JPH0545421Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、塗布部とインキタンクとの間に、貫
通孔と該貫通孔に連通する一時的インキ溜め部と
を有する中間部材を配置し、前記インキタンク内
のインキを前記塗布部に導くインキ誘導芯を前記
中間部材の貫通孔内に挿入してなる塗布具に関す
る。即ち、製図用、化粧用など各種染料や顔料を
適宜着色材とするインキ・化粧料等の各種液体を
吐出する、所謂筆記具を包含する意味においての
塗布具であつて、繊維束などの有する毛細管力を
利用してインキを保持してなる所謂インキ吸蔵体
式の塗布具とともに代表的な所謂生インキ式塗布
具の一種に関し、特に、塗布部へのインキの供給
が良好であり、かつ、インキ洩れの無い塗布具に
関するものである。

（従来の技術） 従来第２図に示す如く、生インキ式塗布具とし
て、前記した中間部材２、即ち、貫通孔２ａとこ
の貫通孔２ａに連通する一時的インキ溜め部２ｂ
とを有する中間部材２を使用するタイプのものが
あること、また、この中間部材２の使用によつて
インキ吐出性が安定することはよく知られてい
る。多くの場合、このタイプのものにあつては、
中間部材２の貫通孔２ａに繊維収束体などよりな
る毛細管力を有するインキ誘導芯３が挿入されて
いる。そして、このインキ誘導芯３は、塗布部３
ｃと一体である場合を含め、固着時にその毛細管
力を変化させ、インキ誘導力を減少させないよ
う、周状の溝３ａを設け、この溝３ａにインキ誘
導芯を突出支持するチツプホルダー４の一部を挿
入して固着されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述したような、インキ誘導芯
３の毛細管力を変化させない構造を用いても、特
に、初めて塗布部３ｃにインキを供給しようとす
る際に、インキの浸透が悪かつたり、また、その
後の使用においても塗布部３ｃに対するインキの
供給量が少なく、カスレが発生しやすいと言つた
問題点が発生する場合もあり、そこで、塗布部３
ｃへのインキ供給を良好にするため、長手方向の
溝３ｂをインキ誘導芯３の後端より周状の溝３ａ
にまで連通して設けたものを採用することにより
その解決をはかることもなされている。

ところが、上記のようにインキ誘導溝３ｂをイ
ンキ誘導芯３の後端より周状溝３ａにまで連通し
て設けた塗布具は、塗布部３ｃへのインキの供給
は良好であるが、長手方向の溝３ｂが周状溝３ａ
にまで連通しているため空気を巻き込み易くイン
キ洩れが発生しやすいという問題点を有してい
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記問題点を解決し、塗布部へのイ
ンキ供給が良好であり、かつ、インキ洩れの無い
塗布具を得るためになされたものであつて、塗布
部とインキタンクとの間に、貫通孔と該貫通孔に
連通する一時的インキ溜め部とを有する中間部材
を配置し、前記インキタンク内のインキを前記塗
布部に導くインキ誘導芯を前記中間部材の貫通孔
内に挿入してなる塗布具において、前記インキ誘
導芯に固着用周状の溝と、長手方向の溝とを設
け、該長手方向の溝を、前記インキ誘導芯の後端
より、前記周状の溝の近傍迄設けたことを特徴と
する塗布具を要旨とするものである。

（作用） 本考案にかかる塗布具は、インキ誘導芯長手方
向の溝を、該インキ誘導芯の後端より周状の溝の
近傍まで設けたので、インキの塗布部へのインキ
供給が良好であり、かつ、前記長手方向の溝が、
前記周状溝と連通していないので、空気の交換が
前記中間部材の一時的インキ溜め部と貫通孔とを
通じて行なわれるため、インキ洩れが発生しない
と考えられる。

（実施例） 本考案を、図面に示す実施例に基づいて更に詳
細に説明する。

第１図において、１は前軸であり、該前軸１内
部には貫通孔２ａと該貫通孔２ａに連通する一時
的インキ溜め部２ｂとを有する中間部材２を同心
状に配置し、該貫通孔２ａには、塗布部３ｃが一
体に形成された、繊維収束体、発泡体、焼結体等
よりなるインキ誘導芯３を挿入している。該イン
キ誘導芯３には固着用周状の溝３ａを設け、長手
方向の溝３ｂを該インキ誘導芯３の後端より、前
記周状の溝３ａ近傍迄設けてあり、前記周状の溝
３ａにホルダー４の係止部４ａを挿入固定するこ
とによつて、前記インキ誘導芯３をホルダー４に
係止し、該ホルダー４は前軸１の先端開口に挿入
固定されている。

前記中間部材２の後方には円筒を斜めに切断し
た形状の突刺体５が一体又は別体に形成されイン
キタンク６を止着し得るようにしてある。

７は前記前軸１後方に螺合等の方法で着脱自在
に装着した後軸である。

尚、本実施例ではインキ誘導芯と塗布体とが一
体のもので説明したが、別体であつても良いこと
は勿論であり、長手方向の溝も複数本設けても良
いものである。

（考案の効果） 以上詳細に説明したように、本考案に係る塗布
具は、インキ誘導芯の長手方向の溝を該インキ誘
導芯の後端より周状の溝近傍まで設けたので、イ
ンキの塗布部への供給が良好であり、かつ、イン
キ洩れが発生しない実用上優れたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は正縦断面図、第２図は従来例の正縦断面図であ
る。 １……前軸、２……中間部材、２ａ……貫通
孔、２ｂ……一時的インキ溜め部、３……インキ
誘導芯、３ａ……周状の溝、３ｂ……長手方向の
溝、６……インキタンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塗布部３ｃとインキタンク６との間に、貫通孔
   ２ａと該貫通孔２ａに連通する一時的インキ溜め
   部２ｂとを有する中間部材２を配置し、前記イン
   キタンク６内のインキを前記塗布部３ｃに導くイ
   ンキ誘導芯３を前記中間部材２の貫通孔２ａ内に
   挿入してなる塗布具において、前記インキ誘導芯
   ３に固着用周状の溝３ａと、長手方向の溝３ｂと
   を設け、該長手方向の溝３ｂを、前記インキ誘導
   芯３の後端より、前記周状の溝３ａの近傍迄設け
   たことを特徴とする塗布具。