JPS6211371Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は四輪の乗用型田植機において、操向前
車輪を機体のケース部材両側部に操向装置を介し
て直接回行自在に支持することにより、操向前車
輪の取付支持構造を簡単強固に構成すると共に、
側面視において操向前車輪の前方に駆動用内燃機
関等の重量部材を、該操向前車輪の上方で重量部
材近傍にステアリングホイールを、更に、上記操
向前車輪後方に座席を、夫々振分け配置する一
方、ステツプより下方に操向前車輪を設けること
により機体の前後バランスを適正にして、舵取角
度を大きくし、小回りができるようにした乗用型
田植機に関するものである。

従来、四輪の乗用型田植機においては、田面を
荒らさずに、小さな回転半径で回行するために
は、操向車輪である前車輪の舵取角度を大きくす
ることが必要である。

しかし従来の四輪乗用型田植機では、操向車輪
が機体を構成するケース部材に直接回行自在に支
持されていないため、その支持を強固にして、舵
取角度を大きくするためには強固に補強した支持
部材等を伝動ケースとは別に設ける必要があり、
機体が大きく重くなる欠点があつた。

そこで本考案は前記従来の欠点を解消するた
め、車体前部に操向前車輪を、後部に駆動後車輪
を有する四輪型乗用車両の後方に苗のせ台及びプ
ランターを有する植付部を連結した乗用型田植機
において、前記操向前車輪の前方に駆動用内燃機
関等の重量部材を、該操向前車輪の上方で重量部
材近傍にステアリングホイールを、更に上記操向
前車輪の後方に座席を、夫々振分け配置すると共
に、上記操向前車輪を機体のケース部材両側部に
操向装置を介して直接回行自在に支持せしめ、そ
の上方にステツプ板を配設したことにより、殊更
補強した支持部材等を設けることなく操向前車輪
の取付支持構成を簡単強固としながら機体の前後
バランスを適正にし、舵取角度を大きく取つて、
田面を荒らさずに小半径で容易に回向できるよう
にすることを目的としたものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図乃至第４図は本考案の実施例における
四輪の乗用型田植機のそれぞれ全体平面図、側面
図、背面図及び前方要部のみ拡大した平面図、更
に第５図は第４図における四輪乗用型田植機の前
方要部のみの一部断面の拡大正面図である。

まず第１図から第３図迄を参照して本考案の実
施例における四輪の乗用型田植機について概略説
明すると、各２個の操向前車輪８，８及び後車輪
９，９上に搭載された乗用型田植機の操向前車輪
８の前方部には駆動用内燃機関等の重量部材１０
が、更に該操向前車輪８，８の上方で重量部材１
０近傍にはステアリングホイール２が取付けら
れ、操向前車輪８の後方上方に第２図で一点鎖線
で示す運転者が坐る座席１が設けられており、機
体の前後バランスを適正にしている。そこで本考
案では運転者の足が乗るステツプ板３が側面視に
おいて操向前車輪８，８の上部にあり、運転者は
手でステアリングホイール２を操作し、足でステ
ツプ板３上に突出して装備された操作ペダル４を
操作するようになつている。

なお、座席１の後方には補助苗台５が設けら
れ、後車輪９，９の後方にはフロート７……の上
に搭載された苗載台６及びプランター１１……を
有する植付部が連結されている。

次に第４図及び第５図の本考案の実施例におけ
る四輪の乗用型田植機の前方要部のみの図に詳細
を示すごとく、操向前車輪８は上部に操作レバー
１２を有する機体のケース部材１３の両側部を取
付部にして、これに操向装置１４，１４を介して
直接回行自在に支持されているので、その取付支
持構成が簡単強固であり、しかも側面視において
ステツプ板３の下方に位置しているため、ステア
リングホイール２を旋回させて機体を回向する
際、操向前車輪８はステツプ板３に妨げられるこ
とがないので、操向前車輪８の舵取角度θを大き
く取ることができる。

なお本実施例のように、前車輪８，８の輪間距
離を後車輪９，９のそれよりも狭くして、進行方
向に見てプランター１１……を挟んで前後車輪
８，８，９，９を設ければ、前車輪８，８を後車
輪９，９とは別の植付条間に通過させることがで
きて、機体の直進状態においても植付田面を荒ら
すことがないという利点がある。

更に本考案の乗用型田植機の操向前車輪８の作
用について説明する。乗用型田植機がなるべく田
面を荒らさず、小さな回転半径で容易に回行する
ためには、操向前車輪８，８の輪間距離が狭く、
また舵取角度θの大きい方が、特に低速で作業す
る乗用型田植機では望ましい。乗用型田植機にお
いて、植付部を後部に配置する前述の実施例に示
すようなタイプの田植機においては、後方に重量
物がオーバーハングしているために機体重心が後
方に偏るが、本考案のように内燃機関等の重量部
材１０を操向前車輪８の前方にオーバーハングさ
せることにより、前後バランスを適正に保つこと
ができる。しかも、運転者の座席１は操向前車輪
８の近傍後方に設けたので、操向前車輪８の近傍
後方位置に運転者が乗ることが可能となり、更に
前後バランスが適正になると共に乗心地も向上す
る。

そこで操向前車輪８を機体のケース部材１３に
操向装置を介して直接回行自在に支持し、側面視
においてステツプ板３の下方に操向前車輪８，８
を設けることにより、殊更補強した支持部材等を
設けることなく操向前車輪８，８を機体の一部で
あるケース部材１３に簡単強固に取付ることがで
きる。また内燃機関等の重量部材１０や座席１を
前方に偏倚したことに伴い相対的に増加した前車
輪荷重を確実に支えることができ、更に舵取角度
を大きく取ることが可能となるので、枕地回行時
に操向前車輪８，８の浮き上がりを極力防止し得
て小回りができ、植残し部分を少なくできる。ま
た実施例の如く運転者の足のすぐ下に操向前車輪
８，８があるように構成してあると、平面的に見
て操向前車輪８，８とほぼ同一位置に運転者が乗
ることになり、枕地回行時等に操向前車輪８を舵
取操作して機体を回行させる場合に、機体の回行
進行方向と運転者の位置が略一致することとな
り、運転者が回行方向を視認することが的確とな
つて枕地回行後の既植苗列に対する植付条合せ操
作が容易に行える利点があり、狭い枕地部分での
回行操作を円滑に遂行できる。更に、操向前車輪
８，８上方にステツプ板３が配設されているの
で、運転者の足を保護する板および操向前車輪
８，８からの泥の飛散を防止するフエンダーの役
目をも兼ねることができる。

このように本考案は、車体前部に操向前車輪
８，８を後部に駆動後車輪９，９を有する四輪型
乗用車両の後方に苗のせ台６及びプランター１１
……を有する植付部を連結した乗用型田植機にお
いて、前記操向前車輪８，８の前方に駆動用内燃
機関等の重量部材１０を、該操向前車輪８，８の
上方で重量部材１０近傍にステアリングホイール
２を、更に、上記操向前車輪８，８後方に座席１
を、夫々振分け配置すると共に、上記操向前車輪
８，８を機体のケース部材１３両側部に操向装置
１４，１４を介して直接回行自在に支持せしめ、
その上方にステツプ板３を配設したことを特徴と
するものであるから、前車輪８，８の支持構造が
簡単でかつ強固であり、機体重量を確実に支えら
れると共に機体の前後バランスを良好にして舵取
角度を大きく取ることができ、狭い枕地部分での
回行操作を小さな回転半径で円滑容易に遂行でき
て田面を荒らす範囲を最小限に押さえて植残し部
分を少なくできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例における四
輪の乗用型田植機のそれぞれ全体平面図、同上側
面図、同上背面図及び前方要部のみの拡大平面
図、第５図は第４図における四輪の乗用型田植機
のみの一部断面の拡大正面図である。 １……座席、２……ステアリングホイール、３
……ステツプ板、８……操向前車輪、９……後車
輪、θ……舵取角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体前部に操向前車輪８，８を、後部に駆動後
   車輪９，９を有する四輪型乗用車両の後方に苗の
   せ台６及びプランター１１……を有する植付部を
   連結した乗用型田植機において、上記操向前車輪
   ８，８の前方に駆動用内燃機関等の重量部材１０
   を、該操向前車輪８，８の上方で重量部材１０近
   傍にステアリングホイール２を、更に、上記操向
   前車輪８，８の後方に座席１を、夫々振分け配置
   すると共に、上記操向前車輪８，８を機体のケー
   ス部材１３両側部に操向装置１４，１４を介して
   直接回行自在に支持せしめ、その上方にステツプ
   板３を配設したことを特徴とする乗用型田植機。