JPS6144293Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセツト式磁気記録再生装置に係り、
特に挿入したカセツトを可動体により平行移動さ
せてリール軸、キヤプスタン等のテープ駆動部材
に装着するスロツトイン方式の装置に関し、その
目的とするところは上記可動体をキヤプスタン駆
動し、カセツトの装着、排出に伴う操作力の軽減
並びに構成の簡略化を図ることにある。

従来のスロツトイン方式の磁気記録再生装置は
カセツトを装着、排出するのにバネの力を利用し
たものが多いが、これによればカセツトの装着、
排出に上記バネの力に抗する大きな操作力が必要
となり操作感があまりよくないという欠点があつ
た。そこでこのカセツトの装着、排出をモータの
力を用いて行なおうとしたものもあるが、この場
合には専用モータを別途必要としコスト高となる
ものであつた。

そこで本考案はこのような従来の欠点を解消
し、テープを走行駆動するキヤプスタン用モータ
をカセツトの装着、排出に利用したものであり、
以下にその一実施例について図面と共に説明す
る。図において１は通常のリール・ツウ・リール
タイプのテープカセツト、２は装置本体に設けら
れたカセツト挿入口であり、上記カセツト１はカ
セント挿入口２に対しその側面１ａ側から挿入さ
れるようになつている。３は上記カセツト挿入口
２から挿入されたカセツト１を収納保持する略コ
字状の可動体であり、この可動体３はカセツト１
の開口部面いわゆる前面１ｂの両端を受ける折曲
片３ａ，３ｂとカセツト１の背面１ｃを受ける側
面３ｃとカセツト１の上面１ｄを受ける突片３ｄ
及びカセツト１の下面１ｅを受ける主面３ｅと上
述したカセツト１の側面１ａを受ける側面３ｆで
構成されている。上記可動体３の主面３ｅにはカ
セツト１のキヤプスタン挿入孔やリールハブ部分
等を装置内に露出させる切欠き４が設けられてい
る。上記可動体３の側面３ｃのほぼ中央部には軸
５がまたその下方に伸びる垂下片（図示せず）に
は軸５ａが設けられ、これらの軸５，５ａは共に
メカニズム基板６の折曲片７に設けた長孔８に挿
入係合されている。この長孔８は図のＺ軸方向に
長く設けられており、可動体３はこの長孔８に案
内されて上記Ｚ軸に沿い上下動いわゆる平行移動
自在となつている。さらにこの可動体８の平行移
動を確実に保証するため回動部材９，１０が設け
られている。

一方の回動部材９はその一端の長孔が上記可動
体３の側面３ｆに設けた軸１１に係合され、他端
は基板６上の支持片１２の軸１３に回動自在に取
付けられている。また他方の回動部材１０は一端
が上記一方の回動部材９のほぼ中央部の軸１４に
回動自在に連結され、他端に設けた軸１５が上記
折曲片７の端部を折曲げて形成したガイド片７ａ
のＺ軸方向に伸びる長孔１６に挿入係合されてい
る。

一方、上記基板６の折曲片７にはそこに設けた
軸１７，１８に長孔１９，２０が挿入係合されて
案内部材２１が図のｘ軸方向に移動自在となつて
いる。この案内部材２１の上面はカム面２１ａと
なつており、このカム面２１ａには上記可動体３
の側面に設けた２つの軸５，５ａのうち、上記折
曲片７から外方に突出された軸５が係接されてい
る。この案内部材２１にはラツク２２が設けられ
ており、このラツク２２には基板６に回転自在に
設けた駆動歯車２３が噛合されている。なお上記
可動体３は常時下方にバネ付勢されている。また
メカニズム基板６には第３図に示す如くリール軸
２４、キヤプスタン２５、ヘツド２６を取付けた
移動自在なヘツド基板２７等が設けられている。

ここまでの構成でカセツトの装着、排出動作を
説明する。カセツト挿入前の停止状態では、第１
図に示すように軸５が案内部材２１のカム面２１
ａの上方段部面に圧接されて位置保持されてお
り、可動体３はカセツト挿入口２から挿入されて
くるカセツト１を受けることができる状態にあ
る。

この状態で、カセツト１をカセツト挿入口２か
ら装置本体内に完全に挿入すると図示しない検出
手段が働いて後述するキヤプスタン駆動用モータ
が回転され、この回転力が駆動歯車２３、ラツク
２２を介して案内部材２１に伝達され、該案内部
材２１が矢印方向に移動される。この移動に伴
い、上記軸５が案内部材２１のカム面２１ａの傾
斜面から下方段部面に沿つて移動し、可動体３は
ｚ軸に沿い下方に移動される。この可動体３の降
下によつてカセツト１はリール軸２４、キヤプス
タン２５に装着され上記案内部材２１は第２図の
状態に保持される。この装着状態で自動化にある
いは操作釦の操作によりヘツド基板２６が前進
し、ヘツド２６がカセツト１内に侵入し、図示し
ないピンチローラがキヤプスタンに圧接されてテ
ープの定速走行が行なわれる。

このテープ定速走行状態でテープの終端到達に
より自動化にあるいはカセツトイジエクト釦の操
作により上記案内部材２１が第１図の矢印とは逆
の方向に移動され上述とは逆の動作が行なわれて
可動体３は第１図の位置に復帰され、カセツト１
は図示しないバネの力で挿入方向とは逆の方向に
押出される。

このようにカセツトの装着、排出は案内部材２
１を往復移動させることによつて行なわれるので
あるが、次に第４図〜第６図を用いて上記案内部
材２１の移動機構について説明する。図において
キヤプスタン２５、軸２５ａには一体にフライホ
イール２８，２９が設けられており、これらのフ
ライホイール２８，２９は１本のベルト３０を介
してキヤプスタン駆動用モータ３１の回転軸に固
着されたモータプーリ３２に連結されている。そ
して上記モータ３１の回転によりフライホイール
２８，２９は互い逆方向に回転駆動されるように
なつている。３３は上記モータプーリ３２よりも
大径の減速プーリで、このプーリ３３は１本のベ
ルト３４を介して上記モータプーリ３２に連結さ
れている。このプーリ３３には歯車３５が同軸的
にして一体に形成されている。上記プーリ３３及
び歯車３５は軸３６でもつてメカニズム基板６上
に回転自在に設けられている。３７は上記歯車３
５に常時噛合されている歯車であり、軸３８でも
つて上記基板６に回転自在に設けられている。３
９は上記歯車３７に常時噛合されている歯車であ
り、軸４０でもつて基板６に回転自在に設けられ
ている。一方、先述した駆動歯車２３の回転支軸
４１にはレバー４２が回転自在に設けられてい
る。このレバー４２の一端に設けた軸４３には上
記駆動歯車２３に常時噛合されて連結歯車４４が
回転可能に設けられている。上記レバーの他端に
はメカニズム基板６との間にバネ４５が懸架され
ており、このバネ４５によつてレバー４２は上記
連結歯車４４が対向する歯車３９に噛合されない
ように回動付勢されている。

４６は上記レバー４２の他端を吸引して連結歯
車３９に噛合させるソレノイド、４７はカセツト
の挿入検出指令、排出指令によつて上記ソレノイ
ド４６を駆動すると共にモータ３１の回転特にそ
の方向を制御する制御回路である。

上記実施例において次にその動作を説明する。
まずカセツト未挿入状態ではキヤプスタン駆動用
モータ３１は停止しており、レバー４２はバネ４
５の力によつて連絡歯車４４が歯車３９から離間
した位置に保持されている。

この状態でカセツトが装置本体内に挿入される
と、この挿入されたことを検出して制御回路４７
が作動し上記モータが第４図に実線の矢印で示す
正転方向に回転しこの回転力を受けて歯車３９も
正転方向に回転される。また上記制御回路４７の
出力によつてソレノイド４６が吸引動作しレバー
４２が時計方向に回動され、連絡歯車４４が上記
正転方向に回転する歯車３９に噛合されて駆動歯
車２３に回転力を伝達し、これによつて案内部材
２１が往動して可動体３がカセツトを装着するよ
うに移置される。カセツトの装着完了が検出され
ると上記ソレノイド４６によるレバー４２の時計
方向の回動力はなくなり、該レバー４２はバネ４
５の力で元の位置に復帰され駆動歯車２３は停止
する。この状態ではモータ３１は正転方向の回転
を持続しており、ヘツド基板２７が前進しテープ
定速走行方向が行なわれる。

次にカセツト排出の場合は、カセツト排出指令
によりヘツド基板２７をまず後退させ、ヘツド、
ピンチローラをカセツト外に排出して、上記制御
回路４７の指令でモータ３１を点線矢印で示す反
転方向に回転せしめると共にソレノイド４６が再
駆動される。これによつて上記連結歯車４４が反
転方向に回転する歯車３９に噛合され駆動歯車２
３に反転方向の回転力が伝達される。これに伴い
案内部材２１が復動し可動体３がカセツトを排出
するように移動される。カセツトの排出完了が検
出されると先述したと同様にソレノイド４６によ
るレバー４２の時計方向の回動力はなくなり、該
レバー４２はバネ４５の力で元の位置に復帰さ
れ、キヤプスタン駆動用モータ３１が停止されて
装置は停止状態となる。

なお歯車３５，３７，３９，４４，２３等によ
る動力伝達部の構成はゴム製アイドラーとセレー
シヨン等による他の構成でもよいことは言うまで
もない。

以上説明したように本考案のカセツト式磁気記
録再生装置はキヤプスタン駆動用モータの正転、
反転の回転力を利用してカセツトの装着、排出を
行なつているので、カセツトの装着、排出のため
の操作力がきわめて少なくてすむばかりか専用の
モータを設ける必要がなく低コストの装置を実現
することができる。しかも、キヤプスタン駆動用
モータは２つのキヤプスタンが異なる方向に回転
駆動されるように結合体（ベルト）により結合さ
れており、カセツト挿入時に正転、カセツト排出
時に逆転されるものであるため、カセツトの挿
入、排出にともなうモータの回転方向の切換えが
テープ駆動に与える影響なく行なえ、かつカセツ
ト挿入時と排出時とで同じ動力伝達系を利用でき
るので構造を簡単にすることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるカセツト式
磁気記録再生装置の停止状態を示す斜視図、第２
図は同装置のカセツト装置状態を示す斜視図、第
３図は同装置のカセツト挿入状態を示す正面図、
第４図は同装置の案内部材駆動機構を示す平面図
である。 １……カセツト、３……可動体、６……メカニ
ズム基板、２１……案内部材、２２……ラツク、
２３……駆動歯車、２５……キヤプスタン、３１
……キヤプスタン駆動用モータ、３９……歯車、
４４……連結歯車、４６……ソレノイド、４７…
…制御回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面にピンチローラ、ヘツドが挿入される開口
   をもつリールツウリールタイプのカセツトを収納
   する略コ字状の可動体をメカニズム基板に平行移
   動自在に支持し、このメカニズム基板に上記可動
   体の平行移動方向と直交する方向に往復移動自在
   に設けられた案内部材のカム面に上記可動体の軸
   を係接され、上記案内部材の往復移動により上記
   可動体が平行移動されることによりカセツトをリ
   ール軸、キヤプスタン等のテープ駆動部材に対し
   装着、離脱するようにしたカセツト式磁気記録再
   生装置において、２つのキヤプスタンが異なる方
   向に回転駆動されるように結合体により関係づけ
   られた正逆転可能なキヤプスタン駆動用モータ
   と、このモータによつて回転駆動される回転体
   と、上記案内部材を往復移動せしめるように上記
   案内部材に連結された駆動回転体と、この駆動回
   転体の回転中心に回転自在に支持された可動部材
   と、この可動部材の一端に常時上記駆動回転体と
   連結されるように回転自在に支持され、上記モー
   タによつて回転される回転体に対して接離自在な
   連絡回転体と、この連絡回転体が上記モータによ
   つて回転される回転体から引き離されるように上
   記可動部材を付勢するばねと、カセツト挿入、排
   出に関連して上記可動部材を上記ばねの付勢力に
   抗して上記連絡回転体が上記モータによつて回転
   される回転体に連結されるように移動させるソレ
   ノイドと、カセツトの挿入時と排出時とで上記モ
   ータの回転方向を異ならせると共に上記ソレノイ
   ドをカセツトの挿入時と排出時にのみ駆動する制
   御回路を備えてなり、カセツトの挿入時に上記モ
   ータの正転回転力を、挿入の排出時に上記モータ
   の逆転回転力を利用するように構成したことを特
   徴とするカセツト式磁気記録再生装置。