JPS6138339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は曲線路柱上での延線に際しても電線をロ
ーラー内に収容したまま弛度調整が可能で、また
電線を高圧ピン碍子に取り付けるに当たり、電線
をローラーから取り外すことなく高圧ピン碍子の
溝に支持することの出来る延線用ローラーに関す
るものである。

従来、この種延線ローラーは腕金に締め付ける
ための下部フレームがローラーフレームの中央下
部に固定させているため、腕金の先端部に該延線
ローラーを取り付ける場合、ローラーフレームが
高圧ピン碍子に当接するため取り付けることがで
きず、各碍子の内側に該延線ローラーを取り付け
延線を行つている。またローラーフレームが下部
フレームに固定されているため、弛度調整は延線
終了後に延線ローラーより電線を取り出し、高圧
ピン碍子の溝に手動で添わせてから、巻き取り側
より電線を巻き取り、弛度調整を行つているが、
特に曲線路に於ける架線の場合、延線終了後の架
設した電線の重量及び張力に抗して延線ローラー
から外側の高圧ピン碍子の溝にまで該電線を引つ
張り移設するのに多大の労力を必要とし、一人で
該作業を遂行することは困難で、しかも作業者が
弛度調節の都度、各電柱に昇柱して高圧ピン碍子
の溝よりの電線の抜脱等を防止する必要があり、
多数の作業者を要し、電柱への昇降回数が多くな
る等の作業能率が悪く、作業に危険性を伴うとい
つた大なる欠点を存した次第である。

尚、実開昭49−115689号のようなものも開示さ
れるところであるが、延線ローラーとしても単一
なものであり、該ローラーをシヤフトより着脱す
るに関し、特殊考案を施したものに過ぎず、曲線
路における延線ローラーより高圧ピン碍子への電
線の移設をしたり、又は延線ローラー内での弛調
整等に関する良好な効果を存するものでない。

しかるに本案に於いては、腕金に締め付け固定
する下部フレームの中央部にローラーフレームを
付設せず、第２図に示すように一側方に片寄せて
且つ腕金と平行方向にスライド可能に付設したか
ら、第１図に示すように腕金の先端部に下部フレ
ームを取り付けても、ローラーフレームが高圧ピ
ン碍子に当接することがなく、曲線路に於いても
各碍子の外側に付設可能である。またこの際、各
碍子の外側よりローラーフレームをスライドせし
めることにより架設した電線の重量及び張力に抗
して延線ローラーより電線を取り外すことなく、
作業者が一人でも直接高圧ピン碍子の溝に支持で
きるものである。以上のように曲線路での弛度調
整に当たつても、延線ローラー内で弛度調整が可
能となり、高圧ピン碍子の溝より電線が抜脱等す
ることがないから、弛度調整の都度、作業者が中
間の各電柱に夫々昇柱する必要がなく、弛度調整
をする始端と末端との電柱に各一名の作業者が昇
柱するのみでよく、電柱への昇降人員を大巾に減
少し、省力化、作業能率の向上及び作業の安全化
がはかれるものである。

今、ここに本案実施の一例を示した添付図面に
ついて詳説する。

１はローラーフレームで、下部に二本の水平ロ
ーラー２，２を回動自在に付設し、該水平ローラ
ー２，２間に１組の垂直ローラー３，３を回動自
在に付設し、該垂直ローラー３，３の上部側面に
一端をボルト４で軸支し、他端をローラー軸５先
端に刻設した雄ねじ６と締め付けナツト７で着脱
自在に装置した電線挿抜用開口部を構成する水平
ローラー８を回動自在に付設し、各ローラー２，
２，３，３，８を井桁上に組み合わせたものであ
る。９は該ローラーフレーム１の下面に固定した
スライド板で、ローラーフレーム１の下面より僅
かに巾広に成形し、一端に垂下部１０を一体的に
成形したものである。１１は下面より締め付けボ
ルト１２を締め付けることにより腕金１３に固定
する公知の下部フレームで、第２図に示すように
腕金挿抜用開口部１４の他端を側方へ突出したも
のである。１６は下部フレーム１１の該突出部１
５上面に固定した前記スライド板９嵌入溝で、該
スライド板９をその内部にスライドせしめ得るも
のである。１７はスライド板９の垂下部１０に基
部を回動自在に固定したスライド用ボルトで、先
端部を前記下部フレーム１１の突出部１５に穿設
したねじ孔１８に螺入したものである。１９はス
ライド用ボルト１７の基端部に貫設した該スライ
ド用ボルト１７の回転用ハンドルである。２０は
高圧ピン碍子で、２１は電線である。

本案は以上のような構成で、これを腕金に取付
けるに当たつては、ローラーフレーム１が線出し
側（電線を繰り出す側）にくるよう下部フレーム
１１を第１図に示すように曲線路の各碍子２０の
外側に腕金挿抜用開口部１４より腕金１３に挿入
し、下面より締め付けボルト１２を締め付けるも
のである。次にローラーフレーム１のスライド巾
を確認して、回転用ハンドル１９を回し、スライ
ド用ボルト１７を回転せしめ、ローラーフレーム
１を固定したスライド板９をスライドせしめ、該
ローラーフレーム１を延線に適した位置に移動す
るものである。更に電線をローラーフレーム１の
各ローラー２，２，３，３，８の間を通し延線を
行う。次に弛度調整に当たり、先ず電線の線出し
側始端を固定し、ローラーフレーム１をスライド
せしめ電線を高圧ピン碍子２０の溝に移し、電線
の巻き取り側末端より電線を引つ張り弛度調整を
行い該末端を固定した弛度を調整する。その後に
各ローラーフレーム１の水平ローラー８を締め付
けナツト７を弛めて該水平ローラー８を軸支した
ボルト４の回りに回転し、電線挿抜用開口部を開
放し、或いはそのままで各碍子２０に電線をバイ
ンド線等で固定して弛度調整を完了するものであ
る。然る後に締め付けボルト１２を弛め、腕金挿
抜用開口部１４を開放して下部フレーム１１を腕
金１３より、またローラーフレーム１の前記電線
挿抜用開口部より電線を抜出し、延線ローラーを
撤収するものである。

以上のように曲線路に於ける延線ローラーより
高圧ピン碍子２０への電線の移設が一人の作業者
で遂行でき、また延線ローラー内で弛度調整がで
きるから、曲線路に於ける弛度調整の都度各電柱
に作業者が昇柱することなく、弛度調整を行う始
端と末端の電柱に作業者が昇柱するのみで弛度調
整が完了し、電柱に作業者が昇降する回数も大巾
に減少し、架線工事に於ける柱上作業の労力の省
力化と作業能率の向上及び安全化に果たす効果に
は顕著なものがある。また各ローラー２，２，
３，３，８を井桁状に組み立てたので、どんな曲
線路の場合でも電線が各ローラー間に喰い込むこ
となく電線に損傷を与えることがないものであ
る。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本案実施の一例を示すもので、第１
図は腕金に装置時の斜視図、第２図は同右側面
図、第３図は背面図である。 １……ローラーフレーム、２……水平ローラ
ー、３……垂直ローラー、４……ボルト、５……
ローラー軸、６……雄ねじ、７……締め付けナツ
ト、８……水平ローラー、９……スライド板、１
０……垂下部、１１……下部フレーム、１２……
締め付けボルト、１３……腕金、１４……腕金挿
抜用開口部、１５……突出部、１６……スライド
板嵌入溝、１７……スライド用ボルト、１８……
ねじ孔、１９……回転用ハンドル、２０……高圧
ピン碍子、２１……電線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平状並びに垂直状の両種のローラー２，３，
   ８をもつて井桁状に組み立てて、ローラーフレー
   ム１を成形し、腕金１３を嵌入固定するようにし
   た下部フレーム１１を設け、下部フレーム１１の
   一側方に片寄せて突出部１５を突設し、該突出部
   １５の上面に腕金１３と平行方向にスライド板嵌
   入溝１６を穿設し、前記ローラーフレーム１の下
   端に設けたスライド板９を該スライド板嵌入溝に
   調整固定可能に嵌挿したことを特徴とする延線用
   ローラー。