JPS6212756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はドアや蓋の把手部などに用いられるば
ね付回転板の取付構造に関するものである。

例えば自動車のドアの場合には、把手としてド
ア本体に軸着された回転板が設けられており、ド
アを開く時はこれに手を掛けて引くと回転板が外
側に回動し、これに伴つてロツクがはずれてドア
を開くことができるようになつている。そして回
転板にはばねによつて回転力が付勢され、外力が
加わらない時にはドアの表面と面一となり、ドア
を閉状態に保つようにされている。このような回
転板の軸着には一般に軸ピンが使用されており、
この軸ピンで回転板をドア本体に回動自在に軸着
し、ねじりコイルばねのコイル部にもこの軸ピン
を貫通させてばねを支持するようにしており、軸
ピンを必要とするとともに組立が面倒なものであ
つた。

本考案はこのような問題点を解決することを目
的としてなされたもので、軸ピンを使用すること
なく回転板を軸着することができて使用する部品
点数が少なく、組立が容易でコストダウンをはか
ることのできるばね付回転板取付構造を提供した
ものである。

以下本考案を自動車ドアの把手部に実施した実
施例について説明する。図において、１は把手部
の器体、２は把手となる回転板であり、例えば器
体１は金属製の鋳物、回転板２は同様な鋳物や合
成樹脂の成形品からなつている。回転板２にはそ
の回転の軸心に位置するように両端に短い回転軸
３，４を同方向に一体に突設してあり、器体１に
設けた軸穴５，６に回転軸３，４をそれぞれ挿入
して軸支することによつて、回転板２は回動自在
に支持される。器体１の他端にはキー挿入部７が
設けられるとともに、キーの操作によつて移動す
るばね状の操作棒８が設けられており、操作棒８
の先端は器体１に上下摺動可能に支持されたロツ
クバー９の穴１０を貫通している。このロツクバ
ー９は内装されたばね１１によつて上方へ付勢さ
れ、自動車のボデーに取付られているストライカ
ー１２に係止し、常時はドアを閉状態に保持する
ものである。回転板２にはその下面が操作棒８の
先端と係合する操作突起１３が設けられており、
キーを操作してアンロツク状態にした場合は操作
棒８が第２図の左へ移動して両者が係合し、ロツ
ク状態にした場合は操作棒８は右へ移動して操作
棒８の先端が引込み、操作突起１３との係合が解
かれるようになつている。

１６はねじりコイルばねであり、２個のコイル
部１７，１８の間にＵ字状の中間係止部１９を、
両端に端部係止部２０，２１が形成され、コイル
部１７，１８を回転板２の回転の軸心にほぼ一致
するように回転板２の凹部２２，２３に収納し、
中間係止部１９を器体１のストライカー受け２４
に係止し、一方の端部係止部２０を操作突起１３
の係止部１３ａに、他方の端部係止部２１を器体
１の係止部１ａにそれぞれ係止させてある。これ
によつて回転板２は第３図において反時計方向の
回転力を付勢され、常時は引手部２ａの表面がド
ア外板２５の表面と面一になり、また回転の軸方
向への移動を拘束されて軸方向の位置決めがなさ
れるのである。

本実施例は上述のような構成であり、アンロツ
ク状態において引手部２ａを引いて回転板２を回
動させると、操作棒８が操作突起１３によつて押
下げられ、それにつれてロツクバー９が下がつて
ストライカー１２との係止が解かれるので、引手
部２ａを引くことによつてドアを開くことができ
る。またロツク状態においては、操作棒８が操作
突起１３と係合していないので、引手部２ａを引
いても回転板２が回動するだけでロツクバー９は
下がらず、従つてドアを開くことはできないので
ある。

上述の実施例からも明らかなように、本考案は
回転板に少なくとも同一方向の２個の短い回転軸
を突設してこれを器体の軸穴に挿入して軸支する
とともに、ねじりコイルばねをそのコイル部が回
転板の回転の軸心上にほぼ位置するように配置し
て回転板と器体との間に係止し、回転板への回転
力の付勢と位置決めとを行なうようにしたもので
あり、回転軸を同一方向としているため、組付が
一方向の動きで行えるため、組付性が向上する。
このように回転軸を同一方向としておらず、反対
方向に突出したものでは回転軸をたわませて組み
付けなければならず、応力が残るが、本考案のよ
うに同一方向に突出したものでは組付時に軸部に
負荷が全くかからない利点がある。さらに、従来
のように回転板を軸着するとともにばねを支持す
るための軸ピンが本考案では不要で部品点数が少
なくなり、また回転板とばねの組付けも容易で組
立作業に要する工数を削減することができる利点
があり、自動車や冷蔵庫、ロツカー等のドアや蓋
の把手部などに用いられるばね付回転板を低コス
トで得ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
要部を断面で示す平面図、第２図は要部の動作状
態を説明する正面図、第３図は要部を断面で示す
側面図、第４図はねじりコイルばねの部分を示す
正面図である。 １は器体、２は回転板、３，４は回転軸、５，
６は軸穴、１６はねじりコイルばね、１７，１８
はコイル部、１９は中間係止部、２０，２１は端
部係止部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転板に少なくとも２個の短い回転軸を一定の
   間隔を隔てて同一方向に突設し、器体に設けた軸
   穴に前記回転軸をそれぞれ挿入して回転板を器体
   に回転自在に軸支するとともに、該回転板に形成
   した凹部にねじりコイルばねのコイル部を収納
   し、該コイル部が回転板の回転軸心上にほぼ位置
   するように配置して回転板と器体との間に係止
   し、回転板に回転力を付勢するとともに軸方向の
   位置決めをしてなるばね付回転板取付構造。