JPS6212726Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は壁体を構成する外装パネルの乾式目
地構造に関する。

壁体として躯体に取付けられた外装パネルの接
合部には止水、気密のために不定形シーリング材
や定形シーリング材が充填されている。

不定形シーリング材は高粘度の弾性材料や塑性
材料でカートリツジによつて外装パネル接合部に
充填されている。また、定形シーリング材は弾性
を有するゴム質材料で形成され外装パネル接合部
に圧縮充填されている。

しかし、不定形シーリング材や定形シーリング
材による外装パネルの目地装置には種々の問題点
がある。前者は施工に際し作業者の技倆に左右さ
れることにより、施工品質の安定確保に難点があ
る。また、不定形シーリング材は充填後硬化する
とともに外装パネルに接着して始めてその効果を
発揮する。外装パネル接合部に繰返し発生する動
きに十分追従できないでクラツクが発生して止
水、気密効果を損なうことがある。

一方、後者は定形シーリング材の弾性力によつ
て外装パネル接合部に固着されているため永年の
使用とともに弾性力を失なつて収縮し止水、気密
効果の低下を招くばかりでなく剥落することがあ
る。また、両者はいずれも施工が外装パネルの建
込作業と前後するため工期が長びくばかりでなく
外装パネルの建込完了後外部よりおこなわれるた
め作業用足場を必要とし隣接する建物が近接して
ある場所では作業が難行しやすい。また、特に
ALC板では衝撃に対して極めて脆いため運搬中
や建込み作業中にコーナ部を破損することがあ
る。また、外装パネルコーナ部の見え掛り部分を
破損すると建物の外観を損なう。

この考案は前記従来の問題点を解決するために
考案されたものでその目的は外装パネルの周縁に
アルミ製補強枠を固着することにより外装パネル
コーナ部を運搬並びに建込作業中の事故から保護
し、更にアルミ製補強枠に外装パネルが躯体に取
付けられると同時に互いに機械的係合して止水、
気密効果を発揮するガスケツトを外装パネルの周
縁に沿つてそれぞれ固着することにより外装パネ
ル接合部の止水、気密を確実にするとともに外装
パネル接合部の動きにも円滑に追従しかつ外装パ
ネルの建込作業と並行して工事をおこなうことが
できる。全てを乾式工法化したものであり、その
結果工期の短縮化をはかれるようにした外装パネ
ルの乾式目地構造を提供することにある。

以下、この考案を図示する一実施例によつて説
明する。

第１図は躯体に取付けられたALC板の上下方
向に連続する外装パネルの乾式目地構造を示し、
第２図は横方に連続するALC板の乾式目地構造
を示しており符号１はALC板、符号２は補強
枠、符号３，４，５，６はガスケツトである。

補強枠２はその室内側端部に形成されたアンカ
ーフランジ７をALC板１端面に形成された埋込
溝８に樹脂モルタル９によつて埋込み固着するこ
とによりALC板１の周縁にALC板１の室外側コ
ーナ部を覆うようにそれぞれ添着されている。ま
た、補強枠２はアルミ型材で成形されている。

ALC板１は、第１図や第２図にみられるよう
に金属やアルミなどの表面材を有するものが、補
強枠２とALC板１の室外側との間をガスケツト
で止水性や気密性を与えるのに特に好ましい。補
強枠２，２の対向面には補強枠２の長手方向に連
続するリツプ付嵌着溝１０，１０がそれぞれ形成
されている。上下方向に連続する補強枠２，２の
リツプ付嵌着溝１０，１０には互いに係合するガ
スケツト３，４がそれぞれ嵌着されかつ横方向に
連続する補強枠２，２のリツプ付嵌着溝１０，１
０には互いに係合するガスケツト５，６がそれぞ
れ嵌着されている。

ガスケツト３はリツプ付嵌着溝１０の長手方向
に連続形成されかつ中央部にリツプ付嵌着溝１０
の外方に突出する突条部１１がリツプ付嵌着溝１
０の長手方向に連続形成されている。また、ガス
ケツト３は突条部１１の両側にリツプ付嵌着溝１
０のリツプ１０ａ、リツプ１０ａと相俟つて挿入
溝１２，１２を形成するように形成されている。

ガスケツト４はリツプ付嵌着溝１０の長手方向
に連続形成されかつ中央部にリツプ付嵌着溝１０
の内方に凹む係合溝１３がリツプ付嵌着溝１０の
長手方向に連続形成され、この係合溝１３にガス
ケツト３の突条部１１が係合されている。また、
係合溝１３の両側に鰭状の挿入片１４，１４がリ
ツプ付嵌着溝１０の長手方向に連続形成され挿入
溝１２，１２に係合されている。

突条部１１と係合溝１３および挿入片１４と挿
入溝１２はALC板１，１を建込むと同時にそれ
ぞれ自動的に係合し止水性および気密性を有して
いる。

また、第２図に示す横方向の目地部のガスケツ
ト５はリツプ付嵌着溝１０の長手方向に連続形成
されかつ室外側寄り下面に直下に隣合うALC板
１に添着された補強枠２の表面に当接するように
垂下片１５がリツプ付嵌着溝１０の長手方向に連
続形成されている。また、ガスケツト５はリツプ
付嵌着溝１０の室内側リツプ１０ａと相俟つて下
方に開口する係合溝１６を形成するように形成さ
れている。

ガスケツト６はリツプ付嵌着溝１０の長手方向
に連続形成されかつその中央部に立上り片１７を
有する。そのガスケツト６の立上り片１７の上端
部は、他方の補強枠のリツプ付嵌着溝１０の長手
方向に連続形成された挿入溝１６底面に当接する
ように係合されている。

立上り片１７は垂下片１５と相俟つて横方向に
連続する空隙部１８を形成している。空隙部１８
は外気に連通して常に外気圧と等圧になつてお
り、等圧理論によつて雨水が室内側に浸入しない
ようになつている。また、立上り片１７の室外面
は凹曲面に形成されかつ立上り片１７の室外面に
は複数個の水返し片１９がリツプ付嵌着溝１０の
長手方向に連続形成され、暴風雨時等に空隙部１
８に浸入した雨水が更に室内側に浸入するのを防
止している。立上り片１７と挿入溝１５はALC
板１，１を建込むと同時に自動的に係合するよう
になつている。

ガスケツト３，４，５，６は耐候性、耐油性に
勝れたクロロブレン系合成ゴム（ネオブレンゴ
ム）で形成されている。

なお、ALC板１，１の接合部が十字型に交差
する場所では対角線方向に隣合うALC板１，１
のガスケツト５，６を段違いに突出するとともに
係合して止水、気密処理がなされている。

このような目地構造の室内側は、第１図や第２
図にみられるように、ロツクウールなどを充填す
ることもできる。

この考案は以上の構成からなり次の効果が期待
できる。

外装パネルの周縁にアルミ製補強枠が固着し
てあるので破損しやすい外装パネルコーナ部を
運搬並びに建込み作業中の事故から保護するこ
とができるとともにアルミ製補強枠が化粧枠に
もなり建物の質を高めることができる。

更にアルミ製補強枠には外装パネルを建込む
と同時に互いに係合し止水性、気密性を有する
ガスケツトが外装パネルの周縁に沿つてそれぞ
れ固着してあるので、外装パネル接合部の止水
性、気密性が確実でかつ外装パネル接合部の動
きに円滑に追従することができるとともに外装
パネル接合部のシール工事が外装パネルの建込
作業と同時にできるので施工の簡略化並びに工
期の短縮化がはかれ今後のプレフアブ工法やカ
ーテンウオール工法に大きく貢献するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の実施例を示す
ものであり、第１図は上下方向に連続する外装パ
ネル接合部の断面図、第２図は横方向に連続する
外装パネル接合部の断面図である。 １……ALC板、２……補強枠、３，４，５，
６……ガスケツト、７……アンカーフランジ、８
……埋込溝、９……樹脂モルタル、１０……リツ
プ付嵌着溝、１０ａ……リツプ、１１……突条
部、１２……挿入溝、１３……係合溝、１４……
挿入片、１５……垂下片、１６……挿入溝、１７
……立上り片、１８……空隙部、１９……水返し
片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁体を構成する外装パネルの目地構造であつ
   て、外装パネルの隣接するそれぞれの端面には該
   端面に埋込み固定されているアンカーフランジを
   有するアルミ製補強枠が室外側コーナ部を覆うよ
   うに添着されており、かつ該アルミ製補強枠の隣
   接する夫々の端面にはガスケツトが該アルミ製補
   強枠のリツプ付嵌着溝に嵌着して設けられてお
   り、夫々のガスケツトは一方の補強枠に設けられ
   た他方のガスケツト用の挿入溝に係合することに
   より夫々のガスケツトが係合していることを特徴
   とする外装パネルの乾式目地構造。