの浮上りを確実に防止するように
したものである。

又、前記主体部１１の他方の壁面側垂直部１５
は、前記一方の掛止用垂直部１２よりも高く形成
されている。該他方の壁面側垂直部１５の上端に
は、該主体部１１よりも軟質の樹脂材あるいはゴ
ム材からなる隙閉塞部１６が主体部１１と一体に
形成されている。前記隙閉塞部１６は、車体Ａに
当接する一側のリツプ部１６ａと、モールデイン
グ７に当接する他側のリツプ部１６ｂと、前記他
方の壁面側垂直部１５の上端に一体に固着された
脚部１６ｃとで略Ｔ状に形成されている。又、前
記他方の壁面側垂直部１５の背面は前記段差部３
に両面接着テープ８等により接着されている。こ
の実施例のように両面接着テープ８により接着す
る場合脚部１６ｃの長さに応じて、該両面接着テ
ープ８の上端が前記隙閉塞部１６の脚部１６ｃに
掛つている。そして一側のリツプ部１６ａは車体
Ａの外側面１７に接面され、他側のリツプ部１６
ｂはモールデイング７の壁面側縁部７ｃに当接す
るよう車内側に折曲げられている。

また、モールデイング７の窓開口部側のフラン
ジ７ａは窓ガラス１の車外側縁部に当接されてい
る。そして、モールデイング７はクリツプ１０の
嵌挿部１０ａの車体外周面を覆うとともに、窓ガ
ラス１とモールデイング７の車体外側面と隙閉塞
部１６のリツプ部１６ａ，１６ｂと車体Ａの外側
面１７との間の段差が少ないように形成されてい
る。

車体の窓開口部に窓ガラスであるフロントウイ
ンドガラス１を接着する場合、先ず、フアスナー
ａの壁面側垂直部１５の背面を壁面３ｂに両面接
着テープ１８等により接着する。これにより隙閉
塞部１６の一側のリツプ１６ａが車体Ａの外側面
１７に接面する。またフアスナーａの掛止用垂直
部１２は車外方向に立設し、、掛止間隙１８も車
外方向に開口する。次にダムラバー４が車内側に
接着されたフロントウインドガラス１を接着材５
を介して当接面３ａに接着する。

そしてモールデイング７のフランジ７ａ，７ｂ
にクリツプ１０の嵌挿部１０ａを掛止させ、モー
ルデイング７の長手方向に摺動させ、複数のクリ
ツプ１０を適宜間隙配置する。次にクリツプ１０
の掛止部１０ｂを掛止間隙１８に差込んで掛止部
１０ｂを掛止用垂直部１２の掛止突起１３に掛止
する。その結果モールデイング７の窓開口部側の
フランジ７ａはフロントウインドガラス１の車外
側縁部に当接する。また隙閉塞部１６の他側のリ
ツプ１６ｂは軟質材であるためクリツプ１０を差
込んだときにモールデイング７の壁面側部７ｃに
当接して車内側に折曲げられる。そして、モール
デイング７の壁面側縁部７ｃと車体Ａとの間が一
側のリツプ１６ａと他側のリツプ１６ｂとで覆わ
れる。

以上述べたように本考案によれば、窓開口部側
縁の段差部の壁面に接着されたフアスナーを硬質
弾性材から成る主体部と軟質弾性材から成る隙閉
塞部とで形成し、前記主体部の壁面垂直部から前
記隙閉塞部を一体に延設し、隙閉塞部には頂部に
車体外側面に接面するリツプ部とモールデイング
の壁面側縁部に当接して先端が車内側に折曲げら
れるリツプ部とを形成したので、該フアスナーに
よりモールデイングを取付けたときには、他側の
リツプ部がモールデイングの壁面側縁部に当接し
て、該部分の隙を無くすことができる。したがつ
て、車両の走行による風切音をなくすことができ
た。又、該部分は他側のリツプ部によつて覆われ
ているため、該部分にチリやほこり等が溜ること
がなく、しかも、雨水も浸入し難くなるため、車
体の段差部等の防錆効果を向上させることができ
た。さらに、他側のリツプ部によつて隙を覆うよ
うにしたので外観上の見栄えを向上させることが
できた。

また、モールデイングの取付位置にずれが生じ
ても、リツプ部がモールデイングに弾発的に当接
するため隙が生じないようにできた。また、モー
ルデイングの組付と同時にリツプ部が折曲げられ
るため、隙を埋める作業が容易である。尚、本考
案は前記実施例のようにフロントウインドに限る
ことなく、サイドウインド又はリヤウインド等接
着式ウインドであれば、どこにでも応用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフロントウインドの取付状態を示す自
動車の部分斜視図、第２図は従来のモールデイン
グの取付状態を示す第１図の−線に相当する
拡大断面図、第３図は本考案による接着式ウイン
ドの取付状態を示す第１図の−線に相当する
拡大断面図、第４図は同上の要部拡大断面図であ
る。 Ａは車体、ａはフアスナー、１はフロントウイ
ンドガラス、２はフロントウインド開口部、６は
隙、７はモールデイング、８は両面テープ、１０
はクリツプ、１２は一方の掛止用垂直部、１３は
掛止突起、１５は他方の壁面側垂直部、１６ａは
一側のリツプ部、１６ｂは他側のリツプ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体の窓開口部側縁に車体外側面から車内側に
   折曲された壁面と、該壁面から窓開口部に向かつ
   て延在された当接面とで段差部が形成され、該当
   接面に接着材を介して窓ガラスが接着され、か
   つ、前記窓開口部側縁に沿つてモールデイングが
   延設され、前記窓ガラスの車外側縁部と前記壁面
   との間が該モールデイングにより覆われるように
   なされた車両用接着式ウインドにおいて、 前記窓開口部側縁に沿つて硬質弾性材から成る
   主体部と軟質弾性材から成る隙閉塞部とが一体に
   形成されたフアスナーが延設され、主体部は当接
   面側に形成された底部と、背面が前記壁面に接着
   された壁面側垂直部と、該壁面側垂直部との間に
   掛止間隙を形成する掛止用垂直部とで略Ｕ字状に
   形成され、該掛止用垂直部に掛止突起が形成さ
   れ、一方、前記掛止間隙に差込まれて前記掛止突
   起に掛止めされる掛止部が形成されたクリツプが
   設けられ、該クリツプには該掛止部の頂部から前
   記壁面側と窓開口部側に突設された嵌挿部が形成
   され、さらに、フアスナーの前記壁面側垂直部か
   ら前記壁面に沿つて前記隙閉塞部の脚部が延設さ
   れていると共に、前記隙閉塞部は脚部と該脚部の
   頂部から両側に延設されたリツプ部とで略Ｔ字状
   に形成され、又、モールデイングは前記嵌挿部の
   車体外側面を覆い壁面側と窓開口部側にフランジ
   が折曲げられ両フランジが嵌挿部に掛止され、さ
   らに、モールデイングの窓開口部側のフランジは
   窓ガラスの車外側縁部に当接され、かつ、前記ク
   リツプを前記フアスナーに差込んで掛止めさせた
   とき、前記リツプ部のうち一側のリツプ部は車体
   外側面に接面し、他側のリツプ部はモールデイン
   グの壁面側縁部に当接して先端が車内側に折り曲
   げられることを特徴とする車両用接着式ウインド
   のモールデイング取付フアスナー。