JPS6142396B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、天ぷら等に使用する食用油の温度を
所定の温度に効率良く設定制御する温度制御回路
を備えた電磁調理器に関するものである。

まず、従来例を示す電磁調理器の温度制御回路
について、第１図及び第２図を参照して説明す
る。第１図は、電磁調理器の要部概略電気回路
図、第２図は、電磁調理器の要部断面概略図であ
る。

図において、１は交流電源、２は制御回路電源
用のトランス３の２次側に接続され各種制御回路
に直流電源を供給する安定化電源回路であり、４
は加熱コイル５、共振コンデンサ６及び加熱コイ
ル駆動用トランジスタ７からなるインバータ８の
電源を供給する整流平滑回路である。上記インバ
ータ８は、駆動回路９によつて上記駆動用トラン
ジスタ７を20〜30KHzの高周波でスイツチング
することにより鍋１０を載置するトツププレート
１１の下部に配設される上記加熱コイル５に高周
波電流を流し、この高周波電流によりトツププレ
ート１１に載置される鍋１０に交番磁界を発生さ
せて鍋１０を加熱することができる。１２は上記
加熱コイル５の中央部において上記トツププレー
ト１１の裏面に密接して取付けられているサーミ
スタであり、鍋１０の温度を間接的に検知するセ
ンサーとして用いている。１３は上記サーミスタ
１２に直列に接続される抵抗１４との接続点１５
を−極入力端子に、また抵抗１６，１７からなる
分圧回路の分圧点１８を＋極入力端子に接続して
なる電圧比較器であり、その出力端子１９には上
記駆動回路９が接続されるとともにベース抵抗２
０を介してNPNトランジスタ２１が接続されて
いる。２２は上記NPNトランジスタ２１のコレ
クタ側に接続される発光ダイオードであり、上記
電圧比較器１３の出力端子１９の出力信号が
Highのときに点灯し、Lowのときに消灯する。
尚、２３は上記電圧比較器１３を含む制御回路ブ
ロツク、２４は上記加熱コイルを載せる支持台で
ある。

さて、上記構成からなる電磁調理器において、
鍋１０に食用油２５を約１程度入れて加熱し例
えば天ぷら料理をする場合、まず食用油２５を約
200℃に上昇させる必要があるが、食用油２５の
温度勾配がサーミスタ１２により検出される温度
勾配より著しく小さいために、例えばサーミスタ
１２による検知温度が約230℃というかなりの高
温であつても実際の油温はまだ140℃温度にしか
上昇していないため、サーミスタ１２の温度を直
接検出してインバータ８を制御すると、天ぷら料
理に適した油温にまで十分に上昇したかどうか正
確に判断することはできなかつた。そして、油温
を天ぷら料理に必要な約200℃にまで高めるには
約30分の加熱時間を必要としていた。

本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであ
り、食用油の温度が天ぷら等の揚物に適した温度
に達したときにはじめて使用者に知らせるように
した表示部を備えたことを目的とするものであ
る。

本発明は、上述の目的を達成するためになされ
たものであり、トツププレートの底部に配置され
るサーミスタにより検出される温度が所定の設定
値以上になつたときに反転する電圧比較器と、該
電圧比較器の出力が最初に反転したときから一定
の遅延期間が経過したとき出力する遅延タイマー
と、上記遅延タイマーの遅延期間中に設定される
上記電圧比較器の第１の比較基準電圧と上記遅延
タイマーの遅延期間経過後に設定される第２の比
較基準電圧とを切換える制御手段とを備え、上記
第１の比較基基準電圧を上記第２の比較基準電圧
より高く設定することにより、油温を効率良く上
昇させるとともに天ぷら等の揚物に適した温度に
達したときに使用者に知らせ、所定の温度に保持
するようにしたことを特徴とするものである。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第３図は、本発明の実施例を示す電磁調理器の
温度制御回路図であり、第４図は、温度特性波形
を含む温度制御回路の動作波形図である。

図において、上述した従来例と同一機能を有す
る箇所には同一の符号を付して説明する。１７′
は電圧比較器１３の＋極入力端子に接続される接
続点１８に直列に接続される抵抗１７にさらに直
列に接続される抵抗であつて、これらの抵抗１
７，１７′の接続点２３には上記電圧比較器１３
の出力端子１９に接続される遅延タイマー２６に
抵抗７を介して接続されるNPNトランジスタ２
８のコレクタが接続されている。２９は上記電圧
比較器１３の出力信号を一方の入力端子に、また
上記遅延タイマー２６の出力信号を反転させた信
号を他方の入力端子に導入してなるオア回路であ
り、このオア回路２９の出力端子に上述した
NPNトランジスタ２１が抵抗２０を介して接続
されている。

次に、上記構成からなる温度制御回路図の動作
を第４図の動作波形図を参照して説明する。

図において、Ａはサーミスタ１２によつて検出
される温度特性曲線、Ｂは食用油２５の温度特性
曲線を示している。

まず、トツププレート１１に載置した鍋１０に
食用油２５を約１入れて加熱を開始すると、サ
ーミスタ１２の抵抗値が次第に下がり電圧比較器
１３の−極入力電圧が上昇するが、今、サーミス
タ１２により検出される温度ｔ_sが250℃になつた
ときに上記電圧比較器１３の出力端子１９が
HighからLowに反転するように設定しておく
と、サーミスタ１２の温度ｔ_sが250℃に達するま
では電圧比較器１３の出力端子１９はHighであ
るので駆動回路９は作動し加熱状態となり発光ダ
イオード２２は点灯を続ける。この場合、上記遅
延タイマー２６の出力はLowのままであるので
NPNトランジスタ２８はOFFしているため、上
述した電圧比較器１３の＋極入力端子に導入され
る電圧Hiは、抵抗１６と抵抗１７′，１７の直列
回路との接続点１８によつて分圧される第１の比
較基準電圧であり、上記サーミスタ１２と抵抗１
４との接続点１５における電圧と比較するように
なつている。従つて、上記第１の比較基準電圧
H₁を少し高く設定することにより食用油２５の
油温t₀も連動して高くなり、加熱開始より約５分
経過したときのサーミスタ１２により検出される
温度ｔ_sが250℃のとき油温t₀が160℃程度に上昇
している。

さて、上記サーミスタ１２による温度ｔ_sが250
℃以上になると電圧比較器１３の出力端子１９に
はLow信号が出力されるから駆動回路９がOFF
することにより加熱が停止するが、上記ｔ_sが230
℃まで低下すると上記電圧比較器１３の出力が
Highに反転するため駆動回路９がONして再び加
熱が始まる。このようにして略250℃を中心にし
て加熱動作が制御され、油温t₀も次第に上昇し、
加熱開始後約11分経過したときには油温が約210
℃に達している。この場合、上記遅延タイマー２
６は、上記電圧比較器１３の出力が最初にLowに
反転したとき（加熱開始より約５分後）より時間
Ｔ（約６分）だけ経過すると、LowからHighに
反転してNPNトランジスタ２８をONすることに
より抵抗１７と抵抗１７′との接続点２３の電圧
は略接地レベルになるため電圧比較器１３の＋極
入力端子の電圧レベルは第１の比較基準電圧H₁
から第２の比較基準電圧H₂に下がる。従つて、
上記第１の比較基準電圧H₁においては、サーミ
スタ１２により検出される温度が略240℃になる
ように制御されるのに対し、上記第２の比較基準
電圧H₂においては、略220℃になるように制御さ
れるようになり、これに応じて油温が略200℃の
一定の温度に調節され天ぷら等の揚げ物料理に適
した温度に保持することができる。そして、上記
遅延タイマー２６の遅延期間Ｔが経過するまでオ
ア回路２９を介してNPNトランジスタ２１がON
しているので発光ダイオード２２は点灯を続ける
が、上記遅延期間Ｔが経過したとき、つまり油音
が約210℃まで上昇したときにはじめて上記オア
回路２６の出力がLowとなつてNPNトランジスタ
２１がOFFし発光ダイオード２２が消灯する。

従つて、使用者は、発光ダイオード２２が点灯
している間は加熱中であり、消灯したときには天
ぷらに適した温度に達したということを確認する
ことができる。ところで、上記発光ダイオード２
２が最初に消灯した後は、油温の変化に応じて上
記電圧比較器１３の出力が変化することにより
NPNトランジスタ２１がON，OFFを繰り返しな
がら所定の温度（約200℃）になるように制御さ
れるため上記発光ダイオード２２も点灯、消灯を
繰り返すことになり加熱状態が外部からも確認す
ることができる。

以上に説明したように、本発明は、トツププレ
ートの底部に配置されるサーミスタにより検出さ
れる温度が所定の設定値以上になつたときに反転
する電圧比較器と、該電圧比較器の出力が最初に
反転したときから一定の遅延期間が経過したとき
出力する遅延タイマーと、上記遅延タイマーと、
上記遅延タイマーの遅延期間中に設定される上記
電圧比較器の第１の比較基準電圧と上記遅延タイ
マーの遅延期間経過後に設定される第２の比較基
準電圧とを切換える制御手段とを備えたから、所
定の遅延期間が終了するまで比較基準電圧を定常
状態よりも高く設定することにより、油温に短時
間に効率良く上昇させることができるとともに、
遅延期間が終了したとき、すなわち油温が天ぷら
等の揚げ物に適した200℃前後に達したならば、
比較基準電圧を定常状態に戻して油温が200℃に
保持されるように効率良く制御することができ
る。従つて、比較的温度勾配のゆるやかな食用油
の温度の立上り特性を改善することができるとと
もに所定の温度レベルに達した後は油温が高くな
り過ぎないように自動的に調節され安全面におい
ても優れた電磁調理器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例を示す電磁調理器の要部概略
電気回路図、第２図は、電磁調理器の要部断面概
略図、第３図は、本発明の実施例を示す温度制御
回路図、第４図は温度特性波形を含む温度制御回
路の動作波形図である。 ５……加熱コイル、９……駆動回路、１０……
鍋、１１……トツププレート、１２……サーミス
タ、１３……電圧比較器、２２……発光ダイオー
ド、２５……食用油、２６……遅延タイマー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トツププレートの底部に配置されるサーミス
   タにより検出される温度が所定の設定値以上にな
   つたときに反転する電圧比較器と、該電圧比較器
   の出力が最初に反転したときから一定の遅延期間
   が経過したとき出力する遅延タイマーと、上記遅
   延タイマーの遅延期間中に設定される上記電圧比
   較器の第１の比較基準電圧と上記遅延タイマーの
   遅延期間経過後に設定される第２の比較基準電圧
   とを切換える制御手段とを備えたことを特徴とす
   る電磁調理器。