JPS6139782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は面戸板に関し、詳しくは、和瓦、洋
瓦など表裏面が起伏形状をなすいわゆる厚形瓦で
葺かれる屋根の軒先端に取り付けられる面戸板に
関する。

従来、屋根に葺かれる瓦として、和瓦、洋瓦な
ど表裏面が起伏形状をなす瓦が広く用いられてい
る。

この種瓦は、屋根野地面上に葺き並べた場合、
上記表裏面の起伏形状により棟より軒先方向に連
続する空洞空間が出来、これが軒先部で開口する
状態となる。

この開口部は、一般に、そのまゝにしておく
と、風雨が直接吹き込み、雨漏れの原因となつた
り、あるいは強風雨下にあつては、上記空洞に吹
き込む風圧に起因して瓦が吹き飛ばされることが
あるため、通常閉じておくことが行われる。

しかしながら従来、この空洞部の閉鎖は、モル
タル、あるいはしつくいを充填して閉鎖すること
が行なわれていたため、手間が非常に掛り、ま
た、屋根面における瓦から、何らかの原因で水漏
れが生じると、軒先方向へ流下した雨水が、上記
モルタル、あるいはしつくいの閉鎖部分でせき止
められて外に流下することが出来なくなるため、
雨漏りの原因となるといつた欠点があつた。

この考案は上記欠点に鑑み、施工が容易であ
り、かつ、排水性も非常に良い面戸板を提供する
ことを目的としてなされたものであつて、表裏面
が起伏形状をなす瓦の裏面における起伏面に嵌合
する閉鎖板が、屋根野地面の軒先端に沿つて配置
される帯状基板の長手方向に延びる端縁に複数個
立設され、かつ、前記基板の前記閉鎖板間帯域に
は前記屋根野地面との間に水抜き用小空間を形成
する折曲突条が形成されて成ることを特徴とする
ものである。

以下、この考案を実施例により説明する。

第１図はこの考案の実施例の斜視図、第２図は
実施例の使用状態を示す斜視図、第３図は第２図
における−線断面図である。

この考案の面戸板Ａは、第２図に示すように表
裏面が起伏形状をなす瓦Ｂの裏面B′における起伏
面B₁（第３図）に嵌合し起伏面B₁と平坦面Ｃ
（第３図）との間に形成される空洞空間Ｄ（第３
図）を閉じる閉鎖板１が屋根野地面２の軒先端３
に沿つて配置される帯状基板４の長手方向に延び
る端縁４′に複数個、厚形瓦Ｂの起込ピツチに一
致させて立設され、かつ、前記基板４の閉鎖板１
間の帯域には、屋根野地面２との間に水抜き用小
空間を形成する折曲突条５が形成されて構成され
ている。

上記実施例として、折曲突条５を波形に形成し
たものを示したが、第４図に示すように、閉鎖板
１間全体にわたつて一様高さに折曲突条５′を形
成しても良い。なお、図中６は基板４を野地面上
に釘打ち固定する場合の釘孔である。

そして、この考案の面戸板を使用する場合、第
３図に示すように軒先端３に、広小舞７を固定し
た後、ルーフイングシール８を敷設し、次いで、
その上に面戸板Ａを、屋根上に葺き並べられる瓦
の配列ピツチに一致するように配置して、固定
し、軒先側より瓦を葺き並べていくのである。

従つて、瓦Ｂの裏面における空洞空間の端部は
閉鎖板１により塞がれ、従つて風雨の吹き込みな
どが完全に防止され、また、屋根野地面上を流下
してくる雨水があつても水抜き用突条５より軒先
下方へと流下されてしまうのである。

この考案は以上のように構成されているので、
屋根葺き作業と同時に、面戸板の施工が行なえる
ので、作業が非常に簡略化されると共に、屋根面
に沿つて流下してくる雨水も面戸板でせき止めら
れることなく軒先下方へ流下されるので、ルーフ
イングシートが破断しない限り雨漏りも生じるこ
とがなく、防水性も向上するなどの利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の斜視図、第２図は
この考案の実施例の使用状態を示す斜視図、第３
図は第２図の−線断面図、第４図は他の実施
例の正面図である。 Ａ……面戸板、Ｂ……瓦、B′……瓦裏面、B₁
……起伏面、Ｃ……平坦面、Ｄ……空洞空間、１
……閉鎖板、２……屋根野地面、３……軒先端、
４……帯状基板、４′……長手方向に延びる端
縁、５……折曲突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表裏面に起伏形状をなす瓦の裏面における起伏
   面に嵌合する閉鎖板が、屋根野地面の軒先端に沿
   つて配置される帯状基板の長手方向に延びる端縁
   に複数個立設され、かつ、前記基板の前記閉鎖板
   間帯域には前記屋根野地面との間に水抜き用小空
   間を形成する折曲突条が形成されて成ることを特
   徴とする面戸板。