JPS6148458B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、トラツクのキヤビン補強構造に関
するものである。

一般にキヤブオーバ型トラツクでは、車体の前
後方向に延びる左右のシヤーシフレームの前部に
キヤビンが取付けられており、ころキヤビンの下
側にはエンジンが、又その後側には荷台がそれぞ
れ配置されているが、このようにキヤビンを配置
すると、トラツクの衝突時に衝撃によりキヤビン
がその前端を中心にして前方に倒れるおそれがあ
る。

そこで従来のキヤブオーバ型トラツクでは、第
１図に示すように、左、右のシヤーシフレーム
（図示せず）にキヤビン３及び荷台４をそれぞれ
固定するとともに、キヤビン３の後端と荷台４の
前端とを連結板５によつて連結することにより、
キヤビン３の前方への倒れを防止しているが、こ
のようにキヤビン３と荷台４とを強固に連結した
場合、今度はエンジン振動及び走行時の車輪振動
がシヤーシフレーム及び荷台４を介してそのまま
キヤビン３に伝わり、乗り心地が悪いという懸念
がある（実開昭53−82919号公報参照）。

この発明は以上のような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、キヤビンを前、後の弾性体を介
してシヤーシフレーム上に配設するとともに、上
記弾性体より上方の上記キヤビン後部下端と該キ
ヤビンより後方の上記シヤーシフレームとに可撓
性の紐状連結部材をたるみを有して結合すること
により、衝突時のキヤビンの前方への倒れを連結
部材によつて防止するとともに、エンジン振動及
び車輪振動が直接キヤビンに伝わらないようにし
て該振動をマウントラバーで十分吸収できるよう
にし、キヤビンの居住性を損なわないようにした
トラツクのキヤビン補強構造を提供することを目
的としている。

以下本発明の一実施例を図について説明する。

第２図及び第３図は本発明の一実施例によるキ
ヤブオーバ型トラツクのキヤビン補強構造を示
し、図において１はキヤブオーバ型トラツクで、
該キヤブオーバ型トラツク１において、その車体
の下部両側には車体の前後方向にシヤーシフレー
ム２が設けられ、該シヤーシフレーム２の前部上
面にはキヤビン３が配設され、該キヤビン３の下
側にはエンジン（図示せず）が、又キヤビン３の
後側には荷台４がそれぞれ配置されている。

このキヤビン３の下面はフロアパネル６に、又
その背面はバツクパネル７によりそれぞれ構成さ
れており、フロアパネル６の後端とバツクパネル
７の下端とは溶接によつて固着されている。また
フロアパネル６の前端及び後端の下面にはクロス
メンバー８が車幅方向に配設され、このクロスメ
ンバー８にフロアパネル６が溶接によつて固着さ
れ、該クロスメンバー８の下面にはマウントブラ
ケツト９が固着され、一方シヤーシフレーム２に
はブラケツト１１が固定されており、上記マウン
トブラケツト９とブラケツト１１とはマウントラ
バー１０を介してボルト１２ａ、ナツト１２ｂよ
り相互に固定されている。なお第３図においては
前側のマウントブラケツトおよびブラケツトは図
示していないが、キヤビン３はこのようにしてシ
ヤーシフレーム２に取付けられている。

そして後側のマウントブラケツト９には可撓性
のワイヤ１３の一端がボルト１４ａによつて結合
され、該ワイヤ１３の他端は上記ボルト１４ａの
位置より後方においてワイヤ１３がたるみを有す
るようにシヤーシフレーム２にボルト１４ｂによ
つて連結されている。

また上記荷台４の下面には断面Ｕ字状のクロス
メンバー１５が車幅方向に配設されて該荷台４下
面に溶接によつて固着されており、該クロスメン
バー１５はシヤーシフレーム２上に載置され、ボ
ルト、ナツト等の固定手段（図示せず）によつて
固定されている。

次に作用効果について説明する。

このキヤビン補強構造では、トラツクの衝突時
に、キヤビン３に大きな衝撃が加わつても、キヤ
ビン後部下端と該キヤビンより後方のシヤーシフ
レーム２とを紐状連結部材１３より結合している
ため、キヤビン後部はその後方斜め下方から上記
連結部材１３により引張られて、キヤビン３が前
方に倒れるのを阻止することができ、したがつて
安全性は大きく向上されている。また、キヤビン
３とシヤーシフレーム２との間にマウントラバー
１０を介設するとともに、ワイヤ１３をたるませ
ているので、エンジン振動及び車輪振動があつて
もマウントラバー１０がその振動を吸収し、その
結果キヤビン３にはほとんど振動が伝わらず、キ
ヤビン３の居住性は損なわれない。さらにマウン
トブラケツト９とシヤーシフレーム２とを可撓性
を有する紐状のワイヤ１３によつて連結している
ので、マウントブラケツト９とシヤーシフレーム
２との間に介在物があつても、ワイヤ１３を簡単
に取付けることができる。

なお上記実施例ではキヤビンの前、後両端をシ
ヤーシフレームに固定したキヤブオーバ型トラツ
クについて説明したが、この発明はキヤビンを前
方に傾倒できるようにしたチルト式のキヤブオー
バ型トラツクについても同様に適用できるもので
あり、この場合ワイヤとキヤビン又はシヤーシフ
レームとをバツクル等の係合手段によつて係脱自
在に連結するか、あるいはワイヤに該ワイヤを巻
き取るリトラクタ機構を設けるようにすればよ
い。この場合、チルト時にはワイヤがリトラクタ
機構から引き出され、衝突時にはその衝突を探知
してリトラクタ機構がワイヤをロツクし、キヤビ
ンの前倒れを防止するように構成できる。

また上記実施例ではワイヤによつてキヤビンと
シヤーシフレームとを連結したが、、これはベル
ト等の可撓性を有する他の連結部材によつて連結
するようにしてもよい。

以上のように本発明に係るトラツクのキヤビン
補強構造によれば、前、後の弾性体を介してキヤ
ビンをシヤーシフレーム上に配設するとともに、
上記弾性体より上方の上記キヤビン後部下端と該
キヤビンより後方の上記シヤーシフレームとに可
撓性の紐状連結部材をたるみを有して結合したの
で、キヤビンの前方への倒れを防止して安全性を
向上でき、キヤビンに伝わるエンジン振動及び車
輪振動を低減できて居住性を損なわないなどの効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のキヤビン補強構造を有するキヤ
ブオーバ型トラツクの斜視図、第２図は本発明の
一実施例によるキヤビン補強構造を有するキヤブ
オーバ型トラツクの概略側面図、第３図は第２図
の要部拡大断面図である。 １……キヤブオバー型トラツク（トラツク）、
２……シヤーシフレーム、３……キヤビン、１０
……マウントラバー（弾性部材）、１３……ワイ
ヤ（連結部材）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体の下部両側には車体前後方向にシヤーシ
   フレームが設けられ、該シヤーシフレーム上に
   前、後の弾性部材を介してキヤビンが配設された
   トラツクにおいて、可撓性を有する紐状連結部材
   が上記弾性部材より上方の上記キヤビン後部下端
   と該キヤビンより後方の上記シヤーシフレームと
   にたるみを有して結合されていることを特徴とす
   るトラツクのキヤビン補強構造。