JPS6142638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、入賞球の通過途中に制御器を設け、
通路を流下する入賞球が制御器に入つたとき該入
賞球の自重で制御器を回動し、入賞球を１個宛通
過させるパチンコ機の入賞球通過制御装置に関す
るものである。

従来の入賞球通過制御装置は入賞球集合樋に傾
動できる制御器を臨ませ、打球が入賞して制御器
に入つたとき傾動して１個宛取り込み、この入賞
球により賞球を排出させ、賞球排出装置とパチン
コ機前面の供給皿等とを接続する賞球排出樋の途
中に臨ませた踏板と制御器とをリンク機構によつ
て連結し、賞球が踏板を自重で押し下げたときリ
ンク機構を介して制御器を復元する。この様な構
造の入賞球通過制御装置は、遊技盤の裏側に複雑
なリンク機構が位置するとともに嵩張るので他の
諸機構、例えば近時大型化する特別遊技装置と干
渉したり保守点検作業の邪魔になる。

本案は上記に鑑み提案されたもので、制御器に
永久磁石を設けるとともに、該永久磁石に作用す
る電磁石を遊技盤の裏側に固定し、永久磁石と電
磁石との電磁作用を利用して制御器を復元する小
型で構造の簡単なパチンコ機用の入賞球通過制御
装置を提供しようとするものである。

以下、本案を実施例の図面にもとづいて説明す
る。

制御器１は、一方の端部を閉塞した樋状で、途
中を遊技盤２の裏面に傾動自在に枢着し、前後い
ずれかの端部付近には永久磁石３を設け、閉塞し
ていない他端の開口部４の上部には上方に延出す
る係止壁５を設け、該開口部４が各入賞装置（図
示せず）から導かれる入賞球を集める集合樋６の
出口７に臨む第１状態で静止している。第１図及
び第２図で示す実施例では開口部４と反対側の端
部１′端面に支持部８を突設し、該支持部８内に
永久磁石３をいずれかの磁極（例えばＮ極）を上
にして埋設状に取付ける。集合樋６によつて集め
られた入賞球は出口７から連通する制御器１の開
口部４に入り、軸９の手前に設けた仕切壁１０に
突き当つて停止する。制御器１は入賞球の自重で
回動し、第１図中鎖線で示すように開口部４が流
下樋１２の入口１１に臨む第２状態で停止する。
このとき制御器１の係止壁５は集合樋６の出口７
を塞ぎ次の入賞球が流下するのを阻止する。そし
て制御器１内の入賞球は集合樋６の出口７の下方
に位置する入口１１から流下樋１２内へ流下す
る。流下樋１２の途中には流下する入賞球を検出
する入賞球検出スイツチ１３が設けてあり、流下
する入賞球は踏板１４を押し下げて入賞球検出ス
イツチ１３をONにする。該入賞球検出スイツチ
１３は制御器１の永久磁石３に臨むよう遊技盤裏
面に固定した電磁石１５及び賞球排出装置１６の
電磁ソレノイド１７と電気的に接続する。電磁石
１５は通電した時に励磁する鉄芯１８を有し、永
久磁石３に対向する鉄芯１８の端面１８′は制御
器１が第２状態で静止したとき永久磁石３の端面
３′に最も接近し、励磁すると永久磁石３の端面
３′の磁極（例えばＮ極）と同じ磁極を発生す
る。したがつて、電磁石１５は入賞球検出スイツ
チ１３がONになると励磁して永久磁石３に作用
し、永久磁石３の端面３′と鉄芯１８の端面１
８′とが同一磁極になる反発力を発生する。この
反発力は、第２状態で静止する制御器１の永久磁
石３を離隔する力として作用するので、軸９を中
心にして回動自在に枢着した制御器１を戻り回動
させて集合樋６に連通する第１状態に復元する。

また、入賞球検出スイツチ１３はONになると
電磁石１５を励磁するとともに賞球排出装置１６
の電磁ソレノイド１７を励磁するので、賞球排出
装置１６は一定数の賞球を排出する。賞球排出装
置１６は電磁ソレノイド１７の作動によつて一定
数の賞球を排出するものであればどのような形式
のものでもよい。例えば第３図で示す賞球排出装
置１６は球貯留タンク１９、該球貯留タンク１９
から延設した整列樋２０、該整列樋２０の出口２
０′に臨ませて設けた定数流下樋２１、該定数流
下樋２１を作動する電磁ソレノイド１７及び係止
杆２２等から成る。球貯留タンク１９内に予め貯
留した球は整列樋２０内を流下する間に整列し、
最先の球は定数流下樋２１の下流端に設けた流下
停止片２３に突き当つて停止する。したがつて、
定数流下樋２１内には常に一定数の球が整列して
停止する。そして、入賞球検出スイツチ１３から
の信号により電磁ソレノイド１７が励磁すると係
止片２２が回動し、フツク部２４が定数流下樋２
１のピン２５から外れる。係止片２２のフツク部
２４がピン２５から外れると定数流下樋２１は球
の自重で傾動し、内部の球を賞球排出樋２６へ流
下する。流下した球は賞球としてパチンコ機前面
の上部供給皿２７或いは下部受皿２８へ排出す
る。

尚、球貯留タンク１９内の球が不足すると、整
列樋２０の途中に設けた球不足検出スイツチ２８
はOFFになるので、入賞球検出スイツチ１３が
ONになつても電磁石１５及び賞球排出装置１６
の電磁ソレノイド１７は励磁しないので打止め状
態となる。

また、制御器１から垂下し、制御器１が流下樋
１２と連通して停止する第２状態のとき入賞球検
出スイツチ１３の下流側通路を塞ぐ垂杆２９は、
賞球が入賞球検出スイツチ１３を確実に作動して
制御器１が復元したときのみ上昇して該賞球を通
過させるので、入賞球検出スイツチ１３のミス検
出や遊技者の不正を未然に防止することができ
る。

なお、上記した実施例においては、制御器１、
流下樋１２、入賞球検出スイツチ１３、電磁石１
５等を遊技盤２の裏面に直接固定したが、これら
の部品を枠状の所謂裏機構盤に一体的に形成して
もよい。

以上説明したように本考案によれば、制御器か
ら流出した入賞球を入賞球検出スイツチが検出す
ることにもとづいて、制御器に設けた永久磁石と
電磁石との磁気作用によつて当該制御器を、開口
部が流下樋に臨む第２状態から開口部が集合樋の
出口に臨む第１状態に復元することができるの
で、制御器の復元動作が確実に行われて制御器の
作動不良がなくなるとともに構造が極めて簡単に
なり、従来のような複雑なリンク機構を設ける必
要がなくなる。したがつて、遊技盤の裏側が簡素
化されて他の諸機構と干渉することがなくなり、
遊技盤の裏側スペースを有効に活用することがで
きる。また、遊技盤の裏側が簡素化すると、日常
の保守点検作業を容易に行うことができる。

また、本案で使用する電磁石は、永久磁石との
電磁作用により作動するので小さな磁気力を発生
する小型なもので充分である。したがつて、消費
電力も少なくて済み経済的である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
正面図、第２図は傾動樋と電磁石の斜視図、第３
図は賞球排出装置の正面図、第４図は概略配線図
である。 １……傾動樋、２……遊技盤、３……永久磁
石、４……開口部、６……集合樋、７……出口、
１１……入口、１２……流下樋、１３……入賞球
検出スイツチ、１５……電磁石、１８……鉄芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入賞球を受け入れる開口部が集合樋の出口に臨
   む第１状態と、該集合樋から流入した入賞球の自
   重により回動して上記開口部が集合樋の下方に設
   けた流下樋の入口に臨む第２状態とに変換可能で
   あつて一端に永久磁石を設けた制御器を遊技盤の
   裏側に枢着するとともに、通電したとき上記永久
   磁石と磁気作用を発生する電磁石を永久磁石に臨
   ませた状態で遊技盤の裏側に固定し、制御器が第
   ２状態に変換したとき連通する上記流下樋の途中
   に入賞球検出スイツチを配設し、該入賞球検出ス
   イツチを上記電磁石に電気的に接続し、入賞球検
   出スイツチが第２状態に変換した制御器から流出
   した入賞球を検出したとき電磁石を励磁して、こ
   のときに発生する永久磁石との磁気作用により制
   御器を第２状態から第１状態へ復元させるように
   したことを特徴とするパチンコ機用入賞球通過制
   御装置。