JPS6152604B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は硬質樹脂製の電線保護管本体と、その
外側を覆う軟質樹脂製の被覆管とを備えた電線保
護管に関する。

従来、この種の電線保護管としては、例えば、
実開昭53−65598号公報に示されているように、
硬質樹脂製の波付パイプの外側を、その波付パイ
プの波形の谷部に入り込む部分を有した軟質樹脂
製のパイプで被覆した構造のものが知られてい
る。このような電線保護管では、硬管の波付パイ
プの外側が軟質のパイプで保護されていることに
より、耐衝撃性や機械的強度の多少の増大、およ
び、外部から保護管内部への浸水を避けられる点
などに関して有効なものであるが、硬質樹脂から
なる波付パイプが、単に断面波形に構成されてい
るだけであつたため、その波付パイプの肉厚を増
大して耐偏平圧縮強度を高めようとすれば、パイ
プ自体の可撓性が大きく損われてしまう欠点があ
り、また、軟質樹脂が波形の谷部に入り込むこと
によつても、硬質の波付パイプの可撓性ならびに
伸縮性が損われ易いものであつた。

本発明は、硬質樹脂製の電線保護管本体の構
造、ならびに、軟質樹脂製の被覆管の構造を工夫
して、外部からの浸水を避けられるとともに、充
分な可撓性ならびに伸縮性を有しながら耐衝撃
性、耐偏平圧縮強度の増大を図り得ることが可能
で、そのうえ耐久性に優れ、製作加工も容易な電
線保護管を得ることにその目的がある。

上記目的を達成するための本発明の特徴とする
構成は、前記電線保護管本体を、螺旋状に捲回さ
れた硬質帯状体の軸線方向で相隣る端縁どうしを
互に非接着状態で一部重合させた筒状体から構成
するとともに、前記被覆管を、前記硬質帯状体の
重合部分を覆う状態で、かつ、軸線方向で相隣る
端縁どうしを一体接合した螺旋状の軟質帯状体で
構成した点にあり、かかる構成から次の作用効果
を奏する。

すなわち、硬質樹脂製の電線保護管本体が、軟
質樹脂製の被覆管で水密状に覆われているため
に、電線保護管本体の内部への浸水を避け易く、
また、耐衝撃性の面でも有利なものでありなが
ら、前記電線保護管本体が、螺旋状に捲回された
硬質帯状体からなり、かつ、その硬質帯状体の端
縁どうしが、互に非接着状態で一部重合されてい
るものであるため、相隣る硬質帯状体部分どうし
の軸線方向での相対移動が可能となり、従つて、
硬質帯状体の肉厚を増大して電線保管本体の耐偏
平圧縮強度を大きくしても、単なる波形断面のパ
イプ状の管を曲げあるいは伸縮させる場合に比べ
て、遥かに可撓性および伸縮性に優れた電線保護
管を得られたものである。つまり、個々の硬質帯
状体部分の外表面形状を径方向あるいは軸線方向
に大きく変化させて曲げるのではなく、各硬質帯
状体部分の配設ピツチを変化させるごとく変形さ
せるので、硬質帯状体に生じる内部応力は小さく
て済み、曲げおよび伸縮させ易いものである。

また、螺旋状に捲回された硬質帯状体の端縁ど
うしを、非接着状態としただけではなく、一部重
合させて非接着状態としたものであるから、例え
ば、硬質帯状体の端縁どうしを突き合せ状態で非
接着とする場合に比べても、電線保護管を曲げた
際に、その曲率中心側の硬質帯状体の端縁どうし
が突き合せ状態のまま、曲率中心から遠い側の端
縁が互に離間し、復帰時に硬質帯状体の端縁間に
軟質帯状体の一部が挾み込まれて損傷したり、元
の状態に復帰し難くなるという不都合を招く虞れ
も少なく、耐久性の面でも優れたものであり、さ
らにまた、両管とも帯状体を螺旋巻きに並行して
外側の被覆管を螺旋巻きすることも容易であり、
別々の工程で行う場合に比べて製作加工も容易で
ある。

本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、
硬質帯状体１〔硬質合成樹脂製のもの、中でも硬
質塩化ビニールが好適〕を、軸芯方向で相隣る硬
質帯状体部分１ａ，１ａ同志が互いに一部重合す
る状態で、かつ、その硬質帯状体部分１ａ，１ａ
どうしの重合部分は非接着状態で接当するように
構成し、更に、前記硬質帯状体１の端縁どうし
を、非接着状態で一部を重合させたことにより、
伸縮ならびに曲げ変形可能な状態で螺旋状に捲回
して筒状に構成してある電線保護管本体２の外側
に、前記伸縮ならびに曲げ変形を許容しながら相
隣る硬質帯状体部分１ａ，１ａ間の目地を閉塞す
る軟質帯状体３〔軟質合成樹脂製のもの、中でも
軟質塩化ビニールが好適〕を、軸芯方向で相隣る
軟質帯状体部分３ａ，３ａ同志が互いに一体接合
される状態で、かつ硬質帯状体部分１ａに一部溶
着又は接着する状態で、螺旋状に捲回し、このよ
うにして構成された被覆管４により本体２を囲繞
してある。尚、両帯状体１，３は互いに単に接当
させるだけでも良い。

軟質帯状体３は、その１ピツチ分の帯状体部分
３ａが、硬質帯状体１の１ピツチ分の帯状体部分
１ａに対し、第１図のように１ピツチだけ対応す
るように螺旋捲回するも、第２図のように複数ピ
ツチ対応するように螺旋捲回するも良い。何れ
も、硬質帯状体部分１ａ，１ａの目地に対し、軟
質帯状体部分３ａ，３ａの接合縁が軸芯方向で位
置ずれするように捲回するのが好ましい。１ｂ
は、電線を接当により滑り止めするために硬質帯
状体１の内面に形成した波状の凹凸条である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る電線保護管の実施例を示
し、第１図は縦断正面図、第２図は別実施例の部
分縦断正面図である。 １……硬質帯状体、１ａ……帯状体部分、２…
…電線保護管本体、３……軟質帯状体、３ａ……
軟質帯状体部分、４……被覆管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 硬質樹脂製の電線保護管本体２と、その外側
   を覆う軟質樹脂製の被覆管４とを備えた電線保護
   管であつて、前記電線保護管本体２を、螺旋状に
   捲回された硬質帯状体１の軸線方向で相隣る端縁
   どうしを互に非接着状態で一部重合させた筒状体
   から構成するとともに、前記被覆管４を、前記硬
   質帯状体１の重合部分を覆う状態で、かつ、軸線
   方向で相隣る端縁どうしを一体接合した螺旋状の
   軟質帯状体３で構成してあることを特徴とする電
   線保護管。 ２ 前記軟質帯状体３を前記硬質帯状体１に対し
   て一体接合してある特許請求の範囲第１項に記載
   の電線保護管。