JPS6142643B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、車両用空気調和装置の配風制御装置
に係り、特に、ヒータユニツト若しくはエアコン
ユニツトに開設した各種吹出口を別個独立に選択
し得るようにした車両用空気調和装置の配風制御
装置の改良に関する。

一般に、車両用空気調和装置の一例としてのヒ
ータは、第１図に示すように、内気循環若しくは
外気導入を切換選択するエアインテークドア１と
ブロア２とを内蔵したエアインテークボツクス
と、エンジン冷却水が循環するヒータコア３とこ
のヒータコア３への配風量を制御するエアミツク
スドア４とを内蔵したヒータユニツトＨとを有
し、このヒータユニツトＨには、インストルメン
トパネル（図示せず）上部に温調空気を導くデフ
ロスタ吹出口５、インストルメントパネル前面に
温調空気を導くベント吹出口６及び車室内の足元
に温調空気を導くヒート吹出口７を夫々開設した
ものである。

このタイプにおいて、例えばボルボ社製の
VOLVO240車のサービスマニユアルに記載され
ているように操作釦で各種吹出口を選択させよう
とすると第１図に示すような構造となる。すなわ
ち、上記各種吹出口５，６及び７には、各吹出口
５，６，７を開閉するデフロスタドア８、ベント
ドア９及びフロアドア１０を夫々設けると共に、
これらの各ドア８，９及び１０を駆動機構として
のバキユームアクチユエータ１１，１２及び１３
に夫々連結し、これらの各バキユームアクチユエ
ータ１１，１２及び１３をバキユームセレクタ１
４を介して車室内に設けたコントロール板１５上
の操作釦１６，１７及び１８に連動させたものが
あり、各操作釦１６，１７，１８をオンオフ操作
することによつて、各ドア８，９，１０を夫々開
閉動させるようにしていた。尚、第１図中、１９
はテンプコントロールレバー、２０は内気循環選
択スイツチである。

然しながら、このような従来の配風制御装置に
あつては、夫々の操作釦１６，１７及び１８を操
作することにより、各吹出口５，６及び７に対応
したドア８，９及び１０を別個独立に開閉動させ
るようにしているので、例えば、デフロスト機能
及び車室内暖房を図るときには、操作釦１６及び
１８をオン動作させることにより、デフロスタ吹
出口５及びヒート吹出口７の両者を選択すること
は可能であるが、安全性を考慮に入れデフロスタ
吹出口５からの吹出空気量を多くし、窓ガラスの
曇りを急速に除去し得るようにしてあるため、両
者を同時に選択する場合においては、温調空気の
大部分が必然的にインストルメントパネルの上部
に開口したデフロスタ吹出口５の方へ流れてしま
い、この結果車室内の足元へ向けて開口したヒー
ト吹出口７からの車室内への配風が不充分なもの
となり、乗員に不快感を与える虞れがあつた。

本発明は以上の観点に立つて為されたものであ
つてその目的とするところは、通常の使用の場合
にはデフロスタの性能に余裕が有り、デフロスタ
吹出口とヒート吹出口とを選択しても両方共に充
分の性能が発揮されることにかんがみヒータユニ
ツト若しくはエアコンユニツトに、デフロスタド
アの開度を所定開度で規制する可動ストツパを設
け、この可動ストツパを駆動機構を介してヒート
吹出口選択用の操作釦と連動させることにより、
デフロスタ吹出口及びヒート吹出口の両者を選択
するときには、デフロスタドアの開度を絞ること
を可能とし、もつて、両吹出口からの吹出風量を
均一化させ、その配風を快適なものとした車両用
空気調和装置の配風制御装置を提供することにあ
る。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて本発明
を詳細に説明する。

第２図乃至第４図に示す実施例において、ヒー
タユニツトＨは、導入口３６からエアミツクスド
ア３５、ヒータコア３を備えた通気路２１を有
し、この通気路２１から両側に分岐して上方に向
かつて立上るデフロスタ通路２２を形成すると共
に、上記通気路２１から下方に分かれ車室内下部
に通ずるフロア通路２３を形成してある。そし
て、上記デフロスタ通路２２の先端にはデフロス
タ吹出口５が形成され、上記通気路２１の車室内
側にはベント吹出口６が形成され、更に、上記フ
ロア通路２３の先端及び両側にはヒート吹出口７
が形成されている。

この実施例において、上記デフロスタ通路２
２、通気路２１及びフロア通路２３には、デフロ
スタ吹出口５を開閉するデフロスタドア８、ベン
ト吹出口６を開閉するベントドア９及びヒート吹
出口７を開閉するフロアドア１０が夫々回転可能
に設けられている。そして、各ドア８，９及び１
０は、夫々リンク機構２４，２５及び２６を介し
て、駆動機構としてのバキユームアクチユエータ
１１，１２及び１３に夫々連結されており、これ
らのバキユームアクチユエータ１１，１２及び１
３を各操作釦１６，１７及び１８に連動させるこ
とによつて、各操作釦１６，１７及び１８のオン
オフ動作に応じて開閉し得るようになつている。
例えば、デフロスタドア８のリンク機構２４は、
第３図に示すように、バキユームアクチユエータ
１１の作動杆１１ａに先端が連結され且つヒータ
ユニツトＨに回動自在に支持された回転軸２７ａ
に固着された第一リンク片２７と、同じく回転軸
２７ａに固着された第二リンク片２８と、この第
二リンク片２８と平行な位置に配置され且つデフ
ロスタドア８の回転軸８ａに一端が固定されてな
る第三リンク片２９と、この第三リンク片２９と
前記第二リンク片２８とを作動的に連結する連結
ロツド３０とで構成されており、上記デフロスタ
ドア８は、第２図及び第３図に示すように、操作
釦１６オフ時にはバキユームアクチユエータ１１
へバキユームを供給してバキユームアクチユエー
タ１１をオン動作させ、デフロスタ吹出口５を閉
じる一方、操作釦１６オン時にはバキユームアク
チユエータ１１へのバキユーム供給を遮断すると
共に大気に開放しバキユームアクチユエータ１１
をオフ動作させ、デフロスタ吹出口５を開放する
ようになつている。尚、ベントドア９若しくはフ
ロアドア１０は、夫々操作釦１７若しくは１８の
オンオフ操作に応じて、バキユームアクチユエー
タ１２若しくは１３をオンオフ動作させ、ベント
吹出口６若しくはヒート吹出口７を開閉動するよ
うになつている。

又、この実施例において、上記第一リンク片２
７の回転軸２７ａには、第３図に示すように、可
動ストツパ３１が回動可能に取付けられており、
この可動ストツパ３１は、上記回転軸２７ａに対
して回転自在になつている。そして、上記可動ス
トツパ３１の回転自由端には、駆動機構としての
バキユームアクチユエータ３２の作動杆３２ａが
作動的に連結されており、この作動杆３２ａの移
動ストロークは、例えば、上記デフロスタ用のバ
キユームアクチユエータ１１の作動杆１１ａの移
動ストロークの70％程度に設定されていて、この
バキユームアクチユエータ３２は、ヒート吹出口
７選択用の操作釦１８のオンオフ操作に連動して
オンオフ動作するようになつている。そして又、
上記可動ストツパ３１は、第一リンク片２７と係
合すべき立設してなる係合片３３を有しており、
この係合片３３は上記バキユームアクチユエータ
３２オフ時にはデフロスタドア８開時における第
一リンク片２７とは係合しない位置に位置する一
方、上記バキユームアクチユエータ３２オン時に
はデフロスタドア８開時における第一リンク片２
７の回動範囲内に位置し第一リンク片２７の回動
範囲を約30％にせばめるようになつている。尚、
各ドア８，９，１０駆動用のバキユームアクチユ
エータ１１，１２，１３並びに可動ストツパ３１
駆動用のバキユームアクチユエータ３２は、いず
れもヒータユニツトＨの外表面にビス等で取付け
られている。

従つて、この実施例に係る車両用空気調和装置
の配風制御装置において、各操作釦１６，１７及
び１８がいずれもオフ状態にあるときには、第４
図イに示すように、バキユームアクチユエータ１
１がオン動作している以外、バキユームアクチユ
エータ１２，１３及び３２はいずれもオフ状態に
あり、この状態で、各ドア８，９，１０は各吹出
口５，６，７を閉じている。この状態において、
今、デフロスタ吹出口５選択用の操作釦１６をオ
ン動作させると、第４図ロに示すように、バキユ
ームアクチユエータ１１がオフ状態になり、バキ
ユームアクチユエータ１１の作動杆１１ａが伸び
てリンク機構２４を作動させ、デフロスタドア８
を開作動させてデフロスタ吹出口５を開放する。
このとき、上記リンク機構２４の第一リンク片２
７は可動ストツパ３１の係合片３３とは係合しな
い。又、上記デフロスタ吹出口５選択用の操作釦
１６をオフ状態に戻し、ヒート吹出口７選択用の
操作釦１８をオン動作させると、第４図ハに示す
ように、バキユームアクチユエータ１３がオン動
作すると共に、バキユームアクチユエータ３２が
オン動作することになる。このとき、バキユーム
アクチユエータ１３の作動に伴つてフロアドア１
０が開作動し、ヒート吹出口７が開放されると共
に、バキユームアクチユエータ３２の作動に伴つ
て、可動ストツパ３１の係合片３３が所定位置ま
で移動する。この状態において、上記可動ストツ
パ３１は、回転軸２７ａに対して回動自在である
ので、リンク機構２４が作動することはなく、デ
フロスタドア８はデフロスタ吹出口５を閉じたま
まである。

次に、デフロスタ吹出口５とヒート吹出口７と
の両者を選択するときには、第４図ニに示すよう
に、両者の操作釦１６及び１８をオン状態に設定
すればよく、このとき、上記デフロスタドア８
は、全開位置にはなく、例えば30％程度の開度位
置に設定されると共に、フロアドア１０は全開位
置に設定される。即ち、操作釦１８をオン動作さ
せることにより、上記可動ストツパ３１の係合片
３３がバキユームアクチユエータ３２の作動杆３
２ａの移動に伴つて所定位置まで移動するため、
操作釦１６のオン動作に応じて作動するリンク機
構２４の第一リンク片２７は、上記可動ストツパ
３１の係合片３３に当接し、第一リンク片２７の
回動が規制されることになり、上記デフロスタド
ア８の開度が規制される。この結果、デフロスタ
ドア８の開度が絞られることになり、ヒータユニ
ツトＨ内の温度空気が不必要に多くデフロスタ吹
出口５側に流れてしまうという事態は確実に防止
される。尚、ベント吹出口６選択用の操作釦１７
のみをオン動作させると、第４図ホに示すよう
に、バキユームアクチユエータ１２がオン動作し
てリンク機構２５を作動させ、ベントドア９を開
作動させてベント吹出口６を開放するようになつ
ている。

尚、上記実施例にあつては、可動ストツパ３１
を第一リンク片２７の回転軸２７ａに回転可能に
取付けたものを示しているが、必ずしもこれに限
定されるものではなく、例えば、可動ストツパ３
１を別異の個所に軸支し、この可動ストツパ３１
によつて上記第一リンク片２７の作動域を規制す
るようにしてもよいし、又、上記可動ストツパ３
１をヒータユニツトＨ内で進退可能に取付け、こ
の可動ストツパ３１によつてデフロスタドア８の
開度を直接規制するようにしてもよい。又、上記
実施例では、デフロスタドア８の開度を略30％に
なるように設定しているが、車種等に応じてデフ
ロスタドア８の規制開度は任意に選択して差支え
ない。更に、上記実施例では、可動ストツパ３１
を駆動させるために、バキユームアクチユエータ
３２を用いているが、これに限定されるものでは
なく、電気的なアクチユエータ等公知の駆動機構
を用いて差支えない。更に又、上記実施例では、
ヒータについて本発明を適用しているが、これ以
外に冷房装置をも内蔵した車両用空気調和装置に
ついて本発明を適用できることは勿論である。

以上説明してきたように、本発明に係る車両用
空気調和装置の配風制御装置によれば、各吹出口
を別個独立に選択し得るようにしたヒータユニツ
ト若しくはエアコンユニツトには、デフロスタド
アの開度を所定開度で規制する可動ストツパを設
け、この可動ストツパを駆動機構を介してヒート
吹出口選択用の操作釦と連動させるようにしたの
で、デフロスタ吹出口及びヒート吹出口の両者を
選択するときには、デフロスタドアの開度を絞る
ことが可能となり、デフロスタ吹出口からの吹出
風量を規制することができる。この結果、ヒート
吹出口からの吹出風量を増大させることが可能と
なり、デフロスト機能を充足させながら併せて、
車室内への暖房効果を充実させることができると
いう快適な配風を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用空気調和装置の配風制御
装置の一例を示す模式図、第２図は本発明に係る
車両用空気調和装置の配風制御装置の概略を示す
斜視図、第３図は可動ストツパの具体的構成を示
す要部斜視図、第４図は各吹出口に対応したドア
の作動を示す説明図であり、第４図イはすべての
吹出口が閉じている状態、第４図ロはデフロスタ
吹出口を選択した状態、第４図ハはヒート吹出口
を選択した状態、第４図ニはデフロスタ吹出口及
びヒート吹出口を選択した状態、第４図ホはベン
ト吹出口を選択した状態を夫々示す説明図であ
る。 Ｈ……ヒータユニツト、５……デフロスタ吹出
口、６……ベント吹出口、７……ヒート吹出口、
８……デフロスタドア、９……ベントドア、１０
……フロアドア、１１，１２，１３……バキユー
ムアクチユエータ（駆動機構）、１６，１７，１
８……操作釦、３１……可動ストツパ、３２……
バキユームアクチユエータ（駆動機構）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヒータユニツト若しくはエアコンユニツトに
   は、インストルメントパネル上部に温調空気を導
   くデフロスタ吹出口及び車室内の足元に温調空気
   を導くヒート吹出口を開設し、これらの吹出口を
   開閉するデフロスタドア及びフロアドアを夫々設
   けると共に、上記各吹出口に対応した各操作釦を
   各駆動機構を介して上記各ドアと連動させ、上記
   各操作釦を操作することにより上記各ドアを開閉
   動させるようにした車両用空気調和装置の配風制
   御装置において、上記ヒータユニツト若しくはエ
   アコンユニツトには、デフロスタドアの開度を所
   定開度で規制する可動ストツパを設け、この可動
   ストツパを駆動機構を介してヒート吹出口選択用
   の操作釦と連動させるようにし、デフロスタ吹出
   口とヒート吹出口の両者を選択するときはデフロ
   スタ開度を制限したことを特徴とする車両用空気
   調和装置の配風制御装置。