JPS6142855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水性インキ使用のボールペンに具備
せしめるチツプの改良に関する。

チツプ外筒内に固着したボール受棒の先端にボ
ールを回転可能に保持せしめ、かつボール受棒の
周囲には先端から基端に達する一本のインキ誘導
溝を設けた水性ボールペンチツプは周知である。

この周知のチツプは、インキ誘導溝が一本のた
め、目詰りを起すを筆書不能に陥る不利があると
共に、筆書に適するインキ量を供給しえない不利
がある。

また、チツプ外筒の先端カシメ部と、チツプ外
筒の筒壁に設けた複数の内向突部との間にボール
を回転可能に介在せしめた構造の水性ボールペン
チツプも周知である。

この周知の構造は、ボールが内向突部と擦れ合
いながら回転するため、ボール表面にきずがつき
やすく、なめらかに回転せしめることが困難にな
りやすい惧れがある。そして、この不利を解消せ
しめるため、チツプ外筒とボールとの硬さ関係を
逆にし、ボールをチツプ外筒よりも硬い材質にす
ると、今度は内向突部がボールの回転で摩耗し、
ボールがガタついてなめらかに回転しなくなる惧
れと、ボールへ工合よくインキを供給しえなくな
る惧れとが発生する。

本考案は、上記周知のチツプを改良して、上記
した不利欠点を解消せしめることを目的とする。

実施例を図面について説明すれば、第１図及び
第２図は、第１例を表わし、第３図及び第４図
は、第２表を表わす。

第１例の部材のうち、チツプ外筒１は、インキ
に対応した耐薬品性の金属（たとえば、ステンレ
ス鋼など）を材質とし、内部にボール受棒２を固
着せしめると共に、先端部をカシメてボール３を
回転可能に保持せしめるようにする。ボール受棒
２は、インキに対応した耐薬品性、耐摩耗性の材
質（たとえば、ステンレス鋼、合成樹脂など）で
円盤状に構成し、先端面中心に凹面鏡状のボール
受面２０１を凹設すると共に、そのボール受面反
対側の基端中心には、ボール受面側へ向つて嵌側
へ向つて嵌挿穴５を凹設し、さらに、周面には遠
心方向にスリツト状のインキ誘導溝４を４本設
け、その誘導溝を先端から基端にわたつて貫通せ
しめて構成する。インキ誘導芯６は、繊維質（フ
エルト類、或は繊維が縦に揃えられて合成樹脂処
理された繊維束など）、連通気泡をもつたスポン
ジ体などを材質とし、先端中心には、ボール受棒
２の嵌挿穴５内に嵌挿するための突起６０１を突
設して構成する。

第１例の構造は、チツプ外筒１内にボール受棒
２を固着して該外筒の先端部にボール３を回転可
能に保持せしめ、チツプ外筒１内にインキ誘導芯
６を嵌合し、その誘導芯の突起６０１を嵌挿穴５
に嵌挿してインキ誘導芯６を固定すると共に、そ
の誘導芯の先部（突起６０１以外の先端面６０
２）をインキ誘導溝４の末端に臨ませて構成す
る。そして、インキ誘導芯６の基部側は、図示せ
ざるインキ貯蔵部材（たとえば、水性インキを含
浸せしめた繊維体、水性の液体インキを収容した
インキ筒など）に接続して、該部材のインキがボ
ール３まで誘導されるように構成する。

第２例の部材のうち、チツプ外筒１は、材質を
第１例と同じくし、構造は、先端側を小径に構成
すると共に、基端側を少しく大径に構成し、該小
径部から大径部にわたる内部にボール受棒２を固
着すると共に、先端部をカシメてボール３を回転
可能に保持せしめるようにする。ボール受棒２
は、第１例と同様な材質であると共に、先端面に
第１例と同様な構造のボール受面２０１をもち、
第１例と相似形の円形に構成するも、第１例より
も長い寸法に構成し、先端側はチツプ外筒１の小
径部内径に適合する径に構成し、基端側の外周面
には、チツプ外筒１の大径部内径に適合する径の
フランジ２０２を周設し、ボール受面と反対側の
基端中心には、ボール受面側へ向つて長い嵌挿穴
５を凹設し、さらに、先端側の周面には遠心方向
にスリツト状のインキ誘導溝４を４本設け、この
誘導溝は、ボール受棒２の長さ方向に短かく構成
し、嵌挿穴５の先端部に連通せしめて構成する。
インキ誘導芯６は、第１例と材質を同じくする
が、構造は先端面に突起をもたない棒状に構成す
ると共に、嵌挿穴５に適合する径に構成する。

第２例の構造は、チツプ外筒１内にボール受棒
２を固着して該外筒の先端部にボール３を回転可
能に保持せしめ、インキ誘導芯６を嵌挿穴５内に
嵌挿せしめて固定すると共に、先部（先端部周
面）をインキ誘導溝４に臨ませて構成する。そし
て、インキ誘導芯６の基部側は、第１例と同様に
インキ貯蔵部材に接続し、該部材のインキがボー
ル３まで誘導されるように構成する。

上記各実施例によるときの水性インキは、イン
キ誘導溝４及びインキ誘導芯６が発現する毛管現
象でボール３まで誘導される。

本考案は叙上のように、ボール受棒に複数のイ
ンキ誘導溝を設けたから、全部のインキ誘導溝に
目詰りなどの不都合が生じない限り、いつまでも
筆書できる効果があると共に、筆書に十分なイン
キ量をボールへ供給しえる効果がある。そして、
ボール受棒に設けた嵌挿穴にインキ誘導芯の先部
を嵌挿してインキ誘導溝に臨ませたから、インキ
誘導芯をしつかり固定することができ、インキ誘
導溝からインキ誘導芯が離れて、インキの供給不
良を惹起する心配を解消でき、インキの供給を良
好な状態に保ち得る効果がある。

ゆえに、所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案チツプの第１例を
表わし、第３図及び第４図は第２例を示すもの
で、第１図は縦断正面図、第２図はボール受棒、
ボール、インキ誘導芯の斜視図、第３図は縦断正
面図、第４図はボール及びインキ誘導芯を嵌挿し
たボール受棒の斜視図で、各図とも一部切欠す
る。 図中、１はチツプ外筒、２はボール受棒、３は
ボール、４はインキ誘導溝、５は嵌挿穴、６はイ
ンキ誘導芯である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チツプ外筒内に固着したボール受棒の先端にボ
   ールを回転可能に保持せしめると共に、ボール受
   棒の周面には複数のインキ誘導溝を設け、ボール
   受棒のボール側と反対側端部に設けた嵌挿穴にイ
   ンキ誘導芯の先部を嵌挿せしめてインキ誘導溝に
   臨ませた水性ボールペンチツプ。