JPS6150906B2 - - Google Patents

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JPS6150906B2
JPS6150906B2 JP56002298A JP229881A JPS6150906B2 JP S6150906 B2 JPS6150906 B2 JP S6150906B2 JP 56002298 A JP56002298 A JP 56002298A JP 229881 A JP229881 A JP 229881A JP S6150906 B2 JPS6150906 B2 JP S6150906B2
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JP
Japan
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weight
tic
tio
parts
sintering
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Application number
JP56002298A
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English (en)
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JPS57135773A (en
Inventor
Mitsuhiko Furukawa
Toshiaki Wada
Rikuto Myahara
Takashi Kitahira
Kyohito Misumi
Masaharu Shiroyama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP56002298A priority Critical patent/JPS57135773A/ja
Publication of JPS57135773A publication Critical patent/JPS57135773A/ja
Priority to US06/639,216 priority patent/US4582812A/en
Publication of JPS6150906B2 publication Critical patent/JPS6150906B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本願発明は、高密度記録に適した薄膜磁気ヘツ
ド材料の製造方法に関するものである。 高密度記録用磁気ヘツド材料は、従来のセンダ
スト材やフエライト材ではなお高周波透磁率が低
くまた狭くなるトラツク幅に合わせての機械加工
性が難しいという欠点がある。そこで最近これら
の欠点を解消する磁気ヘツド材料として薄膜磁気
ヘツドが有力視されているものの、薄膜磁気ヘツ
ドではその基板を超精密鏡面仕上げした時に基板
表面に微細な気孔さえも存在しないこと及びその
基板の機械加工性が容易なことが特に要求され
る。この様な磁気ヘツド用基板としてセラミツク
材料が一般に用いられているが、その超精密鏡面
仕上げされた基板に微細な気孔が存在しない様に
するには、そのセラミツク粉末を殆んど理論密度
となるまで焼結成型し、しかもセラミツク結晶粒
子内の結合力が強く微細な組織を有しているもの
でなければならない。しかし一方その様なセラミ
ツク焼結体の機械加工性は非常に困難となる。 この様なセラミツク基板の焼結方法としてホツ
トプレス法と熱間等方圧加圧(以下HIPと記す)
法とが有効であるとされている。 まず、ホツトプレス法にあつては、Al2O3
TiC系の原料粉末を1600℃〜1800℃でホツトプレ
ス焼結するわけであるが、この様に焼結温度を比
較的高温に保たなければならないが故に、焼結工
程においてその焼結性を改善し、かつ結晶粒子の
成長を抑制する手段としてMgO,NiO及びCr2O3
等の1種若しくは2種以上を約0.5重量%以下添
加する方策がとられているが、この様な手段を採
つてもなお理論密度の焼結体は得られないし、機
械加工性の点ではまだ改良すべき問題点が残され
ていた。 次にHIP法については、すでに実用化の段階に
至つているがこのHIP法を適用するにはその予備
処理としてセラミツク圧紛体を対理論密度94%以
上の予備焼結体とする必要がある。この種の
Al2O3−TiO系セラミツク基板の製造方法におい
て、その焼結体を改善し、かつ結晶粒子の成長を
抑制する手段としてMgO,NiO及びCr2O3の1種
若しくは2種以上を約1.0重量%以下添加する方
策が採られているが、この様な策を採つてもなお
上述の予備焼結の際の焼結温度を1850℃〜1950℃
まで高めなければ目的とする対理論密度の予備焼
結体は得られない。その為この様にAl2O3−TiC
系セラミツク基板が高温に曝されるので上記の結
晶粒成長抑制剤を添加しているにも拘らず
Al2O3,TiC結晶粒の成長を伴ない超精密鏡面仕
上げをする場合微細孔を生じ易く、しかもトラツ
ク幅に合わせて機械加工する際エツチ部の欠けが
生じ易い。しかも高温を必要とする為に作業性が
悪く省エネルギーの点でも問題がある。 本願発明は、上記諸問題を解消する磁気ヘツド
用材料の製造方法を提供せんとする。 TiO2粉末を5重量%〜15重量%含むTiC粉末30
重量%〜50重量%と、残部アルミナ粉末から成る
混合粉末100重量部に対し、MgO,NiO,
Cr2O3,ZrO2より成る群の1種若しくは2種以上
から成る快削性付与剤0.5重量部〜5重量部及び
Y2O3粉末が0.05重量部〜2重量部なる組成の原
料を熱間焼結することを特徴とするアルミナ系磁
気ヘツド用材料の製造方法である。 以下本願発明を開発するに至つた実験並びにそ
の結果について述べる。 〈実験〉 (a) 実験方法及び結果 純度99.9%、平均粒子径0.6μmのα−Al2O3
純度99%、平均粒子径0.5μmのTiC、Y2O3及び
TiO2並びにNi,Cr,Mg,Zrの各酸化物を各種配
合したものをボールミル混合機により、20時間湿
式混合紛砕を行つた後、ワツクスを添加して造粒
し、1.3t/cm2の圧力で焼結後の寸法が50mm角、厚
さ5.0mmの成型素体になる様に成型した。 この場合常温で圧縮成型時の圧力は経験則上
0.5t/cm2以上必要であることが判つているのでそ
の条件で行つた。この常温で圧縮成型した素体を
アルゴンガス雰囲気炉で1650℃〜1950℃の範囲で
その温度に達して1時間保持後の予備焼結体の密
度が対理論密度94%以上となる様予備焼結を行つ
た。この場合に於ける温度と各種配合物の配合割
合との関係を第1図のグラフに示す。 また、Y2O3を0.25重量部、MgOを1重量部と
一定とし、TiO2/(TiC+TiO2)×100の値を各
種変化させた場合に於ける予備焼結温度の変化を
第2図に示す。 また(63Al2O3−33.3TiC−3.7TiO2)100重量
部に対しY2O30.25重量部なるものに、快削性付
与剤の各種を添加したものを対理論密度が94.0%
以上となる様に予備焼結するのに必要な温度(1
時間保持)を第3図に示す。 次に、この様にして得られた対理論密度94%〜
95%の予備焼結体をMo発熱体を内包する高圧容
器からなるHIP炉内に入れ、1400℃、1000Kg/cm2
のArガス圧下で1時間保持し、予備焼結体に等
方等圧を加えて最終焼結体を得た。次にこの種の
最終焼結体をダイヤモンド砥石にて研削加工後、
各種焼結体の硬さ(ロツクウエルAスケール)測
定を行つた。その結果を第4図及び第5図のグラ
フに示す。 またHIP後の最終焼結体の電子顕微鏡組織写真
を第6図に示す。この試料は(63%Al2O3−33.3
%TiC−3.7%TiO2)100重量部に対し、Y2O30.25
重量部なるものに、快削性付与剤MgOを1重量
部添加したものである。また比較の為に63%
Al2O3−37%TiC(Y2O3を全く含まない)なる組
成のものを対理論密度が94%以上になるべく予備
焼結した後HIP処理したものの電子顕微鏡組織写
真を第7図に示す。 次に対理論密度94%〜95%の密度を有する各種
配合された予備焼結体をHIP炉内に入れ1400℃、
1000Kg/cm2のArガス圧下で1時間焼結して対理
論密度が99.5%以上の最終焼結体を50×50×45mm
に研削仕上げして、その研削性能試験を行つた。
この場合の試験条件は次の通りである。即ち、各
種試験片を治具で固定し、これに滑車を介して
1.0Kgの錘をつけ、レジンダイヤモンド切断砥石
にて、錘の力により50mm長さを切断するに要する
時間を調べた。この切断試験結果を第8図〜第1
1図のグラフに示す。なお切断時間は5列切断の
平均値を示す。第8図は同試験条件でMgOの量
を1重量部、TiO2/(TiC+TiO2)×100=10重
量%と一定としY2O3添加量による影響を、第9
図はY2O3=0.25重量部、TiO2/(TiC+TiO2)×
100=10重量%、TiC+TiO2=37重量%と一定
し、NiO,Cr2O3,ZrO2,NiO+ZrO2等の快削性
付与剤の添加量の変化による影響を、同じく第1
0図はY2O3=0.25重量部、TiO2/(TiC+
TiO2)×100=10重量%と一定時のMgO快削性付
与剤添加量の影響を示す。また第11図には
MgO=1.0重量部と一定で、かつY2O3=0.25重量
部と一定にした場合のTiO2/(TiC+TiO2)の変
化との関係を示す。 (b) 考察 HIP法を適用するに必要な対理論密度を有する
予備焼結体を得る為の温度と各配合原料の関係を
示す第1図からY2O3量についてはY2O3を全く含
まないものに比べてY2O3を添加するにつれて順
次予備焼結温度が低くなつて行くが、0.05重量部
未満ではまだその低下度が足りないため予備焼結
体の構成結晶粒の微細なものが得られなくなる。
Y2O3を適量の0.5重量部入れたものでは均一微細
な構造が得られている事が第6図より判る。しか
しながらY2O3が2重量部を越えると予備焼結体
組織に大きな空孔が増加する為に対理論密度が95
%であつてもHIPにより緻密化させることが不可
能になる。 次に第2図からTiO2/(TiC+TiO2)×100=
5重量%未満ではTiO2の焼結改善の効果が少な
くなり予備焼結温度が高くなる傾向があるし、ま
たこの値が15を越えると高い予備焼結温度を必要
とすると共に緻密で均一な微細な組織を有する焼
結体が得られなくなる。これは15位まではTiC原
料中の遊離炭素と反応及び他成分との反応で焼結
性に有意義であるがTiO2/(TiC+TiO2)×100
の値があまり大きくなりすぎるとTiCを酸化させ
TiC結晶粒が粗大化する為である。 また第3図に示す各種の快削性付与剤は一般に
粒成長抑制兼焼結促進剤と呼ばれているものに属
し、0.5重量部以上配合したものは著しく焼結性
が改善される。図から明らかな如く快削性付与剤
は6重量部においても低温焼結性を改善せしめて
いるが、5重量部を越えると急に予備焼結体の結
晶が異常成長する現象が認められた。 なおセラミツク切削工具の他の耐摩耗性を要求
される材料においては0.5重量部以下の添加量が
通例となつているが、本願発明はあえて多量の添
加量について検討を行なつたものである。 第4図に示す配合成分に対して、Y2O3の最適
添加量の範囲を硬さとの関係から限定すれば、
Y2O3が0.05重量部から2重量部までその効果を
発揮し2重量部を越えると硬さが著しく損なわれ
る。 上記硬さは、焼結体の結晶粒径が小さく、かつ
緻密である程高い値を示すものであり、本願の磁
気ヘツド材料においても硬くて耐摩耗性があり、
また緻密であることが材料選択の条件であり、他
の特性として快削性(研削容易性)を要求される
ものである。なおY2O3が0.05重量部未満におい
ては、その焼結促進効果が発揮されず高温での予
備焼結をする必要がある為均一微細な組織を得る
目的が果されない。 次にMgO等の快削性付与剤の添加量と硬さの
関係においては、MgO添加量が0.1重量部未満で
は焼結体の結晶粒が成長する傾向にあり、0.1重
量部から5重量部までは正常な結晶粒を有する焼
結体が得られる。これに伴なつて硬さも本願組成
品は硬さ93.0以上を示している。 しかしながら添加量が5重量部を越えると硬さ
が著しく低下するとともに焼結体組織に異常成長
粒が認められるようになる。 セラミツク系磁気ヘツド材料において素材の快
削性が要求されることは先に述べたが快削性付与
剤添加量と研削性能との関係をみるため、50×50
×4.5mmの各種配合組成の焼結体を、厚さ1.0mmの
ダイヤモンド切断砥石の切断送り分力として一定
量の重鎮を作用させた状態で、50mmの長さ方向を
1列切断するに要する時間を求め、図第8図〜第
11図に5列切断値の平均でグラフ化している。 快削性付与剤の添加量は第9図〜第11図に示
す如く0.5重量部から著しく研削性が改善され、
かつ1重量部から6重量部まで更に研削性が徐々
に向上する傾向にある。 しかしながら磁気ヘツド材料においては、微細
加工性及び均一な耐摩耗性に関係する焼結体結晶
粒の均一微細かつ緻密であることが要求されるの
であるが、快削性付与剤が5重量部を越えると、
異常粒成長を起しかつ緻密度が損なわれるため好
ましくない。 具体的には第10図においてみられる様に
MgO添加量が0.5重量部未満においては研削性が
悪い(切断時間が長い)が、0.5重量部以上にな
ると著しく研削性が改善される。 また添加量が5重量部を越えると更に研削性は
良くなるが、緻密度が損なわれかつ異常成長粒が
増加するため好ましくない。 なお(TiC+TiO2)配合量が本願組成範囲外の
25重量%のものは、Al2O3成分が多いために研削
性が悪く、加工度の多い本願用途の磁気ヘツド材
用としては好ましくなく、また(TiC+TiO2)が
60重量%以上になると、研削性は更に良くなるが
高温条件で予備焼結しなければならないため必然
的に本願組成品よりもAl2O3及びTiC粒の成長が
促進されるので好ましくない。 これ等のことは他の快削性付与剤についてもい
うことができる。 〈実験〉 (a) 実験方法及び結果 純度99.9%、平均粒子径0.6μmのα−Al2O3
純度99%、平均粒子径1μmのTiC、TiO2
Y2O3,MgO等の焼結促進剤及び快削性付与剤を
それぞれ各種配合したものをボールミル混合機に
より20時間湿式混合紛砕を行つた後、これを充分
に乾燥して焼結用原料とし、50×50mm角、高さ60
mmの黒鉛型内に上記各種焼結用原料を充填すると
共に、高周波コイルに挿入し、不活性雰囲気にて
1350℃〜1850℃の温度範囲内で各所定温度にて
200Kg/cm2の圧力を加え60分間保持し、次いで圧
力を抜いて放冷する事により50×50×5.5mmの目
的の焼結体を得た。 TiO2/(TiC+TiO2)×100=10重量%で
MgO0.25重量部のものにつき、ホツトプレス法
によつて対理論密度を少くとも98.5%となる様に
焼結する為のホツトプレス湿度を下記第1表に示
す。但しその場合の圧力は200Kg/cm2、保持時間
は60分間とした。次に、(70Al2O3−27TiC−
3TiO2)100重量部、Y2O30.25重量部のものに焼
結促進剤及び快削性付与剤の各種を添加したもの
を200Kg/cm2、60分間保持の条件で対理論密度を
99.5%以上にする為の最低湿度の変化を第12図
のグラフに示す。
【表】 第13図は0.25重量部のY2O3を配合したAl2O3
と(TiC+TiO2)との成分に対して、快削性付与
剤であるMgOを1.0重量部配合した場合、(TiC+
TiO2)成分が25〜60重量の範囲でかつTiO2
(TiC+TiO2)成分を種々変化させた組成において
ホツトプレス焼結体の研削性を示すものである。 同じく第14図はTiO2/(TiC+TiO2)×100
を10重量%と一定、MgOを1.0重量部と一定にし
てY2O3量を変化させた場合の研削性を示す。 また第15図はTiO2/(TiC+TiO2)×100を
10重量%と一定、(TiC+TiO2)配合割合を37重量
部と一定にしかつY2O3を0.25重量部一定とした
場合快削性付与剤添加量との関係を示したもので
ある。 次にY2O3=0.25重量部一定、かつTiO2
(TiC+TiO2)×100=10重量%と一定にし快削性
付与剤であるMgO添加量を種々変化させた場合
の研削性を第16図に示す。 なお第13図〜第16図において研削性の試験
は実験において試験したと同じく、各種試験片
を治具で固定しこれに滑車を介して1Kgのおもり
をつけ、レジンダイヤモンド切断砥石にて、50mm
の長さを切断するに要する時間を調べた。 また、各種試験片組織代表例として(63%
Al2O3−33.3%TiC−3.7%TiO2)100重量部に対
し、Y2O30.25重量部なるものに、快削性付与剤
MgOを1重量部添加したものを第17図に、ま
た比較の為に63%Al2O3−37%TiC(Y2O3を全く
含まない)からなるものの電子顕微鏡組織写真を
第18図に示す。 (b) 考察 配合原料の組成、量比がホツトプレス焼結に及
ぼす影響についてはHIPの場合とほぼ同様である
が、ホツトプレス焼結に特有のものとして
TiO2/(TiC+TiO2)×100が15重量%を越える
と黒鉛型との反応が著しくなり接着あるいは接着
割れが発生し焼結歩留が低下するという事があ
る。 Y2O3=0.25重量部と一定でかつTiC×TiO2
37重量%でしかもTiO2/(TiC+TiO2)×100が
1.0重量%と一定条件にした成分に、快削性付与
剤添加量を最高6重量部まで変化させた場合のホ
ツトプレス焼結性を示すものにおいて快削性付与
剤であるMgO,Cr2O3,ZrO2及びNiOの1種また
は2種配合添加したいずれの条件においても、添
加量が0.5重量部以上になるとホツトプレス温度
が低くなり、低温焼結性が向上することが第12
図よりわかる。 第13図は、Y2O3=0.25重量部一定としかつ
快削性付与剤であるMgOを1.0重量部一定とし、
(TiC+TiO2)成分が25重量%〜60重量%の範囲で
しかもTiO2/(TiC+TiO2)の値を種々変化させ
た組成においてホツトプレス焼結体の研削性を示
すものである。 ここでの研削性は実験(a)実験方法及び結果で述
べた如く50×50×4.5mmの焼結体を厚さ1.0mmのダ
イヤモンド切断砥石で、切断送り分力が一定にな
るように、一定重量の重鎮を作用させて、50mmの
長手方向を切断するに要する時間を求め、図には
5列切断した場合の平均値で表したものであるが
第13図から明らかなようにTiC+TiO2配合量が
25重量%のものは切断時間が長くかかり、研削性
が悪いことを示している。 また本願組成外のTiC+TiO2成分が60重量%の
ものは最も研削性が優れているが、これは後述す
る如く、焼結体組織の粗大化及び緻密度不足によ
るものと考えられる。 一方TiO2/(TiC+TiO2)添加量を種々変化さ
せた場合、添加量が5重量%未満と15重量%を越
えるものにおいては研削性が優れているが、後述
する如く緻密度不足あるいは焼結体組織の粗大化
によるものと考えられる。 更にTiO2/(TiC+TiO2)の値が約10重量%に
おいて研削性は最も悪い傾向を示すが、これは焼
結体組織が均一傲細でかつ緻密に焼結されている
ことと関係していると想定される。 TiO2/(TiC+TiO2)×100を10重量%と一
定、MgO量を1.0重量部と一定にしてY2O3量を変
化させた場合の研削性を示す第14図において、
(TiC+TiO2)量が25重量%のものは、切断時間が
100秒以上を示す場合があり、研削性の点で磁気
ヘツド材料としては好ましくない。 また(TiC+TiO2)量が30重量%以上になると
研削性は非常に良くなり、かつ(TiC+TiO2)量
が多くなる程その傾向は強くなる。 (TiC+TiO2)量が多くなる程研削性が良くな
るのは研削性の悪いAl2O3量が少なくなることと
関連しており、かつ(TiC+TiO2)量が増加する
につれて高温域でのホツトプレスを行なう必要が
あるために、組織が粗大化する傾向があり、必然
的に強度が低下する結果研削性が良くなるものと
考えられる。 一方Y2O3配合量が0.05重量部未満、及び2重
量部を越えると急激に研削性が向上するが、これ
は配合量0.05重量部未満においては、その焼結促
進剤としての効果が少なく、比較的高温域でのホ
ツトプレスを行なう必要があるので組織が粗大化
するためであり、逆に2重量部を越えると焼結体
組織に粗大スポツトが急激に増加するため、研削
性が良くなるものと考えられる。 次にTiO2/(TiC+TiO2)×100を10重量%と
一定、(TiC+TiO2)配合割合を37重量%一定と
し、かつY2O30.25重量部一定の条件のもとに、
快削性付与剤の添加量を変化させた場合の研削性
をみた場合、第15図より快削性付与剤である
MgO,NiO,ZrO2及びCr2O3の単独あるいは2種
の添加を行なつたものは、いずれも0.25重量部の
材料が最も研削性が悪く、0.5重量部以上になる
と急に研削性が良くなることが図から明らかであ
る。 同じくY2O3=0.25重量部一定でかつTiO2
(TiC+TiO2)×100=10重量%と一定にして快削
性付与剤であるMgO添加量を種々変化させた場
合の研削性をみた場合第16図からわかるよう
に、(TiC+TiO2)が25重量%の組成材料は、快削
性付与剤であるMgOが多量になつた場合でも切
断時間が100秒以上となり、加工度の多い磁気ヘ
ツド材料としては、加工費用が多大となり好まし
くない。 (TiC+TiO2)が60重量%の組成品は研削性は
非常によいが、高温域でホツトプレス焼結する必
要があるため組織の粗大化をまねき、ラツプ面粗
度及び加工精度を要求する本願の用途には不適格
である。なおデータとしては示していないがカル
シウム、鉄、マンガン等の各酸化物についても上
記快削性付与剤と同様な快削性付与作用のあるこ
とを確めた。また快削性はセラミツク原料粉末の
製造方法によつても大きく影響を受けることを確
認した。特にTiC原料粉末においてTiC原料粉末
はTiC粉末製造時に高温炭化して造られたTiC粉
末を紛砕したものより、低温炭化して造られた微
粉末を原料とした焼結体の快削性が優れているこ
とを確認した。 即ち、純度99.9%、平均粒子径0.6μmのα−
Al2O3低温炭化にて造られた平均粒子径0.5μm純
度99%のTiC及び高温炭化にて造られたTiC粉末
を紛砕し平均粒子径0.5μmとした純度99%TiC
粉末の相方にY2O3,TiO2及びMgOと快削性付与
剤をそれぞれ配合したものを湿式混合紛砕を行な
つた後、これを充分に乾燥した後焼結用原料と
し、50×50mm角、高さ60mmの黒鉛型内に原料粉末
を充填し、1650℃〜1750℃の温度にて200Kg/cm2
の圧力を加え60分間保持して対理論密度99.5%と
なる50×50×4.5mmの焼結体を得た。この2種類
の試験片を実験で行なつた研削性能試験と同じ
方法にて治具で固定し、これに滑車を介して1Kg
のおもりをつけ、レジンダイヤモンド切断砥石に
て50mmの長さを切断するに要する時間を調べた結
果、(63重量%Al2O3−33.3重量%TiC−3.7重量
%TiO2)100重量部に対し、Y2O30.25重量部なる
ものに、快削性付与剤MgOを1重量部添加した
焼結体の場合、高温炭化にて造られたTiC粉末を
紛砕した微紛を用いて焼結した材料の切断に要す
る時間は低温炭化にて製造されたTiC微紛を用い
て焼結したものに較べ2.1倍の時間を要した。 即ちこの原因としてはTiC粉末の形状が異なる
ことも一要因と考えられる。高温にて炭化製造し
紛砕したTiC微紛は鋭い形状をしており、一方低
温にて炭化された微紛はいくらか丸味をもつてい
る。この丸味をおびたTiC紛を用いたAl2O3
TiC系セラミツク焼結体が快削性に優れているこ
とを確認した。これはまた第19図、第20図の
組織写真から見ても明らかである。この第19図
に示す組織写真は、高温炭化にて造られたTiC粉
末を紛砕して得られたTiC微紛を原料とした焼結
体組織写真また第20図に示すのは低温炭化にて
造られたTiC微紛を原料とした焼結体組織写真を
示す。 〈実験〉 (a) 実験方法及び結果 純度99.9%、平均粒子径0.6μmのα−Al2O3
純度99%、平均粒子径1μmのTiC、TiO2
Y2O3,ZrO2MgO等の焼結促進剤及び快削性付与
剤をそれぞれ各種配合したものをボールミル混合
機により20時間湿式混合紛砕を行つた後、これを
充分に乾燥して焼結用原料とし、50×50mm角、高
さ60mmの黒鉛型内に上記各種焼結用原料を充填す
ると共に、高周波コイルに挿入し、不活性ガス雰
囲気で1350℃〜1850℃の温度範囲内で各所定温度
にて200Kg/cm2の圧力を加え60分間保持し、次い
で圧力を抜いて放冷する事により50×50×5.5mm
の目的の焼結体を得た。 なおTiO2/(TiC+TiO2)×100=10重量%で
ホツトプレス法によつて対理論密度を少くとも
99.5%以上となる様にした。 また配合は(TiC+TiO2)=37重量%、
Al2O363重量%、100重量部に対しY2O3を0.25重
量部、一定としMgOを0.25,0.5,10重量部及び
ZrO2を2.5重量部添加したものである。 次いでこの様にして得た焼結体をダイヤモンド
砥石にて第21図に示す形状に成形した。 一方45−10×10mmに成形されたドーナツ型
円盤のフエライトと組み合わせて、ピン−デイス
ク方式の摩耗試験を行つた。第22図にその試験
方法を示す。第22図において、セラミツク
(Al2O3−TiC系)を固定し、デイスクを回転させ
お互いに接触し荷重を加えその時の摩耗量と摩擦
係数を測定した。 試験条件を次に示す。 荷 重 0.95Kg 摩擦速度 191.7m/min 第2表にその結果を示す。
【表】 (b) 考察 TiO2/(TiC+TiO2)×100を10重量%とし
て、((TiC+TiO2)37重量%+Al2O363重量%)
に対しY2O3量0.25重量部一定にして快削性付与
剤MgO量を変化させた試料の摩耗試験の結果
MgOの添加量の増加にしたがい摩耗量の増加が
いくらかみられるものの、摩擦係数は減少の傾向
にある。同じくZrO2を添加した材料の摩擦係数
も小さくなる。この摩擦係数が小さい事は磁気ヘ
ツド材料の要求される重要な特性の1つであり、
快削性付与剤の添加は焼結体の研削性の改善のみ
ならず磁気ヘツドスライダの改善へとつながつて
いることが判る。 なお付言しておけば、ホツトプレス法において
得られた焼結体が対理論密度95%程度のものを前
記HIP条件の下で処理した場合、焼結体組織が均
一微細で、かつ緻密なものが得られ本願発明の用
途に適した材料となることを確めた。 以上述べて来た様に、本願発明方法によれば、
磁気材料として適度の硬さと緻密性を持ち、かつ
研削性に優れた(快削性に富む)材料を得ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第11図はそれぞれ実験の結果を示
すグラフ若しくは結晶構造の電子顕微鏡組織写
真、第12図〜第18図はそれぞれ実験の結果
を示すグラフ若しくは結晶構造の電子顕微鏡組織
写真、第19図は高温炭化にて造られたTiC粉末
を原料とした焼結体の結晶構造を示す電子顕微鏡
組織写真、第20図は低温炭化にて造られたTiC
粉末を原料とした焼結体の結晶構造を示す電子顕
微鏡組織写真、第21図は実験の摩耗試験片の
大きさ、形状を示す説明図、第22図は実験の
摩耗試験の概要説明図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 TiO2粉末を5重量%〜15重量%含むTiC粉末
    30重量%〜50重量%と、残部アルミナ粉末から成
    る混合粉末100重量部に対し、MgO,NiO,
    Cr2O3,ZrO2より成る群の1種若しくは2種以上
    から成る快削性付与剤0.5重量部〜5重量部及び
    Y2O3粉末が0.05重量部〜2重量部なる組成の原
    料を熱間焼結することを特徴とするアルミナ系磁
    気ヘツド用材料の製造方法。 2 熱間焼結として熱間等方圧加圧焼結を採用す
    る特許請求の範囲第1項記載のアルミナ系磁気ヘ
    ツド用材料の製造方法。 3 熱間焼結としてホツトプレス焼結を採用する
    特許請求の範囲第1項記載のアルミナ系磁気ヘツ
    ド用材料の製造方法。
JP56002298A 1981-01-09 1981-01-09 Manufacture of material for alumina magnetic head Granted JPS57135773A (en)

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