JPH07323897A

JPH07323897A - 片側が開口した液体管の凍結防止装置

Info

Publication number: JPH07323897A
Application number: JP7012629A
Authority: JP
Inventors: Furanku Heruge; フランクヘルゲ
Original assignee: Daimler Benz Aerospace AG; Airbus Operations GmbH
Current assignee: Airbus Defence and Space GmbH; Airbus Operations GmbH
Priority date: 1994-02-02
Filing date: 1995-01-30
Publication date: 1995-12-12
Also published as: DE4403067C1; US5622207A; EP0666213B1; DE59504522D1; EP0666213A1

Abstract

(57)【要約】【目的】片側が開口した管、特に給水システムの蛇口管
の凍結防止を、従来の解決法に比べてエネルギー消費を
少なくして、且つ配管を簡潔にして実現させる。【構成】管分岐部（４）内に搬送装置が設けられてい
る。搬送装置は、主分配管（２）の方向に少なくとも一
つの流入口（９）を有し、且つ蛇口管（５）の方向に少
なくとも一つの流出口（１０）を有している。搬送装置
の流出口（１０）には、凍結の危険のある管領域を貫通
して延びるような深さで蛇口管（５）内へ挿入されるホ
ース（１２）が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、片側が開口した液体
管、特に飛行機の給水システム用蛇口管( Stichleitung
en )の凍結防止装置であって、液体供給タンクと、主分
配管とを有し、主分配管に、管分岐部を介して、遮断要
素を備えた、特に液体取り出し部を備えた蛇口管が接続
され、主分配管の中に液体搬送用のポンプが配置されて
いる前記凍結防止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ特許公開第４２０２７１９号公報
から、給水タンクと分配管とを備えた飛行機用給水シス
テムが知られている。給水タンクと分配管には、蛇口管
を介して取水部が接続されている。この種の給水システ
ムが飛行中に凍結しないようにするため、分配管が水
（必要に応じてあらかじめ加熱される）によって連続的
に洗浄されるように構成することによって、飛行機の周
囲が寒冷である場合の分配管の凍結を防止している。分
配管の内部で水が運動することにより、わずかなエネル
ギー消費で凍結を防止できるが、分配管に接続されて取
水部へ通じている蛇口管は洗浄されない。これらの蛇口
管は別個の加熱手段により凍結防止されるか、或いは二
重管として分配管の中に組み込まなければ、洗浄を保証
することはできない。これは管の配置を複雑にし、しか
も水循環系内の流動抵抗が増大する結果になる。

【０００３】さらにドイツ特許公開第４２２７５１８号
公報からは、飛行機内に水を分配する装置が知られてい
る。この装置では、主導管を貫流する水の搬送は特定の
時点だけしか行われず、水の搬送を行わない間、主導管
を通気弁を介して空にすることにより、周囲が寒冷であ
る場合の凍結を防止している。この装置を用いると、蛇
口管も通気弁を介して空にさせることができる。しかし
ながら、トイレまたは機内の台所では水が常時消費され
るので、蛇口管を接続した水分配システム全体を空にす
ることはあまり意味がない。というのも、取水部に付加
的に貯水部を設けねばならないからである。

【０００４】このように、従来使用されている飛行機の
給水システムの欠点は、取水が行われず、且つエネルギ
ーを集中的に必要とする加熱要素を用いて凍結を防止せ
ねばならないか、或いは非常に複雑な配管を必要とする
という限りおいての管として蛇口管が構成されているこ
と、他方、蛇口管を迅速に空にしなければ蛇口管の凍結
を防止できず、しかも飛行中水が常時消費されるため
に、取水口に付加的に貯水部を設けねばならないことで
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
種の凍結防止装置を次のように構成すること、即ち周囲
が寒冷のときに、片側が開口した管、特に給水システム
の蛇口管の凍結防止を、従来の解決法に比べてエネルギ
ー消費を少なくして、且つ配管を簡潔にして実現可能で
あり、しかも飛行中に付加的な重量物を必要とすること
なくいつでも水を供給できるように構成することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、管分岐部内に搬送装置が設けられ、該搬送
装置が、主分配管の方向に少なくとも一つの流入口を有
し、且つ蛇口管の方向に少なくとも一つの流出口を有
し、搬送装置の流出口に、凍結の危険のある管領域を貫
通して延びるような深さで蛇口管内へ挿入されるホース
が接続されていることを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の実施例を添付の図面を用いて
説明する。

【０００８】飛行機内の給水システムは、図１によれ
ば、大体において給水タンク１と主分配管２から構成さ
れている。主分配管２には、管分岐部４ａないし４ｆを
介して蛇口管５ａないし５ｆが接続されている。蛇口管
５ａないし５ｆは、主分配管２と取水部６ａないし６ｆ
との連結部を形成している。取水部６ａないし６ｆは、
機内台所の領域、またはトイレの領域にあり、例えば給
水栓として構成されており、遮断弁７を備えているのが
好ましい。給水タンク１に直列に接続され、循環パイプ
として構成された主分配管２内には、液体搬送用のポン
プ３が配置されており、水の循環が保証されている。主
分配管２を飛行機の床の領域に水平方向に設け、取水部
６ａないし６ｆに通じている蛇口管５ａないし５ｆがほ
ぼ鉛直方向に延びて、キャビネット領域で水が消費され
るようにするのが好ましい。

【０００９】図２は管分岐部４を図示したものである。
管分岐部４は、図１によれば、主分配管２と取水部６に
通じる蛇口管５とを連結させている。この管分岐部４内
には搬送装置が設けられている。搬送装置は、大体にお
いて、Ｌ字状の静圧管( Staurohr )８から構成されてい
る。静圧管８は、その流入口９が液体の流動方向とは逆
方向に開口するように主分配管２の中に配置されてい
る。静圧管８の流出口１０は、蛇口管５の方向に配置さ
れている。静圧管８は、プレスまたは鋳造された部材と
して、Ｔ字状部分として構成された管分岐部４に挿入さ
れているのが好ましい。このような構成により、管分岐
部４への搬送装置８の有利な固定部１１が得られる。

【００１０】流出口１２にはホース１２が接続されてい
る。ホース１２は、蛇口管５内において取水部６の方向
へ通じている。このホース１２は飲料水に適した材料か
ら構成するのが好ましく、挿入または引き込みした後に
蛇口管５の選定長さの範囲内にあるように位置固定され
ていなければならない。ホース１２の長さは少なくとも
次のように選定されており、即ち蛇口管５の、凍結によ
って危険になる領域を、ホース１２が貫通するように選
定されている。蛇口管５の長さがある程度長ければ、必
要に応じてホース１２のための支持要素を蛇口管５の内
部に挿着することもできる。

【００１１】主分配管２の中を矢印の方向に流動する液
体の一部は静圧管８の流入口９に入り、液圧により静圧
管８とこれに接続されているホース１２とを矢印方向に
流動し、ホース１２の流出口１３から流出して、ホース
１２の外部へ流れ、蛇口管５の内壁に沿って再び主分配
管２に戻る。これにより、液体が継続的に流動するため
に、この凍結防止装置の内部では管の凍結が阻止され、
しかも構成を複雑にさせる二重管を設けることもなく、
また管を加熱する必要もない。

【００１２】図示した実施例では、ホース１２が遮断弁
７のすぐ下のところまで蛇口管５を貫通して、蛇口管５
全体を遮断弁７にいたるまで凍結を防止させている。ホ
ース１２の必要な長さは、実際に生じる管の凍結危険に
依存している。主分配管２は通常飛行機の床領域に敷設
され、よって飛行中に冷たい外気に曝される。よってパ
イプシステムは急速に凍結する。

【００１３】しかし蛇口管５にたいしては、乗客キャビ
ンにいたるまでの領域だけを凍結防止措置の対象とすれ
ばよい。乗客キャビンの内部では、飛行中にパイプを凍
結させないような温度が支配しているからである。

【００１４】図３は、分岐した蛇口管の中に凍結防止装
置を設けた実施例を示している。管分岐部４の領域にお
ける静圧管８と主分配管２の構成は図２の実施例に対応
している。本実施例では、蛇口管５は、２本の管部分
５’と５’’を備えたＴ字状の分岐管から構成されてい
る。管部分５’，５’’はそれぞれ遮断弁７’，７’’
によって遮断されて、取水部へ延びている。蛇口管５，
５’，５’’の内部にはホース１２が延びている。ホー
ス１２も同様にＴ字状の分岐管から構成されており、遮
断弁７’，７’’の近くまで延びているホース部分１
２’，１２’’を備えている。ホース部分１２’，１
２’’はホース流出口１３’，１３’’を備えている。
蛇口管５の分岐部の数量に応じて、且つホース流出口１
３’，１３’’における液体の流出に応じてホース１２
を分岐させることにより、静圧管８を介して液体の流動
が発生すると、流動に十分な程度に蛇口管５のどの分岐
部でも液体が貫流する。主分配管２内の液体の一部によ
り駆動され、静圧管として構成された搬送装置が、液体
の駆動に十分でない場合には、静圧管の代わりに別の搬
送装置、例えばサーボポンプを使用することができる。
サーボポンプは、タービンホイールまたは電動機により
駆動される。

【００１５】図１と図２に図示した凍結防止装置の実施
例は、主分配管２が循環パイプとして構成され、且つ液
体が連続的に一方向へ流動するような給水システムに適
している。

【００１６】主分配管を単一のストランドパイプとして
構成すると、液体はもはや連続的に一方向へ流動せず、
その流動方向は変化することができる。従って搬送装置
は、主分配管の構成のために二つの方向へ調整可能でな
ければならない。

【００１７】図４には、このような使用に適した凍結防
止装置の実施例を示されている。Ｌ字状の静圧管８とし
て構成された搬送装置は、回転自在軸受１４により容易
に回転可能に管分岐部４内に支持されており、水の流動
によりその都度適正に整向される。このため静圧管８に
は、液体の流動にともなって旗のように揺動する整向部
材( Ausrichtfahne )１５が次のように取り付けられて
おり、即ち主分配管２内の液体により長手方向に環流せ
しめられ、これによって自動的に静圧管８を回転させる
ように取り付けられている。

【００１８】図５には変形実施例が図示されている。静
圧管８はＴ字状に構成され、二つの流入口９，９’は主
分配管２の内部にあり、流動方向とは逆の方向にある流
入口だけがその都度開口する。ホース１２を接続した流
出口１０は、図２の実施例に対応して構成されている。
流入口９，９’の開口は、バルブボール１６によって達
成される。静圧管８の内部に生じる動圧は、バルブボー
ル１６を流動方向にある流入口のほうへ移動させ、この
流入口を閉鎖させる。主分配管２内で矢印の方向に流動
する液体の一部は、静圧管８の流入口９に侵入し、動圧
によって静圧管８とこれに接続されているホース１２と
を矢印方向に貫流する。そしてホース１２の流出口１３
から流出して、ホース１２の外側を蛇口管５の内面に沿
って下降し、主分配管２へ戻る。

【００１９】主分配管を単一のストランドパイプとして
構成するための搬送装置８の変形例として、電気駆動さ
れる従来のサーボポンプも可能である。このサーボポン
プは切換え可能であり、主分配管内の液体の流動方向と
は独立に作動することができる。さらに、例えば直線ブ
レード式( geradbeschaufelt )の渦巻きポンプのように
タービン駆動されるサーボポンプもこの実施例に使用し
てもよい。

【００２０】本発明による構成は、飛行機の給水システ
ムに使用されるほか、片側だけが開口したパイプを常時
液体が貫流するような場所であればどこにでも適用でき
る。この場合、本発明による凍結防止装置はどんな水分
配システムにおいても使用可能であり、例えば建築技術
にたいしても適用可能である。

【００２１】

【発明の効果】請求項１によれば、周囲が寒冷のとき
に、片側が開口した管を、特に給水システムの蛇口管
を、従来の解決法に比べてエネルギー消費を少なくし
て、且つ配管を簡潔にして実現可能であり、しかも飛行
中に付加的な重量物を必要とすることなくいつでも水を
供給することができる。

【００２２】さらに、飛行中でも水の取り出しがいつで
も保証されており、しかも取水部に付加的に貯水部を設
ける必要がない。

【００２３】本発明による装置によれば、主分配管内の
液体の少なくとも一部は、蛇口管内にあるホースに供給
され、このホースの流出口から液体は流出して蛇口管内
を主分配管のほうへ流動し、よって蛇口管の凍結を防止
するような継続的な流動が発生する。

【００２４】請求項２または４によれば、駆動されるべ
き液体を、主分配管内の液体により発生させることがで
きる。

【００２５】請求項３によれば、主分配管内にある液体
によって必要な動圧を発生できないような長い蛇口管ま
たは多数の分岐部も凍結を防止することができる。

【００２６】請求項５によれば、簡潔で安価な構成が達
成される。

【００２７】請求項６によれば、製造コストを最小にす
ることができる。

【００２８】請求項７によれば、液体の流動方向に応じ
て静圧管を自動的に整向することができる。

【００２９】請求項８によれば、主分配管内の液体の流
動方向とは独立に凍結防止装置を構成することができ
る。

【００３０】請求項９によれば、電気的に駆動されるサ
ーボポンプも、主分配管内の液体の流動に応じて、その
回転方向を変化させることができる。

【００３１】請求項１０によれば、適正な流動方向に自
動的に調整することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】主分配管が循環パイプとして設けられている給
水システムの構成図である。

【図２】液体が一方向に連続的に流動する主分配管を備
えた給水システム用の蛇口管凍結防止装置を示す図であ
る。

【図３】分岐した蛇口管の凍結防止装置を示す図であ
る。

【図４】主分配管内の液体の流動方向が変化する給水シ
ステム用の蛇口管凍結防止装置を示す図である。

【図５】主分配管内の液体の流動方向が変化する給水シ
ステム用の蛇口管凍結防止装置の変形例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１給水タンク２主分配管３ポンプ４，４ａないし４ｅ管分岐部５，５ａないし５ｅ蛇口管９，９’，９’’ 流入口１０流出口１２，１２’，１２’’ ホース

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】片側が開口した液体管、特に飛行機の給
水システム用蛇口管の凍結防止装置であって、液体供給
タンクと、主分配管とを有し、主分配管に、管分岐部を
介して、遮断要素を備えた、特に液体取り出し部を備え
た蛇口管が接続され、主分配管の中に液体搬送用のポン
プが配置されている前記凍結防止装置において、管分岐部（４）内に搬送装置が設けられ、該搬送装置
が、主分配管（２）の方向に少なくとも一つの流入口
（９）を有し、且つ蛇口管（５）の方向に少なくとも一
つの流出口（１０）を有し、搬送装置の流出口（１０）
に、凍結の危険のある管領域を貫通して延びるような深
さで蛇口管（５）内へ挿入されるホース（１２）が接続
されていることを特徴とする凍結防止装置。
【請求項２】搬送装置が静圧管（８）として構成さ
れ、該静圧管（８）は、その流入口（９）が主分配管
（２）内での液体の流動方向とは逆の方向に向けられる
ように管分岐部（４）に固定されていることを特徴とす
る、請求項１に記載の凍結防止装置。
【請求項３】搬送装置（８）が、電気駆動式のサーボ
ポンプとして構成されていることを特徴とする、請求項
１に記載の凍結防止装置。
【請求項４】搬送装置（８）が、タービンホイールに
より駆動されるサーボポンプとして構成されていること
を特徴とする、請求項１に記載の凍結防止装置。
【請求項５】静圧管（８）がＬ字状に構成されている
ことを特徴とする、請求項２に記載の凍結防止装置。
【請求項６】主分配管（２）が循環パイプとして構成
され、静圧管（８）が、固定して、例えば管分岐部
（４）の鋳造部品またはプレス部品として管分岐部
（４）に挿入されていることを特徴とする、請求項５に
記載の凍結防止装置。
【請求項７】静圧管（８）が回転自在軸受（１４）に
より管分岐部（４）内で回転可能に支持され、且つ旗の
ように揺動する整向部材（１５）により、液体の流動方
向に応じて流入口（９）が流動方向とは逆方向に位置す
るように支持されていることを特徴とする、請求項５に
記載の凍結防止装置。
【請求項８】静圧管（８）がＴ字状に構成され、二つ
の流入口（９，９’）が主分配管の内部にあり、且つバ
ルブボール（１６）によりその都度流動方向にある流入
口を閉鎖可能であることを特徴とする、請求項２に記載
の凍結防止装置。
【請求項９】搬送装置（８）が、主分配管（２）内で
の液体の流動に応じて切換え可能であることを特徴とす
る、請求項３に記載の凍結防止装置。
【請求項１０】サーボポンプが、直線ブレード式渦巻
きポンプとして構成されていることを特徴とする、請求
項４に記載の凍結防止装置。