JPS6161606B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は流体の水平方向の流動を表示するた
めのフラツプを有する流動表示装置に関する。

この発明にかかる流動表示装置は配水装置の導
管に配設するものであるが、殊に大気を遮断し、
通気と排水を同一配水回路で行い、放射性流体や
汚染流体を貫流させるような配水回路を有する原
子力装置の配水装置の導管に配設するものであ
る。

一般に配水装置に配設する流動表示装置として
は、ハウジングの一部に表示窓を設け、この表示
窓を通して導管内を流れる流体の流動方向及び流
動量を観察するようにしたものがよく知られてい
る。かかる流動表示装置は表示窓方向に延びかつ
流体の流動方向に垂直な回転軸を中心として回動
するフラツプを有するものであり、通常貯水タン
ク、ポンプ、熱交換器などのオーバーフロー管か
配水回路の排水管に配設される。前者の場合、即
ちオーバーフロー管に表示装置を配設する場合に
は、貯水タンクから溢れた流体がオーバーフロー
管を通つて、その流動方向にフラツプを傾斜せし
め、このフラツプの傾斜により貯水タンク内に流
体が充填されたことを確認できる。また後者の場
合、即ち排水管に流動表示装置を配設する場合に
は、排水管内にまだ流体が残つているか、あるい
は完全に流れきつたかを確認できるものである。

貯水タンクに流体を充填するときにタンク内が
加圧状態とならないようにするために、あるいは
貯水タンクから流体を排出するときにタンク内が
減圧状態とならないようにするために、配水装置
に配設された貯水タンク，ポンプなどの上部に通
気孔を設け、配水回路を大気に開放し、これによ
り配水を円滑に行わしめることができる。しかし
原子力装置などの汚染流体を流動せしめる配水機
構においては、上記のように配水回路を大気に開
放することは安全性の点からできないことであ
り、配水回路を大気から完全に遮断する必要があ
り、このような場合には、貯水タンク内が加圧状
態及び減圧状態となることは不可避であり、配水
を円滑に行うことはきわめて困難である。

かかる難点を解消するためには、排水が流入す
る導管の内径を大きくし、導管内の空気の流通が
完全になされるようにすればよい。

この発明の目的は、このような配水機構に適し
た流動表示装置を提供することにある。

この発明は、大気から遮断されるとともに、装
置内部における空気の流通及び排水を同一配水回
路で行なつて放射線流体や汚染流体などを流動さ
せる配水装置の、その導管のうちの水平方向に配
設された導管に接続されるハウジングと、前記ハ
ウジング内に配設され流体の流動に応じて回動す
るフラツプとを有し、前記導管内を流れる流体の
流動状態を表示する流動表示装置において、前記
フラツプの上部に、前記導管内の空気が前記ハウ
ジング上部を自在に流通するに適した開口部を設
けるとともに、前記ハウジングを、導管と接続す
る縦管と、この縦管と直交しかつその縦管と導通
する横管とから構成し、前記縦管と横管とがフラ
ツプの回動を許容する円筒内壁面をなし、それら
縦管及び横管の各円筒内壁面の、各軸線方向の底
部中心線同士が一点で交わることにより縦管及び
横管からなるハウジングから液体が確実に排出さ
れるようにしてなることを特徴とする流動表示装
置に係るものである。

かかる構成とすることにより、導管内において
流体の上方にある空気は導管に接続された通気管
を通つて、あるいは導管自体を通つて自在に流通
することができるようになるのである。それとと
もに、殊に排水管路に汚染された液体を流すよう
な場合には、流動表示装置内に汚染流体が残留す
ることなく完全に排出できるものである。危険物
質を排水する原子力装置などにおいては、上記の
ように汚染された流体を完全に排出することは重
要なことである。

更に、この発明に係る流動表示装置は少くとも
１つの円形表示窓ガラスを有するハウジングを構
成してなり、その窓ガラスを透してハウジング内
に配置されたフラツプの動作を外から見ることが
できるものである。

更にこの発明の他の特徴及び利点は添付図面に
示された実施例に関する説明の記述から明らかと
なるであろう。

次に添付図面を参照しながら、この発明にかか
る流動表示装置の実施例について説明する。第１
図は配水装置を構成する配水回路を示すものであ
る。この配水回路には貯水タンク１が配設されて
おり、この貯水タンク１には送水管２が接続され
この送水管２の管路上にバルブ３が設けられてい
る。またこの貯水タンク１の上部及び底部には
各々通気管５及び排水管６がバルブ８及び９を介
して接続され、貯水タンク１と導管４とを導通し
ている。この導管４内には、この発明にかかる流
動表示装置７が配設されている。貯水タンク１に
はその液面位置を表示するための液面表示器１０
が配設され、その上下両端部にはバルブ１１，１
２が取り付けられている。流動表示装置７は導管
４の管路上に直接配設されており、その詳細につ
いては第２図及び第３図を参照しながら次に述べ
る。

第２図及び第３図はこの発明に係る流動表示装
置７の拡大した断面を示すものであり、第２図は
流体の流動方向に対して垂直方向から見た側断面
を示し、第３図は流体の流動方向から見た正断面
を示す。流動表示装置７は固定具１４により導管
４の管路上に配設される。この流動表示装置７は
導管４に接続される円筒形状の縦管１５と、この
縦管１５と導通しかつ直交する横管１８とよりな
り、前記縦管１５の円筒内壁面１６と横管１８の
円筒内壁面１７とは同一の内径を有してその各々
の内腔を互いに導通して交差する。横管１８の両
端面には円形平ガラス１９が封着され、ハウジン
グ内に配置されたフラツプ１３の動作が見えるよ
うにされている。フラツプ１３は流体の流動方向
に対して垂直に延びる回転軸２０を中心として回
動するものである。この回転軸２０の両端部は横
管１８の内壁面１７上に固定された軸受２１によ
つて支承され、かかる構成により回転軸２０は水
平位置をとるようにされている。フラツプ１３は
その上部に例えば半円形の開口部２２を有する。
このフラツプ１３の両側端部２３はガラス１９に
極めて近接した位置でガラス面に対して平行移動
するように垂直方向に延びている。フラツプ１３
の下端部２４はフラツプ１３が回転軸２０を中心
として回動する際に縦管内壁面１６に沿うに適し
た形状となつている。従つて、流体が流動表示装
置７の内部を矢印２５方向に流動する場合には、
その圧力によつてフラツプ１３を右方向に回動せ
しめ、導管内の空気はフラツプ１３の上部に設け
た開口部２２を通つて自由に流通することができ
る。

またフラツプ１３の下端部２４には切欠き部２
６が設けられており、この切欠き部２６はフラツ
プ１３が閉状態となつたときでも管内に残留した
微量の流体を排出できるようにするものである。

この発明に係る流動表示装置７が配設される導
管４の内径は、この導管４に接続される通気管・
排出管の内径よりも十分に大きなものとなつてお
り、更に同じ内径を有する円筒内壁面１６，１７
の交差部付近においては縦管の内壁面１６が横管
内腔部の底部に向つて集中するため、管内で飛散
した流体が縦管１５の底部に残留してしまうこと
はない。

貯水タンク１に送水管２を通して流体を充填す
る場合には、バルブ９を閉じ、液面表示器１０の
バルブ１１，１２を開けて液面表示器１０と貯水
タンク１とを導通せしめ、通気管５のバルブ８を
開けた後、送水バルブ３を開けて、貯水タンク内
に流体を供給する。そして貯水タンク１から溢れ
た液体が通気管５を通つて（従つてこの場合通気
管５はオーバーフロー管として機能する）、流動
表示装置７に達し、フラツプ１３を左方向に（第
１図参照）回動せしめることにより、貯水タンク
１内に流体が充填されたことが確認される。

また貯水タンク１から流体を排出するときには
送水バルブ３を閉じ、通気管５のバルブ８を開
け、然る後に排水バルブ９を開けることによつて
流体の排水を行う。（この場合液面表示装置１０
のバルブ１１，１２は開けたままとしておく。）
貯水タンク１内の流体は水頭の圧力によつて排出
バルブ９を通つて排出され、導管内の空気はフラ
ツプ１３の開口部２０を通つて自由に流通し、更
に通気管５を通つて貯水タンク１内に流入する。

第４図は第１図に示したものと類似の配水回路
に貯水タンク２６、熱交換器２７、ポンプ２８な
どの装置を各々配設し、各配水回路の排水管及び
通気管を共通の導管２９に接続した配水装置を示
すものである。この実施例において導管２９の内
径は各配水回路を構成する排水管３１及び通気管
３０の内径よりも十分に大きなものとなつてい
る。そして流動表示装置７は各配水回路に共通の
導管２９の管路上において、配水回路の接続部位
の下流側に配設されるのである。

以上の説明から明らかなように、この発明にか
かる流動表示装置はフラツプ上部に設けた開口部
を有することにより、導管内における空気の流通
を円滑ならしめ、配水装置各部における加圧状態
及び減圧状態の発生を防止することにより、極め
て円滑な配水を可能とすることができたものであ
る。また、上述の構成とすることにより、導管内
で飛散した流体の残粒も導管、殊に流動表示装置
内に残留させることなく、完全に流しきることが
できるものである。このことは、危険物質を排出
する原子力装置などにおいて特に重要な意味をも
つものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る流動表示装置を組み
込んだ貯水タンクの配水回路の模式図であり、第
２図はこの発明に係る流動表示装置の流体の流動
方向に対して垂直方向から見た側断面図、第３図
は第２図に示した流動表示装置を流体方向から見
た正断面図、第４図は複数の配水回路を組み込ん
だ配水装置を示す模式図である。 ４，２９……導管、７……ハウジング、１３…
…フラツプ、１５……縦管、１６……縦管の内壁
面、１７……横管の内壁面、１８……横管、１９
……表示窓ガラス、２２……フラツプの開口部、
２３……フラツプの側端部、２４……フラツプの
下端部、２６……切欠き部、３０，３１……配水
回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 大気から遮断されるとともに、装置内部にお
   ける空気の流通及び排水を同一配水回路で行なつ
   て放射線流体や汚染流体などを流動させる配水装
   置の、その導管のうちの水平方向に配設された導
   管に接続されるハウジングと、このハウジング内
   に配設され、流体の流動に応じて回転するフラツ
   プとを有し、前記導管内を流れる流体の流動状態
   を表示する流動表示装置において、前記フラツプ
   の上部に、前記導管内の空気が前記ハウジング上
   部を通つて自在に流通するに適した開口部を設け
   るとともに、前記ハウジングを、前記導管と接続
   する縦管と、この縦管と直交しかつその縦管と導
   通する横管とから構成し、前記縦管と横管とは円
   筒内壁面を形成してフラツプの回動を可能とし、
   それら縦管及び横管の各円筒内壁面の、各軸線方
   向の底部中心線同士が一点で交わることにより縦
   管及び横管からなるハウジングから液体が確実に
   排出されるようにしてなり、さらにハウジングの
   前記横管には少なくとも１つの円形表示窓ガラス
   をその端面に設けてなり、この窓ガラスを通して
   流体の流動状態を観察できるようにしたことを特
   徴とする流動表示装置。 ２ フラツプの両端部及び下端部は、流体の流動
   によりフラツプが回動するとき、ハウジングの内
   壁内を摺動するに適した形状である特許請求の範
   囲第１項記載の流動表示装置。 ３ フラツプの下端部に切欠き部を設け、フラツ
   プが閉位置にあるとき、前記切欠き部を通してハ
   ウジング底部において残留した流体を排出するよ
   うにしてなる特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載の流動表示装置。