JPH0242314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、パチンコ機の施錠装置に関し、特
に、そのシリンダ錠の取り換えを容易にできるよ
うに構成した施錠装置に関する。

パチンコ機の本体外枠に対し開閉自在に取付け
られた前面枠の施錠具に、前面枠に取付けられる
施錠装置では、通常、縦長の基枠体のほぼ中央部
にシリンダ錠が取付けられ、基枠体の上下端部に
鉤部材が軸支され、さらに、これらの鉤部材を連
結する連結杆をシリンダ錠の錠軸に軸着されたカ
ム板に係合させ、シリンダ錠の回転により鉤部材
を作動させてパチンコ機の前面枠の解錠を行なう
ように構成されている。さらに、従来のパチンコ
機の施錠装置におけるシリンダ錠は基枠体にリベ
ツト等により完全に固着され、部品交換を考慮し
て取付けられてはいない構造であつた。

しかし、この種の施錠装置では、シリンダ錠の
耐久性が他の部分に比べ低く、摩耗等によつて早
期に破損する傾向にあり、シリンダ錠のみを交換
する必要性が生じていた。さらに、パチンコ機の
施錠装置では同一のパチンコ店に入る複数のパチ
ンコ機に同一のシリンダ錠が使用され、１本のキ
ーにより多数のパチンコ機の解錠が可能となる
が、このキーを紛失した場合等、不正開錠の可能
性がある場合には、多数の施錠装置、又はそのシ
リンダ錠をパチンコ機に装着された状態で交換す
る必要性が生じていた。

この考案は、上記の点にかんがみなされたもの
で、施錠装置のシリンダ錠を容易に取付交換する
ことができるパチンコ機の施錠装置を提供するこ
とを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は施錠装置の平面図を、第２図は同正面
図を示し、１は取付板１ａと支持板１ｂを断面Ｌ
字形に曲折して一体成形された基枠体である。基
枠体１の支持板１ｂの両端部にはパチンコ機の前
面枠を本体枠に係止し施錠する鉤部材２が軸３に
よつて、矢印方向へ揺動可能に軸支されている。
両側の鉤部材２の下部は連結杆により連結され、
後述するシリンダ錠１５の作動により回動するカ
ム板１７によつて連結杆が水平移動しながら両側
の鉤部材２を矢印方向に揺動させる構造である。
また、この連結杆の中間部の中間連結部４は上方
へ回動して引き出されるように分割され、その末
端部は軸５により左側の連結杆４ａに回動可能に
連結され、中間連結部４の先端下部には係合凹部
６が形成され、この係合凹部６が右側の連結杆４
ｂの連結ピン７に係合されている。中間連結部４
は第１図下方に突出するようにその中央が曲折さ
れ、後述するカム板上のピンに係合する係合爪８
が中間連結部４の中央内側に設けられている。９
は支持板１ｂと中間連結部４の間に摺動可能に配
設されたガラス枠用作動杆であり、上部に図示し
ないガラス枠施錠装置の作動片に係合してこの施
錠装置を解錠させる係合片１０が外方に突出して
設けられ、下部には後述のカム板１７の突部１７
ａに係合する溝１１が設けられている。このガラ
ス枠用作動杆９は、外方へ突出する支持板１ｂに
沿つて曲折され、その先端部は摺動ガイドとなる
中間連結部４の水平曲折部１２に摺動可能に係合
し、さらに、その末端部にはピン１３が固定さ
れ、ピン１３は中間連結部４の末端部に穿設した
長孔１４に摺動自在に係合される。したがつて、
ガラス枠用作動杆９は連結杆の中間連結部４と共
に軸５を中心にして上方へ回動しながら引き出し
可能な構造となつている。

一方、シリンダ錠１５は、第３図に示すよう
に、小さい取付基板１６にその錠軸を上方へ突出
して固定され、錠軸には突部１７ａをもち上面に
係合ピン１９を設けたカム板１７が軸着されてい
る。この取付基板１６は基枠体１１ａの取付板１
ａのほぼ中央に設けた大径の孔にシリンダ錠１５
を挿通してその取付板１ａ上の定位置に２本のね
じ１８により締付固定される。２０は中間連結部
４の先端上部に折り曲げて設けて取手部であり、
これを上方へ引き出す際の取手となる。２１は支
持板１ｂの上部に設けた曲折部であり、連結杆４
ｂと中間連結部４を共に定位置に摺動可能に保持
するように水平に、折り曲げられている。２２は
連結杆４ｂと取付板１ａとの間に連結されたコイ
ルばねであつて、連結杆４ａ，４ｂ、及び中間連
結部４を第２図右方向、つまり鉤部材２を施錠方
向に付勢している。２３は他方の連結杆４ａとガ
ラス枠用作動杆９と間に連結されたコイルばねで
あり、ガラス枠用作動杆９を第２図左方向に付勢
している。

次に、施錠装置の動作を説明する。

上記のように構成された施錠装置は、パチンコ
機の開閉可能な前面枠の所定の位置に取付けら
れ、本体外枠の対向する位置には鉤部材２の受け
具が取付けられ、前面枠を本体外枠に押し付けて
閉鎖することにより、鉤部材２が受け具に係合さ
れて施錠される。一方、ガラス枠施錠装置は前面
枠の内側部に取付けられ、ガラス枠に取付けられ
た係止ピンを溝内に係止して施錠を行ない、ガラ
ス枠用作動杆９の係合片１０の動作によりガラス
枠施錠装置の作動片を動かしてその解錠を行なう
構造である。そこで、先ず前面枠を開く場合に
は、シリンダ錠１５をキーにより操作してカム板
１７を第１図反時計方向に回転させる。すると、
カム板１７上の係合ピン１９が矢印の方向に係合
爪８を動かし、中間連結部４と共に連結杆４ａ，
４ｂが第１図、第２図の左方向に移動するから、
両側端の鉤部材２が矢印方向に揺動して受け具と
の係合を外し、前面枠の解錠がなされる。

一方、ガラス枠を開く場合には、シリンダ錠１
５を上記とは逆に操作してカム板１７を第１図時
計方向に回転させる。すると、カム板突部１７ａ
が矢印方向に回転し、ガラス枠用作動杆９の下部
に設けた溝１１に係合してこれを第１図、第２図
の右方向に移動させる。したがつて、ガラス枠用
作動杆９の突出する係合片１０がガラス枠施錠装
置の作動片を動かしてガラス枠の解錠が行なわれ
る。

施錠装置が前面枠に取付けられた状態でシリン
ダ錠１５を交換する場合には、先ず、連結杆４
ａ，４ｂ、中間連結部４を第１図左方向に引きな
がら、取手部２０を持つて中間連結部４を上方へ
引き上げる。すると、中間連結部４とこれに係合
したガラス枠用作動枠９は第３図に示すように、
軸５を中心にしてコイルばね２３の付勢力も手伝
い上方へはね上がり、カム板１７とシリンダ錠１
５の取付基板１６の上方が開口される。この状態
で２本のねじ１８を外すことによりシリンダ錠１
５は取付基板１６と共に簡単に外され、シリンダ
錠の交換が行なわれる。交換後は、中間連結部４
がガラス枠用作動杆９と共に下方の基枠体１内の
定位置に押し込まれ、中間連結部４の先端の係合
凹部６が連結ピン７に係合され、摺動可能な元の
状態に戻される。

本考案は、上記のようにシリンダ錠を取付板上
に取付基板を介してねじ止めし、鉤部材に連結さ
れる連結杆を分割して中間連結部を形成し、この
中間連結部を連結杆から外して基枠体の外方へ軸
中心に引き出し可能に構成したから、パチンコ機
に装着された状態の施錠装置において、この基枠
体内の中間連結部を外方へ引き出してカム板の上
方を開けた後、ねじを外すことによりシリンダ錠
を簡単に取り外すことができる。したがつて、キ
ーを紛失した場合など不正開錠を防止する必要性
から施錠装置を交換しなければならない時、シリ
ンダ錠のみを簡単に交換して容易にこれに対応す
ることができる。さらに、中間連結部とガラス枠
用作動杆を外方に回動して引き出して、カム板の
上を開放するようにしたから、例えば基枠体の支
持板にカム板を外方に引き出すための開口部を設
けるなどの必要はなく、基枠体の強度を充分確保
することができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は施錠装
置の平面図、第２図は同正面図、第３図はシリン
ダ錠取付部の分解斜視図である。 １……基枠体、１ａ……取付板、１ｂ……支持
板、２……鉤部材、４……中間連結部、４ａ，４
ｂ……連結杆、５……軸、７……連結ピン、１５
……シリンダ錠、１６……取付基板、１８……ね
じ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 取付板と支持板により断面Ｌ時形に一体成形し
   た基枠体の内側に、連結杆とガラス枠用作動杆が
   摺動可能に配設され、該支持板の両端に枢支され
   た鉤部材に該連結杆の両端が連結され、該取付板
   の中間部に取付けたシリンダ錠の錠軸にカム板が
   固定され、該カム板の回転により該連結杆または
   ガラス枠用作動杆を摺動させて解錠を行うパチン
   コ機の施錠装置において、 前記シリンダ錠が前記取付板上に取付基板を介
   してねじ止めされ、前記連結杆の中間部が中間連
   結部として分割され、該中間連結部の末端が連結
   杆の端部に軸支されると共に該中間連結部の先端
   が他方の連結杆の端部に取り外し可能に係合連結
   され、該中間連結部と前記ガラス枠用作動杆が該
   基枠体から外方へ回動引き出し可能に配設されて
   いることを特徴とするパチンコ機の施錠装置。