JPS6137916Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、セパレート形空気調和機の室外ユニ
ツトを団地などのベランダ天井面に吊持する取付
け装置の改良に関するもので取付けの制約条件を
少なくして取付け範囲の拡大と美感の向上をはか
ることを目的の一つとするものである。

一般に、団地などにセパレート形空気調和機を
取付ける際、その室外ユニツトは、団地のベラン
ダ天井面に既設の埋込ボルトに取付け装置を吊持
し、その取付け装置に設置するのが普通である。

従来の取付け装置は、第４図に示すように空気
調和機を設置する連結桟ａ，ａと、連結桟ａ，ａ
と直交して連結桟ａ，ａを保持する吊枠ｂ，ｂ
と、各々の吊枠ｂ，ｂを連結補強する補強桟ｃ，
ｃを備え、吊枠ｂ，ｂ相互は、連結桟ａ，ａ両端
の保持片１ａ…による挾持および補強桟ｃ，ｃと
補強具１ｃ…の支持により、所定間隔を保持すべ
く固定されていた。また吊枠ｂ，ｂの端部には固
定片１ｂ…が設けられ、その固定片１ｂ…の長穴
２ｂ…をベランダ天井面の埋込ボルトに係止させ
て取付け装置を天井面に吊持させる構造となつて
いた。

このような構造では、前述のように吊枠ｂ，ｂ
相互は決められた間隔に固定されており、つまり
吊枠ｂ，ｂ端部の固定片１ｂ…の位置は固定され
た構造であり、所定ピツチ寸法の、あるいは所定
ピツチ寸法の取付け誤差の範囲に設けられた埋込
ボルトには、適用可能であるが、所定ピツチ寸法
以外の埋込ボルトに対しては適用できず、現場の
埋込ボルトに応じた取付け装置の製作が必要であ
り、きわめて汎用性の低いものであつた。

また、最近の空気調和機の室外ユニツトは、薄
形化されているにもかかわらず、吊枠の粋法は、
埋込ボルトのピツチ寸法に規制され大きな外形が
必要であり、つまり室外ユニツトが薄型化されて
いるにもかかわらず、取付け装置の外形占有空間
は、従来の空気ユニツトと変わらず広く必要であ
り、薄形室外ユニツトの特徴を消滅させるばかり
か、きわめて美観のよくないものとなつていた。

本考案は、このような欠点を解消し、取付けを
自在にして、埋込ボルトピツチ寸法の取付け可能
範囲を拡大するとともに、より外形占有容積の少
ない、空気調和機に合致した美観のよい取付け装
置を提供しようとするものである。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面の
第１図〜第３図を参考に説明する。

同図において、１はたとえば団地などのベラン
ダ天井面で、この天井面１には、複数個の埋込ボ
ルト２…が既設されている。

この埋込ボルト２…には、固定板３，３が固定
用ナツト４……で締付固定されている。固定板
３，３には、吊枠５，５が固定ボルト６…で固定
されている。吊枠５，５の内側には、連結桟７，
７が連結具８…、固定ボルト９で固定されてい
る。前記連結桟７，７には、セパレート形空気調
和機の室外ユニツト１０が設置される。この室外
ユニツト１０は、圧縮機や凝縮器（いずれも図示
せず）などが内蔵し、室外ユニツトと配管パイプ
（いずれも図示せず）で連結され冷凍サイクルを
構成する周知のものである。

ここで、前記固定板３，３は、強度を保つべく
断面コ字状に形成された金属の長尺物で、その平
面部には、複数個の長尺方向長穴１１…が、また
立ち上がり部には複数個の穴１２…が設けられ、
この長穴１１…のいずれかが、ベランダ天井面１
の埋込ボルト２…に嵌合され、固定用ナツト４に
より固定板３，３の固定が行われる。前記吊枠
５，５は、強度を保つべく断面コ字状に形成され
た金属性製のもので、長尺方向にＵ字状に屈曲
し、その両端立上り面には、穴１３と穴１３に係
合されたナツト１４…が溶接等により設けられ、
そしてＵ字状底面部５ａには、穴１５…が設けら
れている。前記穴１３…とナツト１４…は固定板
は３，３の穴１２…に係合され、固定ボルト６…
で固定されて吊枠５，５と固定板３，３の結合を
行う。

連結桟７，７は、補強と抜け止めを行うべく断
面略Ｃ字状に形成された金属の長尺物で、穴１６
…を有し、この穴１６…に室外ユニツト１０の脚
部を合致させ、ボルト、ナツトで室外ユニツト１
０を固定する。

前記連結桟７，７と吊枠５，５は、連結具８と
固定ボルト９にて第３図に示す如く固定される。

すなわち、連結具８…は、強度を保つべく断面
ひ字状に形成された金属からなり、その中央部に
穴１７と、この穴１７に係合する位置にナツト１
８を有し、その両端部１９，１９が連結桟７，７
の圧接端２０，２０に接触している。そして固定
ボルト９…をねじ込むことにより、連結具８…の
両端部１９，１９が連結桟７，７の圧接端２０，
２０を圧着して吊枠５，５と連結桟７，７は圧着
固定される。

このように構成された取付け装置をベランダ天
井面１に取付けるには、まず固定板３，３の長穴
１１…をベランダ天井面１の埋込ボルト２…に係
合させ、ナツト４を締付けて固定板３，３をベラ
ンダ天井面１に固定する。そして固定板３，３の
穴１２…に吊枠５，５の穴１３…とナツト１４…
を合致させ、固定ボルト６…で固定板３，３に吊
枠５，５を固定する。。

次に、連結桟７，７を吊枠５，５の内側の穴１
５部分に並列に配置し、連結具８…を連結桟７，
７の内側に挿入して連結桟７，７の圧接端２０，
２０を連結具８…の両端部１９，１９で圧着する
ように固定ボルト９…を締付け、連結桟７，７と
吊枠５，５を自由な位置で固定する。

このようにして取付けた装置をベランダ天井面
１に取付けることにより、室外ユニツト１０の据
付けが可能となる。すなわち、埋込ボルト２のピ
ツチ寸法が前後方向（図中矢印Ａ方向）に異なつ
ている場合は、固定板３の長穴１１において取付
けが可能となり、左右方向（図中矢印Ｂ方向）に
異なつている場合は、連結桟７と吊枠５との自在
性により取付が可能となる。また吊枠の寸法は、
埋込ボルト２のピツチ寸法に関係なく、空気調和
機の室外ユニツト１０に密接した寸法とすること
ができ、室外ユニツト１０の薄形の特徴を減少す
ることなく、占有空間の少ない美観のよいものと
なる。

上記実施例より明らかなように、本考案におけ
る空気調和機の天井面取付け装置は、空気調和機
の空気ユニツトを設置する断面略Ｃ字状で圧接端
を有する連結桟と、この連結桟を保持するＵ字状
に屈曲した吊枠、およびこの吊枠のＵ字状上端に
連結結合された固定板とより構成したもので、固
定板に複数個の長穴を設け、また連結桟を吊枠に
対して左右任意位置で固定できるようにしている
ため、ベランダ天井面に埋設された埋込ボルトの
任意のピツチ寸法に対して自在の取付けが可能と
なり、制約条件の少ない取付装置が得られる。つ
まり固定板に複数の長穴が設けられているから固
定板の長尺方向での埋込ボルトのピツチ寸法違い
に対応可能となり、また連結棧に圧接端を形成し
その内側に断面Ｕ字状で両端部を有した連結具を
介在させてその両端部により圧接端を圧着固定し
ているから連結棧と吊枠は、自由な位置で固定す
ることができ連結棧長手方向での埋込ボルトのピ
ツチ寸法違いに対応可能となる。また吊枠の構造
は埋込ボルトのピツチ寸法に関係なく、空気調和
機の室外ユニツトに密接した寸法とすることがで
き、空気ユニツトの薄形の特徴と減少することな
く、占有空間の少ない美観のよい取付け装置とす
ることができる等、種々の利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における空気調和機
の天井面取付け装置の設置状態を示す外観斜視
図、第２図は同取付け装置の一部分解斜視図、第
３図は第２図におけるＣ部の要部縦断面図、第４
図は従来例を示す取付け装置の斜視図である。 １……ベランダ天井面、２……埋込ボルト、３
……固定板、５……吊枠、７……連結桟、８……
連結具、１０……室外ユニツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気調和機の室外ユニツトを設置する断面略Ｃ
   字状で圧接端を有する連結棧と、この連結棧と直
   交して連結棧を保持するＵ字状に屈曲した吊枠
   と、各々の吊枠のＵ字状上端に連結結合され、ベ
   ランダ天井面などに固定される固定板とを備え、
   前記固定板に複数個の長穴を設け、さらに前記連
   結棧と吊枠を、断面Ｕ字状で両端部を有した連結
   具を介して長手方向へ移動可能に固定した空気調
   和機の天井面取付け装置。