JPS6145130A - 液体減衰式防振支承装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車エンジン等の振動体を防振的に支承する
ために用いる液体減衰式防振支承装置に関する。

（従来の技術） 自動車に搭載したエンジンを防振的に支承する場合、エ
ンジン自体の回転数変動中が大きいために、低速時に発
生する振幅の大きい低周波振動に対する減衰係数が大き
いことと、高速時に発生する高周波振動に対する振動絶
縁性が大きいこととの２つの要求を満足し得る防振支承
装置が必要であるが、クランキング振動、アイドリング
振動などの低周波振動、中周波振動による振動と、こも
シ音、透過音などの高周波振動による嚢音とは、相互に
特性が反するために、いずれについても有効かつ同時に
防振性能を発揮させることは困難であるが、最近に至っ
て振動に対する減衰機能は封入した液体によって担持さ
せ、一方、振動絶縁機能は液体封入のための室壁を形成
するゴム弾性体の防振基材によって担持させることが可
能な液体減衰式防振支承装置が採用されるようになって
きだ。

ところで従来のこの棚防振支承装置はゴム筒状体からな
る防振基材を有する本体に設けた内室を仕切板により２
つの室に仕切り、それら空間を前記仕切板に設けたオリ
フィスを介し連通ずると共に、各室内に液体を封入して
なる周知の構造であって、この仕切板は一般に剛性が高
い材質でしかも周縁が本体の内壁に固定されるものが殆
どである。

一゛方、前記仕切板を薄形構造となして高周波領域での
小振幅性の振動を吸収し易くしたものも提案され一部に
おいて用いられている。

（発明が解決しようとする問題点） 前述する従来の各装置で前者においては、仕切板が剛性
が高くかつ固定構造であるために、高周波振動領域では
液室の液圧が高くなって動ばね定数が大きくなるという
難点があシ、そのためにこもり音を発生し、車室内の静
粛性をそこなう問題があった。

一方、後者については、中周波数、低周波数領域の振動
に対する減衰特性が低下する不都合があシ、また薄膜構
造の仕切板は機械強度面ならびに特性が一定した均一な
厚さのものが製作し難い問題を有していた。

そこで本発明はか＼る従来のこの種各装置が有する欠点
を解決することを技術的課題としてなるものであって、
低周波振動に対し減衰性能を発揮するオリフィスを有効
に作動させる部材である仕切板として、薄肉の平板部に
貫通孔を少くとも１個有し、かつ、厚肉の周縁部にオリ
フィスを有する仕切部材と前記貫通孔を低周波振動時に
は塞ぎ高周波振動時には連通せしめ得るストッパ部材と
によるなるものを用いることによって、低周波振動に対
する減衰作用はもとよシ、高周波振動にょる液圧上昇を
抑えて、特にこもシ音をなくするようにし、自動車など
の低振動化ならびに低願音化の実現に一翼を担わせるも
のである。

（問題点を解決するための手段） そこで本発明は、前述するこの種液体減衰式防振支承装
置（以下防振マウントと称す）において、本体に設けた
内室を２室て仕切るために配設してなるオリフィスを有
する仕切板を仕切部材とストッパ部材との２つの部材か
ら形成したものであって、前記仕切部材は、厚肉の周縁
部に囲まれる内方部分を薄肉の平板部となして該平板部
に少くとも一つの貫通孔を設けると共に、前記周縁部に
オリフィスを設けた構造となし、一方、前記ストッパ部
材は上記仕切部材における平板部の両面に添わせて前記
貫通孔を覆い得る対向した２つの板部を有し、それ等板
部が前記平板部の両面に対し接離し得る僅少の移動可能
に前記仕切部材に係止してなる構造となしたことを特徴
とする。

（作用） 本発明は上述の手段を有せしめたことによって、エンジ
ンなど支承体が振動するときは前記本体の防振基材であ
るゴム弾性体が動的な圧Ｗｉ撓みを受けるので仕切板の
両側の前記室は可逆的に容積変化する。

この場合、振動の振幅が大きいために、仕切板のストッ
パ部材は殆ど仕切部材の貫通孔を塞いだ状態となる。

従って、オリフィスを通じて液体の移動が生じて当然振
動に応じて正逆反転しだ液体流動が成され、その際絞り
効果による減衰機能が発揮されて低周波振動を有効に減
衰することが可能である。

一方、高周波振動に対しては前記両室内の液圧が上昇し
ようとするが、この場合の振動の振幅が小さくかつ速い
ことから、ストッパ部材は仕切部材の前記平板部からは
殆ど離れた状態となって液はオリフィスだけでなく前記
貫通孔を通じても流通が成される結果、液圧の上昇は抑
えられて高周波数領域側での動的ばね定数は低減し得る
こととなり、振動伝達を有効にしゃ断することができる
。

（実施例） 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明する
。

図示の防振支承装置（以下防振マウントと称す）は本体
（１）、第１金具（３）、第２金具（４）、ゴム板（５
）及び仕切板（６）を主要構成部材として有する。

本体（１）は防振基体（２）となるブロック状のゴム弾
性体の一側に金属製の筒状体（７）を、他側に取付用ボ
ルト（９）を中央部に嵌装して有する金属製平板（８）
を夫々加硫成型の過程で一体に取着せしめている。

第１金具（３）はハツト形状をなしていて取付用ポルド
ロαを中央部に嵌装して有するが、その周縁部を前記本
体（１）における筒状体（７）の端部に被冠した後、カ
シメることによって本体（１）に固着一体させる。

なお、この第１金具（３）には側部など適轟個所に小孔
αＢを穿設して空気流通孔に形成している。

第２金具（４）は略り字形をなす金属板体であって、前
記防振基体（２）に側方から当接させ、かつ前記金属製
平板（８）に面接触させて、前記取付用ボルト（９）を
挿通後、締付けることによって前記本体（１）に固着一
体させている。。

一方、ゴム板（５）は前記本体（１）における筒状体（
７）の開口端を掩塞するように横置きさせて、その周縁
部を前記筒状体（７）の端部と前記第１金具（３）の周
縁部とで挾持することによシ周縁部が本体（１）に対し
気密を保って固着される。

かく構成してなる防振マウントは本体（１）内に、防振
基体（２）の内面、筒状体（７）の内壁面及びゴム板（
５）の片側面を周壁面とした密閉構造の内室が形成され
るが、この内室には仕切板（６）を横設せしめていて、
この仕切板（６）により、内室を上下に配された２つの
室１１２　、　（１ｍに仕切らせている。

上記仕切板（６）は仕切部材＋１４）及びストッパ部材
α印の２つの部材からなっているが、まず仕切部材（１
４］は円盤状をなしていて周縁部を厚肉に形成すると共
に、この周縁部に囲まれる内方部分を薄肉の平板部とな
して、平板部には少くとも一つの貫通孔αｅを穿設する
一方、周縁部には略々全周にわたって円周方向に延びる
溝αηを凹設せしめると共に、この溝（１ηは少くとも
１個の斜板部■で分断されて略々全周にわたる環状の通
路となシ、その一端部から周縁部を貫通して室０２１に
臨む連通孔０印と、同じく他端部から周縁部を貫通して
室（１３１に臨む連通孔［１９１とを夫々設けている（
第３図及び第４図参照）。

かかる構造の仕切部材（神は本体（１）の内周壁部好ま
しくは金属製の筒状体（７）の内周壁に対して圧嵌合に
より固定するが、この固定によって前記溝ロクは両室（
１２、［３）を連通ずる通路となるものであって、従っ
てこの溝（１ηは液体を可逆流通させるオリフィスに形
成される。

なお、図示例の仕切部材止は第３図に示す如く２０個の
小径連通札止を平板部に分散させて穿設せしめている。

次にストッパ部材止は前記貫通孔１６１が設けられてい
る平板部を覆い得る２枚の板部と、この板部相互を平行
に保持して連接させる連結部とからなる断面工形をなし
、前記連結部を仕切部材（１４１の平板部中心に設けた
孔に貫通させる一方、２枚の板部を平板部の両面に添わ
せて、連結部で連接することによってストッパ部材（１
５１を仕切部材■に係止せしめる。

上記ストッパ部材１５１は２つの板部が仕切部材（１滲
の平板部に対して接触しまた僅かに離れることが可能な
ように僅少の移動が行なえるように係止することが必要
で、常時密着した状態に係止するのは避けなければなら
ない。

しかして前記仕切部材（１４１はアルミニウムなト金属
からなる剛性構造のもの、ゴムからなる弾性構造のもの
のいずれでもよく、一方ストツパ部材［１５１は弾性体
、剛性体いずれでもよいが、前記平板部に略々接する程
度の極く僅かな間隙を存して係止する形態をとる場合は
弾性体により形成することが望ましい。

以上述べた構造を有する仕切板（６）を収設してなる防
振マウントは前記各室（１２、［１３１内に不凍液等の
液体を封入するものであって、かくして液体減衰式防振
マウントが完成される。

この防振マウントを例えば自動車におけるエンジン支承
用として装置した場合、走行中の高周波振動は基本的に
防振基体（２）により吸収されるので、こもυ音や透過
音は良好に吸収される。

一方、アイドリング振動などの低・中周波の振動は両室
ロｚ、ａ：ｎ内の液体をオリフィスｕ７１を介して可逆
的に流動させることにより効果的に吸収される。

この場合の振動は振幅が大きいので前記ストツパ部材１
５１は一方の板部が常に仕切部材０４１の平板部に接当
した状態となって貫通孔Ｕ印を塞いでいるので液の流通
はオリフィス０７）だけで行なわれる。　′ところで、
前記高周波振動領域では振動の振幅が小さくて両室ｆｌ
′２．　（１３の液圧が普通は上昇するが、前記ストッ
パ部材口９が振動しやすくて、この振動によって貫通孔
ａωが開通している状態が長くなって１．それ等貫通孔
αωを介しても液の流通が行なわれるので室（１２１、
Ｑ３の液圧は下がってくる。

従って動バネ定数は小さくなり、ともシ音や透過音が吸
収されて車室への侵入を抑えることが可能である。

以上述べた防振特性に関して、実施例のものと前記仕切
板（６）を剛性体によシ形成した比較例とを対比して周
波数（Ｈｚ）と動バネ定数（ｋり／ｍｍ　）との関係を
実測し比較したところ、第５図に本実施例が実線、比較
例が破線に夫々示されるように、低い周波領域では殆ど
変りないが、４５Ｈｚを超過した中・高周波領域では、
本実施例が動バネ定数の低下を実現し得るに至ることを
明示しておシ、かくして中・高周波振動領域でのこもり
音に対するしゃ断性能を十分に持たせることが可能であ
る。

（発明の効果） 以上本発明によれば液体減衰式防振支承装置において液
が封入された室内に介設したオリフィス（１７）を持つ
仕切板（６）として少くとも１つの貫通孔（１６１を前
記オリフィス（１ηとは別に有する仕切部材−と、前記
貫通孔ａωを低周波振動発生時には閉塞し、一方、高周
波振動発生時には開放する弁機能を有するストッパ部材
σＳとＫよシ形成したから、特に高周波振動領域におい
て液圧上昇を抑えると共に、動バネ定数を小さくするこ
とが可能であり、その結果、ともシ音や透過音に対する
しゃ断特性にすぐれているので、自動車においてはエン
ジンからの音の侵入を防いで車室の静粛性が維持される
。

また、低周波の振動に対してはオリフィスａηが本来の
液流通機能を発揮するので有効な振動減衰が果される。

かくして低・中・高周波の広い領域の振動に対してしゃ
断性能を十分発揮し得る。

特に本発明は従来のダイアフラム膜の如き薄い仕切板に
対して、相当厚手のものでモールド成型によって簡単に
作り得る仕切板構造であるから、製作コストは低く抑え
られるだけでなく、長寿命で長期間保守を要しない装置
を提供し得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例の断面示正面図、第２図は第
１図における仕切板の拡大図、第３図は第２図々示仕切
板の仕切部材の平面図、第４図は第３図におけるＡ−Ａ
線断面図、第５図は本発明の１例と比較例との動バネ定
数を対比水した特性線図である。 （１）・・・本体、　　　　　　（２）・・・防振基体
、（６）・・・仕切板、　　　　　（１ｚ、αＪ・・・
室、０小・・・仕切部材、　　　　α９・・・ストッパ
部材、ｆ１６１・・・貫通孔、　　　　　（１７１・・
・オリフィス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、ゴム弾性体からなる防振基体（２）を有する本体（
   １）に設けた内室を仕切板（６）により２つの室（１２
   ）、（１３）に仕切り、それ等室（１２）、（１３）間
   を前記仕切板（６）に設けたオリフィスを介して連通す
   ると共に、各室内に液体を封入してなる液体減衰式防振
   支承装置において、厚肉の周縁部に囲まれる内方部分を
   薄肉の平板部となして該平板部に少くとも一つの貫通孔
   （１６）を設けると共に、前記周縁部にオリフィス（１
   ７）を設けてなる仕切部材（１４）と、前記平板部の両
   面に添わせて前記貫通孔（１６）を覆い得る対向した２
   つの板部を有し、それ等板部が前記平板部の両面に対し
   接離し得る僅少の移動可能に前記仕切部材（１４）に係
   止してなるストッパ部材（１５）とにより前記仕切板（
   ６）を形成せしめたことを特徴とする液体減衰式防振支
   承装置。